マクロスΔ オペレーション・スィートプリズナー 作:夜叉五郎
惑星ウィンダミア ハヤテ邸
前回のマキナのABVソフト――漆黒のバニースーツを纏い、Gカップの圧倒的な肉体と底なしの母性で自分を極限まで翻弄したミラージュの残像から、さらに二週間が経過していた。
ハヤテ・インメルマンの精神は、確実に戦友の不可逆な進化の沼に囚われつつあった。
ふとした瞬間に脳裏をよぎるのは、あの生真面目だった彼女が、オリッシュという男とのセックスによってどれほど美しく、艶やかに開花してしまっているかという事実だけだった。
もはや自身の本能に抗うことをやめ、奇妙な期待感すら抱きながら、ハヤテは五度(ごたび)、慣れた手つきでデバイスへと手を伸ばした。
ハヤテが選択したオナホールは……
CPモデル
MGモデル
RPモデル
MNモデル
→KBモデル
シルバーリングを全身に装着し、サイバーゴーグルを被る。
今回ハヤテが股間にセットしたのは、かつてワルキューレのリーダーとしてデルタ小隊も精神的にも支えてくれた、綺麗なお姉さんであるカナメ・バッカニアの極上名器を再現した「KBモデル」だった。
(今度は、ワルキューレのリーダー、カナメさんのソフトだ……。だけど、やっぱりミラージュが後ろに控えてるんだろ?)
KBモデルを起動すると、各部のシルバーリングが脈動し、ハヤテの身体は極薄のフォールドバリアに包み込まれる。
感度レベル中を選択し、五つのパッケージの中から「カナメ・バッカニア」を選択するハヤテ。
カナメが優しく微笑むジャケットが開き、ハヤテの視界は瞬く間に濃厚な熱量の渦へと吸い込まれていった。
カナメ・バッカニアのワクチンABVソフトは、オーオク社が世に送り出したABVシステムのローンチタイトルだけあって、市場に深く浸透しており、今なお全銀河で根強い人気を誇っている。
特に、包容力あふれる大人の女性の深い慈愛を求める三十代半ば以降の年代の男たちからは、他の追随を許さない圧倒的な支持を得ている伝説的な名作だ。
気がつくとハヤテは、惑星レハームの最上級ホテル、アルテミシア・グランドホテルのロイヤルスィート「ルビー・プリズン」にある、情熱的な緋色のベッドルームにいた。
その中央に構えられたエンペラーサイズの巨大なベッドの上――まさに、情事の直後の気だるくも甘い余韻が漂うシーンから、ABVソフトが始まる。
ハヤテが没入して最初に視界に捉えたのは、自分のすぐ側で、柔らかな白いガウンを羽織って愛おしげに微笑んでいるカナメの姿だ。
先ほどまで、アバターであるオリッシュとカナメは、久しぶりの濃密な愛の交感に溺れていたようだった。
(カナメさん……!なんて格好だ......。エロ過ぎるだろっ)
カナメはハヤテの視線に気づくと、艶っぽく微笑みながらガウンの前をそっと開く。
そこには、妊娠五ヶ月目に入り、生物学的な神秘を感じさせるほどにふっくらと丸みを帯びて膨らんだお腹があった。
彼女はその愛おしいお腹を優しく撫で摩りながら、惚気るように語りかけてくる。
「見て♡ ハヤテ君。五ヶ月目なの。安定期に入ったところなのよ」
(ごくり。安定期って、オリッシュの子供を宿してるっていうのは本当だったんだな……。ていうか、俺に向かって話しかけてくるなんて、なんだか調子が狂うぜ……)
ハヤテがそのリアルな臨場感に圧倒されていると、カナメは少しだけ寂しげな、困ったような表情を浮かべて息を漏らした。
「やっとお医者様から夜の営みの許可が出たんだけど、もちろんお腹の赤ちゃんのために激しいのはダメ。……でも、それだと私の愛しい旦那様を全然満足させられないわ。だから、彼女の力を借りるわね♡」
カナメは悪戯っぽくウインクすると、ベッドの外に向かって「入っていいわよ」と優しく合図を送った。
