※この作品はR-18です。

マクロスΔ オペレーション・スィートプリズナー   作:夜叉五郎

73 / 218
2068年4月10日(火)
惑星ラグナ バレッタシティ アラド自宅


ch.73「アラドを誘うファム・ファタール」

視界が一瞬揺らぎ、豪華なベッドルームが広がった。

 

アルテミシア・グランドホテルのロイヤルスィート「ルビー・プリズン」。

 

高く赤い天井に備えつけられた星空のような照明が、柔らかな光を落とす。

 

壁一面の鏡が部屋をさらに広く見せている。

 

そして何より、エンペラーサイズのベッド。

 

オリッシュの寝そべった体勢から見えるベッドの水平線は遠い。

 

まるで海のように広大だった。

 

背中に触れるシーツの滑らかさ、高級綿の柔らかさ、クッションの沈み込み具合。

 

(くそ……ここまでリアルなのか)

 

アラドは思わず息を呑んだ。

 

ただの映像だと思っていたのに、肌に伝わる感触が本物すぎる。

 

全身を覆うフォールドバリアが、まるで本当にそこにいるかのような錯覚を起こさせる。

 

そして、ベッドルームの入り口から、彼女が現れた。

 

深紅のオフショルダードレス。

 

光沢のあるシルクの生地が体に密着し、肩から胸元まで大胆に開いて豊かなEカップの乳房を強調する。

 

腰の右サイドに深いスリットが入り、白く長い脚が歩くたびに覗く。

 

腰の部分には金のチェーンが絡みつき、赤いルビーの宝玉が秘部を飾るように揺れる。

 

長い赤手袋が肘まで覆い、首元にはルビーのネックレスが輝いている。

 

髪は優雅にアップにまとめられ、妖艶で、魔性で、完璧な高級娼婦。

 

カナメ・バッカニア。

 

(カナメさん……貴女が、こんな姿で)

 

アラドの胸が、複雑に締めつけられる。

 

拒絶した女が、別の男のためにこんな淫らな格好をして。

 

それなのに、目が離せない。

 

一ヶ月前、格納庫で彼女にプロポーズしたときのユニフォーム姿を思い出す。

 

あの時も確かに美しかった。

 

モデル体型なのに胸は人並み以上で、十分に魅力的だった。

 

だが、腰のくびれは今ほど妖艶ではなかった気がする。

 

今、目の前にいるカナメは、胸がさらに豊かに熟れ、重く張り出し、腰がより細く引き締まり、全体の曲線が一段と淫らに色香を放っている。

 

あの通信でレイナが「胸囲プラス5cm以上、ウエストマイナス3cm」と淡々と告げ、カナメが一瞬焦ったような顔をした意味が、今、はっきりとわかる。

 

このスタイルの変化は、あのキモデブとの毎夜の激しい行為でもたらされたものだ。

 

オリッシュの精液を子宮に受け止め、乳房を揉みしだかれ、腰を抱かれ続けた結果の、女としての熟れ。

 

その事実に、アラドの胸が嫉妬の炎で狂おしく焼き尽くされる。

 

(あの男が……貴女の体を、こんなに変えてしまったのか)

 

しかも今、俺はあのキモデブの感覚を成り代わって味わっている。

 

あの男が感じた視線、触感、匂い……すべてを、俺が代わりに受け取っている。

 

愛した女を汚した男の視点で、貴女の淫らな姿を見ているという事実。

 

それが、俺の心をさらに深く抉る。

 

カナメはゆっくりと、挑発的に歩いてくる。

 

腰をくねらせ、豊満な乳房を揺らしながら。

 

シルクのドレスが肌に張りつき、胸元が危うく、乳首の形が薄く浮かび上がるほどに。

 

白い肌が赤い生地に映え、ルビーの宝玉が秘部で揺れるたび、金のチェーンが微かに音を立てる。

 

ベッドサイドに到達すると、カナメは優雅にターン。

 

形の良い丸い尻を、オリッシュ——アラド——に向かって突き出す。

 

ドレスのスリットが大きく開き、白い太腿の付け根まで露わになる。

 

薄い布地に包まれたパイパンの秘部が、ほんの一瞬だけ形を浮かび上がらせてはまた隠れる。

 

その絶妙な隠し方が、かえって想像を掻き立て、欲情を煽る。

 

嫋やかな動きで、カナメは片足立ちになる。

 

スリットから覗く白く長い脚を強調しながら、12cmの赤いピンヒールをゆっくりと脱ぐ。

 

美しい足首、甲の高さ、細い踵。

 

もう片方も同じく、妖しく脱ぎ捨てる。

 

ただただ、見惚れるしかない。

 

素足になった足の指が、シーツに触れる。

 

カナメはベッドに上がり、オリッシュの前まで進む。

 

優雅に膝をつき、両手をシーツに置き、三つ指を揃えて深く頭を下げる。

 

深紅のドレスが広がり、胸元が完全に崩れてEカップの乳房が溢れ落ちそうになる。

 

重く熟れた乳峰がドレスの縁からこぼれ落ちそうに揺れ、谷間が深く潰れて柔らかな肉が左右に広がる。

 

敏感な乳首がわずかに覗き、シーツに擦れて硬く尖るのがわかる。

 

白い背中が完全に剥き出しになり、滑らかな曲線が照明に照らされて輝く。

 

弓なりに反った背中から腰のくびれ、ヒップの丸みまで、完璧な裸体のような美しさが露わになる。

 

アラドの視線がその剥き出しの背中に釘付けになり、喉が鳴る。

 

溢れそうな乳房の重さと、背中の白さに、理性が揺らぐ。

 

