side槍田日巡璃
「日巡璃ちゃん。武器の扱いが相変わらず単調ね。このままだと仮免試験でボロが出るわよ??……まぁこれくらいのボロなら見逃してくれそうだけどね。」
「ぐへぇ〜……槍……ちょっと難しいんだもぉん……」
地べたに突っ伏す私におねーさんが声をかける。
今日は、仮免試験のための訓練。必殺技を編み出す訓練と、必殺技がある程度ある者は身体強化の訓練。
私は後者なのでおねーさんとぶつかり稽古。未だ勝てる気がしない。おかしい。
「……おねーさんってさ……なんでそんなに強いの?」
「………………さぁね。」
毎度毎度はぐらかされてる質問。強さの秘訣が何かあれば……と思ったけどいつも さぁね だけ。言いたくないことなら聞かないけど……
「……今の日巡璃ちゃんは身体はもうほぼ完成系に近いわ。ここから成長すると考えると末恐ろしいわね。あとは技術よ。経験と練度。」
「経験と練度…………難しい〜!!」
「頑張んなさい。……はい次。」
おねーさんに頭ポンポンされた……ちょっと嬉しい。
私だけじゃないからね!
「委員長ォ!邪魔だよ!」
「うわぁ!ごめんね香曽我部くん!」
「香曽我部くん!そんな言い方無いぞ!!」
この場には香曽我部くんと日河原くんもいる。2人共技多いからね。
ちなみにおねーさんとの組手3週目です。全敗。
みんな綺麗にボコボコにされてる。私と香曽我部くんは搦手がほぼないから負けるのはある程度わかるんだけど、日河原くん相手に一方的に叩けるの意味わかんないよね。
あれだけ苦労して戦った日河原くんを……あんな簡単に処理しちゃうなんて……
うーん経験値。
ちなみに必殺技考案組には、セメントス先生とエクトプラズム先生の他に……
「ナガン様!こういうのどうッスか!!」
「骨の射出?いいけど……少し威力が足りないわね。筋力鍛えましょ?」
「ウッス!!」
「無闇矢鱈に光らせるのではなく、相手の視線を集めるため〜とか、相手を一方的に叩く時限定にするのが良さそうですね。その光は周りを巻き込むことも視野にしましょう。」
「なるほど!僕が輝きすぎて皆の目を焼いてしまうということですね!」
「そうとは言ってません。もう一度言いますね?」
「…………はい。」
「空が飛べるってことはメリットで、ただ遠距離攻撃がないのは辛いですね?」
「……ホークスみたいに羽動かせたらええんやじゃが……俺がまだその領域にいけてない。悔しい限りじゃ。」
「じゃあ今から慣れさせましょう。公安委員長にもその時の色々コツとか聞いてみますよ。」
「ええんか!?ブラッドヘリアンサス先生!ありがとうございます!」
なんと……ブラッドロータス事務所総出で手伝ってくれてます。そんな大盤振る舞いな事ある??
雄英側から手配したらしいけど……皆結構フッ軽なんだよね。
私は久しぶりに皆にあえて凄く嬉しいけど……時々叫び声が聞こえるからスパルタなんだろうなって……みんな。頑張れ。
「被身子ちゃ〜ん。私ちょっと疲れちゃったから交代しましょ〜!」
「ゼーッ……ゼーッ……ちょっと……!?」
「ハーッ……ハーッ……」
「ハッハッハッハッ……」
あれから……7,8週。もう10週くらいしてから、おねーさんがちょっと……疲れたらしい。無尽蔵すぎる。
「いいですよ〜!そっち行きますね?」
私たちに休憩は無いみたいです。南無三。
「はい。ブラッドヘリアンサスです。流水さんに変わって私が今から皆さんをボコボコにしますね!」
「フーーーーッ……よし!行けるよ!!」
何とか立ち上がる。こんな楽しいことできないなんて損損!
