sideカノーテス・ディミトリウ
「ふぁ〜……」
お昼休み。ご飯を食べ終わり、教室で2人。
愛は先生に呼ばれて不在。天捻も今日は普通科の子とご飯食べるって。
みんなが居ない静かな時間。私だけの時間。
「眠い?」
「ちょっとねぇ〜……おなかいっぱいのなったら……眠くなってきた。」
私の彼女……槍田日巡璃は私の横で何度も欠伸。
目を擦ってる様も。大きな欠伸を噛み締める顔も。全部かわいい自慢の彼女。
「……ちょっと寝たら?時間になったら起こしてあげるわよ。」
冗談っぽく言ってみた。いつもの日巡璃なら少し笑いながら遠慮する。
帰ってきたのは予想外の言葉。
「……そうしよっかなぁ……カナ。膝貸して〜。」
膝枕の要求。
こんなカウンターされるなんて思いもよらなかったので、ちょっとだけ思考が停止したがすぐに持ち直す。
「……いいわよ。おいで?」
日巡璃の頭が持ってきやすいようにもうひとつ椅子(さっきまで居た愛の椅子)を置いて、日巡璃が横になって寝れるように。
なんの躊躇いもなく日巡璃は私の太ももに頭を乗せる。
……私の細い太ももなんて何がいいんだか。
少しだけコロコロと寝心地を確かめたあと、スースーと寝息を立て始めた。
……本当に寝ちゃった。……いやまぁ日巡璃に膝枕してもらったことあるけど……全然寝れるけど。
私の膝の上で日巡璃が寝てるのは初めて。しかも学校。
少しだけ特別な感情が胸を包みながら、写真を1枚。もちろんシャッター音は無し。隠し撮りにシャッター音は不要よ。
「……ふふ。可愛い。」
日巡璃の寝顔。可愛くて……それでいて安心する顔。
本人には言ってないけど、スマホには何枚も日巡璃の隠し撮りがある。そのフォルダに保存。フォルダ内を見直す。
「……300枚。コソコソ撮ってても増えるものね。」
これは初めてお泊まりした日。これは日巡璃がお店のメガネ試しにかけてる写真。これは水着の日巡璃(着替えシーン)。
スイスイとスクロールしていく。
「私がこんなにも夢中になる事があるなんてね。」
自分は未来なんて分かりっこないけど……
「…………うふふ。」
あの時の猛プッシュは正解だったわね。あれがあったから……
日巡璃の頭を撫でる。
あ、笑った。気持ちいいのかな?いい夢見てる?
「…………私の夢じゃなかったら怒るわよ?」
少しだけ念押し。せっかく膝枕をしているのだ。それくらいの要望は出してもいい。許される。
最近カタツムリの事を調べ始めた。日巡璃には当てはまらないかもしれないけど、日巡璃の身体のことだから。
知らなかったら……もしかしたら日巡璃を失うことになるかもしれないから。
「ねぇ。……日巡璃。あなたは今……幸せかしら?」
小学校。中学校と虐められてた彼女。ブラッドロータス先生に会って、出水壊理と会って……それでやっと私。
もしかしたら私じゃなくてもって思った時は何度でもあった。今後もきっとある。
でももうあなたのいない世界なんて考えられないから。
もしあなたが私の事が要らないなんて言ったら……
「貴方のこと……私だけのものにしちゃうかも?」
そうならないといいわね?日巡璃♡