マクロスΔ オペレーション・スィートプリズナー 作:夜叉五郎
惑星ウィンダミア ハヤテ邸
前回のミラージュのABVソフトによる衝撃から二週間。
ハヤテ・インメルマンの脳裏からは、あの戦友の変わり果てた(しかしあまりにも魅惑的だった)姿と、圧倒的な五感のフィードバックが離れずにいた。
かつてウィンダミア戦役のおり、ハヤテはミラージュから真っ直ぐな好意を向けられていた。
当時はフレイアを選び、三人で紡いだ三角関係に一つの決着をつけた過去がある。
自分の選択に悔いはなかったはずだった。
しかし、前回のデバイスを通じて体感したミラージュの秘められた熱情と、女としての圧倒的な魅力に触れてしまったことで、ハヤテの心に眠っていた彼女への想いが一気に沸き立ってしまっていた。
今や、ふとした瞬間にミラージュのことが頭から離れなくなっている。
(だけど、今更ミラージュが好きだなんて、口が裂けても言えるわけねえだろ……。フレイアを悲しませちまう。それにあいつにはもう、オリッシュっていう絶対的な相手がいるんだし……)
届かない現実へのもどかしさと、抑えきれない独占欲。
そんなミラージュへの執着をなんとかして忘れるために、ハヤテはあえて「違う女のABV」をプレイしてみようと思い立った。別の誰かの感覚で脳を上書きすれば、このモヤモヤも薄れるかもしれないと考えたのだ。
シルバーリングを装着してサイバーゴーグルを装着。
そして股間にオーオク社製の電動オナホールをセットする。
ハヤテが装着したオナホールは......
CPモデル
→MGモデル
RPモデル
MNモデル
KBモデル
前回の選択したクレアのソフトは、またミラージュに繋がっている可能性を考えると恐くて選べない。
そこでハヤテが目をつけたのは、ワルキューレのエースである美雲・ギンヌメールだった。
ウィンダミア戦役のおり、ハヤテは美雲と二人きりで語り合ったことがあった。
クローン体で人生経験の少ない美雲に、そういうことの相手をさせるのは倫理的に問題があるとはハヤテも分かっていた。
だが、そんな美雲をワクチンABV嬢に仕立て上げたのは、オーオク社とその社長のオリッシュ・ハメルマンなのだ。
今の美雲が実際どんな状況なのか、どう変わってしまったのかをハヤテは知りたかった。
それと勿論、あのどこまでも超然としていて、人間離れしたカリスマを持つ美雲がベッドの上で一体どんな表情を見せ、どんな啼き声を上げるのか――。
男として、純粋にそこに興味が無いと言ったら嘘になる。
そんな戸惑いと葛藤を抱えながら、ハヤテは彼女をモデルとしたオーオク社製の最新鋭電動オナホールを注文してしまっていた。
シルバーリングを全身に装着し、サイバーゴーグルを被る。
そして今回は「MGモデル(美雲・ギンヌメールモデル)」を股間にセットするハヤテ。
思い返せば一ヶ月前。
この美雲の『MGモデル』の発売と、彼女のワクチンABV嬢デビューが電撃的に発表された時の騒ぎは凄まじいものだった。
かつてのカナメの婚約会見&ワクチンABVソフト発表時と同等の、いや銀河のエースボーカルという立場を考えればそれ以上の衝撃が全銀河の全星系へと瞬時に走り、世界中のネットワークが一時麻痺するほどの大騒動となったのだ。
同時に、市場はその爆発的な需要を確信し、販売元であるオーオク社の株価は天井知らずの急騰を記録した。
その美雲モデルのオナホールをセットし、サイバーゴーグルからABVのシステムを起動する。
各部のシルバーリングが脈動し、ハヤテの身体は再び極薄のフォールドバリアに包み込まれた。
感度レベル中を選択し、五つのパッケージの中から「美雲・ギンヌメール」を選択。
美雲が神秘的な微笑みを浮かべるパッケージが開き、ハヤテの意識は瞬く間に光の奔流へと吸い込まれていった。
気がつくと、ハヤテは星々が煌めくプロトカルチャーの神殿を模した、幻想的な特大ベッドの上に横たわっていた。
静寂の中、空間の奥からゆっくりと歩み寄ってくる人影があった。
神秘的な濃淡の紫色の髪をなびかせ、圧倒的なオーラを放つ女性――ワルキューレのエースボーカル、美雲・ギンヌメールであった。
彼女が纏っているのは、プロトカルチャーの叡智と歌姫のカリスマを体現したかのような至高のステージ衣装「シュトラール」。