その声とともに、ベッドルームの重厚な扉が開き、同じく白いガウンだけを身に纏ったミラージュが静かに入室してきた。
ハヤテは彼女の姿を見た瞬間、そのプロポーションを凝視した。
二週間前にマキナのソフトで体験した時と同じ、大台である「Gカップ」のままであった。
どうやら、重力制御ブラの副作用による豊乳効果はGカップに到達した時点で止まったらしく、それ以上の肥大化はしていないようである。
彼女の肉体が持つ生物学的なポテンシャルのマックスが、このGカップだった。
ミラージュは下腹部の淫紋をかすかに脈動させながら、少し緊張した面持ちで一歩進み出た。
「よろしくお願いします。カナメさん」
「ええ、ばっちりサポートしてあげるわ、ミラージュ」
二人は信頼を寄せ合うように挨拶を交わすと、ベッドに横たわるオリッシュ(ハメル)の足元へと同時に跪く。
ガウンの隙間から、妊娠によってさらに豊かにサイズアップしたカナメのGカップの双丘と、重力制御ブラによって完璧な張りを維持するミラージュのGカップが並び立ち、視界を埋め尽くす光景は、目に眩しいほどのド迫力を放っていた。
ここから、ミラージュがメインを務め、カナメがサポート役に回るという、三人での至高の愛の交感が幕を開ける。
まずはカナメとミラージュが、二人で息を合わせるようにしてオリッシュの股間へとその整った顔を寄せ合った。
そして、舌と唇、あるいは温かな口内を巧みに使い、どちらがより彼を歓ばせられるかを競い合うかのように、熱量を込めた丁寧な愛撫を競演し始めたのだ。
(く、うわあああっ……! なんだよこれ、二人がかりで……っ!)
ハヤテの股間のKBモデルが、二人の女神による異なるアプローチの快感を完璧にサンプリングしてフィードバックしてくる。
しかし、ここで当のリアルな奉仕を受けてるオリッシュの心理に変化が生じる。
オリッシュはどうしても、久しぶりに閨を共にしてくれた最愛の妻であり、自分の種で新しい命を育んでいるカナメの方にばかり意識が向いてしまうのだ。
オリッシュの五感を通して疑似体験しているハヤテ自身もまた、ミラージュ以外の女性の艶姿、それもかつて大変お世話になった信頼できる綺麗なお姉さんであるカナメの、初めて間近で目にするフェラ顔と、そのふっくらとしたお腹のラインに目を奪われ、どうしても注意がカナメへと引き寄せられてしまっていた。
それと同時に、ハヤテの胸の奥には、鋭い痛みを伴う猛烈な罪悪感が湧き上がってくる。
(おいおい、待てよ……。カナメさんといえば、アラド隊長やメッサーだろ……。あいつらの方が、俺なんかよりずっとカナメさんと深く、長い時間を共にして、強い絆で結ばれてたっていうのに、なんで今、俺がこの人の艶かしい裸体を間近で見つめて、その極上の愛撫を受けちまってるんだよ……!)
かつて命を懸けて星間を翔けた、自分よりもずっとカナメと親しかった大切な先輩たちの顔が脳裏をよぎる。
彼らを差し置いて、自分がこの至上の美を独占しているという圧倒的な背徳感。
だが、その罪悪感が強まれば強まるほど、不思議と股間のデバイスが伝える熱量は激しさを増していき、禁忌の『罪の味』がもたらした底知れない甘さに、ハヤテの精神はこれまでにないほど狂おしく翻弄されていった。
その空気感を、サキュバスとしての本能を高めていたミラージュも敏感に察知する。
自分とオリッシュが結合の訓練を重ねてきたはずなのに、彼の意識はやっぱり正妻であるカナメに向いている。
そのことが、彼女のプライドを大いに刺激し、面白くないという感情を抱かせたのだ。
(オリッシュさん……私も見て、私の磨いたテクニックにも夢中になってください……!)
