マクロスΔ オペレーション・スィートプリズナー 作:夜叉五郎
惑星ラグナ アラド自宅
震える手でサイバーゴーグルを再び装着する。
スイッチを押す。
視界が暗転し、一瞬で惑星レハームの超高級ホテルのロイヤルスィートのベッドルームに戻るアラド。
ノーマルモードの安全仕様で、直近の刺激が途切れたポイントから少し巻き戻されていた。
カナメが上体を起こし、ゆっくりとオリッシュ——アラド——の首に腕を回す直前から。
心の準備ができたところで、細い腕が首筋に触れる。
赤いロンググローブのシルクが、温かく滑らかに肌を撫でる。
(今度は……避けないっ、受け止めてみせるっ)
アラドは覚悟を決め、受け入れる。
カナメの顔が近づき、唇が重なる。
柔らかく、熱い感触。
最初に触れた瞬間、アラドの全身に雷のような衝撃が走った。
柔らかさと熱さが同時に襲い、唇の感触だけで頭が真っ白になる。
カナメの唇は信じられないほど柔らかく、まるで熟れた果実のように押しつけられ、微かな弾力がアラドの唇を優しく包み込む。
熱は体温以上の甘い炎のように伝わり、触れた部分から全身へ広がっていく。
(この唇……カナメさんの唇が、俺の唇に)
拒絶されたはずの女の唇が、今、俺に触れている。
幻影だとわかっていても、五感がそれを本物だと叫ぶ。
心臓が激しく鳴り、息が止まりそうになる。
たった一瞬のファーストコンタクトで、すでに理性が溶け始めていた。
最初は優しく触れ合うだけだったが、すぐにカナメの唇が積極的に動き出す。
赤い唇がアラドの唇を優しく吸い、軽く噛み、舌先をそっと這わせる。
甘い、フルーティーな唾液の味がじわりと広がる。
微かな塩味と、チョコレートの残り香が混じり、脳を溶かすような甘さ。
蠱惑的な息遣いが、熱く吐きかけられる。
カナメの舌が大胆に口内へ滑り込み、アラドの舌を絡め取る。
ぬるぬるとした動きで、舌を吸い、舐め回し、深く絡みつく。
じゅる、ちゅぷ、と湿った音が響き、唾液が混じり合い、糸を引く。
カナメの舌がアラドの舌を強く吸い、喉奥まで引き込むように動く。
唾液が溢れ、飲み込まれる感触。
息が荒くなり、熱い吐息が互いの唇の間で交錯する。
まさに高級娼婦と讃えても不足はないキスの手管の妙だった。
唇の吸い方、舌の絡め方、息遣いのタイミング、唾液を絡めて流し込む甘い誘い——すべてが完璧で、男を骨抜きにする技が詰まっている。
この技を仕込んだのは、あのキモデブなのだろうという諦観が、胸の奥に冷たく沈む。
毎夜のように唇を重ね、舌を絡め、甘い唾液を飲ませ続けた結果の、この魔性のキス。
あの男に体を許し、教え込まれ、磨かれた技。
その事実に、アラドの心が鋭く抉られる。
(くそっ、俺の方が、カナメさんの力になれていたのにっ、なんでだよっ)
嫉妬と絶望が胸を焼き、理性が砕け散りそうになる。
それでも——いや、それゆえに——アラドは完全に夢中になっていた。
諦めの感情さえも、甘い快楽の奔流に流されてしまう。
カナメの舌に溺れ、頭の中が甘く溶け、ただひたすらにこのキスに身を委ねる。
他のすべてが、どうでもよくなっていく。
拒絶の痛み、嫉妬の炎、現実の虚しさ——すべてが、この唇と舌の甘さに塗り替えられていく。
(この味……カナメさんの唾液、こんなに甘くて、濃厚で、最高ですっ)
アラドの頭がぼうっとする。
舌の動きが激しくなり、カナメの息が乱れ、欲情を煽るように熱く吐きかけられる。
(カナメさん……カナメさん……)
気がつくと、アラドは心の中で——いや、声に出して——彼女の名を呼んでいた。
幻影のカナメとキスしながら、股間が熱く爆発する。
肉棒がびくびくと痙攣し、リングが脈打ち、先端から白濁が噴出する。
射精の快感が全身を駆け巡り、アラドの視界が白く染まる。
アラドの意識が戻ると、視界も現実に戻っていた。
アームチェアに座った全裸の自分。
射精直後の勃起と、虚空に向かって吐き出された白濁が己の下腹部を濡らしている光景。
カナメのキス顔は、もうない。
ABVの再生が止まっていた。
ノーマルモードの安全仕様だ。
オリッシュの絶頂ポイント以外で使用者の絶頂を検知すると、そこで一旦再生が止まるよう設計されていた。
絶頂中にさらに刺激を加えてしまうと、過度な快感による使用者への健康被害が生じてしまうためだ。
(カナメさんとのキスの味。最高だった)
甘い唇の感触、舌の絡みつき、唾液の味が、鮮明に残っており、まだ体が興奮で震えている。
あのキスの素晴らしさ、魔性のような甘さ。
だが、現実は虚しい。
一人で射精しただけの、惨めな自分。
愛した女にキスすらできず、その幻影のキスをただ一方的に味わっただけ。
しかも、そのキスは別の男が受け取ったもので、自分に向けられたものではない。
(カナメさん……)
相反する感情が、胸の中で渦巻く。
最高の快楽と、最悪の絶望。
興奮と虚しさ。
嫉妬と欲情。
歴戦の勇士であるはずのアラドの情緒が、崩壊寸前に揺らぐ。
