side槍田日巡璃
「幸先いいぞぉ!…………えーっと……生きてるよね?」
とりあえずコンクリートの壁をぶっ壊しながら進んでたんだけど……2人見つけたので、とりあえずどついたら……なんか2人とも伸びちゃった。
申し訳ないことしたなって思いつつポイントをいただく。2P。
あと3人。
「……ごめんね?」
2人を放っておいて先に進む。
うーん……ちょっと思ったんだけど、ここにいる人はもしかしてもう別のエリアに行ってる可能性がある。会わなすぎるんだよねぇ。
こんなに音立てて来てるのに誰1人来ないのはおかしい。
「……!」
と思ったら後ろにいるね!2人!こっちを覗いてる。顔は少し暗くてよく見えないけど……多分雄英の子じゃない。
へっへっへ!私触覚にも目があるから後ろ見えるんだよーん!視覚は360°!槍田日巡璃です!
ここはあえて気が付いてないように振舞って……
2人で相談してるね。作戦会議?こんな所で足止めてするものじゃないよ〜。
……おや!1人透明になった!……でも頑張れば見えるね?カメレオンか何かかな?
ボールとポインター見え見えだけど……大丈夫?
どこいるか分かっちゃうけど……これはあなたの個性と相性悪いね……
もう1人は待機。何してるんだろ……あ!カメレオン(仮定)の子がボール2個持ってる!ズルい!!
む〜!そんなことする子には!私が鉄拳制裁だ!楽しようとするなんて許せないよ!!
カメレオンの子がギリギリまで近付いて……ボールを振りかぶった。
今!!
急に体制を落とし、後ろを振り向く。
カメレオンの子のタックル!
「きゃっ!?!?」
足を掴んで、壁にぶん投げる。
ダァン!
「ひっ!?」
カメレオンの子の透明化が消える。多分気絶したね!
「あと1人!!」
「なっ!!なんでわかったのよ!!」
「……。」
話しかけない。個性がわかんないから。話しかけるのがトリガーかもしれない。
「……ちっ!!!」
逃げ出した。
逃 が す と で も ?
一瞬で近付いて……首根っこを掴んでそのまま地面に抑え込む。
「ぐえっ!!」
「……。」
「なっ……痛い痛い!!何とか言いなさいよ!!」
ボールを取り出してポイントを1つ。そして伸びてるカメレオンの子でもう1つ。
これで2P!合計4P!!あと1Pでクリア〜!!
無言でその場を去る。キャンキャン喚いてたけど放置!知ーらない。
あと1P……ふふふ!順調すぎて怖いね!気を引き締めて行こ〜!!
side????
「あれっすか?流水サンの気にしてる子。」
「そうだよ〜。あえて1人にしたけど……なんかスっとクリアしちゃいそうだね。」
「そうっすねぇ……戦闘力が段違いと言いいますか……っつーか流水サンに鍛えられて何年っすか?」
「覚えてないわ。」
「それくらいの子がこんな場所来たら無双しちゃいますよ。」
「……いや。彼女が……ちょっと逸材すぎたから……」
「……分かりますけど……戦闘センスが光りすぎてますね。あの壁ぶっ壊してるのも全部意味があるんでしょ?」
「音出して誘き寄せてるんじゃない?大きな音に無策に近付くなんてプロヒーローは普通しないし。やってくる人がいるのであれば、策があるか単純に実力不足か。それと多分見通しを良くしてる。視界360°の日巡璃ちゃんに不意打ちはほぼ通用しないから、自分に有利になるようなフィールドを作ってる。」
「…………ほんとに学生っすか?」
「学生よ。だからまだまだ守ってあげないといけないの。」
「……なるほど。理解したっす。」
「放っておいても1次2次とクリアするから……あんまり心配してないけどね〜。」
「めっちゃ期待してますね?」
「期待も何も……これくらい突破してもらわないとね。」
「…………被身子サンの受験の時凄かったらしいじゃないっすか?」
「アレはアレ。コレはコレ。」
side槍田日巡璃
「……。」
誰もいないねぇ……うーん?音出したの不味かったかなぁ?
誰も近づいてこないや。それはそうか。
ここじゃなくてもいいもんね。……そろそろ外出てみようかなぁ。時間切れになっちゃう。
「オーッホッホッホ!煩いと思って来てみれば……貴方でしたか!」
甲高い笑い声!これ!!
