※この作品はR-18です。

きっと私のアカデミア   作:おいーも

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【番外編】無神神奈月の気持ち。

 

 

 

 

 

 

side無神神奈月

 

 

 

目の前……私のベッドで福が気持ちよさそうに寝てる。

 

一昨日まで風邪ひいてたから……今日はまだ病み上がりだよね。

 

今日昨日と普通に授業があったし……疲れが出てるんだろうなって。ブラッドロータス先生達もスパルタだったから……

 

 

勉強の手を止めて、福の頬を撫でる。ふわふわで気持ちがいい。

 

私のために手入れをしてくれてるんだと……嬉しい。

 

 

時刻は22時。私もそろそろ寝ないといけない時間。

 

勉強も程々に、キリのいいところまでもう少し頑張ろう。

 

 

 

「…………。」

 

…………福は……私のことが好き……なのかな。

 

 

最近の一番の不安。

 

っていうか、最近これしか悩みがない。他の悩みが些細なこと……悩むレベルですらないほどに、福の気持ちが気になる。分からない。

 

 

好き。私のモノ。離したくない。口を開けば歯の浮くようなセリフを毎日毎日言ってくれる福。

 

 

「…………ねえ福。……それって福の本音かな。」

 

からかってる訳じゃないよね?

 

 

福は毎日言ってくれるから……少しだけ……ほんのちょっぴり冗談に思えちゃう。

 

恋を自覚したら……福の本心がわからなくなっちゃった。

 

 

「…………はぁ。」

 

無意識だった。ため息が零れた。

 

 

嫌だった?苦しかった?辛かった?…………どれでもないこの感情を、言語化するのは少し難しい。

 

言葉の裏を疑うようになった。言動の一つ一つを考えるようになった。

 

 

私と福の関係ってなんだろうね。

 

友達?恋人じゃないよね。

 

 

毎日同じベッドで寝てる。……風邪の時以外。

 

毎日一緒にご飯を食べて、毎日一緒にお風呂に入って。

 

おはようからおやすみまで一緒。

 

 

福の頭を撫でる。

 

「…………あ。」

 

 

福が寝返りを打って手が届かなくなっちゃった。

 

「……。」

 

 

福が……恋した人がもし私以外の誰かなら……こうやって私の手から離れていくのかな。

 

 

福が居ないこの部屋は……少し寂しい。

 

それくらい当たり前になっちゃった。

 

それくらい普通になっちゃった。

 

 

「…………ねえ福。」

 

あなたは……私の何なの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

福の横……少し空いてるスペースに身体を潜り込ませる。

 

狭いけど……福の体温を感じられて……私は嫌じゃない。

 

今日は福があっち向いてるから……福の背中に引っ付く。

 

 

「……福。」

 

日に日に……福への気持ちが大きくなってるのを感じる。

 

 

恋って……幸せなものだと思ってた。

 

恋って楽しいものだと思ってた。

 

恋ってもっともっと……お互いに嬉しいものだと思ってた。

 

 

だって槍田さんから借りた本には……そう書いてあったから。

 

それが普通だって……思ってたから。

 

 

福に話して……この関係が壊れるのが本当に怖い。

 

私……もう福がいないと安心して寝れないよ。福がいないと心から楽しくないよ。

 

 

私の全部をめちゃくちゃにした酷い人。

 

酷い人……酷い人なのに……

 

「…………私……どうしたらいいかわかんないよ。……福。」

 

 

福が寝てるから。寝てるから言える弱音。

 

福にだけしかぶつけられない本音。……私の悩み。

 

 

「…………。」

 

福の腰に手を回す。

 

「福…………早く……私の気持ちに気付いてね……?」

 

 

福の背中に顔を埋めてそのまま眠りにつく。

 

少しでも理想に縋りたくて。少しでも夢に縋りたくて。

 

弱い私を……誰にも見せたくないから。

 

 

 

 

 

 

「……。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢の中の私達は付き合ってるみたいで……

 

 

幸せで……楽しくて。

 

毎日が彩って見えていた。毎日一緒に登校して、毎日一緒にご飯を食べて。毎日一緒に下校して。毎日一緒にお風呂に入って。毎日一緒に寝る。

 

いつもの私達と全く変わらないはずなのに、いつもの私達とどこか違う。心が満たされる感覚。

 

 

私の理想としていたものが全部ここにある。

 

福の手を握って。福と見つめあって。

 

友達じゃ出来ないこと。恋人だからできる距離。

 

…………私もいつか福と……

 

 

福は鳥の足だったり、ふわふわの羽毛だらけの身体、そして大きな羽。人の身体をしている部分の方が少ない。異形個性。

 

今でも異形個性問題は根深く、差別だってあると聞く。

 

だから私と福の関係は難しいものだってのもわかる。

 

だとしても私は福がいいって胸を張れる。

 

 

………………夢の中だと。

 

だってこれは私の理想だから。

 

福は…………福がどう思ってるか分からないから。

 

 

これは夢。

 

 

これは……夢。

 

 

 

これ……夢。

 

 

 

 

こ……め。

 

 

 

 

 

……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……。」

 

目が覚める。

 

 

アラームの5分前。いつも通りだ。

 

いつも通りじゃないのは……福がもう起きてる事。

 

 

「……おはよ。カンナちゃん!」

 

「……福。おはよう。今日は早いのね?」

 

「なんか目が覚めちゃってね?」

 

 

福はもう制服に着替えている。私も着替えないと……とベッドから出ようとした瞬間。

 

 

「……カンナちゃん。」

 

「何?」

 

福の顔がずいっと近くなる。

 

「!?」

 

心臓が跳ねる。

 

 

「……これから覚悟しててね?」

 

「な……何が……」

 

「これは宣戦布告ね?……ちゅ……」

 

「っ!?!?」

 

 

「んへへ……準備してくるね?カンナちゃんも着替えちゃうんだよ?」

 

 

福が部屋を出ていく。

 

 

今……福に……

 

 

キス……

 

何が起きたか理解できなかった。

 

 

え……なんで……

 

 

福……?どうしちゃったの……?

 

 

 

 

 

 

 

 

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