深い紫色と漆黒が織りなすボディスーツは、彼女の完璧なプロポーションを強調し、その表面には、古代の遺跡に刻まれた文字を思わせる、怪しく発光する幾何学的なラインが走っている。
胸元や腰回りには、複雑で硬質な装飾が施され、大胆に露出した肌とのコントラストが、彼女の神秘性を際立たせている。
アシンメトリーなデザインと、光沢のある素材感が、銀河の歌姫に相応しい、圧倒的な存在感を放っていた。
美雲はハヤテの目の前まで歩み寄ると、妖艶に微笑んで声をかけた。
「あら、あなたが私を選ぶなんて、意外……でもないのかしら?」
(美雲……やっぱり、こいつは格が違う……)
その圧倒的なオーラに、ハヤテは思わず生唾を呑む。
しかし、美雲はハヤテの様子を見て、くすりと笑った。
「あなたも所詮はただの男の子、ですものね。ふふっ。でも残念。今回もハヤテ、あなたの相手はあの娘よ」
彼女はステージの主役を譲るように一歩退き、空間の奥へと視線を送る。
「……歌は神秘。そして性愛もまた、神秘。彼女の真なる歌声を、その身で感じなさい」
そう言い残し、美雲は静かにその場を去っていった。
代わって現れたのは、やはり、ハヤテにとって最も見慣れた戦友であり、同時に今最も頭を悩ませている存在――ミラージュ・ファリーナ・ジーナスだった。
しかも、その姿を見たハヤテは驚きのあまり息を呑んだ。
なんとミラージュは、美雲が纏っていたのと同じ、あの妖艶で神秘的な「シュトラール」を身に纏っていたのだ。
ミラージュはカメラの向こうの主(オリッシュ)を見つめながら、少し眉をひそめて複雑そうな表情を浮かべる。
「また来たのですね……」
と、少し苦渋の混じった声を漏らし、露出度の高い衣装を隠すように腕で胸元を庇いながら、ぽっと頬を林檎のように染めた。
「……あまり見ないで下さい」
恥じらい、そしてどこか期待するような表情を浮かべるミラージュに対し、オリッシュから「よく似合ってるよ、本物の歌姫みたいだ」と惜しみない賞賛の言葉がかけられる。
その意見には、ABVのシステムを通してオリッシュの主観視点で見つめることしか出来ないハヤテも、完全に同意せざるを得なかった。
(おいおいおい……ミラージュの奴、なんて格好してやがるんだ……! でも、確かにめちゃくちゃ似合ってて、ヤバいエロさだ……)
かつて、フレイアと酔っ払ったカナメがノリでミラージュに「シュトラール」を着せ、それをレイナが隠し撮りした写真を、ハヤテも密かに見せてもらったことがあった。
その時の記憶と比較しても、今の彼女は明らかにエロくなっている。
写真に残ってるような恥じらいはなくなり、見られる覚悟、男に媚びを売ることへの抵抗感の喪失が感じられた。
何よりも、乳周りの増強具合が桁違いで、確実に衣装を着こなしていたのである。
オリッシュに処女を捧げ、その濃ゆい精、強烈な男性ホルモンを初めて浴びたことで、ミラージュの女性ホルモンは劇的に活発化したいた。
そして彼女の体は、着用し続けている重力制御ブラと相性が良過ぎた。
重力制御ブラの副作用が女性ホルモンの活性化をバスト周りに限定、集中させてしまったことで、結果ミラージュの乳は、前回のDカップから急激にツーサイズアップし、「Fカップ」へと見事な実りを見せていた。
重力制御ブラによって整えられたFカップの豊満な胸元は、複雑な胸部装飾を押し退けるようにして、かつてない存在感を放っている。
今や本物の美雲と比べても遜色のない、豊かでしなやかなボリュームを誇っていた。
オリッシュからの心からの賞賛の言葉を受け、ミラージュは少し照れくさそうにしながらも、どこか嬉しそうな光を瞳に宿した。
「ふふ、いいでしょう。そこまで褒めてもらえるのなら……今の私の技量をお見せしましょう」
慰安対象からの言葉に気をよくしたのか、途端にやる気と自信に満ちた表情を浮かべたミラージュは、ゆっくりとベッドサイドへ膝をついた。
彼女が試みるのは、なんと美雲直伝のオーラルなテクニックだった。
ワルキューレのエースから直々に教わったという、息の遣い方や唇の動かし方、そして深い情愛を込めた愛撫の技術。
ミラージュはオリッシュの身体へとしなやかに寄り添い、優しく、かつ熟練した動きでそのすべてを捧げ始めた。
(う、うわあああっ……!? なんだよこれ……っ!!)
