side槍田日巡璃
「はい!これでいい?」
「おねーちゃんありがとー!」
子供の風船を取ってあげたり……
「よいしょぉ!!」
「きゃっ!?!?」
脇見運転して、人にぶつかりそうになってる自転車止めたり……
「The station? The station is straight down this road, and you'll turn left at that big intersection.(駅?駅はこのまま真っ直ぐ行って、そこの大きな交差点を左です。)」
「Thank you!(ありがとう!)」
道わかんない人に道案内したり……
「今日は張り切ってたね?」
「はい!出来ることをコツコツするのが大事ですから!」
今日はもうお仕事終わり!更衣室でバブルガールと着替える。この事務所一応女子更衣室あるんだね……サイドキックの女性一人のために。すごいなぁ?
「いいじゃんいいじゃん!……私ね?本当は今回の作戦に日巡璃ちゃんを連れていくことは反対なんだ。」
「え?……あ……まぁそうですよね。まだまだ未熟ですし……」
「あっいやいや。そういう訳じゃなくてね?まだ若いじゃない?そんな子の命が最悪失われるかもしれない仕事に……って思っちゃってね。」
「…………バブルガールさんも若いですよね?」
「……私のことはいいじゃない!」
……女性に年齢を聞くのはNG。覚えとかなきゃ。
ちなみにおねーさんに聞いたら今年で30歳らしい。三十路の仲間入りだねって言ったらちょっと傷付いてたって。
「私はまだ学生ですし……たしかに世間の目は未来のヒーローの卵。こういう事をさせる事に対してまだまだ怪訝な目をする人だっています。…………でも私は何れヒーローになるので。こういうのは早めに経験しておくに越したことは無いです。」
「……はぁ〜……日巡璃ちゃんは立派だね。私がお節介みたいじゃん。」
「え!?いやいや……そんなことは……」
「んふふ。……期待してるね?エスネイラー。」
「……はい!!」
「エスネイラー。少し待ってくれ。」
「え?はい!」
事務所から出ようとしたとき、ナイトアイさんに声をかけられる。
「え?サーもしかして……相手はまだ未成年だよ?」
「……バブルガール。」
「ごめんなさーーい!!」
バブルガールさんがすごい勢いで事務所を出ていった。
「……ハァ。例の四穢異傑の作戦だが……」
「!」
来た!どうなったんだろ……
「来週の初め、しっかり作戦会議を行い……来週の終わりに作戦決行……という事になった。」
「……はい!」
「そのうえヒーローも何人か参加することになっているから……少々大規模な作戦になる。」
「大規模……頑張ります!」
「よろしい。期待している。」
「はい!イエッサー!」
「ふふ……元気なのは良い事だ。」
「それじゃあお先失礼します!」
「うーん……今日は疲れた……」
「お疲れ様。日巡璃。」
今日はカナの家にお泊まり。一緒にお風呂。お風呂はいいよ。暖かいしリラックスできるし……最高!
「……ねぇカナ。聞いてくれる?」
「……どうしたの?」
私に抱きついてくれてるカナに、言わなきゃいけない事。愛ちゃんにも……天捻ちゃんにも言わないといけないけど、最初はなんとなくカナが良かった。
「私ね。もしかしたらインターン中に死んじゃうかもしれないんだ。」
「…………え?」
「あっ!職場が悪いとかじゃなくてね?……ちょっと危険な作戦に参加することになって……もしかしたらって話だよ?」
「……日……日巡……日巡璃が……死ぬ……え……やだ……そんなのやだ!」
ポロポロとカナが大粒の涙を流す。
「きっと大丈夫だよ!……でも……最悪ってあるから……」
「うっ……日巡璃……やだ……やだぁ!!」
カナが私の首に抱きつく。力いっぱい。少し苦しいけど……しっかり受け止める。
「ごめんね?……でも……何れ経験しないといけないから。」
「やだ……やだ!インターン行かないで!日巡璃……お願い!……そうだ!私達がヒーローになって……それで養ってあげるから!私の前から居なくならないで!……私社長の娘だし……全然……お金……な…………ら……」
「……。」
「…………ごめんなさい。日巡璃。」
「……カナ……。」
少しだけシュンとなるカナ。声色だけでわかる。
「…………そうなると……今度は日巡璃が苦しいわよね。私達を待ってるしかできないなんて。……ごめんなさい。」
「ううん。大丈夫。」
「……日巡璃……これだけは覚えてて?私は……日巡璃としか一生を共にしない。私を幸せにしたかったら責任持って生き延びて?」
「!…………重大だね?」
「当たり前でしょ。初めてよ。こんなに貴方の事しか考えられないの。一生……こんなことは起こりえないわ。」
「……責任……取らなきゃね?」
「ふふっ……お願いね?」
カナが私の顔にすりすりと頬を擦り寄せる。……可愛い。
「ねぇカナ?」
「……?」
カナを少し引き剥がし、顔を見つめる。目の周りが少し赤い。……可愛い顔が台無しだよ?
