side槍田日巡璃
「よし。ここが試験会場だ。」
「「「おぉ……」」」
おっきい運動場……というかドームっていうか……ここで仮免試験が……少し緊張してきた。
「着いて来てくれ。皆で手続きをしよう。」
「「「はい!」」」
スナイプ先生が先導して、私たちが後ろから着いていく。
周りを見ると色んな学校の制服が見える。よく見ると……一般人の人?もいるみたい。
「……うわぁ……すげぇ数。これが今から一緒に受けんのか……」
「なんか緊張するや。」
「ここの人たちも……僕の魅力でイチコロサ!」
キョロキョロと辺りを見渡す。
「日巡璃?どうしたの?」
「お嬢様も緊張されてます?」
「んーん?……緊張はしてるけど……ミトちゃん居ないかなって。」
一緒に受けるはずだけど……聖愛学院の制服が見当たらない。
「……今昔鏡?……たしかに……居たらすぐに声かけてきそうなもんだけど。」
「会場が別なのでは?」
「うーん……それもあるかも。A組とも別だしね。」
仮免試験は色んな会場で一気に行う。ただ受かる人数が決まってるので、学校は会場をクラス毎に分けるのが当たり前なんだって。
雄英高校って目立つのか……やっぱり色んな人から見られる。まぁ雄英体育祭とかTVで大々的に流してるし……有名なんだろうねぇ。
「オーッホッホッホ!ここが試験会場ですか!」
会場まで進むと、物陰から声をかけられる。
「みんな!緊張してる?」
あれ……この声……
「あれっ!?おねーさん!?」
「「「ブラッドロータス先生!?」」」
「よっす!」
おねーさんがいた!?なんでなんで!?
「私これでも一応公安所属ヒーローだからさ。こういう所は顔パスで入れるんだよね!」
顔パス……おねーさん以外からあんまり聞かないよね。
「……ブラッドロータス先生すげぇな。」
「顔広いねぇ……」
「噂だとファットガムとかも知り合いらしいよ。全国に知り合いが居るとか……」
「普通ならなんでそんなトップヒーローとって思うけど……」
「まぁ先生だしな。」
「今日はどうしたの?」
「いやね。みんなに発破かけに来たの。」
「「「発破??」」」
おねーさんがずいっと前に出る。
「みんな!頑張って今年受かってね!来年は試験官兼試験内容に私が出てくる会場があるからね!みんなを落としたくないよ!」
「「「押忍!!」」」
そんなの聞いたら受かるしかない!おねーさんが出てくる可能性があるなんて絶対受けたくない!!
それだけ言い終わっておねーさんは人混みに姿を消した。
「……今年でよかったな。」
「ブラッドロータス先生出てきたら受かる気しねぇよ。」
「皆で受かろ!絶対やれるよ!」
受付もみんな無事終了。
一応試験はどんなものかある程度みんな認知してる。第1試験と第2試験があって、それぞれ別の内容を見てるらしい。第1試験が突破出来れば受かる確率がズドンと上がるってのも聞いた。
どんな試験内容かわかんないけど、おねーさんと戦えとかあったら勝てる気しないから無理!今年で絶対に受かるぞ!
みんなコスチュームに着替えていざ試験会場に。
待つこと数分。壇上のマイクに電源が入る。
『あーあー……はいはーい!聞こえますか〜。』
壇上……大きな机から声が聞こえる。……あれ?
『私は今回の仮免許試験監督のブラッドロータスです!』
「「「ええええええっ!?!?」」」
顔パスって言ってたじゃん!?試験監督なの!?!?
『はい!ってな訳でね。サクサク試験内容説明しちゃうんですけど、皆さんは今回250名集まってもらいました!』
そんな私たちの驚きもガンスルー。おねーさん肝が太すぎるよ!!……ふう。250名……多いのか少ないのかわかんないけど……人口密度は高いよね。
『ですが全員が全員このまま2次試験に行ける訳ではありません。ここで何人かに絞らせてもらいます!……えーっとですね。それが……ジャン!50人!』
後ろのモニターが映し出される。1/5……相当絞るね……この中の200人が落ちるってこと……か。
『絞り方なんですけど、まぁ私からすればバトルロワイヤルして強いひとだけ残ってもいいじゃんとも思うんですけど……』
ダメに決まってるよね!?
