side槍田日巡璃
「はいはーい。皆さんお疲れ様。全体的にしっかり動けてて良かったよ〜。救助者の回収も早かったしね。今回の子はみんなレベルが高いね。」
帰ってきたらもうおねーさんが壇上にいた。みんなが揃った段階で総評に。もう採点したの???
全然心の準備出来てないんだけど!
「それでなんだけど、採点はあと10分くらいで終わらせる予定だからゆっくりしててね。」
ズコーッ!
まだ終わってないのかい!すっごいドキドキしちゃったよ!
なんか変な体力使った気がする。……座って休んでよ。
隅っこで座ってるとカナと愛ちゃんが横に座って来てくれる。
「…………。」
「日巡璃。緊張しすぎよ。」
「うーん……そうだけどさぁ……だって緊張するじゃん!」
ごくごく……ぷはぁ……水うまうま。
速度とパワー。ジェボーダン凄かったなぁ。あれで持久力もあるんだもんね。まだまだ強くなれる余地があるってことだね!
「それにしても……試験内容はかなりハードでしたね。」
「そうね。敵役の人達が来るなんて聞いてないわ。…………まぁそういうイレギュラーにも対応出来るようにならないといけないのがヒーローなのでしょうけど。」
「そうだねぇ……プロヒーローも居たし……相当きつかったよ〜……」
「「え!?プロヒーローも居たの!?」んですか!?」
愛ちゃんのカナがズイっと身を乗り出す。
「え……うん。私戦ってたし……」
「……無頭……あいつ何も言わなかったんだけど?」
「ええ。私の所にもです。…………お嬢様が抑えてくれてたから多少楽だったのですね。お助け出来ず申し訳ありません。」
2人ともなんか怒ってる!?ちょっと待って?
「いいよいいよ!無頭くんなりの判断があったと思うし……こっちも何とか時間いっぱい使えたから。」
「……はぁ。離と流鏑馬はどうしてたの??」
「私たちが知らないということは、一撃様のチームに行ったんでしょう。」
一撃くん?そういえば大・爆・殺・神・ダイナマイトと戦ってたよね……?
「あ!だからか!」
「「?」」
「いやね?一撃くん大・爆・殺・神・ダイナマイトと戦ってたからあのチーム人数減っちゃったもんねって思って……」
「大ッ……敵役にはうってつけとはいえ……相当な実力者でしょ……」
「多分運動量減少させるプロテクターか何かをつけてらっしゃるのでは?流石に学生に本気の大・爆・殺・神・ダイナマイトを止めれる方が居るのかどうか怪しいです。」
「一撃くんだけじゃなかったしね!皆猛者先輩もいた。」
「士傑の?……あぁあの香曽我部と戦ったっていう……」
「うんうん。」
「どうでした?」
「いやぁ〜あんまり見てないんだけど大・爆・殺・神・ダイナマイトの攻撃防いでた気がするよ。すっごい強かった!」
「……なんであんまり見てないのよ。アンタも戦ってたんでしょ?」
「ちょっと待ってください。お嬢様。プロヒーローの方って1人じゃありませんでした?」
「うん。もう1人いた。」
「「!?」」
「ジェボーダンって人!私と力比べ出来るくらいのすっごい力だったよ!早かったし……どうやって勝つか全くビジョンが見えなかった。」
「ジェボーダン……はぁ。まぁダイナマイトよりは日巡璃的には幾分かマシ……か。」
「力比べ出来ますからね。」
皆やっぱり知ってるんだね?私が知らなすぎるだけだなぁ……まずいまずい。仮免とったら本格的に失礼になっちゃう。
「……日巡璃。」
「え?」
「……もっと勉強しましょうね。」
「うっ……」
バレてる……
「槍田さん。」
「およ?あっ!刃蝶先輩!」
声をかけられたので振り向くと、そこには聖愛学院の方々。
「先程は本当にありがとうございました。今昔鏡さんがなぜ気に入るのかも分かりましたわ。」
「!?」
「えへへ!刃蝶先輩が信じてくれたお陰です!仮免取れてインターン一緒になったらよろしくお願いします!」
「うふふっ。そうね。こちらからもよろしくお願いしますね?」
手を出されたので……握手でいいのかな?うん!