涙がにじみ、息が荒い。
それでも、その手は再びゴーグルに伸びていた。
震える手でサイバーゴーグルを再び装着するアラド。
スイッチを押す。
視界が暗転し、ベッドルームに戻る。
三度目だ。
ノーマルモードの安全仕様で、巻き戻しはさらに少し前へ。
カナメが上体を起こし、ゆっくりと腕を伸ばす瞬間から。
(次こそ……耐えてみせる)
アラドは自分に言い聞かせる。
細い腕が首に回される。
赤いロンググローブのシルクが肌を滑り、温もりが伝わる。
カナメの顔が近づき、唇が重なる。
甘く熱いキスが再開する。
舌が絡み合い、唾液が混じり合う感触を、アラドは今度こそじっくりと味わった。
カナメの舌が大胆に動き、甘い唾液が口内に流れ込み、フルーティーで微かな塩味が広がる。
息が熱く交錯し、ぬるぬるとした舌の動きが脳を溶かす。
アラドも自分の舌を動かして応じているが、当然その動きにはカナメは反応せず、無視されてるような格好だ。
一方的に与えられる快感に、もどかしさが胸の奥で渦巻くのに、カナメの素晴らしすぎる舌使いに溺れ、どうでもよくなる。
なんとか射精を堪え、アラドは最初のキスのインパクトを乗り越えた。
だが、次の瞬間。
カナメの体が密着してくる。
(む、むおおおおっ)
豊満なEカップの乳房が胸板に強く押しつけられ、柔らかく重い感触が一気に襲いかかる。
シルクのドレス越しでも、熟れた乳峰の弾力と熱が直に伝わり、重みが胸全体を圧迫する。
柔らかすぎる肉の沈み込み、乳房の形が変形しながらもぴったりと密着する感触。
乳首の硬さがドレス越しに感じられ、擦れるたびに電流のような快感が走る。
(く、くそっ、本当に抱きつかれてるみたいじゃないかっ)
腰のくびれを抱きしめられ、白く長い脚が絡みつき、太腿の滑らかな肌が自分の脚に密着する。
設置面——胸、腹、太腿——すべてがカナメの柔らかな肉に覆われ、ゾクゾクとするほどの快感が暴走する。
この抱き心地は、まるで体全体が甘い沼に沈み込むようだ。
(カナメさんの体が、俺の体に、こんなにぴったりと)
34歳のワイルド系で、かつては統合軍でもエースパイロットとしていたアラドは、当然だが女によくモテた。
これまで何度も女は抱いてきたが、カナメの体は別格だった。
特にその二つの乳房の白さと重さと柔らかさに、息が詰まる。
(このおっぱい……こんなにスベスベして、温かくて、張りがあるっ)
理性が吹き飛びそうになる。
歴戦の勇士の体が、ただの女の抱擁で震える。
やがてカナメの手が下へ滑り、アラドが無警戒だった肉棒に指を這わせてくる。
このABVが始まって初めての肉棒への直接的刺激。
温かく、滑らかな指が、赤いグローブ越しに脈打つ熱を優しく撫でる。
アラドの体がびくんと跳ね、喉から低い声が漏れる。
「うおっ……!」
記念すべき瞬間だった。
愛した女の指が、肉棒に触れる——錯覚だとわかっていても、五感はそれを本物だと信じ込ませる。
『んっ……旦那様の、ここ……こんなに硬くなって……』
甘やかな媚声、温かな手のひらの柔らかさ、指先の微かな動きが、根元のリングを震わせ、先端を疼かせる。
アラドはカナメの手コキに低く呻いた。
「そんな……優しく手で慰めないでくれっ、カナメさん……」
声が震え、喉が熱くなる。
優しさが、逆に耐えがたい。
強く握ってくれれば、まだ堪えられたかもしれないのに。
この優しい指の動きが、理性の最後の糸を切り裂く。
(やばい……また、出そうだ)
危うく決壊しそうになるが、根性で堪える。
歯を食いしばり、射精を抑え込む。
だが、カナメの舌を強く吸いながら、アラドの視点で赤いドレスの右腰のスリットに己の手が差し入れられる。
白い太腿を撫で、秘部へ到達する。
パイパンの滑らかな恥丘を指でなぞり、濡れた秘唇を優しく開く。
指先に伝わる熱くぬめった感触——カナメのマンコの柔らかさと湿り気——を感じた瞬間、アラドは再び決壊した。
『んんんっ♡』
オリッシュの指の動きに反応し、カナメが激しく舌先を絡めてきたからである。
肉棒がびくびくと痙攣し、二回目の射精が訪れる。
白濁が噴出し、快感が全身を駆け巡る。
視界が白く染まり、頭の中が真っ白になる。
ノーマルモードの安全仕様で再生が止まり、視界も現実に戻る。
アームチェアに座った全裸の自分。
絶頂の余韻に体が震え、息が荒い。
虚空に向かって、二度目の白濁を吐き出した肉棒。
リングに絡みつく精液。
カナメの体温、柔らかさ、濡れた秘部、絡まる舌先の感触が、鮮明に残っているのに。
現実を確認した瞬間、苛立ちが胸を突き上げる。
またこの仕様か。
絶頂した途端に現実に戻されるなんて、こんなにもどかしいことはない。
もっと続けたいのに、もっと深く味わいたいのに、毎回ここで強制終了。
この安全仕様は、アラドの欲情をさらに煽り、苛立たせるだけのものとなっていた。
興奮と絶望が、再び渦巻く。
アラドの破滅の一人宴は、まだ終わらない。
(続く)