マクロスΔ オペレーション・スィートプリズナー 作:夜叉五郎
アルテミシア・グランドホテル ロイヤルスィート「ルビー・プリズン」
ch.33「二日酔いの朝とジムへの誘い」
ぐぉーぐぉーという低いイビキの音で、カナメは目覚めた。
視界に飛び込んできたのは、すぐ横で気持ちよさそうに眠るオリッシュ・ハメルマンの顔だった。
脂ぎった頬にうっすらと無精髭。
太った首筋には昨夜のキスマークが赤紫に残り、汗で光っている。
昨夜あれほど激しく自分の腰の下で、何度も何度も許しを乞いながら射精していたキモデブ男。
今はただの無防備な寝顔でイビキをかいている。
(またこの人の隣で朝を迎えちゃった)
二日連続である。
頭がズキズキと痛む。
二日酔いだ。
昨夜の高級ワイン一本をほぼ一人で空けた記憶と、その後の夜伽での己のやらかした荒淫が断片的に蘇る。
顔が一気に真っ青になった。
(私、あんなに酔って、あんな暴走しちゃったんだ)
カナメは慌ててベッドに落ちていた白いガウンを拾い、ベッドから転がり出て乱暴に羽織り直した。
昨夜オリッシュに注ぎ込まれた白濁液が、股下の奥からだらだらと溢れ出す。
オリッシュの肉棒が何度も何度も奥まで突き刺さった感触が、今も体に残っている。
(でも、それどころじゃないわっ!)
カナメはオリッシュを起こさないようベッドルームを出た後、一気に駆けてロイヤルスィートを出る。
廊下には昨日と同じく黒スーツのミラージュが控えていた。
「おはようございます、カナメさん。昨晩は……」
カナメは挨拶を制するように手を上げ掠れた声で告げた。
「ミラージュ!ちょっと待って!慰安対象のストレス値どうなってる?」
ミラージュは一瞬目を瞬かせた。
「良好です。むしろ昨日より下がってます」
カナメは一気に脱力した。
「そう……なの?よかったっ」
(昨夜の私の暴走、かなりひどいことしちゃったのに、やりすぎじゃなかったんだ……)
だがミラージュはその形の良い眉を顰めて言い淀む。
「ですが……」
「どうしたのミラージュ?」
ミラージュは、端末のホログラムでオリッシュのパーソナルデータをカナメに提示する。
「ストレス値はこの通り問題ないのですが……問題なのはこちらの数値です」
【慰安対象 オリッシュ・ハメルマン バイタルデータ】
体重:119kg(軟禁開始時114.0kg 増加+5kg)
カナメは息を呑んだ。
「5kg……?」
(私が来る前から、こんなに太ってたの……?)
ミラージュはおずおずと相談してくる。
「カナメさん、このままでは健康リスクが高まります。慰安対象の体調管理も任務の一部と言えば一部。何かいい案はないでしょうか?」
カナメは呆然と呟いた。
「そんなこと言われたって……」
二人は廊下で無言で立ち尽くした。
とりあえずカナメとミラージュの二人は、下層のカナメの専用スィートルームへと移動する。
テーブルにはミラージュの手配により、すでに軽めの朝食が並べられている。
クロワッサン、フルーツヨーグルト、ブラックコーヒー。
あと避妊薬だけでなく、二日酔いを抑える頭痛薬も用意されてあった。
ミラージュに感謝し、カナメは避妊薬と頭痛薬の両方を口に含み、コーヒーで胃の中に流し込んだ。
そして、ミラージュの提示するデータに目を落とす。
「軟禁開始時114kg。現在119kg。たった半月で5kg増……」
ミラージュは深刻そうに頷いた。
「はい。慰安対象のロイヤルスィートでの生活は運動量ゼロ。一日三食に加えての間食、さらに深夜の追加ルームサービスが常態化していました。昨日と一昨日はカナメさんの夜伽で夜食を阻止できましたが、それ以前は毎晩のようにステーキやデザートを要求され、正直対応に苦慮してました」
カナメは額を押さえた。
「あらら」
「仮にこれ以上に慰安対象の体重が増加し、健康が害されれば結果としてストレス値が高まり、宇宙再構築システムの暴走リスクが上昇します」
