※この作品はR-18です。

きっと私のアカデミア   作:おいーも

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美味しい夕餉

 

 

 

 

 

 

side槍田日巡璃

 

 

 

「……変な人ね。日巡璃。関わる相手は考えた方がいいわよ。」

 

「今更だね。」

 

 

カナからありがたい言葉。まぁもう本当にその通りなんだけど……

 

「すっごく失礼ですのね!?……まぁいいですわ。今日は見かけただけ。……いつまで帰省されてるの?」

 

「んーとね……明後日までだね。明後日で帰る。」

 

「…………ふん。私はあと四日ですわ。…………高校では虐められてませんこと?」

 

「……虐められてたら彼女が大暴れするね?」

 

「オーッホッホッホ!その通りですわね!杞憂ですわ!」

 

 

いつもの高笑い。…………今昔鏡さんなりに心配してくれたのかな?なんか似合わないなぁ……

 

「失礼なこと思ってませんこと??」

 

「気のせいだよ。」

 

 

今昔鏡さんが私に向き直る。まっすぐ。一直線に私を見つめる。

 

「コホン……槍田日巡璃。私の永遠のライバル。未来永劫私以外に負けることがあったら許しませんわよ?」

 

「うわぁ〜……肩の荷が重いね?」

 

「この程度の重さ。どうにかしてみなさい。」

 

「当たり前だよ。貴方すら勝てない場所に私は居てみせる。」

 

「それでこそ。……今日は帰りますわ。貴方の生意気な顔が見れて満足しました。それではご機嫌よう。」

 

 

今昔鏡さんは綺麗なカーテンシーを披露してそのまま去っていく。

 

「うん。ばいばーい。メイドさんによろしくね。」

 

 

後ろ手に手を振ってくれた。……高校生になって少し丸くなった??あんなことする子じゃなかったよね……?

 

 

「…………ねえ。2人とも。」

 

「ん。……臭うね。」

 

「…………その可能性は大いにありますね。」

 

 

「…………なんの話してるの?」

 

「「「なんにも?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの子……聖愛学院なの?」

 

「そうだね。雄英じゃないよ。」

 

 

帰り道。今昔鏡さんの話題で持ち切りに。

 

「……雄英……受からなかったの?」

 

「いや?聖愛学院が第1志望のはず。」

 

「へぇ〜……よく知ってるのね?」

 

 

「何もしなくても話題になる子だったしね。なんか雄英の自由な校風が肌に合わなかったって。自由……よりもしっかり規律がある方が好みみたいで。」

 

「……なんかわかる気がするわ。」

 

カナのそれいちごミルク?……可愛いねぇ。美味しいよねぇ。

 

 

「聖愛学院も雄英程じゃないにしろ、充分名門校です。ご立派ですよ。」

 

「…………ん。……強そうな人だった。」

 

「そうだよぉ〜。なんでも出来たからね。天才って感じの子だった。だから私にぜーんぶ少し届かなかったのが心底面白かったみたいで……」

 

「面白かったになるのが……変人よねぇ……」

 

「「「うん。」」」

 

全面同意です。実際変人だからね。

 

 

「……それでさ。彼女はどうかわかんないけど、私にとっては少なからず学校で嫌なことしない子だから印象には残ってたんだよね。……まぁ連絡先すら交換してない間柄なんだけどさ。」

 

「……お互い淡白すぎるわね。」

 

「いや!だって友達なんて思わなかったし……」

 

「…………あの時無理やり連絡先渡して正解だったわ……」

 

入学式の時?懐かしいねぇ……

 

 

「今思うと……カナが初めてのクラスの友達だったね。……今は彼女だけど。」

 

「……そうね。……私もこんなことになるとは思わなかったけど。」

 

「…………んふふ。……おすそ分け。」

 

「私は伴侶にならなくてもお嬢様にはついて行く所存でした。」

 

 

私も彼女が3人できるとは思いませんでした。未来ってわかんないもんだね。

 

「そういえば……未来っていえば……今昔鏡さんの個性だったらわかったのかな?」

 

「「「え?」」」

 

「今昔鏡さんの個性……『並列世界』っていう個性なんだけど、別世界線から自分を連れてこれたり、別世界線の自分を観測したり出来る個性なんだよね。本当に意味がわからないと思うけど私も意味がわからない。」

 

その個性で別世界線の私とかわかったりするのなぁ?だったらもしかしたらってのもありそうだよね。

 

「…………パラレルワールドを行き来できる個性ってこと?」

 

「本人はそう言ってるけど……ホントかどうかはよくわかんない。」

 

「やろうと思えば自分を無限増殖できる……ということですか。」

 

「んーん?3人まで。だけど連れてきているのはその世界の自分の分身?らしいから、消えても元いた世界がどうにかなるってことは無いみたいだけど。」

 

「…………意味不明な個性すぎますね。」

 

「……まるで…………個性終末論……だね。」

 

あ……それ天捻ちゃんの持ってる本で読んだことある。えーっとたしか……

 

「個性が年々強くなりすぎて人間じゃ制御できなくなって、世界が滅ぶとかだっけ?」

 

「ん。そう。」

 

「…………突拍子もないけど……カナと天捻ちゃんみてるとなんかわかる気がするなぁ……。」

 

「……まぁ……そうね。私も天捻も……個性の枠組みから離れてると言われてもおかしくないからね。」

 

 

ルールを与える個性と……全てをねじ曲げる個性。すごい個性だよねぇ……

 

「…………終末論なんて……無い方がいいね。私皆と離れたくないよ。」

 

「……当たり前じゃない。終末論なんて世迷言よ。」

 

「…………そうだよね。うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いただきます!」

 

「「「「「いただきます!」」」」」

 

 

ちょっと遅くなっちゃたけど、モツ鍋!美味しそう!!

