side槍田日巡璃
次の日のお昼休み。
「今日のヒーロー基礎楽しみだねぇ!」
「ビッグ3でしょ?どんな人達なんだろうね!」
「何すんだろ。」
ワイワイガヤガヤ……この後やる雄英ビッグ3との授業に皆ワクワクしてる。
かくいう私もその1人。
「……。」
「日巡璃。ソワソワしないの。」
「えぇ〜?楽しみじゃん!強い人達なんでしょ?」
「……実力が高い3人ってだけで、トップヒーローレベルに強いって訳じゃないでしょ。………………多分。」
「そもそもあまり上級生との絡みもないので……それもあるかもしれませんね。」
「そう!ヒーロー科はクラブ活動とか無いからさ!上級生とお話できるチャンスなんてこんな場所しかないよ!」
「「「?」」」
私の声に反応してイケメンズがこっちを向く。
「……あの3人は例外。」
上級生何人も虜にしてるみたいだから……いやまぁかっこいいかも知れないけど、普段の言動見ちゃってるからなぁ……
「そうね。最近3年生も何人かファンクラブに入ったらしいわよ。」
「どこから仕入れてるんですかその情報。」
「青空。」
「「あぁ〜……」」
好きそうだもんね。そういうの。
「ファンクラブかぁ……中学の時もあった気がする。」
「へぇ〜……っていうかどの中学にも大体ある所はありそうだけどね。」
「カノーテス様の中学はあったのですか?女子中ですが……」
「あるわよ。あるある。イケメン女子!王子様!とか言って煩かったわ。」
なるほど……女子中だとそんな感じになるのか。
「煩……まぁカノーテス様の好みじゃなかったと……」
「ぜーんぜん好みじゃないわね。っていうか私って結構可愛い顔好きかも。」
「そうなんだ?」
「……アンタねぇ……まぁいいけどね。」
「??」
「愛の所はどうなの?」
「……色恋沙汰に興味がなかったもので……特にそういうのはあまりにも疎いので……申し訳ないです。」
「「あぁ〜……」」
しょうがないね。ここの三人中学時代形は違えど全員ぼっちだったから。
「そんな愛も……盲目的に人を好きになんのね。」
「……確かに。」
「?」
「アンタはねぇ……もう少しこういうの勉強なさい?」
コツンと頭を叩かれる。
「アイタ!……こういうの?」
「普通の人なら愛想つかすわよ?……私たちは普通じゃないからいいけど。」
「?……私二人の事好きだよ?」
「〜〜っ……ハァ。私も甘いわね。」
「お嬢様は無自覚系なので。」
「??」
ガラッ
「よし。席に着け〜。ビッグ3に来てもらったぞ!」
スナイプ先生が入ってくる。もうそんな時間!?
皆大慌てで自分の席に戻る。
「……隠せてないぞ。」
ッシーン……
「…………まあいい。入ってきてくれ。」
ビッグ3……一体どんな……
顔に大きな傷のある、褐色の女の人が1人。腰まで届くような黒い髪で、ぐるぐるメガネの猫背の人が1人。ピエロみたいなメイクしてる男の人が1人。
……これが……雄英ビッグ3…………
「「「……。」」」
…………これが?……雄英トップの3人?
「よし。じゃあ毒島から。」
「オウ!」
顔に傷のある女の人が教壇に立つ。
「アタシは3-A組の毒島 傷子(ぶすじま しょうこ)!よろしくな!オイ次ィ!」
「ぶーちゃんうるさい。……私は反甫 理対(たんぼ るつい)。うるさいのは嫌い。」
「オホホホ。それではワタクシですね!ワタクシは五甲 恵蘭御宮(ごこう けいらんおみや)!皆様よろしくお願いいたしますぞ!」
パチパチパチ……
うわぁ……濃いぃ〜……
「この子達が現雄英ビッグ3。ウチで最も優れてる生徒だ。」
圧があるって言うか……凄いんだろうけど……濃い〜……
「アッハッハ!緊張してんのかぁ?ウブだなぁ?」
「……うるさいのよ。皆うるさいのは嫌い?だったら私の仲間ね。」
「オホホホホホ!良いでは無いですか!静かなステージ!ワタクシが大喝采に変えて見せましょう!」
「……先生。」
「どうした?無頭。」
「濃いっすね。」
「……実力は確かだ。」
そっかァ……
「んで?もうみんなインターンやってんだっけ?」
「……私に聞かないでよ。スナイプ先生。どうなんですか?」
「既に何人かやってるな。毒島のインターンがちょっと長引いたからな。」
「アタシのせいか!すまねぇな!!」
ガハハとおおらかに笑う毒島先輩。気のいい人だとは思うな。うん。
「……じゃあなんで私たちが来たんですか?全員インターンのやる気があるならやる必要無さそうですけど。」
「それは違うぞ。インターンを行うこと。それによってもたらされる物が今現状生徒達が漠然としすぎている。だから何か君達に刺激を与えてやって欲しいんだ。」
「「「スナイプ先生ェ!!!」」」
スナイプ先生かっこいい!!
