side槍田日巡璃
「え?今日大・爆・殺・神・ダイナマイト来るの?」
ガシャン……ガシャン……
「そう。ちょっと話したいことがあってね。近くに寄る用事があるからそのついでに来るって。」
ガシャン……ガシャン……
「へぇ〜……おねーさんのこと大好きだね?」
「そうかしら?……まぁ尊敬されてるのは感じるわ。」
ガシャン……ガシャン……
「……あの二人……かれこれ10分くらいバーベル上げてるわ……」
「……喋りながら。……ん。……凄い。」
「はーい。お喋り禁止。できることをしましょうね。」
「「「はい!」」」
今日はおねーさんの事務所で訓練の日。
私は今日おねーさんと一緒に筋トレ。日々の積み重ねが大事だよね!
ちなみに皆は被身子おねーさんが見てくれてる。今日はおやすみだからいっぱい見れるって。
被身子おねーさんもすっごくスパルタなんだよなぁ……誰に似たんだろ。なんとなくだけどおねーさんじゃない気がする。
「……日巡璃ちゃんも……そろそろ骨が丈夫になったかしら?」
「……多分ね!もう力いっぱい使っても痛くないよ!」
「そう。良かったわ。日巡璃ちゃんの身体は天性のものだから……その上で異形個性の身体能力も乗ってるんだもの。……昔が懐かしいわね?」
「む!もう無茶しないもーん!」
「んふふ。期待してるわね?」
昔……おねーさんに早く追いつきたくておねーさんに言われたトレーニング内容以上のことを無理矢理やってたせいで……筋力の成長速度と、身体の成長が釣り合わなくなって身体の方が壊れちゃったんだよね。
おねーさんにいっぱい怒られた。怒られたのは後にも先にもあの時が初めてだね。
その時もおねーさんが献身的にフォローしてくれて後遺症は無かったけど……そこからだね。身体について調べ始めたの。どうやったら壊れやすいのか。どうやったらダメージが大きいのか調べて、リスクを避けて長いスパンで強くなる方向にシフトしたんだ。
結果それがハマったみたいで、最近だとフルパワー出しても身体に悪影響がなくなって……いい感じだからよかったね!
「……おねーさん怒ると怖いし。」
「何か言った?」
「なーんにも!!」
すっごく怖かったんだから……ほんとに。本当に。
今日はおねーさんがお昼ご飯作ってくれるらしい。お部屋にお邪魔した。
「「「お邪魔します!」」」
3人は初めてだよね?私は1回入ったことがあるのです!えへん!
「どうぞ。何も無いけどね〜?」
「綺麗な部屋……」
「掃除が行き届いてる……」
「…………。」
なんか朝起きて掃除してるみたいだよ?色々あるんだって。
リビングに通され……おねーさんは流れる手つきでエプロンを身に纏い、手を洗い始めた。
「みんなも手だけ洗っちゃってね。チャチャッと作っちゃうから。」
「「「「はーい!」」」」
「流水さん。手伝います。」
「ありがとう。被身子ちゃん。じゃあ冷蔵庫から……」
「……はぁ。」
「カナ?どうしたの?」
「いいわね。結婚って。私も早くしたいわ。」
……めっちゃ見られてる。めっちゃ見られてる!カナから!なんなら横からも視線感じる!!
「…………もう少しこの期間を楽しもうよ。」
「……貴方がそういうならそうしときましょうか?」
「…………うん。もう少しだけ待ってて欲しい。……私から言いたいから。」
「!…………ふふっ。嘘は嫌よ?」
「当たり前だよ。……天捻ちゃんも愛ちゃんもね?」
「……ん。……んふふ。」
「お嬢様……お待ちしております!」
えーっと確か〜おねーさんちの洗面台は〜……
「何作るの〜?」
台所には……トマトと……パスタと……黒い……豆?……お……りーぶ………オリーブ!となにかの缶詰。なんだろこれ。あとは……よくわかんない葉っぱ。それとチーズ。
おねーさんは今フライパンに多めの油とニンニクとなにかのスパイスを入れて温めてます。油……?
