※この作品はR-18です。

きっと私のアカデミア   作:おいーも

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すみません。朝起きたら寝坊してたので朝更新が出来ませんでした。




私の願望

 

 

 

 

 

 

side槍田日巡璃

 

 

「早く起きなさい槍田日巡璃!!」

 

インターホンを押さずに大きな声だけ……非常識な!

 

 

「何何!?……てかこの声……」

 

「ん〜ん……日巡璃……誰……?」

 

「ちょっと行ってくる!!」

 

「え!?お嬢様!?」

 

急いで上着を着て部屋を出る。なんでここにいるの!?

 

 

 

 

ドアを開けて一言。

 

「今昔鏡さん!?なんで私の家知ってんの!?」

 

「あら。まだ寝てたの?もう少し早寝早起きを心がけた方がよろしくてよ。」

 

 

今昔鏡見歳乃。昨日の今日だ……本当になんでいるの?家教えた覚えないんだけど。

 

「いやいや!なんで私の家知ってるの!?」

 

「調べた迄よ。」

 

「なんで……?」

 

「ふん。」

 

「……。」

 

会話にならない。……こういう時は……

 

「天津場さーーーん!!助けてーーー!!」

 

「なっ!?」

 

ドドドドド……

 

「お呼びですか槍田様!」

 

 

走って今昔鏡さんの横に来たのは、天津場誠(あまつばまこと)さん。今昔鏡さんの直近のメイドさん。やっぱりいると思った!

 

よく私と今昔鏡さんの間を持ってくれた人。……喧嘩してないはずだけど。

 

 

「誠!呼んでないわよ!!」

 

「いえ。こういう時はお嬢様が何かした時ですので。」

 

「ムキーッ!!」

 

 

天津場さん……ピンクのツインテールで可愛らしい顔をしてるんですが、首から下はゴリゴリマッチョ。肩幅と顔が合ってない。

 

確か年齢は20代半ばだった……よね?実年齢はわかんない。

 

 

「それで!槍田様。お嬢様がなにかされましたか?」

 

「はい。会話にならなくて困ってます。」

 

「ハァァァァァ〜〜…………お嬢様!あれほどしっかり本心を伝えてくださいと!!」

 

「うるさいですよ誠!私には私の流れがあるの!!!」

 

「流れなどないです!昨日もあれだけ話したのに何一つ進展してないでないですか!!」

 

「ギャーギャー!」

 

「ワーワー!」

 

 

…………えぇ……他人の家の前で何やってるのこの人達。

 

「…………お嬢様。彼女たちは……?」

 

「あれは……今昔鏡さんだっけ?」

 

「ん……眠い……ひまひま……寝よーよ……」

 

 

3人が玄関まで顔を出してくれた。

 

「ごめんね?なんかまだうるさいみたい。」

 

両親がいなくてよかった……。今日はどっちも仕事なんだよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……静かになった?」

 

「はい。」「…………はい。」

 

 

一旦リビングに通してお茶を出す。

 

天捻ちゃん達は服を着替えて来るらしいので今は私だけ。

 

 

「……それで?何の用なの?勝手に家特定してさ……」

 

「………………それは……。」

 

「……お嬢様。」

 

「うっ……わかったわよ!……でも……うーん……」

 

なんかモジモジしてる今昔鏡さん。何かあったの???

 

 

「…………はぁ〜〜……実はですね槍田様……んぼっ!?!?」

 

今昔鏡さんが慌てて天津場さんの口を塞ぐ。

 

 

「待って待って待って!?!?!?……槍田日巡璃!私の家に来ない!?」

 

「……プハッ!!お嬢様ァ!?」

 

 

 

 

「…………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………え?」

 

今……私はもてなされている。今昔鏡さんの家のメイドさん達に。大きな部屋……カナの実家とどっこいどっこいだね……。

 

 

長い机に……綺麗な椅子。毎度毎度思うけどこんなに長い机何に使うの?

 

 

「あら。結構いいお茶使ってるじゃない。」

 

「いい匂い……ん……」

 

「そうですね。流石九州最大チェーンのドラッグストアの社長令嬢ですね。」

 

 

彼女3人も。うーんまぁ居ないより居てくれた方が嬉しいけど……

 

「……どう?楽しんでるかしら?」

 

 

今昔鏡さんが天津場さんを連れて部屋に入ってくる。……なんか喧嘩してる?距離が少し遠い。

 

「……。」

 

「……ふん。……楽しんでくれてるみたいね。」

 

 

私の向かいに今昔鏡さんが座る。……なんで向かいなんだろ。椅子いっぱいあるじゃん。

 

「…………なんで私……私達家に呼ばれたの?」

 

「そっ……そそそ……それは……」

 

モゴモゴモゴ……

 

車の中でもずーーーっとこんな感じ。私……どうすればいいんだろ。

 

 

「…………はぁ〜……申し訳ありません皆様。ぜひ時間の許す限り楽しんでいってくださいませ。」

 

「……なんか……天津場さんも大変ですね?」

 

「いえ。これも仕事なので。」

 

「…………ふん。」

 

 

……結局この人の本心が見えない。何がしたいんだろ。

 

「……お茶美味。」

 

「!……お口に合ったようで何よりだわ。」

 

ムスッとしてた今昔鏡さんが口を開く。

 

 

「それで……あの……その……おと……」

 

「……おと?」

 

「おととと…………オットセイは好きかしら!?」

 

「え?急に?」

 

 

何事!?何考えてるの?