ミラージュの瞳に嫉妬と独占欲の炎が灯る。彼女は自分に意識を向けさせようと、美雲直伝の完璧なブレスコントロールと、マキナやレイナから学んだ全ての愛撫技術を総動員し、格段にギヤを上げてハヤテの逸物へと懸命にしがみつき、技を尽くし始める。
彼女の極上のサキュバス波が室内に充満し、カナメの放つ圧倒的な母性の包容力と複雑に融け合っていく。
ミラージュの健気で必死な反撃と、カナメの優しいサポート。
その絶妙な心理戦と肉体の競演が最高のスパイスとなり、三人(とハヤテ)の間には、これまで体験したことのないような、濃厚で巨大な快感のうねりが爆発的に生まれていった。
「あ、はぁ……っ! オリッシュさん、カナメさんばかり見ないで……私をもっと、感じてください……っ♡」
「ふふっ、あーん......れろろ......ちゅぱ........、負けないわよっ.......ミラージュ.......っ♡」
サキュバス波の乗った甘い啼き声で真っ正面から煽られ、二人の柔らかな舌と唇、そして熱い口内の抱擁がハヤテの五感を全方位から蹂虙していく。
ハヤテはもう、カナメへの罪悪感とその裏返しの甘美さ、 ミラージュの情熱的なアプローチの相乗効果に理性を完全に消し飛ばされ、一発目の熱い奔流を二人の口内へと激しく解き放った。
衝撃的な絶頂が脳内を駆け巡り、KBモデルの自動吸引機能がそのすべてをクリーンに回収していく。
最初の絶頂の余韻に浸りながら、三人はベッドの上で少しの休憩(インターバル)を挟んだ。
カナメは「ふふ、ミラージュ、本当に上手になったわね」と、息を整える彼女の髪を優しく撫で、安定期に入った自らの体を気遣いながら微笑む。
ミラージュは顔を上気させながらも、オリッシュを独占したいという情熱的な視線を未だ崩さない。
カナメは艶っぽく微笑むと、「じゃあハヤテ君、次は私たちのこれに、たっぷり溺れてもらうわね」と促し、二人は身に纏っていた白いガウンをゆっくりと肩から滑り落とした。
休憩を終えて迎えた二発目は、輝くように白く滑らかな肌をした、二人の至高の胸の膨みによる贅沢な競演だった。
輝くように白い二組の豊満な乳房が、視界いっぱいに迫る。
(う、嘘だろ……っ、今度は二人のオッパイの間でかよ……っ!!)
妊娠によってさらに豊かにサイズアップしたカナメのGカップと、重力制御ブラの副作用によって完璧な成長を遂げたミラージュのGカップ。
その二組の、眩いほどに白く滑らかな双丘がぴったりと合わさり、オリッシュの溢れる熱量を左右から挟み込んだのだ。
(うおっ……!? 俺のチンポが……カナメさんとミラージュの胸に挟まれてる……!? 熱くて、柔らかくて、吸い付いてくる……くそっ、こんなの反則すぎる……!)
ハヤテの脳髄には、二つの異なる極上の肉圧と、肌の滑らかな摩擦がリアルタイムでフィードバックされる。
カナメの放つ圧倒的な大人の母性と、それに負けじとサキュバス波の出力を最大にして自己主張するミラージュの情熱。
顔のすぐ目の前で、輝くように白い二人の胸の果実が波打ち、オリッシュの肉体を優しく、しかし確実に絶頂へと押し上げていく。
「あ、んぅ……っ、オリッシュさん……私の胸、どうですか……? もっと、強く挟みます……っ♡」
「ふふ、ミラージュったら頑張ってるわね……。ハヤテ君も、ちゃんと感じてくれているかしら?」
二人の甘い吐息と、ぬるぬるとした舌が先端を交互に舐め上げる。
ハヤテはもう、自分がオリッシュというアバターを通じて、本当に二人に奉仕されているかのような錯覚に囚われていた。
(カナメさん……ミラージュ……俺のチンポを、こんなに……っ!)