スリットが大きく開き、紐パンの薄い布地に包まれた秘部の輪郭が仄見えしそうになる。

 

そのチラリズムが逆に、禁断の果実のような甘い焦らしを生み、アラドの視線をさらに熱くさせる。

 

そして、甘く嫋やかな声。

 

『旦那様、今日はこのカナメ・バッカニア、23歳をご指名いただき、ありがとうございます』

 

その瞬間、アラドの股間が熱く疼いた。

 

肉棒が一気に硬くなる。

 

そして、鼻腔を満たす香り。

 

カナメの体臭と、甘い香水が混じった、フェロモンの匂い。

 

花のように甘く、女の欲情を誘う魔性の香り。

 

(この匂い……こんなに強く、リアルに感じられるのか)

 

アラドは驚愕し、息を深く吸い込んでしまう。

 

甘い香りが肺まで染み込み、頭がぼうっとする。

 

ノーマルモードなのに、ここまで匂いが再現されることに、戦慄すら覚える。

 

(この匂い……カナメさんの)

 

アラドの体がびくっと震え、先走りが溢れ出す。

 

イキそうになる。

 

たったこれだけで。

 

高級娼婦として完璧に演じるカナメの姿に、視覚、触覚、嗅覚、すべてが犯される。

 

(カナメさん……貴女、本当にこんなことを)

 

愛した女が、別の男のために土下座し、体を捧げている。

 

その現実が、五感で突きつけられる。

 

アラドの心が、引き裂かれながらも、欲情に飲み込まれていく。

 

 

 

 

カナメがゆっくりと上体を起こし、オリッシュ——アラド——の首に細い腕を回してきた。

 

柔らかな手首が首筋に触れた瞬間、ぞくりと電流のような快感が全身を駆け巡る。

 

シルクの赤いロンググローブ越しでも伝わる、温かく滑らかな感触。

 

(この……触れ心地だけで、こんなに気持ちいいのか)

 

アラドの体がびくっと震え、息が乱れる。

 

ノーマルモードとは思えないほどのリアルさ。

 

カナメの顔が近づいてくる。

 

嫋やかな微笑みを浮かべ、瞳を潤ませ、赤い唇を軽く湿らせた完璧なキス顔。

 

長い睫毛が瞬き、頰がほのかに上気している。

 

(この顔……カナメさんの、この顔を、俺は、ずっと見たかったんだ)

 

胸が熱く高鳴る。

 

拒絶された記憶が遠のき、ただただ見惚れてしまう。

 

愛した女の、こんなに甘く淫らな表情。

 

だが、次の瞬間。

 

カナメの唇がゆっくりと迫ってきた。

 

息がかかるほどの距離。

 

甘い吐息が感じられる。

 

その時、アラドはギリギリで我に返った。

 

(だめだ……こんな幻影に、キスなんて)

 

「うおおおおおっ!!」

 

叫びと共に、サイバーゴーグルを乱暴に引き剥がす。

 

視界が現実に戻る。

 

暗い自宅の部屋。

 

荒い息を吐きながら、股間を見下ろす。

 

全裸のまま、リングだけを嵌めた肉棒がギンギンに勃起し、先端から透明な先走り液を糸を引いて垂れ流している。

 

リングは自動でサイズを検知して収縮しているため、締めつけや拘束感は全くなく、ただ熱く脈打つだけだ。

 

酔いが一気に引き、冷や汗が背中を伝う。

 

(くそ……今のは、幻影だ。全部、記録された映像だ)

 

ABVの恐ろしさ、悍ましさが、今更ながら胸に突き刺さる。

 

五感で完全に騙される。

 

まるで本当にカナメが抱きついてきたかのような錯覚。

 

あのキスを受け入れていたら、きっとそのまま堕ちていた。

 

もう少しで、俺はあの男と同じように、貴女に溺れていた。

 

(あれは……あのキモデブ男が実際に味わったものだ)

 

カナメの唇、あの甘い息、あの触れ方。

 

すべて、あの男が受け取った現実。

 

アラドの心が、鋭く傷つく。

 

さらに、あの高級娼婦の振る舞い。

 

土下座し、甘く囁き、体を晒す姿。

 

全く演技には見えなかった。

 

完璧な、魔性の娼婦そのものだった。

 

(カナメさん……貴女は、本当にあんな風に変わってしまったのか)

 

任務だから、と言い聞かせても、あの瞳の潤み、あの声の甘さは、演技を超えていた。

 

あの男に体を捧げ、快楽に堕ちた女の目だった。

 

そして、端末に表示されたままの行動ログ「OSP-LOG-20680401」。

 

全10ステージ構成の『高級娼婦カナメ・バッカニア』。

 

今体験したのは、ほんのステージ1の「三つ指挨拶」編。

 

まだ出だしでしかない。

 

これから、キス、手コキ、フェラ、本番……すべてが五感で再現される。

 

アラドの胸が、慟哭のように締めつけられる。

 

(こんなものを……四時間近くも味わえというのか)

 

涙がにじみ、喉が熱くなる。

 

それでも。

 

股間の疼きが、収まらない。

 

リングがぴったりとフィットした肉棒が、まだ熱く脈打っている。

 

カナメの香りが、鼻腔に残っているような錯覚。

 

あの顔、あの声、あの体。

 

(カナメさん……)

 

慟哭しつつも、欲望が勝る。

 

理性が砕け散り、破滅への渇望だけが残る。

 

熱に浮かれた目で、アラドは震える手でサイバーゴーグルを再び頭に載せた。

 

(もう……止まらない)

 

スイッチを押す指が、迷いながらも動く。

 

破滅の宴は、再び始まろうとしていた。

 

(続く)

 

 

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