「……!!この声!ミトちゃん!!!」
「ええ!私ですってよ!ヒマちゃん!」
ミトちゃんが仁王立ち。周りに誰もいないから……私と同じ1人なんだ!
「ミトちゃんもこっちなんだねぇ!」
「ええ。少しバスが遅れまして……ご挨拶は出来ませんでしたが、会えて良かったですわ!」
「うん!……今何P?」
「聞いて驚かないでくださいまし!4Pです!」
「えぇ!私も!!」
「なっ……この短時間で……流石にやりますわね……」
「そっちもね!」
2人とも距離を詰める。
「あと1P……貴方に勝っていただくのも……悪くなくってよ?」
「えへへ!こっちのセリフだよ!無傷で5Pになっちゃうもんね!」
少しづつ。少しづつ。
「あの時の私と同じを思わないでくださいまし?」
「当たり前だよ!真剣勝負!バチバチのね!やろ!!」
射程範囲に入った。
「……。」
「……。」
…………周りをクリアリング。隠れてる人は居なさそ……う……ん?
「ヒマちゃん。」
「……?どうしたの?」
「ここは停戦協定を結びませんこと?」
「え??どうしちゃったの!?!?」
停戦協定……戦わないってこと!?なんでなんで!?
「今ここで戦っても良いのですが……時間と体力を使います。特に時間。時間が切れればお互い脱落……それが一番許されません。」
「…………たしかに。」
多分私たちの戦いは長期戦になる。
「……それに……」
ミトちゃんが目配せしてくる。やっぱり気付いてたんだ。
「そうだね。」
物陰から人が顔を見せる。
1人だけじゃない。何人も。
示し合わせたかのように2人で背中を合わせる。
「オーッホッホッホ!ここは2人で蹂躙しようじゃありませんこと!?」
「いいね!!全部力でねじ伏せてこそ!!私達が欲しいのはッ!」
数は10……20……30くらい!充分だね!
「「圧倒的勝利ッ!!」」
「……ミトちゃん。そっちはどう?」
「歯ごたえがありませんでしたわ。」
数分後……お互い無傷で勝利。ミトちゃんの分身の数が増えてる。この短時間で……本当に強くなったんだね!!
「じゃあポイント貰っちゃおうか。」
「1Pだけですけどね。」
「…………やりすぎちゃったかな?」
ボールをポインターに当てる。
するとボールが青く光る。
「おお!」
「……ふむ。」
数字が浮かび上がる……4?
ミトちゃんは5……ナニコレ?
「……何この数字?」
「順位では?」
「えぇ!?私よりも3人早い人が居るの!?」
「……そのようですわね。……まぁ良いです。早く控え室に行きましょう。」
「……うん!そうだね!」
とりあえず二人で試験場を後に、控え室に向かう。
「……ミトちゃんと戦いたかったなぁ?」
「ふふふ。それはまたの機会に……ね?」
「!……うん!絶対やろ!」
ふんふんと喜ぶ私を見て、ミトちゃんが扇子で口元を隠す。
「楽しみが増えてしまいましたわね。」
「そいえば聖愛学院は何人来たの?」
「10人程ですわ。こちらの会場にあまり数はいません。」
「へぇ〜……少数精鋭なんだ。」
「そうとも言えますわね。そもそも聖愛学院はヒーロー科の人数があまり多くないので。そのうえで選ばれた人しか来ておりませんし……まぁこれくらいの人数でしょう。」
「なるほど……他の会場でも似たような感じなの?」
「そうですわね。あと2会場で試験を受けているのですが、良くて15人。あとは11人……私達と同じようなものですね。」
この会場だけ少ないね?
「……なんでこの会場だけ少ないの?」
「当たり前じゃないですか。例年全員合格の雄英高校が、受けるでお馴染みのこの会場で受けようとする人が珍しいんです。」
「あぁ……なるほど。」
雄英高校は毎年ここなんだ……そりゃ研究した人が来るわけだ……
「まぁ……そのうえで私は来たので……ヒマちゃんに会えたのですけどね?」
「んふふ!良かったね!」
「ヒマちゃんのおかげで楽に突破出来ましたし……WinWinですわ。」
「お互い様だね!」
控え室の前に着く。
「……誰だろうね。」
「さぁ。どうせ雄英高校の誰かでしょう。」
「……ゴクン。」
ドアノブに手をかける。
そこに居たのは……
「ハーッハッハッハ!!サンシャインスペシャルッ!!!」
……えぇ……