ハヤテは先輩たちへの消えない罪悪感に苛まれながらも、その禁断の甘さと、二つの豊満な胸の迷宮がもたらす異次元の柔らかさに完全に翻弄され続けた。
サキュバス波の甘いブレスが耳元で響き、カナメの優しい吐息が肌を掠めるたびに、ハヤテの逸物は限界を超えて再起動し、二度目の限界を容易く突破させられた。
「あ、ああんっ! きます、オリッシュさん……っ! 私たちの胸の中で……もう一度、果ててください……っ♡」
ミラージュが蕩けるような声で叫び、二人の輝くような白い胸の膨らみが極限のホールドを見せた瞬間、ハヤテもまた魂の底から叫び、二発目の濃厚な奔流を二人の美しい胸の最深部へと解き放った。
――だが、このABVソフトの3Pはこれだけでは終わらない。
二発目を終えたその時点で、当のオリッシュだけでなく、デバイスを通じてそのすべてを五感で共有しているハヤテ自身の「二人への愛の気持ち」と「肉体」が、完全に制御を失って暴走を始めていたのだ。
カナメの持つ圧倒的な大人の包容力への愛おしさと、自分に夢中になってもらおうと懸命に技を尽くすミラージュへの愛着。
その二つの強い情熱がハヤテの胸の中で爆発的に混ざり合い、精神的な昂ぶりに呼応するようにして、股間の逸物はKBモデルの最奥でかつてないほど猛々しく、獰猛に再起動を果たした。
「あ、はぁ……っ! オリッシュさん、まだこんなに熱いなんて……っ。ふふ、やっぱりカナメさんとのセックスが、あなたをそこまで駆り立てているのですね?」
オリッシュの規格外な復活劇に、ミラージュは嫉妬を交えつつも、サキュバスとしての歓喜の表情を浮かべた。
彼女は白く滑らかな肌を上気させながら、横たわるオリッシュの腰の上へとしなやかに跨がり、そのまま「騎乗位」のフォーメーションへと移行する。
そうして、ミラージュが腰の上でリズミカルに跳ね、豊かなGカップのバストを大きく揺らしながら、バルキリーを駆るがごとく極上のランデブーを繰り広げ始める。
下半身から伝わる驚異的な締め付けと躍動的な肉圧。
だが、ハヤテを本当の意味で限界へと追い込んだのは、すぐ目の前で微笑む正妻、カナメの存在だった。
「ふふ、本当に元気な旦那様……。ミラージュに負けないくらい、私もしっかり愛してあげるわね」
カナメは優しく微笑むと、オリッシュの身体を包み込むようにしてその首元へ腕を回し、お互いの唇をぴったりと重ね合わせた。
そこからは、言葉にできないほどラブラブで甘美なキスの時間が始まった。
口内をカナメの優しくあたたかい舌と吐息で満たされ、上半身ではカナメとの最上のキスによる多幸感に満たされ、下半身では激しく腰を動かして跳ねるミラージュの情熱的なアプローチを受ける。
「んむ……、ちゅ……っ。ハヤテ君も、気持ちいい......かしらっ?♡」
「オリッシュさん、私を……ああっ、奥まで、響いて、きますぅぅ……っ!!」
二人のGカップの母性と情愛に全包囲で守られながら、ハヤテは我を忘れて叫び、三発目の甘い奔流を解き放った。
三発目の激しい交歓を終え、ミラージュが名残惜しそうに結合を解いた。
しかし、すべてを吐き出したはずのオリッシュ(そしてハヤテ)の熱量と質量は、暴走の勢いを緩めることなく、いささかも失われることはなかった。
「次は私ね♡」
シーツの上で、身重の身体をそっと仰向けに横たえたカナメが、優しく足を開いてオリッシュを迎え入れる。
愛しい妻からの至上の誘いを断るわけもなく、オリッシュはその豊かな身体を包み込むようにして覆い被さった。
