※この作品はR-18です。

きっと私のアカデミア   作:おいーも

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皆の意識

 

 

 

 

 

 

 

 

side反甫理対

 

 

「行け!!そこだ!!」

 

「やれるぞ委員長!」

 

「負けるなー!!勝てー!!!」

 

 

ぶーちゃんの攻撃が当たらない。

 

なのに……

 

 

 

パァンッ!

 

「っっ……チィッ!!」

 

「……。」

 

1発1発確実に。普通ならそんな細かな攻撃……ぶーちゃんに打つのは愚策。だって特大級のカウンターを貰うから。

 

 

でもそのカウンターが当たらなかったら?

 

ぶーちゃんにエネルギーが溜まり続けて爆発しちゃう。だから細かくエネルギーを放出させないといけないけど、もし当たったとしても……

 

 

「オラァッ!!」

 

「ッ!」

 

早い体捌きで受け流され、まともなダメージにならない。

 

 

であればある程度貯めて打つ方法もあるけど……多分相手もそれを理解している。急に強打に切り替えようものなら一撃で爆発する可能性もある。

 

 

 

 

……手詰まり。

 

 

 

ぶーちゃんが負ける……?

 

嫌な想像。背筋に冷や汗が伝う。

 

 

 

 

「……先生。」

 

「うふふ。なぁに?」

 

至極楽しそうなブラッドロータス先生に質問をする。

 

 

「あの子は……何をしていたんですか。」

 

「反甫さん……貴方が後輩に興味を持つなんて珍しいわね。」

 

「…………。」

 

図星だったけど敢えて黙った。

 

 

「あの子はね〜……先天性のすごい身体をしているわ。全ての筋肉の質が最上級に良くて、その上身体を思い通りに動かせる。だから少し運動しただけでコツを掴んで、ある程度負荷をかけてやるとすぐそれに適した筋肉が付き始める。」

 

チートだ。理解はできるが……そんな人が居るとは……

 

 

「そんな凡人の努力を……」

 

「うふふ。そうね。私も初めて見たときは目を疑ったわ。オールマイトより……ううん鍛え方次第ではオールマイトに並ぶ肉体になるかもしれない子が目の前にいたんだもん。そんな子が……私を慕って強くなりたいって言ったものだから……張り切っちゃった。」

 

「……オールマイト……それ程ですか。」

 

オールマイト。私が幼少期、日本NO.1ヒーローだったスーパーヒーロー。今は引退して雄英高校の教頭をやっているけど……その功績と活躍は歴史の教科書に載っているほどだ。

 

 

「個性はオールマイト程じゃないけどね〜。それでも日巡璃ちゃんと噛み合ってるいい個性だよ。tha 脳筋って感じ。」

 

「…………そうですか。」

 

 

最高の肉体と……それを綿密に動かせる脳。戦闘スタイルが丸っと変わったのもこれが関係しているのか……

 

「相手によって戦い方を変えれる……しかもあの短時間で。私は相当目がいいと思いましたが……」

 

「目。いい着眼点ね。正直……肉体に関して言えば、目に比べると才能と呼べるかすら怪しいわね。彼女の最も優れているのは肉体じゃなくて目よ。」

 

オールマイト並の肉体以上の目。……どういうことだろうか。

 

 

「……そこまでですか?」

 

「うん。言い切れるわね。彼女は目……周りをしっかり見渡して情報収集するのに凄く長けてるの。それは戦闘中でも変わらない。相手の微細な弱点を見抜いて、それを叩ける。相手の苦手なスタイルに戦い方を変える。戦闘IQはちょっとまだ足りないけど、それでもお釣りが来るくらいの情報収集能力だね。……その目が4つもあるんだから、余程のことは見逃さないわ。」

 

「…………。」

 

 

……敢えて戦闘中膠着状態を作ったのは……それを思考する為?弱点を見抜いてそれに適した戦闘スタイルに変えるため?軽い一撃にシフトして、ぶーちゃんをジリジリ追い詰める……と。

 

 

 

 

だとしたら……

 

「「甘いね。」」

 

「!?」

 

「そういうと思った♪」

 

 

ブラッドロータス先生と声がハモった。びっくりした。

 

「あの程度で毒島さんは倒せない。伊達にビッグ3やってないよ。戦闘経験は確かに日巡璃ちゃんの方が上だけど、密度と精度は毒島さんの方が上。……さーて。ここからどうなるかなぁ〜。」

 

 

……私の心臓はまだ跳ねているが、ニコニコ楽しそうに笑うブラッドロータス先生。

 

心でも見透かしたかのような……

 

あの弟子にしてこの師匠ありね。

 

どっちも不気味だわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side槍田日巡璃

 

 

 

一撃。一撃。

 

致命傷にはならないけど、確実に打ち込む。

 

「フンッ!!」

 

 

相手の攻撃は躱す。足を滑らせる。足をバタバタ動かすんじゃ足りない。

 

私はカタツムリだから。足を付けたまま移動できる。

 

体重移動は最小限。このまま行けば……行ければ。

 

いい勝負にはなるんじゃないかな。

 

 

 

途中から毒島先輩の攻撃の出力が下がった。私の勘違いじゃなければ。

 

多分エネルギーを貯め始めた。私に察せられないくらいに。

 

……そこを叩きたい。

 

 

貯めて貯めて。充分になったところに……重い一撃を打ち込みたい。

 

だから体重移動を最小限に。

 

相手の最後の一撃を待つ。

 

いつでも体重を乗せれるように。私の全力を……叩き込めるように。

 

 

「…………。」

 

このブラフの攻撃。相手の隙を作るだけなら利用するのもアリかも。

 

敢えて少し体重を乗せさせる。ほんの少し。

 

上体を少し丸める。

 

顔に当てれるように。

 

私の見立てではもうそろそろ、エネルギーが溜まる。

 

そろそろ仕掛ける。こちらのターン。

 

 

 

執拗なボディへの攻撃に、顔のガードを少し解く。

 

「ガラ空きだぜ?!!」

 

顔に来た!!