ミラージュは真剣な目でカナメを見据えた。
「カナメさん、なんとか慰安対象を運動させるよう、誘導していただけませんか」
カナメは二日酔いとは別の意味で頭が痛くなった。
(どうやってあの人を運動させるのよ)
しかし、カナメがラグナを飛び立って三日。
自分も日課のジョギングやストレッチをできていない。
強いて言えば腰しか使っていないため、体が鈍っているのを感じていた。
「……とりあえず朝食を食べさせた後にエクササイズに誘ってみるわ。私も体を動かしたいし、ちょうどいい機会かもしれない」
ミラージュはほっとした表情で敬礼した。
「ありがとうございますカナメさん。ご協力心より感謝いたします」
カナメは苦笑しながらコーヒーを飲み干した。
(キモデブ中年おじさんを運動させるなんて地獄みたいな任務でも、やるしかないわね)
カナメは昨朝と同じく、清楚なビクトリアンメイド服に袖を通し、白いエプロンを結びヘッドドレスを整えた。
鏡に映る自分を見て、小さく息を吐く。
(昨日の夜は任務なのにひどい扱いしちゃったし、今朝はちゃんとメイドらしく奉仕しないと)
彼女はロイヤルスィートルームに戻り、ベッドルームの扉を開ける。
エンペラーサイズのベッドの上のオリッシュは、まだ気持ちよさそうに眠っていた。
だが、股間のガウンは朝立ちでぴんと持ち上がっている。
その119kgの巨体を見て、カナメは思わずため息を吐く。
182cmでアラド艦長と同じ背丈なのに、その体重と体積は1.5倍以上ある。
(これを……痩せさせないといけないの……?)
適正体重は73kgくらい。
つまりほぼ小柄な女の子一人分を減量させる必要があった。
しかも精神的ストレスを与えずに。
(どうやって……?こんな贅沢三昧に慣れちゃってる人を運動させるなんて、無理に決まってる……)
カナメは額を押さえ、首を振った。
(いけない。まずは朝のご奉仕よ)
彼女は覚悟を決め、そっとガウンをめくりオリッシュの朝立ちした肉棒を露出させた。
(昨夜もあんなにいっぱい搾り取ってあげたのに、やっぱり朝からビンビンなのね)
彼女は今日もまた任務としてオリッシュの肉棒を口に含む。
ジュポ……ジュポ……ジュポ……
舌を絡め吸い付き、喉の奥まで咥え込む。
(昨夜は確か、タマタマもお口で攻めたような?)
曖昧な記憶を頼りに玉袋も左右しっかりしゃぶって、口の中で転がして愛撫するカナメ。
オリッシュはすぐに目を覚まし、甘い喘ぎ声を上げた。
「カナメ……また朝から気持ちよくしてくれてるんだ?」
カナメは口を塞がれたまま、瞳を上げて微笑んだ。
ジュポジュポジュポ!!
オリッシュはすぐに限界を迎えた。
「カナメ、ううっ、もう出るよ!」
どぷっ! どぷっ! どぷどぷっ!!
大量の朝イチ精液が、カナメの喉の奥に注ぎ込まれた。
カナメはごくんごくん全部飲み干し、優しく微笑んだ。
「おはようございます。ご主人様。お目覚めいかがでしょうか♡」
オリッシュは幸せそうな顔で頷いた。
「最高だよ……カナメ」
よほど昨夜のカナメの夜伽で充足していたのだろう。
今日は昨日の朝と違い、オリッシュは延長戦を求めてこない。
カナメは安堵しつつ、昨日と同じくオリッシュをドレスルームに案内し、手ずから歯磨きと髭剃りをしてあげる。
そして朝食をサーブ。
オリッシュは嬉しそうにカナメが運ぶ一口をぱくりぱくりと食べる。
朝食が終わるとカナメはダメ元で提案した。
「ご主人様、これからジムルームで一緒に体を動かしませんか?朝の体操は気持ちいいですよ」
オリッシュは一瞬目を丸くしたが、すぐに目を輝かせた。
「えっ!?カナメと一緒にジム!?行く!行く行く!俺カナメと一緒に汗かきたい!!」
カナメは困惑した。
(え?この人、ジムに行く気満々……?)
彼女は内心で驚きながらも微笑んだ。
「ふふ……じゃあさっそく準備しましょう……♡」
(続く)