初めてカナメとセックスする感覚に慄くハヤテ。
(……これが、カナメさんのマンコ!......ミラージュと全然ちがうっ......チンコが溶けちまいそうだっ)
オリッシュは先ほどミラージュに対して行ったような激しいピストンは完全に自重した。
新しい命をその身に宿すカナメの身体を何よりも慮り、快感の追求よりもお互いの心を重ね合わせる結合の喜びを求めるような、どこまでも優しく、ゆっくりとした律動を刻み始める。
それはまるで、銀河の無限の母性そのものに包み込まれたかのような、穏やかで満ち足りた愛の交感だった。
「大好きよ、あなたっ。何て幸せなのっ……♡」
ふっくらとしたお腹を揺らし、頬を朱に染めて甘く喘ぐカナメの声。
「ああ、愛してるっ、カナメ!」
至上の愛を告げたオリッシュのその言葉を、ハヤテはまるで自分が返したかのように錯覚して、幸福感に震えていた。
しかし、まさにその甘美な絶頂の最中、ハヤテにとって最も過酷で耐え難い試練が訪れる。
正常位でカナメと深く愛し合っているオリッシュの背後から、ミラージュが音もなく抱きついたのだ。
その逞しい背筋へと、完璧に実りきった己のGカップの双丘をムニっと強く押し付ける。
そして、現実のハヤテの鼓膜を直接震わせるかのように、背後からオリッシュの耳元へと、その声を直接囁き掛けてきた。
「そのまま聞いてください、ハヤテ。あなたのABV利用を検知して、通常とは違うプログラムを流すこの仕掛け。――今回が、最後となります」
いつになく寂しげなトーンで語るミラージュ。
しかし、オリッシュとカナメ夫妻の愛の営みが放つ、あまりにも温かで無上の多幸感に満ちた波動を直に体験中だったハヤテ。その甘やかな快感の余韻に酔いしれてしまっており、彼女の囁きの意味を最初は全く理解することができなかった。
(……え?ミラージュ、お前、何を言って......)
「でも安心して、ハヤテ。以前から私の出演作を望む全銀河の声が多く上がっていました。その声に応えるべく、私もケイオスを辞して、ワクチンABV嬢として正式にデビューしようと思います。一ヶ月前にサキュバス化した後、オリッシュさんとの夜のランデブーを繰り返し練習したことで、基準以上のサキュバス波を出せるようになりました。すでに作品自体はすべて撮影済みで、私のデータを搭載した『MFGモデル』の製造ラインもケイオス・アダルト部門で完全に準備済みです。私のデビューとMFGモデルの発売を報じるニュースのタイミングは、ハヤテ、あなたがこのABVソフトをプレイし終わる、まさにその瞬間に合わせてあります」
耳元で冷徹に告げられるサキュバスの告白。
そのミラージュの言葉が進むにつれ、次第にハヤテの思考が追いついていく。
だが、その間もカナメの最奥が優しく締め付け、背後からはミラージュの熱い吐息とGカップの重みが容赦なく快感を注ぎ込んでくる。
全てを理解したとき、頭も体も大混乱に陥ってしまうハヤテ。
(ああ……そ、そんな、ミラージュ……! お前、本気で……!?)
「もしあなたが、かつての戦友であり、今や人妻であるカナメさんを抱こうなんてスケベ心を出さなければ、私のデビューはなかったのですが……。仕方ありません。これも運命なのでしょう」
少しだけ寂しげに、自嘲気味に微笑む気配を滲ませるミラージュ。
戦友との個人的な繋がりが完全に消滅し、彼女が銀河の共有物へと変わってしまうという冷酷な決定に、現実世界のハヤテは必死に叫んでいた。
(ちょっと待ってくれ! 嘘だろ、ミラージュ、待ってくれ……っ!!)
