side槍田日巡璃
「……仲良くなったのね?日巡璃ちゃん。」
「うーん……これは仲良しって言っていいのかな?」
おねーさんの用事が終わったみたいで、声をかけてくれた…………んだけど……
「太ももでか……どんだけ筋肉詰まってるの。ふくらはぎナニコレ……脂肪を彫刻刀か何かで削ぎ落としてるでしょ。…………筋肉ついてる人って動物性のタンパク質メチャクチャ摂るから体臭はキツイはずなのに……スンスン……全然そんなことないし。……不思議な身体。脇腹もすっご……おろし金じゃんこれ……うわ……これも……これもすごい……」
まだ触診は終わらないみたいです。少し恥ずかしくなってきた。
「うーん……これ場合によっちゃセクハラなんだけど……お互い合意なのよね?」
「……多分。」
自信はなくなってきた。
「うーん……ウチの被身子ちゃんも筋肉フェチな所あるけど……ここまでじゃないなぁ。」
それは流水おねーさんのだからじゃないかなぁ?
「おい。岩刄!そろそろ離してやれ。お前もやること出来たんだろ。」
「!……そうでした!はい!もう大丈夫です!採寸もしたので!」
「……え!?いつ!?」
「……?触ってる時に既に……」
「だってメジャーもなにも……」
「はぁ……槍田。岩刄の個性だ。ある程度見て触るだけで人の採寸が出来てしまう。メジャーいらないんだよこの子。」
「えぇ!?!?」
そんな個性が……すごいねぇ?
「はい。なので大丈夫です。…………先生!今すぐ帰っていいですか!それと2日くらい授業出なくても……」
「夏休みだから……と言いたいところだけど、工房に顔くらいは出しなさい。」
「はーい。」
岩刄さんはセカセカと工房を出ていった。
「…………すごい子だね。」
「……そうだね。仲良くなれてよかったね。」
「……う……ん??」
仲良しかなぁ?
「…………あんなにやる気出してる岩刄見るの入学式以来だよ。ありがとう。」
「いや……そんな……えへへ。」
パワーローダー先生に感謝された。……悪い気はしないよね!
「……日巡璃ちゃん見てこんなになるなら……体育祭の時とか会えなかったんですかね?日巡璃ちゃん選手宣誓もしてたし。」
「あぁ。岩刄はそういう行事に全く出ないんだ。観客席でひたすらスケッチしてたよ。人の身体を。本人もつまらなそうだったけどね。」
「……特殊ですねぇ……」
「楽しかったけどなぁ?」
「……槍田。岩刄のこと気にかけてやって欲しい。先生が見れる範囲外は……どうそようもないから。頼む。岩刄があそこまで心を開いた生徒は君が初めてなんだ!」
急にパワーローダー先生に頭を下げられた。
「私!?」
「パワーローダー先生。日巡璃ちゃん彼女いるから……」
「そういうことじゃないんだ。……彼女?まぁいいか。岩刄は寮生でね。どうにか食事と洗濯入浴だけでも!アイツ集中するとそれこそぶっ倒れるまでやるから……部屋の場所も教えるし、頼む!」
「…………で、断れずに来てしまった……と。」
「まぁそういう事になるよね。」
「……人たらし。」
寮のひとつの部屋の前。1年生女子の寮なので、一応繋がってはいるけど……見た事なかったから本当に籠ってるんだろうね。
「……身体をまさぐられた件はまた今度カノーテス様に報告しますね。」
「げっ……」
「自業自得。受け入れて。」
「…………しょぼん。」
何が起きるか考えたくないです。
今はそれよりも……
コンコン
「佳舞ちゃん。槍田日巡璃。入ってもいい?」
…………。
無音。
「……お嬢様を無視……?」
ズモモモ……
「愛ちゃんストップ!……佳舞ちゃーん。ご飯食べない?」
ドッ……ドタドタドタ……
え?なんか聞こえる……
ガチャ……
「え!?……なんで居るの!?」
おでこに冷えピタ貼って……目に隈……は元からか、青いレンズのメガネをした佳舞ちゃんが出てきた。完全に部屋着。っていうかシャツ1枚。襟の隙間から下着が見える。
「私……寮生だから。」
「…………神よ……」
泣くほど!?