カナの後頭部を抑え、唇を重ねる。
「……ん……日巡……璃……」
「カナ……カナ……」
何度も。何度も。
私とカナの唇に橋が架かった時、ようやく顔を離す。
「……日巡璃。こんなに情熱的なキス……出来たのね?」
「えへへ……これでも頑張って勉強してるんだよ?」
「……胸がキュンキュンしてる……日巡璃で満たされちゃった。」
「……んふふ。……カナ……可愛いよ。」
「もう……もっと求めさせて何させるつもり?私結構ギリギリなんだけど。」
「……何したいの?」
「…………それって誘ってるの?」
「?」
「……わかってないみたいね。……もういいわ。日巡璃。あなたが死んじゃうかもしれないなら……私もう止まれないから。」
「?……え?……何を……」
「早くお風呂上がりましょ?……そして……少しだけ勉強しましょ?」
「?……??」
カナに腕を引かれて、髪を乾かして、スキンケアしてそのまま自室へ。
ベッドに座らされ、カナがスマホを弄る。
「日巡璃。……これ見て?」
「?……何が……え?」
何してるのこれ!?股に……え??何を……!?なんか……
「カナ!?なんかすっごくえっちだよ!?」
「うん。……ねぇ日巡璃。私……日巡璃と……これがしたいなって。」
「……!!!!」
なっ……えっ……これ!?……っていうか……入るの!?
「顔真っ赤……ふふっ……可愛い。……でもね?これ……子供が出来ちゃうかもしれないから……」
カナが立ち上がり、机の中から何か四角いギザギザの小さいものを取り出す。
「……ねぇ。……日巡璃。死んじゃうかもしれないなら……私に日巡璃を刻んで欲しいの。……もっと深くに。」
「…………。」
カナが私の目の前で服を脱ぐ。見慣れたはずの生まれたままの姿。何度も何度もお風呂に入ったし、何度も何度も肌を重ねたはずなのに……今日は今までとは違う。別の空気感。
「……ねぇ。日巡璃……お願い。」
腹の底で何かが燃える感覚。カナから目が逸らせない。
「……カナ……」
「日巡璃……」
カナが私にもたれかかり……私はそれを受け入れベッドに沈む。
「……日巡璃……私を……本当に日巡璃だけのものにして?」
「…………」
私は……
……PPPPPP
「ん……ぇ……アラーム……?」
目が覚める。アラームを切って……眠気眼を擦る。
……腕の中にはありのままの姿のカナ。そして……
『日巡璃……』
「……(ボッ」
私!!カナと!!昨日!!あんな事を!!!!!
顔が急に熱を持つ。血が上って……何も考えられなくなる。
「〜〜〜!!!!」
わー!!わー!!!わー!!!!理性が吹っ飛んでたとはいえ!カナにあんなことやそんなこと……!!カナも乗り気だったし!カナも全然やってたし!!嫌だとしても……!!!
「…………あんな声……初めて聞いた。」
「……何が?」
「うぇっ!?カナ!?起きてたの!?」
「そりゃ……目の前でバタバタしてたら起きるわよ。」
「…………そうだね。ごめん。」
「それにしても……あんなに気持ちよかったんだ?」
カナの視線の先……それは……
「……!!……えと……あの……」
「……私も。……日巡璃……私今すっごく幸せ。」
「!!…………カナ……ずるいよ……」
「……うふふ。……じゃあ……私以外にもしてあげてね?」
「……え?」
「当然よ?全員娶るんでしょ?」
「………………え?」
あぁ……これやっぱりもたないかも。