しかし、ハヤテのサイバーゴーグル越しに見えるバーチャルな世界では、誰も彼の心からの懇願に耳を貸してはくれない。
ボテ腹の妊婦を含めて行われる、倫理観のぶっ壊れた淫らな3Pセックスが止まらない。
完全に正常位で組み伏せられた状態のまま、こちらに向けてくるカナメの蕩けるような慈愛の笑みと、股間に感じる底なしに甘い締め付けが、今のハヤテにとっては恐ろしい女悪魔(サキュバス)の笑みと愛撫にしか見えなくなっていく。
ここでハヤテは、絶対的な戦慄とともに真実を理解した。
自分のチンポを優しく包み込んで微笑んでるこのカナメ・バッカニアこそが、すべての男の理性を無に帰す、真の「サキュバス・クィーン」なのだと。
ミラージュがすべての告白を終えた、まさにそのタイミングだった。
ハヤテの絶望をすべて見透かしているかのように、カナメはさらに艶っぽく微笑んだ。
「そろそろいいかしら? じゃあ、いくわよ♡」
サキュバス・クィーンが、ほんの少しだけ本気を出す。
彼女は自分のボテ腹を労わりつつ、腰をほんのわずかだけ揺らし、オリッシュの優しい腰のストロークにぴったりと合わせるようにして、彼女特有の少しだけぽってりとした子宮口で、オリッシュのチンポの先端に優しく、しかし確実にキスを仕掛けたのだ。
――たった、それだけだった。
超常的な愛のクィーンが放った一撃の前に、ハヤテは一瞬にしてすべての余裕を完全に失った。
上りたくないはずの、しかし抗うことなど絶対に不可能な絶頂への道を、一方通行の暴走列車のようにただひたすらに駆け上がらされていく。
(さ、先っぽが、先っぽが気持ち良過ぎるっ、こ、腰が止まんねぇ......!)
背後のミラージュは、万感の思いを込めて、愛おしげに、そして愉悦に震えながら最後の言葉を紡いだ。
「さあ、これが私とあなたの個人的な関係を完全に断ち切る、最後の射精になります。……存分に、その身に刻まれる快感に震えてください!」
ミラージュはオリッシュの背中へさらに強く双乳をムニっと押し付け、その無防備な首筋に、別れを告げるような熱いキスを落とした。
正面と背後から同時に押し寄せる、狂おしいほどの情愛と絶望的な快感の挟み撃ち。
ハヤテは心の中で激しく泣き叫びながら、完全に決壊した熱い奔流を、カナメの最奥へと爆発的に解き放った。
(いやだっ、出したくないっ、まだっ、ああああ、ミラージュ、ミラァーーーーージュッッッ!!!ううっ......!)
限界を超えて魂の髄まで搾り尽くされ、視界が真っ白な光の海へと還っていく瞬間に、ABVソフトは今度こそ、プツリと暗転した。
『プログラムを終了します。お疲れ様でした』
冷淡なミラージュの声のシステムアナウンスが響くなか、ハヤテがサイバーゴーグルを外すと、そこはウィンダミアの静かな自室だった。
「……はぁ、はぁ、はぁ……」
全身を襲う猛烈な脱力感と虚無感のあまり、股間に装着したKBモデルをその場できちんと処理する気力すら湧いてこない。
しかし、その時ハヤテの耳に、静まり返った部屋の中に響く小さな泣き声が届いた。
ハヤテがABVプレイ中に無意識のうちに何度も大声で叫んでしまっていたため、隣の部屋のベビーベッドで眠っていた生後八ヶ月相当のちびフレイアが、その声に驚いて目を覚ましてしまったのだ。
「あ、う……ふぇ、えん……」
ぐずり始めた我が子の声に、ハヤテは一気に現実に引き戻される。
彼は這うように重い身体をどうにか動かして起き上がり、全身に装着されたままのシルバーリングと、股間のKBモデルをノロノロと外しす。
そして激しい虚無感と切なさに震えながら衣服を着直し、ベビーベットに向かう。
ハヤテは赤くなる顔と目元から溢れる涙を必死に堪え、ただ無心に、眠れぬ夜の闇の中でちびフレイアをあやし続けた。
