side槍田日巡璃
「……昨日は…………ありがとう……ございました。」
ぺこりと頭を下げる佳舞ちゃん。
「ええよぉ〜困ったらお互い様やけんね?」
……やればできるじゃん。
「……日巡璃。それ多分アンタが居るからよ。」
「え??なんでわかるの??」
私の顔見て何思ってるか察すの相変わらず凄いね??そんな顔に出るかな?文字でも書いてある??
「はぁ。アンタは自分が他人に与えてる影響を多少なりとも理解した方がいいわ。」
「私何もしてないよ??」
「……純粋なのね。まぁそこが好きなんだけど。」
「?」
「これから仲良くしまひょな?岩刄はん?」
「う……うむ!……圖書……さん。」
「アハハハ!そんな畏まらんでもええんよ。大層な人間じゃありまへんし。」
「……わ……わかった!圖書……えーっと……」
下の名前がわかんないのかな?助け舟を出された気がする。
「憂世ちゃんだよ〜。」
「圖書……憂世!」
「うふふ。よろしゅうな?」
「あぁ〜……可愛らしかったなぁ?岩刄はん♪」
「可愛いの好きなの?」
「勿論。可愛いもの見ると撫でくりまわしたくなるんや。」
へぇ〜……憂世ちゃんの趣味……努力してる人を見るだけの変態さんじゃなかったんだ。
……そういえば初めて寮で会った時に引子ちゃんが可愛い子って言ってた気がする……そういうこと??
「なんか失礼なこと思ってへん?」
「べっ別に!?」
「バレバレよ。」
「バレバレですね。」
「2人ともうるさい!!」
「うふふ……実は槍田はんもディミトリウはんも私の琴線に触れてるんやよ?」
「「え!」」
カナはわかるけど私も!?
「お二人とも可愛らしいからなぁ……うふふ。いつか撫でさせてな?」
「…………恥ずかしいから遠慮するわ。」
「私も……っていうか愛ちゃんは?愛ちゃんも可愛いけど!!」
「ちょ!?お嬢様!?」
「憎田はんは……槍田はん限定の可愛いやから……なんちゅうか……手出しできへんやんか。」
そういうもんなの?
「……だったら私は日巡璃の彼女だけど。」
「ディミトリウはんは常に可愛いを振りまいてるからセーフや。」
「なにそれ!?」
「うんうん。カナは毎日可愛いよね。」
「日巡璃!?」
「……たしかにそう言われると可愛いものって抱きしめたくなるかも。」
ハグ大好きだし……
「槍田はん!私達もしかして……似てるかもしらへんな!」
「…………そう……かも?」
「流されちゃダメよ日巡璃!ソイツは変態なんだから!」
「そんなことあらへん!ちょぉーっと可愛いこと努力してる子が好きなだけや!」
「そのちょっとの度が過ぎてるんでしょ!!」
「度が過ぎてても!自分の好きを変えられまへん!!」
「……ちょっとかっこいい……」
「お嬢様!?」
「ぷはー!美味しい!」
「そう?良かった。」
「うん!おねーさんのお茶大好き!」
お昼休み。久しぶりに保健室に顔を出した。おねーさんに会いに来たのだ。
「インターンどう?ナイトアイに変なこと言われてない?」
「大丈夫です!良くしてくれてます!」
「そ。ならいいけど。」
おねーさんはパソコンを叩きながら心配してくれる。ふっふっふ。私はおねーさんとナイトアイさんがなんだかんだ仲良しなの知ってるからね。
「……ナイトアイから、貴方を強くする案をいくつか貰ってるから、色々実践してみましょうね。」
「え?ナイトアイさんから?」
「余程貴方のことが気に入ったのね。結構入れ込んでくれてるみたいよ?」
「……えへへ!嬉しいなぁ!」
「…………まぁ今はインターンに集中しなさい。ナイトアイもしっかり見てくれるでしょ。」
「はい!」
「何かあったらすぐ言うのよ。おねーさん全力でカチコミに行くから。」
「大丈夫だよ!」
「……そ。まぁナイトアイだし余程変なことはしないと思うけどね。」
……信頼関係!かっこいいなぁ!
「あっそういえばバブルガールさんがまた会いたがってたよ?」
「そう?じゃあ近いうちに顔だしましょうかね。少し言わなきゃ行けないこともあるし。」
「え!いつ来るの!?」
「ふふふっ。難しい話だから日巡璃ちゃんがいない日に決まってるじゃない。」
「えー!」
「大丈夫よ。見なくても日巡璃ちゃんなら真面目に仕事頑張ってるって知ってるから。」
「むー……」
「……不貞腐れないの。……もう。日巡璃ちゃんったら。」
おねーさんがこっちに来て頭を撫でてくれる。
「……。」
少しゴツゴツしてるけど優しいおねーさんの手は、なんだかんだ嬉しくて。おねーさんに抱きつく。
「まだまだ子供ね?安心して?また顔見に行ってあげるから。」
「ほんと?」
「ええ。私が嘘ついたことある?」
「ない!!」
「ふふふ。じゃあインターン頑張れるわね?」
「うん!」
おねーさんが来てくれるなら頑張らなきゃ!えへへ!いつ来るんだろ!楽しみ!!
「エスネイラー。四穢異傑の個性と名前がわかった。」
「え!本当ですか!?」
今日はインターン。今日のお仕事は終わって、あと帰るだけなのだが、ナイトアイ事務所で業務連絡があるらしく少し残ることに。
「警察の方にも連携をとって、こちらと警察で全部調べた。少々骨が折れたが、必要経費だろう。」
「凄いですね!……それでどうだったんですか!?」
ナイトアイがコーヒーを1口。オールマイトのマグカップ。
「それは本格的な作戦会議の時に擦り合わせる。……学校と相談したが、君にも来てもらうことになった。」
「!」
「サー!ちょっと待ってください。エスネイラーは優秀ですが……まだ学生で……」
バブルガールさんが割って入ってくれる。
「……それを加味した上でだ。……ただこれは学校側の判断。君には断る権利がある。」
「断る権利……」
「君はこの事件で、殺人を気にもとめない集団と戦うことになる。それは君のヒーロー活動にとってどんな影響を与えるか、私にも分からない。……ただ。私は君が何れルミリオンのようにヒーロー社会を背負うヒーローになると信じている。……個人としては君を連れて行き、乗り越えて欲しい。……どうだ?」
「…………。」
殺人を気にもとめない……指定敵団体……四穢異傑……もしかしたら死ぬかもしれない。もしかしたらヒーロー活動出来なくなるかもしれない。
そんなの……怖い。怖いけど……
もう既に決まってるから。もう覚悟は……
『何かあったら言いなさい。ヒーロー活動で言えないこともあると思うけど、それとこれとは話が別。元気じゃない日巡璃を助けてあげるのも彼女の仕事よ?』
『当然私達も同じ気持ちです。』
『ひまひま……私は何も出来ない……けど……一緒に頑張ろ?』
「行きます。行かせてください。」
出来てる。この1歩が。多分ヒーローに絶対必要。
「エスネイラー……はぁ。」
「ふふっ……お師匠にそっくりだな。」
「いい顔だ。私は君のそういう所を汲んでいる。今一度言おう。頼りにしている。エスネイラー。」
「イエッサー!!」
もう迷わないよ。決めたもん。皆がついてるから!その上で生き残ってみせるって!!