side槍田日巡璃
『ナイトアイちょっ〜〜〜とめんどくさいけど頑張ってね〜。』
ごくん……
ここが……ナイトアイ事務所……
「…………おっきい……」
なんか雰囲気怖いね!?大丈夫かな??
インターホンって何処だろ……えーっと……こっち?そっち?
「……無い!何処にも!」
これ……入って大丈夫?
「君君!」
「わっ!?」
急に後ろから声をかけられる。
振り向くと青いおねーさん。あっこの人って!
「バブルガールさん??」
「あっ!知ってるんだ。そりゃそうだよね。ここでお世話になる子だもん。」
バブルガールさん!愛ちゃんにサイドキック位覚えておいた方がいいと言われて頑張って覚えました!すごく頑張った。
「今日からお世話になる槍田日巡璃です!よろしくお願いします!」
しっかり挨拶!大事なのは第一印象だよ!!
「うん!元気よし!いい子だね。じゃあ着いてきて!サーに会いに行こ。」
サー……えーっと確かナイトアイの事だったはず!
「はい!」
予習しておいてよかった。いやまぁ知ってて当たり前みたいな事かも知れないけど!
事務所に入ると……すごいバリアフリーって感じの事務所だった。
階段無し。2階無し。段差なし。家具が全部低め。
「……そういえばナイトアイさんって数年前に義足になったんでしたっけ??」
「そうだよ!基本的には車椅子で生活してる。仕事になったらそれ用の義足をつけて時間制限ありで何とかって感じかなぁ。」
「へぇ〜……大変ですね。」
「まぁ最近は、こっちまで回ってくる難しい仕事も減ってきてはいるから何とかなってるけどね。だからインターンも受け入れれたってのもあるけど。」
「そうなんですね!タイミング良かったです!」
「タイミング?…………ああ!流水ちゃんのお弟子さんなんでしょ?……サーも素直じゃないよね!オールマイトの背中が重なったとか変なこと言ってさ!」
「……??」
なんのこと??
「いやいや!こっちの話!気にしないで?」
「はーい!」
「さて。この先にサーが居るよ。頑張ってね!」
「はい!」
扉の前に立つ。
深呼吸。
「ふーっ…………」
よし!行くぞ!
ノックを……
ウィーン……
ドアが横に!?
「自動ドアじゃん!!!!」
「ブッ……」
後ろで吹いた声聞こえた!!いやまあそりゃそうだよね!車椅子の人に普通のドアは厳しいよ!
「……何をしている。」
奥から口元の手を当てている男性。メガネと……ツートーンカラーの髪の毛。キリッとした……厳しそうな雰囲気。サー・ナイトアイだ!
「サー!槍田ちゃん連れてきました!」
「……ふん。ようこそ。ナイトアイ事務所へ。」
「はい!よろしくお願いします!」
私はめちゃくちゃ緊張してたのか、周りがあまり見えてなかったみたいでそのまま足を踏み入れた。
タイミング悪く自動ドアが閉まるのに気付かずに。
ベシ……
「あいた!?」
「ブッ……!」
頭を抑える……こんなことある!?顔から火が出そうなんだけど!?
「……ふっ……アッハッハッハッハッ!」
あ!!ナイトアイめっちゃ笑ってる!
「そんな笑うことないじゃないですか!!」
「アーッハッハッハ……はぁ…………コホン。槍田日巡璃。ヒーロー社会にとって1番大切なモノはなんだと思う。」
「……1番……大切なモノ?」
どうしたんだろ……1番……大切なモノ……おねーさんを思い浮かべる。
「強さです!」
「なるほど。ブラッドロータスの弟子らしい発言だな。……私はね。ユーモアだと思っている。」
「ユーモア?」
「ああ。たとえどれだけ強くても。たとえどれだけ事件を解決できたとしても。笑顔が生まれないとヒーロー社会は廃れていく。私にとってヒーローとは、どれだけ辛い時でも。どれだけ苦しい時でもユーモアを振りまける人だと思っているよ。」
「!」
「それだけで見れば君は合格だ。改めて言おう。ようこそ。ナイトアイ事務所へ。」
「……はい!!」
なんかフクザツだけど!気に入って貰えたようで何より!
書類にハンコを押してもらって、今日は特にお仕事は無く軽い面談だけ。
ソファに座って、ナイトアイさんとバブルガールさんに質問された事を答える。
「体育祭!見たよ!凄かったねぇ!」
「はい!おねーさんの指導のおかげです!」
「ふっ……アイツの弟子が1回戦敗北など余程の理由がないとありえん。」
「ナイトアイさんっておねーさん……ブラッドロータスさんの事好きなんですか?」
「……馬鹿言え。」
「お気に入りだと思うよ!」
「……。」
「ごめんなさいサー!!」
……難しい関係なんだね??
「嫌っては無い……とだけ伝えておく。」
「はーい!」
「だが……決勝戦。あれは少しいただけないな。」
「うっ……」
「事前にアイツに止めてもらうよう頼んでいたのかもしれないが……ヒーローは敵を殺しにいってはいけないものだ。結果的にそうなってしまった場合はしょうがないとはいえ……だ。」
「はい。……ごめんなさい。」
「でもサー。あの時が1番食い入って見てましたよ?」
「え?」
「…………バブルガール。君は少しユーモアが足りてないみたいだな。」
「そんなことないですって!!!」
仲良し事務所だねぇ〜雰囲気いいかも。
「…………そういえばセンチピーダーさんは……?」
ナイトアイ事務所にはもう1人サイドキックが居るって聞いた……んだけど。
「今日は別件だ。次から顔を出してくれるはずだ。」
「なるほど。」
ヒーローだもんね。そういうこともあるかも。
ナイトアイがコーヒーを1口。
「……そのマグカップ……」
「む。知っているか。」
オールマイトって書いてある?
「いや!……私ブラッドロータスおねーさん以外のヒーローに疎くて……名前だけ〜とか、勉強したから〜とかじゃないとあんまりわかんないんです。」
「へぇ!珍しいねぇ……」
「……なるほど。」
「でも……オールマイトだけは知ってます。凄い人ってのも知ってます。」
「……ふっ。」
「なーんでサーが偉そうなんですか。」
「かっこいいですよね!スーパーパワーだけで何とかしちゃうヒーロー!」
「……ああ。そうだな。」
……よく見るとこの部屋オールマイトのグッズだらけだ……
「…………オールマイト好きなんですか?」
「……。」
「そりゃもう大好きだよ。厄介オタク。」
「バブルガール。」
「ひーっ!ごめんなさーーーい!!」
「……バブルガールさんっていつもこんな感じなんですか??」
「今日は君がいるからはっちゃけてるだけだ。」
「そうですか。でも……仲良しって感じの事務所で良かったです。」
「「!」」
「No.1ヒーローのルミリオンが居たって聞いて……ちょっと緊張してたので。厳格で……ガチガチにルールがあって……とかだったらちょっと怖かったです。」
「なるほど……たしかにそういう雰囲気はあるのは否めない。……が、先程言ったようにヒーロー社会にはユーモアが必要不可欠だ。この事務所では人を笑顔にする事を重きに置いてもらうよ。」
「はい!頑張ります!」
「……まぁ先程様子を見るに……君ならあまり心配はしていないが。」
「ブッ!」
「それどういう意味ですか!!」