両手で刃蝶先輩の手を握る。
「……今昔鏡さん?」
「はっはい!」
「大変素敵な御方じゃないですか。貴方も隅に置けないわね?」
「?」
「錐音副生徒会長!?!?私はそういう関係になるつもりはありません!」
「あら?そうだったの?」
なんの事??どうしたの??
「……ハァ。」
「お嬢様……」
周りをよく見ると、私たち以外にも別の学園同士で会話してる人達がチラホラ……
あ、一撃くんと香曽我部くんが皆猛者先輩に絡まれてる。大変そう……
氷叢くんは陽炎先輩に肩組まれてヤな顔してし、加糖くんは杭全先輩とお話してる。あれ?能面くんも捕まってる。
私の知らないところでみんな色んな人と関わってたんだなぁ……いいねいいね!学園の垣根を超えての交流……なんて言うか言葉で表せにくいけど……すごくいい!
青春って感じ!
「どうされましたか?」
「んふふ。何もないです!」
「そうですか。」
試験受けてよかったなって。たとえ落ちても……いい思い出になりそう!
「はいはーい。てなわけで採点終わったので……すぐに発表していきまーす。モニターに名前が五十音順で出るから、出た人が合格ね。」
……ドキドキ。せっかくなら全員で受かりたいよ!みんな頑張ったんだもん!!
「はい。ジャン!」
『全員』
「「「は?」」」
「何さ。全員合格。今年は優秀だね。普通は何人か落ちるもんだけど。」
「「「ヤッターーーーー!!!」」」
全員合格!嬉しさのあまり近くにいたカナと愛ちゃんに抱きついた。私たちだけじゃないのか、色んな人が飛んで跳ねて喜んでる。
「はいはーい。静粛に静粛に〜。てなわけで受付の時出してもらったヒーローネームと、個人情報を元に仮免許作ってるから、コレが終わり次第受付でもらって帰ってね。」
仮免許!……胸が踊るね!!
「ひとつ。聞いてください。仮免許は……知ってると思いますが、皆さんが個性を自由に行使していいものじゃないです。」
「「「……。」」」
確か緊急時に限りプロヒーローと同等の権利が……とかだったはず。緊急時に限り……なんだよね。
「緊急時に限り……です。日常生活で好き勝手使っていいものじゃありません。あなた達は今、半分プロヒーローです。あなた達の動きが、全てが、一般市民の方にはヒーローとして写ります。一挙手一投足全て見られていると思ってください。……あなた達が未来の敵犯罪の抑止力になれることを、心から祈っております。」
「……うわぁ……コレが仮免許……!」
「無くさないようにしないとね。」
「そうですね。何かケースのようなものがあった方が良さそうです。」
「財布で良くない?」
槍田日巡璃……10/17日生まれ……ヒーローネームエスネイラー…………私の……私だけの仮免許!!
「ねねね!天捻ちゃんに見せたいから皆で写真撮らない?」
「いいわね。日巡璃が撮りなさいよ?」
「いいよ!じゃあ寄って寄って〜?」
3人で寄って、仮免許を見せながらパシャリ。
そのまま天捻ちゃんに送る。
「よし!これでいいね!」
「……天捻は来年ね。」
「そうだね。……なんかこっちが緊張しちゃいそう。」
「そうですね。……でも天捻様なら大丈夫でしょう。」
「うん。信じてあげないとね!」
「とりあえずまずは自分のことよ。これから色々あるんだから。」
「うん!」「はい。」
インターンに文化祭……中間試験もある!
やること山盛り!全部楽しみ!!
明日もいい日になるといいな!!