side槍田日巡璃
「これで何人目!?」
「ざっと10人や!まだ居るっぽいで!」
「ハァ……少し疲れてきたね!」
3人(と頭一個)で走り回る。
まだ終了の合図が無いって事はまだ居るってこと。しっかり探そう。そして完璧に救助しよう。
「すみません!手貸して貰えませんか!」
「良いですよ!!」
時には知らない人に手を貸してあげたり……
「すまん。天眼が探すの手間取ってる!少しその辺を探してもらってもいいか!」
「「「了解!」」」
自分たちで探したり……
「あっちだ!」
「うん!」
「次はこっち!」
「うん!」
「……流石に……ちょっとキツいね。」
「せやな。体力使いすぎもあんま良くねぇからな。」
「……ふぃー……広いね……このフィールド。」
「そうだねぇ……1次試験やってる時はあんまりわかんなかったよ。」
動きながら少しだけ雑談。気を抜いてる訳じゃないけど……こんなに広いドームの中で50人しか居ないのは……ちょっと大変。
「……すまん!天眼が何か変なの見つけたらしい!」
「変なの?」
飛んでる無頭くんの頭から連絡が来る。
「真っ黒な集団。俺たちを襲ってるらしい!場所は……」
近いね。私なら行けそう。
「……ごめんね。私行ってくる。」
「うん。わかった。槍田……気をつけてね。」
「無頭ォ!ワシらを別の班と合流させれるか!?」
「可能だ!案内する!」
「2人とも頑張って!」
「「応!」」
さて……襲ってるってこと。敵による大規模テロっていう設定。
「…………多分おじゃま虫だよね。どうにかできたらいいけど……なっ!!」
走ってる最中。轟音が響く。その後に大きな衝撃。
「!……これ……聞いた事……」
期末試験の時……これは一撃君の最大出力!それを打たないといけないほどの敵がいるってこと!?
何とか瓦礫を乗り越え、戦場に赴く。
少し高い場所から戦場を見下ろす。
黒い人……期末試験で逃げ回ってた人!分倍河原さんだっけ??……とあれって!!
「大・爆・殺・神・ダイナマイト!?!?」
まさか……敵役で……!!
一撃くんは見えるけど……もう1人。あれは……
「皆猛者先輩!!」
「む!槍田日巡璃か!!」
一撃くんと皆猛者先輩が大・爆・殺・神・ダイナマイトと対峙してる。
「……てめーは……」
「よりによって……大・爆・殺・神・ダイナマイトですか……!」
近寄って構える……が
「すまない槍田日巡璃!来てくれたところ申し訳ないが……すぐにあちらに向かってくれないか!」
皆猛者先輩が別方向を指さす。
「なんでですか!!大・爆・殺・神・ダイナマイトは強いです!ここはみんなで……」
「もう1人いるのだ!!ヒーロージェボーダンが敵役として走り回っている!」
「じぇぼーだん??」
誰??
「知らぬなら良い!獣のパワーと持久力がある戦闘向きのヒーローだ!俺の個性は奴とは相性が悪い!槍田日巡璃にしか頼めん!!」
「……わかりました!!追っかければいいですね!?」
「頼む!!」
「一撃くん!!」
「任せて欲しいッス!今はこの人が頼りッスから!」
そっか。1発使っちゃったもんね。また溜めないと……
「貯めさせるわけねぇだろうがッ!もう一度はやらせねぇよ!!」
大・爆・殺・神・ダイナマイトが一撃君に突っ込んでくる。
「やらせてもらうのだよッ!!」
皆猛者先輩が分裂、そして融合して壁になり大・爆・殺・神・ダイナマイトの攻撃を凌ぎ切る。すごい個性だ!!
「チィッ!めんどくせぇな!!」
「ここで折れては士傑高校の名折れ!砕けるわけにはいかぬのだ!!だから行け!槍田日巡璃!ここは任せろ!!」
「はい!よろしくお願いします!!」
2人に任せてそのジェボーダンってヒーローを追いかける。周りを見ると分倍河原って人がウロウロ動き回ってる。
この中で避難者を探して対処しなくちゃいけないなんて……特にヒーローが敵役として出てるのがまずい。戦闘力もさることながら判断力も優れてる。
ここで止めないと……みんなの救助に支障が出る!
「……!見つけた!!」
誰かが戦ってる!あれがジェボーダン……早い!そして爪……本当に獣みたい。
戦ってる人が足を挫いた!すぐに助けに行かないと!!
ジェボーダンが飛びかかった!
ダメッ!!
何とか追いつき、飛び蹴り。
それを察知したのかジェボーダンは私の足を蹴り、ダメージを殺した上で距離を取った。
「!……貴方は……」
「あれっ!刃蝶先輩!!」
戦ってた人刃蝶先輩だったのか!
「槍田日巡璃……助けに来てくれたのね。」
「はい!私なら戦えるって士傑の人が……」
「!前っ!!!」
見てるよッ!!
飛びかかってきてるのを手四つで受け止める。
すごいパワーッ……だけどパワー勝負なら負けてないよッ!!!