ハヤテの脳内に、オリッシュの身体を通じて凄まじいフィードバックが流れ込んでくる。
ミラージュの唇の驚くべき柔らかさ、吐息の熱さ、そして美雲譲りの官能的で、計算され尽くしたかのような極上の舌使いと、喉奥での締め付け。
それらが本物以上の現実感を持ってハヤテの五感を翻弄していく。
(ミラージュ……お前、いつの間にこんな凄いテクニックを……っ! 唇の吸い付きも、舌の柔らかさも、全部が心地よすぎて頭がどうにかなりそうだ……!)
奥手だったはずのミラージュが、オリッシュを喜ばせるために懸命に、そしてどこか楽しげに技を尽くしてくる。
そのひたむきで色香に満ちた姿と、脳髄を直接刺激するような極上の快感に、ハヤテの理性を保つ防壁は一瞬で決壊した。
ただただその情熱的な愛撫と、異次元の心地よさに圧倒されるばかりで、ハヤテは何度も魂を揺さぶられ、涎を垂らしてしまうほど翻弄されていく。
ついに、ハヤテは限界の壁を完全に突き破った。
「くっ……、ミラージュ、ーーッ!!」
届かぬ名前を叫びながら、ハヤテは激しく腰を突き出した。
その瞬間、オリッシュは彼女の美しく整った顔に向けて熱い奔流を解き放ち、最初となる絶頂を迎えた。
シュトラール衣装を纏った彼女の白い頬や唇が甘く白く汚されていく。
ハヤテの股間のMGモデルからは自動吸引機能が完璧に作動し、精液はクリーンに回収されていくが、バーチャル空間のミラージュは、顔にかかった熱い雫を指先でそっと拭い、それを舌先で舐めとるような妖艶な仕草を見せるのだった。
一度目の射精が終わる。
だが、画面は暗転しない。
ワクチンABVソフトのプログラムはまだ続く。
今回もまたプレイヤーの健康を守るためのリミッターは解除されていた。
(おい、まだ終わらねえのかよ……っ!)
激しい射精の直後の押し寄せる賢者タイムの気怠さに身を委ねていたオリッシュに対して、ミラージュはなおも愛おしげに寄り添い、事後の幸福な余韻に浸るような、丁寧なお掃除の口づけを繰り出してきた。
ABVシステムのフォールドバリアが、ミラージュの丁寧な舌捌きを精緻に再現し、ハヤテの肉体を優しく、しかし確実に再起動させていく。
美雲直伝の息遣いと、喉の奥まで使った深い愛撫が再びハヤテの理性を奪い、休む間もなく二度目の高まりへと引き上げられていく。
「んむ……っ、オリッシュさん……もっと、味わわせてください……っ」
ミラージュがしっかりと口を吸い付かせたまま、蘇ったオリッシュの熱いピストンを受け止め、ハヤテは容易く二発目の限界を突破した。
「うううっ……ミラージュ……っ!!」
ミラージュの潤った口内、その喉の最奥へと、二度目の熱い奔流がドクドクと勢いよく注ぎ込まれていく。
ミラージュは目を瞑り、口内に満たされるオリッシュのすべてを、コクりと艶っぽく喉へと嚥下してみせたのだった。
二発目の口内での解放を終え、ようやくミラージュがオリッシュの股間から頭を離すと、彼女はゆっくりとベッドの上で四つん這いになり、豊かなお尻をこちらへと向けた。
シュトラールの衣装の隙間から覗くFカップの双乳が、激しい動きを予感させて揺れる。
ここからが、このソフトの真の本番、三発目へのカウントダウンだった。
再びオリッシュの強靭な動きが始まり、シュトラール衣装を着たままのミラージュと深く愛し合う第三ラウンドへと突入する。その瞬間、ハヤテの耳に届いたのは、かつてないほどに艶やかなミラージュの女としての「声」だった。
もともとハヤテは、軍人らしく凛とした、ミラージュの落ち着いた声が好きだった。
どこか安心感をくれる、真面目であたたかい声。
だが、今の彼女から漏れる声は、全くの別物へと進化を遂げていた。
銀河トップのボーカリストであり、声帯のすべてをコントロールする美雲・ギンヌメールの直々の指導――閨房における完璧な発声法と息遣いのレッスン――により、ミラージュの声は男に媚びるための武器として、劇的な進化を見せていたのだ。
「あ、はぁ……っ、オリッシュさん……。ふふ、もう復活されたのですか? さすがは私の、慰安対象……♡」
(な、なんだよその声……っ! ミラージュ、お前そんな声が出せるのかよ……!?)