「プッタネスカよ。」
「「「プッタネスカ?」」」
「イタリアの娼婦風スパゲッティですね。」
「愛ちゃんありがと!なんで知ってるの?」
「メイドの嗜みです。」
メイドの嗜みって凄いなぁ……
ちなみに被身子おねーさんは今トマトを濾してます。目の前の鍋にはパスタが茹でられてる。
「簡単に言うと……オリーブとトマトとアンチョビのソースで作ったトマトパスタね。個人的にスパイスはちょっと緩めでチーズ多めが美味しいからそう作るわ。」
「へぇ〜……よくわかんないからお任せします。」
「不味くは無いと思うわ。安心して?」
「おねーさんの料理が不味いはずないよね!」
「当たり前です。地球上に酸素があるくらい当たり前です。」
「そう?うふふ。嬉しいわね?」
「……私SNSでは良くブラッドロータス先生のお弁当は見るけど……料理食べるのは初めてかもしれません。」
「ん。私も。」
「私もです。……SNSをあまり見ないのでブラッドロータス先生の料理もよく知らないのですが。」
そっか。3人は初めてだっけ?
「ほんとにおいしいよ!ほっぺた落ちるくらい!」
「うふふ。ハードル上げすぎよ。……被身子ちゃん。どう?」
「トマトはOKです。」
ボウルにしっかり濾されたトマトがドン。鍋に菜箸を入れてくるくる……何見てるんだろ?
「……パスタはあともうちょっとですね。」
「じゃあトマトちょうだい。アンチョビもね?」
「はーい。」
被身子おねーさんがトマトを少しと、アンチョビをひとつ開けて4切れ入れる。
「よーしあとは煮込むだけね。」
おねーさんがクルクルとトマトを混ぜて、アンチョビと混ぜていく。
オリーブをめいっぱい投入。そして葉っぱを1枚入れた。
「……なにそれ?」
「オレガノ。トマトと相性いいのよ。」
「ふーん?」
初めて見た。後で調べとこ。
おねーさんとおしゃべりしながら待つこと数分。
「流水さん。パスタOKです。」
「じゃあ全部ちょうだい。」
「はーい。」
被身子おねーさんがパスタをトマトソースの中に。
「よーし。もう出来るわよ。」
くるくるくるとパスタをソースに絡めて……
お皿に盛り付け……
チーズを目一杯かけて……
「はい。完成。」
「「「「いただきます!」」」」
おぉ……オリーブゴロゴロ……いい匂い!あーん……
「……おいしい!!」
「アンチョビの塩気がトマトの酸味と合わさって……すごく深いコクに……なるほど。オリーブも美味しい。」
「ん。……不思議な味。嫌いじゃない。」
みんなからも好評。おねーさんの料理だから当たり前だよ!
「……プッタネスカはもう少し塩気が強いイメージでしたが……もしかして……」
「流石よくわかってるわね。日巡璃ちゃんが食べるからね。それ用のアレンジ。」
「……やはり。」
え!?私に配慮してくれたの!?
「!……おねーさん!私嬉しい!」
「せっかくだから皆で美味しいもの食べたいじゃない。……日巡璃ちゃんが普段食べられないものも食べさせてあげたかったしね?」
「おねーさん……」
「…………このレシピ……後で教えて貰えませんか?」
愛ちゃん……貪欲だねぇ……
「……ふふっ。だーめ。」
「え!?」
え!?おねーさん?なんで!?
「私の力に頼らず貴方が試行錯誤しなさい?……日巡璃ちゃんのお嫁さんになるんでしょ?アンチョビ入れたくらいで塩分調整出来ないくらいの愛情じゃないでしょう?」
「!…………はい!」
愛ちゃんがメモ帳を取り出してなにか書き始めた。
「……日巡璃ちゃん。愛されてるわねぇ?」
「身をもって感じてるよ。毎日。」
「いいことじゃない♪」
おねーさんの隣に既に食べ終えた被身子おねーさん。お皿綺麗だ…………
そういえば公式プロフィールに好きな食べ物【ブラッドロータスの手料理】って書いてあった気がする。最近見た。
これも……一種の惚気なのかな??
考えすぎかも。