「良い力ですな!私と力勝負できるとは!!」
「そっちこそ!!この程度で終わると思わないで!!」
全力で力押し。拮抗。その上地面が割れる。
「ぐぎぎぎぎ……」
「うむむむむ…………むっ!」
急に手四つを解かれ、距離を取られた。
さっきまでジェボーダンが居た場所から刃が何本も飛び出る。
「ふぇっ!?」
びっくりした!!怖!!
「……外しましたわね。」
「え!?刃蝶先輩の個性ですか!?」
「ええ。私の個性は『武器庫』。全身を刃物に変換できる個性。さっきのも指を刃にして地面に突き刺したのですが……感知されたみたいですね。流石ヒーロージェボーダン……金属は匂いで分かりますか。」
匂い……?そっか!
「匂い……ああ!獣だから!」
「……とりあえず前線を任せても良いですか。この場でジェボーダンと力比べが出来る方は貴方でしょうから。私は後方支援します。時間をめいっぱい使いましょう。」
「はい!任せてください!!」
「作戦は決まりましたかな!?いい勝負になると良いですな!」
「来ます!!」
「迎撃しますッ!!」
「ふはははっ!楽しいですぞ!楽しいですぞ!!」
「くっ……あたらない!!」
距離を取られてる時は刃蝶先輩が指をナイフとして飛ばし、近寄ってきた時は私が叩く。……ってしてたんだけど近寄って来なくなった。
私の間合いに入ってくれれば幾分か楽なのに……多分刃蝶先輩の弾切れを待たれてる。……どうしよう。
刃蝶先輩にさっき聞いたら刃物は生成可能だけど限界があるって言われた。
このままだとこっちが圧倒的不利。じゃあ……
「ふんっ!!」
「「!?」」
ジェボーダンを追いかける。追いつかないけど……策がある!!
「槍田さん!?何を!!!」
「ふははは!血迷いましたかな!?貴方じゃ私に追いつけないですぞ!!」
わかってる!わかってるけど!!
「先輩!!できる限り遠距離で攻撃してくださいッ!!」
貴方の足を奪うにはこれしかないから!!
「……わかったわ!!あなたを信じる!!」
走り回ること数分……全く追いつけない上で……
「ハァ……ハァ……」
「……ぐっ……」
手を抑える刃蝶先輩。
……弾切れ。
「ふむ。もう手詰まりですかな??」
もう……限界か……
「それでは終わりにしましょう!」
走ってくるジェボーダン!!それなら!!
賭けに……勝った!!!
「!?!?」
ジェボーダンがコケてそのまま動けなくなった。
「なっ!?何が!?」
「えへへ!!引っかかった!!」
「槍田さん……貴方何を……」
「粘液です!!私のベトベト粘液!くっついて離れないでしょ!?」
「「!!!!」」
私はさっきあえて走り回ってた。自分の身体の水分が限界に近ければ近いほど粘度の高い粘液が出る。だから走りながら撒いた。ジェボーダンが引っかかるように。近付いた時……飛びかかって来なければ足を絡め取ることが出来る!!
「なるほど……考えましたな!でも……」
ゴ……ゴゴ……
「この程度でプロヒーローは止められませんぞ!!!」
足の地面を叩き割って……全身に瓦礫の重りがついたまま立ち上がるジェボーダン。
「……相手の足は奪いましたッ!これで……」
「ありがとう。槍田さん!これでまだ戦えます!!」
「いきますぞ!!ここからが本番です!!」
ここから正念b……
『プアー……』
「「「え?」」」
『アーアー……マイクテスマイクテス。救助者全員救助完了〜。これにて2次試験クリア〜となります。皆さんお疲れ様でした。控え室にお戻りください。』
「……え?」
「……ってことは……」
「やったーーー!!クリアだーーー!!!」
「やりましたわね!槍田さん!」
みんなありがとう!!時間めいっぱい稼いだ甲斐があったね!!
「はい!刃蝶先輩のおかげです!」
「いえいえ。槍田さんには辛い立ち回りをさせてしまいました。これは私の実力が不足している証。大変申し訳ありません。」
刃蝶先輩に謝られる。……すると
「ダメですぞ!」
「「え?」」
「過度な遠慮は相手への嘲笑になりますな!どうあっても勝ちは勝ち。それは結果が証明しておりますな。胸を張って勝利を喜ぶのも……敗者への配慮ですぞ。」
過度な遠慮は……相手への嘲笑……そっか。喜ぶ時はしっかり喜ぶのも勝者の仕事なんだね!
「……ヒーロージェボーダン……はい。そうですわね。申し訳ありません。それでは存分に喜ぶと致しましょう!」
「うむうむ!それで良いのです!…………これの取り方を教えて貰っても?」
「あっ!すみません!それは水を被ればすぐ落ちます!」
「なるほど。」
ヒーロージェボーダンの粘液を落として、これにて2次試験終了!あとは結果を待つのみ!
どうなる事やら……出来る限りはやったよ!