 

 

少し身体ごと横に逸らし、受け流す。体重を落とし、そして上に。

 

相手の体の勢いと、私の体重移動を鉢合わせる。

 

「まっ!?」

 

 

ガードが早いけど……気付いても遅い。狙うは腕ごと。脇腹を。

 

「スラッグハンマーッ!!」

 

ぶち抜く。

 

 

ズドン……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぶーちゃん!!!」

 

毒島先輩の身体が宙を浮く。

 

 

「…………逃げられた。」

 

空中で一回転。両手両足で着地する毒島先輩。

 

 

「ごはっ……やるねぇ……いーい……ダメージだ。」

 

血を吐いたみたいだけど……受け止められた。インパクトのタイミングで自分から宙に飛び上がることでダメージを軽減。本来であればノックアウトのところを……血を吐く程度で抑えた。……この先輩。さっきからそうだけど、受けが巧い。本当に。致命傷ギリギリで常に耐えてる。

 

……攻めきれなかった。

 

 

「ふーっ……さて。こっちの番だなァ?」

 

立ち上がり、拳を握る。真っ赤にひかる拳は……今までないくらい……それこそ最大出力と理解するには充分。

 

一転攻勢……

 

 

 

じゃない!!

 

背筋が震えた。もう1個。もう1個試したい技がある!この人なら……この人なら当てれるんじゃないか!!

 

両手を地面に叩きつける。

 

「……もう1発。」

 

「!!…………ハハハッ!!いいぜぇ!!どっちが強ぇか勝負しようやッ!!」

 

 

毒島先輩が腰を深く落とす。

 

私なら……あれを躱して攻撃を当てることも多分できる。……出来るけど……

 

「何楽しそうにしてんだ槍田ァ!!アタシもだぜぇ!!!」

 

この……さっき迄とは違う高揚感は。

 

おねーさんみたいに勝てない相手じゃない。

 

今までみたいに全力を封印してた訳じゃない。

 

勝つか負けるかの……

 

 

「ギリッギリの勝負ッ!!超楽しいです!!!」

 

「いい表情だァ!!やるぞ!最後の1発ッ!!!!」

 

「行きますっ!!!!」

 

 

発射。

 

今までの全力。全てを込めて。

 

速度。力。体重。全部をぶつける。

 

「ブラック……」

 

「レッド……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまで。」

 

刹那。

 

動きがスローモーションに見えた。全てが。

 

 

私が何者かに足を引っ掛けられ、宙に投げ飛ばされた。

 

その下を毒島先輩の拳が撃ち抜き……地面を抉る。

 

私は2回転して地面に叩きつけられた。

 

「あいたぁっ!?」

 

背中打った!すごい衝撃!

 

 

「はぁっ!?オイ!ブラッドロータス先生!!」

 

毒島先輩のセリフでこれをやったのがおねーさんだと気付く。

 

 

「おっ……おねーさん!?」

 

「バカチン。ダメに決まってるでしょ。死人が出るわ。」

 

「「…………。」」

 

 

何も言えなくなった。いや……確かに……うん。はい。そうです。

 

「……2人ともよく頑張ったわね!お疲れ様。」

 

「!……オウ!」

 

「うん!!」

 

「後で保健室に来ること。いいわね!」

 

「「ハイ!」」

 

おねーさんがB組の全員に振り返る。

 

 

「さて。みんなにはどう見えたかしら。ビッグ3と戦える日巡璃ちゃん凄い!……かしら?それとも……日巡璃ちゃんの全力と戦えるビッグ3凄い……かしら。…………多分どちらでもないわよね?」

 

「え??」

 

おねーさんのセリフの意味がわからなかった。皆の顔を見る。

 

「……ハァ。差はあるとは思ってたけどこれ程とはなぁ……」

 

「インターン行けなかった。楽しみだったのに〜とか思ってた私バカみたいだよ〜。」

 

「このままだとドンドン委員長に置いていかれるな。それだけはダメだ!俺たちも強くならねぇとな!」

 

「え?え?」

 

 

みんな……何言って……

 

「日巡璃ちゃん。本当にいいクラスメイトを持ったわね?」

 

 

「みんな……」

 

「委員長!すぐに追いついてやるからな!!」

 

「負けないよ!!お友達兼ライバルだからね!!」

 

「必ずやお嬢様の全力を引き出して見せます!!」

 

「日巡璃。次は全力よ。手ェ抜いたら許さないから。」

 

 

「〜〜〜ッッッ!!……うん!うん!!みんな大好き!!!」

 

速攻立ち上がって皆の元に駆け寄る。嬉しかった。私と一緒に……私と同じくらい強くなろうとしてくれる!

 

私も!みんなに負けないくらい強くならなきゃって気持ちが強くなった。

 

大好きなみんな。大好きなクラスメイト!私このクラスでよかった!!

 

 

 

「いいライバル関係ねぇ〜青春って感じ。」

 

「……インターンのいいPRになったかぁ?」

 

「毒島さん。お疲れ様。いいPRだったわ。」

 

「チッ……次やる時は有耶無耶にしねぇ。槍田日巡璃……覚えたぜ。」

 

「んふふふふ。」

 

 

 

 

 

 

 

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