 

「「「ぶっ!」」」

 

「え!?なんで3人笑ってるの!?」

 

 

 

「ううううっ……1回席を外すわ!!」

 

今昔鏡さんがスっと立ち上がって席部屋を出る。ため息混じりに天津場さんも着いていく。

 

…………結局何がしたいの???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side今昔鏡見歳乃

 

 

 

 

私は生まれながら天才だった。

 

勉強、運動、音楽、芸術だって……人一倍。二倍以上もできた。

 

 

 

 

…………出来てしまった。

 

周りの子が私よりも幼く見えた。私以上に……出来る人は先生しかいなかった。私よりも幼い人達と仲良くなれるとは思えなかった。

 

当時は頑張ってたことも……頑張れなくなった。だってやれば出来てしまうんだもの。つまらなくなった。

 

 

 

 

『今昔鏡さんは素晴らしいですね。テストは満点。運動神経も抜群。個性もしっかり扱えて……その上授業態度も素晴らしい。非の打ち所は全くと言っていいほど無いです!』

 

 

先生の態度が……社長のパパに媚びを売ってるように見えて……でも事実で。だとしてもすごく嫌だった。

 

 

私の頑張りが、全部…………全部……頭打ちだって言われてる気がして。

 

 

 

 

 

彼女を見つけたのは中学2年生。父の仕事の影響で引越しをした時……虐められている彼女を見つけた。

 

泥を被せられ……上履きを隠され……教科書はボロボロ。

 

なのに。なのに彼女は背筋を伸ばしてまっすぐ前を見ていた。言えば普通じゃなかった。ありえなかった。虐められている人間の様相じゃなかった。

 

先生はいじめの事実を黙認しているようで……それはそれで吐き気がした。

 

 

 

彼女の成績は……もう異常だった。私が何をやっても勝てない相手だった。

 

運動も、個性の扱いも、勉強も。全部勝てない相手がいるのかと……今までの全てを総動員しても勝てない相手が居たのだと!

 

 

私は学校に行くのが楽しくなった。嬉しかった。

 

いつしか彼女を勝手にライバル視し……私は彼女に勝つために沢山努力をした。

 

 

彼女が雄英のヒーロー科を目指しているのも知った。だからライバルである私もヒーロー科を目指した。だけど雄英は校風が合わなかったので聖愛学院にした。

 

 

彼女が立派なヒーローになるのであれば、私だって負けてられない。私も立派なヒーローに……彼女以上のヒーローになってみせる。

 

 

夢ができたんだ。私にも。

 

 

真っ白で……何も無くて……手も伸ばせない用な私にも。大きな夢が!!

 

 

 

 

 

 

 

聖愛学院に行った途端……少しだけ胸の中が空洞になった。

 

聖愛学院で早くも神童と呼ばれるようになった私。……彼女がいたら彼女こそ神童だったはず。私よりもすごい人がいる。私よりももっともっとすごい人がいる。

 

 

それはモチベーションになった。…………でも、その子以外と仲良くなる気にはまだなれなかった。

 

ただ……その子とも仲良くなれなかったけど。

 

 

 

 

 

夏休み。

 

実家に帰省している時彼女を見つけた。心が踊った。お友達になれるかもしれない!!

 

 

 

……無理だった。

 

そもそも学生時代だって私が素直になれないから伝達事項は誠を介した。腑抜けめ。

 

 

理由はわかってる。私が素直になれないだけ。

 

友達になろう。

 

 

 

言えないだけ。

 

連絡先を交換しよう。

 

 

 

口から出ないんだよ。簡単な言葉。

 

 

……どうしたらいいのか。今がチャンスと何度もトライしてみているけど何度も失敗してしまう。

 

私には……無理なのかな。

 

 

「ねえ。」

 

「……あなたは……ディミトリウさん?」

 

 

少し黄昏てる私に、彼女……槍田日巡璃の彼女が声をかけてきた。

 

カノーテス・ディミトリウ。良質な野菜を科学の力を使って大量生産、それ以外にも農業を新しくをモットーに掲げた大日農業の社長令嬢。私ですら知ってる超大手企業。

 

槍田日巡璃はすごい女と知り合ったものだ……。

 

 

「アンタ日巡璃と友達になりたいの?」

 

「!!なんでそれをッ!?」

 

一瞬誠が言ったのかと思ったが……彼女はそんな事しない。

 

 

「見てりゃわかるわよ。わかってないの日巡璃だけ。」

 

「…………。」

 

私はそんなにわかりやすいのか……

 

「ひとつだけアドバイスをあげる。……日巡璃……悪い意味で鈍感だから結構ズバッと言った方がいいわよ。じゃあね。」

 

「…………。」

 

 

彼女も苦労したのだろう。言いたいことだけ言って帰って行った。その言葉は……奇しくも心に刺さった。

 

 

 

私は……

 

私は。

 

彼女と。

 

 

槍田日巡璃と。

 

友達になりたい。

 

 

もう……恥も外聞もあるもんか。

 

 

 

 

 

 

 

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