「ホントかよぉ!?……ハァ……ハァ……」
「……ハッ……ハァ……委員長……も…………規格外だな……」
2人はまだ寝込んでるみたい。
「んふふ……日巡璃ちゃんと1vs1するのも初めてですね?」
「そうだよ!!私楽しみだなぁ!!」
「ええ。私も楽しみです。…………一瞬で負けないようにしてくださいね?」
「む!頑張るよ!!」
槍を構える。
被身子おねーさんも薙刀を構える。
「じゃあ行きますね?」
被身子おねーさんが低空姿勢で突っ込んでくる。速い!!
「フンッ!!」
タイミングを見計らって槍を振り下ろす……
「……ふふ。」
「!?」
が当たらない!止まった!!槍のリーチギリギリで!!
そのまま懐に潜られる。薙刀一閃!!
何とか上体を逸らして躱すが……
「うわあっ!?!?」
視界が急に動いたと思ったら、足が引っ張り挙げられて転ばされ、そのままぐるぐると……
「はい。私の勝ちですね。」
「うわああん!!何されたか分からないまま負けたぁ!!」
簀巻状態に……この白い布の素材何!?ガチガチすぎる!!
多分これも……視界の外に攻撃を置いておくってことなのかな……くっそぉ……視界をめちゃくちゃにされたあとにめちゃくちゃされた……
「……瞬殺……!?委員長が……!?」
「…………これは……なんとも……」
「私は流水さんほど優しくないので。一方的に痛めつけるし一方的に勝ちます。あなたたちの足りない所を叩き続けます。よく理解するように。」
「「「っはい!!」」」
あっ……これ流水おねーさんより厳しいやつだ……
カポーン
「あぁああぁぁあ…………気持ちいい……」
「……ひまひま……おじさんみたい……」
「しょうがないですよ。今日お嬢様は大変頑張っておられました。」
「……そう……なの?」
「…………めちゃくちゃ疲れた。」
お風呂!お風呂は疲れを癒してくれるのです!!
ってな事で、一緒に帰った天捻ちゃんを引き連れていざお風呂!もう疲れすぎた……こういう時のお風呂が1番気持ちいい!
「槍田はんはお風呂ホンマに好きやなぁ?」
「そうだよ!」
「ほっといたら1時間くらい居るもんね。」
「1時間でも自重してるんだよ?」
「うんうん。…………私とひまひまは……ほっといたら2時間くらい……いる。」
「そんなに。」
引子ちゃんと憂世ちゃんもいます。2人もいっぱい頑張ってたよね!
「ホンマに疲れたわぁ……必殺技……考えるの大変やね?」
「槍田は偉いよなぁ……必殺技既にあるの羨ましいよ。」
「えぇ〜?私のだって力いっぱいパンチと体当たりだけだよ?」
「それが1級品の威力あるんなら充分だろ。」
「それもそっか。」
褒められるのは……悪い気しないね!
「……ん。そういえば…………私ヒーロー科の打診があった……よ!」
「「「「ええええっ!?」」」」
急に!?心臓飛び出るかと思った!!
「んふふ……来年から……一緒だね?」
「天捻ちゃん!!私嬉しいよ!!!」
天捻ちゃんに抱きつく。
「…………普通にビックリしました。」
「ホンマに!?」
「まじかよ!?頑張ったもんなぁ!!」
「んふふふふ……ぶいぶい。……まぁ……ブラッドロータス先生が……結構……取り持ってくれた……けどね。」
「あぁ……おねーさんか。まぁ……それなら。」
「あの人規格外だからな。」
「うん。」「そうですね。」
皆の認識が揃いも揃って規格外なのちょっと面白い。
「カナには言ったの?」
「まだ。今夜言う予定。」
「そうなんだ!早く言ってあげてね?」
「ん。」
カナもきっと飛び上がって喜んでくれるよ!
「……ヒーローネーム……考えなきゃ……」
「そうだよね!後悔しない名前がいいよ!」
「一生モノでありんすから……いっぱい考えていっぱい悩むとええやろなぁ……」
「まぁ……正直変えようと思えば変えれるからそこまで気負わなくていいけどね。」
………………そういえば
「愛ちゃんは決まったの?」
「はい。SweetHeart(スウィートハート)にしました。」
「??……どういう意味?」
「私の愛する貴方です。」
「「…………あぁ……」」
「あいあいらしい……ね。」
…………なんか急に恥ずかしくなってきた。聞かなきゃ良かった。