side槍田日巡璃
「ただいま。」
「およ?おかえり天捻ちゃん!」
なんか心做しか顔が明るい天捻ちゃんが帰ってきた。
「……どうしたの?」
「余ったお釣りでアイス買っていいって言われたからどれにしようかなって。…………カナが悩んでる。」
「……ふーん?」
「……これは?」
「これはさっき言った棒にチョコアイスにチョコレートでコーティングしたものがくっついてます。パキパキしてて美味しいですよ。」
「ふーん…………これは?」
こういう系のアイス食べたことが無いのか……興味津々のカナ。ちょっと可愛いよね。
「カナ〜。そろそろ決めないと冷凍食品溶けちゃうよ〜。」
「……わかったわ。これにする。」
カナが手に取ったのはスイカのアイス。それ美味しいよね!
「天捻ちゃんは?」
「私は……いつも……これ。」
天捻ちゃんは迷いなくソフトクリームのアイスを手に取る。それのチョコのやつ好き!
ちなみに私はパ〇ム。愛ちゃんは雪〇だいふく。パパとママにもアイスを買って、いざ帰宅!
「…………。」
「美味しい?」
「…………結構いけるわ。」
「でしょ?私のも食べる?」
帰り道。カナがスイカのアイスに夢中になってるのが可愛くて、私のも差し出す。食べかけだけど。
「…………いいの?」
「いいよ。食べかけでいいなら。」
「キスしてるし今更よ。あーん。」
「…………よくそんなことサラッと言えるね。もう。」
カナがひとくち頬張る。よりによって私が齧った所を!!
「……こっちも美味しいわね。……あのコーナーが全部これくらいなら買い占めちゃいそうだけど……普通の人はどうしてるの?」
「我慢してるんだよ。みんな。」
「…………偉いのね。」
「カノーテス様は一般家庭を知らなすぎます。……お嬢様の家も家を持ってる一般家庭と比べると、少し大きいくらいですし。」
愛ちゃんが補足してくれる。……たしかにちょっと大きめかも。
「……そうなの??」
「……たしかに。ちょっと大きめかも。……まぁでもあんまり変わらないよ。」
「…………私って思った以上に世間知らずなのね。」
「……住んでる……世界が……世界だから……私も…………そうだった……し。」
天捻ちゃんが必死に溶けそうなところをぺろぺろ舐めてる……可愛い。
「アイス忙しいなら喋るの後でもいいよ?」
「アイスも……お喋りも……したい。」
「そっか。」
「ん。」
でもやっぱり天捻ちゃんもお金持ち家庭なんだなぁって。これって世間一般から見れば相当な玉の輿なのでは……?私凄い子ばっかり虜にしてる気がする。
「……でも愛ちゃんは結構一般常識知ってるよね?」
「そうですね……価格とかは余り理解してませんでしたが、ご主人様の常識が我々の常識になり得るので……その辺は知っておかねばならない知識でした。」
雪見〇いふく美味しそうだね?1個1個大事に食べるタイプなのかな?
「へぇ〜……大変だね?」
「未来仕える素晴らしいご主人様のためなら別に苦でもなかったです。実際私をこんなにも魅了する素晴らしいお嬢様に出会えましたので。」
「……ぐっ…………あっつ。」
熱くなった顔を手で仰ぐ。みーんなこんな恥ずかしいことをサラッと言ってのけるんだもん。
「弱弱。」
「言わないで。」
「……天捻様はこういうの結構知ってますよね?」
たしかに。化粧品の時も価格理解してたし……アイスとる時も迷いがあんまりなかったよね。
「ん……妹に引っ張られて……色々遊びに……行ったことがあるから……。」
「「「妹!?!?」」」
天捻ちゃんに妹!?嘘!?
「……いるよ……見る?」
天捻ちゃんがスマホをスイスイと。写真を見せてくる。
少し幼い天捻ちゃんと……横には天捻ちゃんと似ても似つかないギャルギャルしい女の子。髪を金色に染めて後ろでひとつに纏めてる。見える範囲で身長も高そう。
「全ッ然似てないわね??」
「……よく言われる。」
「…………天捻……これ何歳の子?」
「2個下。」
「2個下!?全然大人びて見えますね!?」
「……よく言われる。」
たしかにあんまり似てないけど……あ!
「……でもよく見たら目の中ぐるぐるだね。天捻ちゃんと一緒だ。」
「!」
「あっホントね。……そう見るとやっぱり姉妹か……」
「お嬢様はよく見ておられますね?」
「大好きな彼女だしね。」
「ひまひま……んふふふ。」
天捻ちゃんが嬉しそうでなにより。みんなやっぱり笑顔がいいよ。
「…………愛のそれ美味しそうね。」
「……雪見だいふ〇をシェアしては絶対に言ってはいけない禁句ですよ。」
「そうなの?」
禁忌だよ。カナ。
side中曲瀬天捻
晩御飯が終わり、カノカノとあいあいが食器を片付けてる。
ひまひまは……何処だろ。……もしかして……
「……ふふ。」
今日は嬉しかった。
みんな……私と妹の……捻瑠(ねる)と似てない。で話を終わらせちゃうから……私と捻瑠の共通点。見つけてくれて嬉しかった。
私のママと、捻瑠のママは違う。私は生まれた時からママの記憶が無い。私を産んでからすぐ亡くなっちゃったらしい。
パパはそれでもめげずに……今のママに支えられながら家業を頑張って、今のママと捻瑠達が出来たことでゴールイン。私達は家族になった。
ちなは今のママ似。私は私のママ似だから全然違うけど……姉妹だから。捻瑠は私の事……どう思ってるかあまり分からないけど、私は捻瑠のこと大好き。
私に色んなことを教えてくれた……私だけの妹。大切な妹。
捻瑠も同じだったら嬉しいな。
そんな捻瑠と……私の共通点を……ひまひまは見つけてくれた。似てない姉妹の……唯一似てる場所。
私が……私の1番好きな場所。
捻瑠は小さい頃身体が弱かった。だから私はいっぱい捻瑠のお姉ちゃんを頑張ってやった。今は……元気で活発で……そんな面影一切見えないけど。
だから静かな私を見てみんな言う。似てないって。姉妹に見えないって。私の方が妹に見えるって。捻瑠達の方が可愛い。美人だって。
捻瑠と知り合いたいからって私を口説いてきた人もいた。
そういうことすると捻瑠から嫌われるのにもわからずに。
私と捻瑠は比べられて生きてきた。
嫌なのに。私は私。捻瑠は捻瑠。姉妹で……大切な家族で……
性格も言動も全然似てないけど、そんな私たちの唯一の共通点。見つけた時は……捻瑠達と一緒に抱き合った。嬉しかった。私達が本当の姉妹だって言う証明だったから。
だから好き。私は私の目が好き。
本当は……あまり写真を見せたくなかった。
みんなが……ひまひまが、他の人と同じこと言ったらどうしようって思った。言われ慣れてるけど……ひまひまだけは嫌だなって思った。少し期待した。ひまひまなら……って。
やっぱりひまひまは見つけてくれた。私たちの共通点を。
もっともーーーっと好きになっちゃった。ひまひまのこと。
だからね……ひまひま。
シュル……シュル……
「……ふふ。……逃がさないよ?」
ガラッ……
「…………え!?なんでわかったの!?」
「お風呂……1人ではいるなんて……許さないから。」
「いいじゃん!私のお家だもん!」
私に……もっと知らないところ見せて。
全部。ぜーんぶ。好きになってあげる。
もっともっと愛してあげる。
だからね……?
「ひまひま……絶対離さないから……ね?」
ずっと私のそばに居てね。