「これ……四六時中この美しい筋肉を見れるってこと……?」
「ダメです。お嬢様はお忙しいので。」
「…………誰。……ってあんたも結構いい身体してるわね。槍田日巡璃程じゃないけど。」
服の上からでもわかるんだね?愛ちゃんメイド服なのに……
「……キモ。」
「愛ちゃん!?」
「言われ慣れてるから大丈夫よ。それで?なんの用?また触らせてくれるの!?」
「あっ……一緒にご飯食べないかなって。」
「…………はぁーーー……」
頭抱えてしゃがんじゃった。
「……え?」
「えぇ……こんな捻くれたキモオタに、視界に映るだけで眼福な筋肉モリモリギャルが身体触らせてくれた挙句同じ寮で生活してる上優しく話しかけてくれるってどんなラノベだよ意味わかんねぇ……夢か!?夢なのか?理想の身体を追い求めすぎて今夢見てんのか??もう今日だけで頭がおかしくなっちまいそうだ……」
なんかすごい早口で喋ってる……
「……一緒に食べない?」
「食べる!食べるからちょっとまってて!」
バタン!!
「…………お嬢様。変な人を集めるフェロモンでも出てるのですか?」
「嫌なフェロモンだなぁ……」
「ひまひま……貞操の危機……」
「ていそう?なんだっけそれ。」
「「ハァ……」」
「うま……うま……2日ぶりの固形物うま……」
「「「……。」」」
共有スペースで一緒にランチラッシュのご飯。
なんかすごいこと聞こえた気がするけど……美味しく食べてるようで何よりです。
部屋に戻って何してたかと言うと……ホットパンツだけ履いて出てきた。女子寮とはいえ……そりゃそうだよね。
「……パワーローダー先生から頼まれてね。少し見てやれって。」
「…………はぁ。あのお節介先生め……」
「知り合い?」
「………………叔父さんっていうか……なんて言うか。私の母方のおばあちゃんの兄妹の息子……従兄弟?叔父さん?よくわかんないけどそういう関係。」
「へぇ……パワーローダー先生の……なんて言うの?」
「従叔母ですね。」
「いとこ……おば?……ふーん。……全然似てないね。まぁそりゃそうだけどさ。」
「…………私が雄英に来てから久しぶりに会って……それで結構気にかけてくれてるみたいだけどね。だからといって贔屓目されてないからすっごく居心地いいけど。ご馳走様。」
「早!もっと味わって食べればいいのに!」
「だってインスピレーションが止まらないから早く部屋に……」
「お風呂も入るよ!」
「……えぇ……1週間に1回でいいよ……」
「ダメです。」
「…………眠たくなっちゃうんだよ……」
「ダメです。」
「寝たら時間が……」
ワガママさんめ!だったらこうだ!!
「……愛ちゃん。天捻ちゃん。やっておしまいなさい。」
「かしこまりました。」
「ん。」
「えっ!?ちょっ!?待って!?!?」
カポーン……
「…………ふぁ……」
湯船。あの後2人にもみくちゃにされて、全部の着ぐるみ剥がされてそのままお風呂に。
服も汚れてたので……いつから洗ってないの?
今3人で全身ピカピカにしたので湯船につけてる。
「…………そういえば本当に両性具有なんだねぇ……個性でわかっては居たけど……実物を見るのは初めてだ。触らせ……」
「絶対やだ。」
「……だよねぇ……」
何言ってるのこの子??
「デリカシーの欠片もありませんね。」
「全て見えてしまうからね。デリカシーなんてものは捨てたよ。」
「……それはそれで……不便。」
ちょうどいいので私たちも一緒にお風呂。今3人で洗いあってる。
「…………3人は恋人関係なのか?」
「もうひとりいるよ!」
「お嬢様と付き合ってる……ってだけですが。」
「ふーん……?英雄色を好むとは言うが……まぁそちらの方が私的には得だな。」
「え?」
「強いものが女を侍らせてるのは非常に解釈一致だ。うん……うん。やはりいいね。」
何言ってるんだろうこの子……本当に怖い。
「ますます気に入ったよ。ありがとう。槍田日巡璃。君に会えてよかった。」
……感謝はできるんだね。
「そりゃどーも。しっかりコスチューム作ってね?」
「任せてくれたまえ。」
ちなみにお風呂上がりは私のシャツを貸しました。
後で返すと言われたけど…………ほんとかなぁ?