 

「いっぱい作ったからジャンジャン食べてね?」

 

 

えへへ〜モツがプリプリ!

 

「あーん…………んんんっ!!美味しい!!」

 

お米が進む!味噌がいいよね!

 

 

「…………ふーっ……ふーっ……いただきます。」

 

カナが初めてのモツ鍋……いったー……

 

「……どう?」

 

「…………美味しい……わね。」

 

「やったーー!!」

 

「結構すきかも。」

 

「えへへ!大人になったらお店のモツ鍋も食べに行きたいね?」

 

「ええ。約束よ?」

 

楽しみが増えちゃった!

 

プリプリのモツの美味しいこってり脂と……キャベツとごぼうのシャキシャキ感がいいアクセントになって……サイコー!!

 

 

「ご飯がすすむ!やっぱりお肉はモツが1番美味しい!」

 

「ふふっ……お嬢様……口の周りについてますよ?」

 

「えっ!?どこどこ??」

 

愛ちゃんがハンカチで拭いてくれる。

 

 

「ん〜……」

 

「はい。綺麗になりましたよ。」

 

「ありがと〜!」

 

 

「もう。……うちの子が甘えんぼでごめんね?」

 

「いいのです。私がやりたいと思ってやってるので。」

 

ふふんと自慢げな愛ちゃん。私もふふんとやってみる。

 

 

「アンタが胸張れる事じゃないからね。」

 

ママからの鋭いツッコミ。

 

「えへへ……」

 

 

「……もぐもぐ」

 

「日巡璃!このままだと天捻が全部食べちゃうわ!!」

 

なんですと!?!?すごい勢いで天捻ちゃんが食べてる!

 

「え!?まずい私も食べないと!!負けないよ!天捻ちゃん!」

 

「勝負……」

 

 

「いっぱいあるから焦らなくてもいいのよ?」

 

「はっはっは!娘が増えたみたいで楽しいな!」

 

 

「……もぐもぐ……パパッたら……カナのパパと同じこと言ってる。……あっ!それ私が食べようと思ってたモツ!!」

 

「早い者勝ち……あーん……」

 

「くぅ〜……じゃあこれ貰っちゃうもんね!!」

 

「2人とも静かに食べなさいよ…………スープ美味しいわね。」

 

「モツの脂とそもそものお出汁と味噌がすごい混ざり方してますね。……これが本場のモツ鍋ですか……。」

 

愛ちゃんの事だから……モツ鍋も作れるようになりそう。…………末恐ろしいね。私の胃袋は何度掴まれればいいんだろうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おなかいっぱい……」

 

「……もう動きたくないわ。」

 

「速攻でお風呂入って良かったですね。」

 

「ん……悔いは無し。」

 

 

皆食べ終わったとすぐ片付けてお風呂に入っちゃった。1回寝たらもう動けなくなるって思ったんだよね。正解だった。

 

私の部屋で皆布団に寝転がって動かない。……動けないが正しいね。

 

 

「…………モツってどこまで噛めばいいかわからないって聞いた事あったけど……全然スルスル喉を通ってびっくりしたわ。お腹に胃袋があるのを忘れて詰め込んじゃいそう。」

 

「……だね。モツはもう飲み物だよ。」

 

「それは過言では?」

 

……そうかも。

 

 

「…………こういう…………大きな鍋料理も…………美味しいね。」

 

「天捻ちゃんもう眠い?」

 

「……ん。……ひまひま……一緒寝よ。」

 

「いいよ。電気消そうか。」

 

「私も一緒に寝たいわ。」

 

「私も……お嬢様と寝たいです。」

 

 

「えぇ〜?ベッド足りないよ……よし。じゃあ今日はみんなで布団で寝よっか。」

 

「じゃあ私日巡璃の横!」

 

「ん!!私が最初!」

 

「私だって!お嬢様の隣がいいです!!」

 

 

「喧嘩するなら一緒に寝ないよ!!」

 

「「「仲良しです!一緒に寝ます!」」」

 

「ん!よろしい!」

 

もう恒例行事だね。

 

そんなこんなでお腹いっぱい心いっぱい幸せいっぱいで熟睡。

 

 

次の日は朝の10時過ぎまで起きてこなかったんだけど……

 

 

「槍田日巡璃!!」

 

「んぇ!?!?」

 

外から聞こえた大きな声で目が覚めた。

 

 

 

……なんか猛烈に嫌な予感がするぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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