ようやくちびフレイアが安心したように小さな寝息を立て始め、そっとベビーベッドへと戻したハヤテ
その時、ようやく自分の通信端末の着信ランプが明滅していることに気付く。
確認すると、端末の画面にポップアップされたのは、オーオク社の最優先マーケティングラインから配信された、VIP会員限定メールだった。
ハヤテは結局、クレアのCPモデル、美雲のMGモデル、レイナのRPモデル、マキナのMNモデル、カナメのKBモデルと、ワルキューレ全員のオナホールをコンプリートしてしまっている。
マクロス・オーオク社における極めて重要でVIPな「上得意様」と言えた。
『【VIP会員様限定】最新型「MFGモデル」電撃リリースのお知らせ&先行予約特別割引クーポン進呈』
ハヤテが震える指でメールを開くと、そこにはあまりにも冷酷で、一切の妥協のない商業的な現実が整然と並んでいた。
『ABVのシステム音声でもお馴染みの、ミラージュ・ファリーナ・ジーナス女史、全銀河の熱烈な要望に応え、ついにワクチンABV嬢として正式デビュー決定!』
『かつてワルキューレを護衛するΔ小隊の美人パイロットだった彼女の秘密を完全再現した最新鋭デバイス「MFGモデル」、本日よりVIP先行予約を開始いたします。いつもワルキューレ全員のモデルをご愛顧いただいている上得意のあなた様へ、日頃の感謝を込めまして、30%OFF特別割引クーポンを進呈いたします。天才の妙技のすべてが凝縮された極上の快感を、ぜひ特等席でお楽しみください』
つい先ほどまで、ロイヤルスィートのベッドルームでミラージュが自分の背中に胸を押し付けながら囁いていたあの別れの告白が、一言一句違わぬ事実として、オフィシャルな新製品告知と生々しい特別割引クーポンという形で、ハヤテの手元にダイレクトに突きつけられたのだ。
これが単なるソフトの演出でも、自分の都合のいい幻覚でもない。
ミラージュは本当に、Δ小隊の任務やシステム音声の枠を越え、オリッシュという男にすべてを捧げてサキュバスとなり、今この瞬間、全銀河の男たちの共有物として、彼女の女性器を模したオナホールが大量生産されている。
そのあまりにも精緻で冷厳な現実が、ハヤテのセンチメンタルを跡形もなく粉砕した。
「ミラージュ……お前は本当に……俺の手の届かない、とんでもないところへ行っちまったんだな……」
ハヤテはそっと部屋の窓を開け、ウィンダミアの冷涼な夜風を肌に受けながら、遠く広がる美しい星空を見上げた。
きらめく無数の光のどこかで、今もオリッシュの腕に抱かれ、サキュバスとしての生体波動を響かせているであろうミラージュの姿を静かに想う。
手元の通信端末を見つめ、画面に表示された上得意様向けの30%OFFクーポンを適用させる。
画面には、予約受付を開始したばかりの最新鋭デバイス『MFGモデル』の注文確定ボタンが怪しく光っていた。
注文確定ボタンの上に添えられたハヤテの指が、ほんのわずかだけ、躊躇うように逡巡する。
だが、ハヤテは小さく息を吐き出すと、迷いを振り払うように画面を強くタップした。
ピピッと電子音が響き、注文完了の通知が表示される。
それは、ハヤテがかつての戦友であるミラージュへの個人的な想いや未練を、完全に断ち切った瞬間であった。
もう、二人がリアルに交わる道はどこにも残されていない。
かつて同じ大空を翔けた特別な関係ではなく、ただの一般ユーザーとして、銀河に流通する商品となったミラージュのデータを消費する側に回る。
『MFGモデル』の購入は、そのハヤテなりの意思表示であった。
ハヤテ、フレイア、ミラージュ。
この三人が紡ぎ出した物語は、こうして静かに幕を閉じた。
(完)
これにて本当に完結です。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!