「……なるほど。じゃあ私の出る幕じゃないですね。」
「おん?反甫はやんねぇのか?」
「私よりもぶーちゃんとごこちゃんの方が得意でしょ。」
「確かに。やるか!五甲!」
「オホホホホ!いいですぞ!共に最高のステージにいたしましょう!…………と言いたいところですが、ワタクシも今回は賑やかしに回ろうと思います。A組ではワタクシに花を持たせていただきました故。」
「そっか!じゃあアタシのオンステージだな!」
「じゃあ終わったら言ってね。」
と反甫先輩がふわっと宙に浮いて、そのまま懐から本を取り出し、読み始めた。
「えぇ……」
フリーダムすぎる……
「よーっし!じゃあまずインターンやってて良かったこと話すぜ!」
バァンと黒板を叩く毒島先輩。
結構パワー系だね?
「アタシの個性は致死力。私に対するダメージは全部エネルギーになって蓄積されて、それをぶっぱなすことができる個性!」
「……すげぇ個性。」
「死なねぇってこと?最強じゃん。」
「ちっちっち!違ぇんだなこれが!死に至る攻撃貰ったらワンパンだ。余裕で死ぬ。あとキャパオーバーしたら死ぬ。蓄えれるダメージにも限度がある。エネルギーがオーバーフローしたら爆発する。そんで気絶する。」
「ぶーちゃんの個性はピーキーなのよね。」
「そうそう!弱い攻撃はエネルギーにすらなんねぇしよ。」
なるほど……攻撃喰らわなくちゃ力にならないのに、搦め手に弱すぎるし、相手によっては実質個性なしか……
「しかも今より個性が弱くてな……エネルギーの倍率が低かった。たとえ発動できても当たらなかったら意味ねぇし……なんつーか個性の扱いが全体的に不器用だったんだ。」
すると黒板に向かってスルスルと何かを書き始める。
……棒人間と……矢印がいっぱい。
「だからアタシは足りねぇ物を考えた。個性の上限。攻撃を受け切る体力。戦闘経験。etc……あげればキリがねぇ。」
黒板に個性、体力、戦闘経験など書き込まれていく。
「だからインターンで死ぬ気で頑張った。耐えれる身体も作った。個性も身体に無理やり馴染ませた。その土台を作ってから、戦闘経験を積み上げた。インターンによる経験は私を確かに成長させてくれた。」
……私とは逆だね?おねーさんの指導方針が他の人とは違うのかなぁ?
「それで私が出来た。やっとだ。1年半かかった!でも結果は着いてきたぜ!ちゃんとな!」
「毒島は今回の雄英体育祭3年生の部で優勝した。ほとんど苦戦も無くだ。圧倒的と言ってもいい。」
圧倒的に……優勝。
言葉にするのは簡単だけど……実際に成すとなれば……どれくらい難しいんだろう。
……なんか震えてきた。強いひとなんだ!!へぇ!!
「……ウチの委員長みてぇだな。」
「「「うん。」」」
「え!?」
「だって決勝戦もストップかかってなけりゃ優勝だったぜ?」
いや……でもあれは反則負けだし……
「でも皆強かったよ?」
「なんだなんだ?アタシ見てぇな奴がこのクラスに居んのか?」
毒島先輩と視線が会う。
バチッ……
「へぇ!いい顔するねぇ!アタシの実力見せるには……ヨシ……スナイプ先生!運動場貸してくれよ!」
「なるほど……いいぞ。槍田。準備しろ。」
「……え??」
「アタシとタイマンしよう!槍田日巡璃!噂には聞いてるぜぇ?1年の体育祭を全部肉体1個で決勝戦まで駆け上がった化け物が居るってなぁ??」
「なんですかそれ!?」
そんな変な噂になってるの!?
「体操服着ろ槍田ァ!運動場行くぞ!」
えぇ!?なんか急に先輩と戦うことになっちゃったんだけど!?