『……ホークス委員長がそんなのダメって言ったので、何年かに1回してるボール当てにしようと思いました!』
あぁ……委員長は多少まともだった……良かった。
『ボール当てって言っても適当に当てるだけじゃダメだよ。このボール。これを皆に1個渡します。そして……このポインター!今から5つのポインターをみんなの身体のどこかにつけてもらって、それにボールを当てるだけ。5人に当てたら合格。このボールが青く光るから、光った人から先着50名ってことにします!5回じゃないよ?5人だよ!同じ人の別のポインター叩いても無効だからね!』
おねーさんが黄色くて黒いラインが入ってるボールを見せてくれる。なるほどこれを当てて……ズバリ早い者勝ちってことだね!
『ただーし!このルールには脱落があります!ボールが青く光る前に、ボールを3箇所に当てられた人!問答無用で脱落とします!脱落がわかりやすいようにボールを赤く光らせるよ!ボールとポインターの改造は禁止。それ以外は何してもOK!殺すのもNGだよ!』
脱落……それで篩にかけるってことか……うーむむむ。不意打ちが強そうだな……?やってみないと……わかんないね?
『ってな訳で全員にアイテムを配った後に、指定されたポイントに行ってね!ランダムで決めるから皆頑張ってね〜!』
挨拶は終わり。みんなにアイテムが配られて……
ポインターはコスチュームにくっつくタイプだったのですごく楽。ペタペタペタと5つくっ付ける。
よーしそれじゃ指定されたポイントに……
「オイ。委員長。」
後ろから香曽我部くんの声。呼び止められた。
「どうしたの香曽我部くん。」
「円陣組もうぜ。委員長が号令かけてくれや。」
「円陣!!いいね!やろやろ!!」
皆で円になる。手を前に出して……
みんなの顔を見る。やる気十分だね!!
「よっしゃ!皆で!受かるぞッ!!!」
「「「「おーーーっ!!!!」」」」
皆で手を高く挙げる。
なんだか……行けそうな気がしてきたッ!!!
着いた……けど……周りに見事に誰もいない。鉄筋コンクリートの壁。壁。壁。
「…………ここで合ってる??」
あってるっぽい。……全然みんなとはぐれたよね。
『それではスタートしてくださーい。』
うわっ……ヌルッとスタートした!
……まぁ邪魔だよね。この壁。
「よーし!吹き飛ばすか!!」
side???
指定されたポイントは……分厚い壁が広がるエリア。スタート直後から同じクラスのヤツと出会えて好都合。二人で進む。
壁のせいで見通しが悪いので……クリアリングはしっかり。雄英高校のヤツと出会えたらラッキー。個性はしり尽くしてる。
雄英体育祭……有名税ってやつだよな!可哀想に。
……ン……
「よし。こっちは大丈夫そうだ。」
「……誰もいねぇな?」
……ゴン……
「……拍子抜けだぜ。」
「でもとっととポイント稼がねぇと……また落ちるぞ俺ら。」
……ドゴン……
「毎年毎年落ちてるもんなぁ……そろそろ受からねぇと学校にまたドヤされる。」
「俺たち留年するぜ?」
「まぁ雄英高校見つけて潰せりゃ楽だろ。こっちは2人だしな。」
「それもそうか。」
ドゴン!ドゴン!
「……何だこの音?」
「近ぇぞ!?」
すると目の前の壁が粉砕。弾け飛び……その衝撃で俺たちが吹っ飛んだ。
「「ぐえぇえっ!!!?」」
壁に叩きつけられた!相当なダメージだ……
「……!見っけた!!ポイントいただきます!!」
こ……こいつ……雄英高校の……!
「よっこいしょ!!」
意識が消える前。最後に見た光景は……
恐ろしすぎて……思い出したくもない。
あぁ……俺って……センスねぇのかな。