ハヤテは脳髄を直接掴まれたような衝撃に襲われた。
美雲直伝のブレスコントロールがもたらす、鼻にかかった甘いハスキーボイス。
生真面目だった彼女の面影を残しつつも、男の鉄腸をドロドロに蕩けさせるような、淫靡で絶対的な包容力を秘めた音響。
それがオリッシュの聴覚、そしてABVを通じてハヤテの脳へとダイレクトに響き渡る。
「私のこの声……美雲さんにたくさん、しごかれたのですよ? あなたを世界で一番、心地よくイかせるための……特別な啼き声です……。ほら、もっと激しく、私を突き動かしてください……っ!」
まさに娼婦の如く、完璧にコントロールされた色香を帯びた甘え声でオリッシュを、そしてハヤテを真っ正面から煽ってくるミラージュ。
シュトラール衣装の幾何学的なラインが彼女の腰使いに合わせて怪しく光を放ち、Fカップの果実が果敢に揺れる。
美雲直伝の啼き声で煽られるたびに、オリッシュのピストンは速度を増し、ハヤテのオナホールからも、ミラージュの最奥が声のトーンと同調してキュウキュウと締め付けてくる異次元の快圧がフィードバックされた。
(くそっ、この声は反則だろ……! 脳みそが完全に溶かされちまう……っ! ミラージュの声が、お前の中の熱さが、俺を離してくれねえ……!!)
生真面目な戦友が、完璧な歌姫の技術をもって愛欲のメロディを奏でている。
その声と、シュトラール衣装越しに伝わる極上の肉体の躍動に翻弄され、ハヤテは三度目の限界を容易く迎えさせられた。
「あ、ああんっ! きます、オリッシュさん……っ! あなたのすべてを、私の中に、出して、くださいぃぃ……ッ!!」
ミラージュが蕩けるような絶頂の声で叫び、その魂の叫びとともに彼女の肉壁が最高の収縮を見せた瞬間、ハヤテもまた我を忘れて叫んでいた。
「出るっ、中に出すぞ.......っ、ミラ、ージューーーッ!!」
三発目の最も熱い奔流がオナホールの最奥へと解き放たれ、ハヤテの意識は今度こそ真っ白な快感の彼方へと消し飛ばされたのだった。
そこでABVソフトは、今度こそプツリと暗転した。
『プログラムを終了します。お疲れ様でした』
直前まで喘ぎ乱れていたミラージュの、冷淡なシステムアナウンスだけが静まり返った部屋に響く。
ハヤテがサイバーゴーグルとシルバーリングを外すと、そこは静まり返ったウィンダミアの自室だった。
隣の部屋からは、ちびフレイアのすやすやとした規則正しい寝息が聞こえてくる。
「……はぁ、はぁ、はぁ……」
MGモデルの先端から取り出した使用済みコンドームを処理し終えたハヤテは、寝汗で湿ったシーツの上に大の字にひっくり返った。
圧倒的な満足感の後に押し寄せる、猛烈な虚無感。
ミラージュを忘れるために美雲を選んだはずが、結局はさらに深く彼女の魅力の沼に沈み込んでしまった自分自身に、苦い笑いがこぼれた。
「ははっ……最低だな、俺……」
シュトラールを纏い、美雲譲りの甘い声で喘いでいたミラージュの姿が、瞼の裏に焼き付いて離れない。
彼女があそこまで変わってしまったのは、オリッシュという男の影響だ。
そしてそのすべてを、最高の画質と五感で味わったのは自分自身だ。
「くそっ……ミラージュ。お前はもう、俺の知ってるミラージュじゃねえのか……?」
ハヤテは乱れた息を整えながら、サイバーゴーグルに手を伸ばしかけて、途中で止めた。
もう一度見返したい衝動を必死に抑え込み、赤くなった顔を枕に押し付けるようにして目を閉じた。
隣の部屋から聞こえる、ちびフレイアの穏やかな寝息が、今夜は妙に重く響いた。
(つづく)
完結&カナメ・バッカニア生誕祭、記念の二発目です。
次は12:00投稿予定。