side槍田日巡璃
「お集まり頂き……まずは感謝申し上げる。今回の1件の指揮を取らせていただく、サー・ナイトアイだ。」
ドキドキ……緊張する。知らないヒーローがいっぱい。
四穢異傑を全員の身柄を確保する作戦。私たち以外にも……
「リーキュウです。」
「ギャングオルカだ。」
「バトルフィストです。」
次々と事務所の代表が自己紹介していく。そして……
「ルミリオンです。」
……ごくん。No.1ヒーロールミリオン……オーラあるなぁ!元サー・ナイトアイ事務所所属なんでしょ?大先輩だ……
「今回皆に集まってもらったのは他でもない。死穢八斎會の残党、通称四穢異傑の身柄を全員確保するためです。知ってる方も多いと思いますが、既に解体された指定敵団体、死穢八斎會の元副総長、オーバーオールこと治崎廻を崇拝している4人組です。罪状は違法薬物売買、強盗、恫喝、殺人……あげればキリがないですが、無数にやっている……とだけ。」
後ろのモニターに4人の写真が映し出される。どこで撮ったんだろ?すごい見やすいね。
金髪のロン毛の人。フードを被った肌の黒い人。サングラスをかけた、いかにもチャラそうな人。髭を生やした小汚いオジサンの4人。
「全員が全員、相当な手練れ。我々ナイトアイ事務所はとある方から情報を頂き、個人的に調べていた結果……今回の作戦に踏み切ることにしました。」
「すまない。」
ギャングオルカさんが手を挙げる。
「どうぞ。」
「2点。まずはそのとある方と言う者を明確にしていただきたい。場合によってはその情報が確実かどうかすら怪しくなってくる。もうひとつはこの人選にした理由だ。他の3つの事務所はさておき、私たちを選んだ理由を聞きたい。それ次第では準備が異なる。」
……準備が異なる??
「わかった。まず1つ。あとから話そうと思っていましたが、情報源はブラッドロータス。」
「「「「!」」」」
……あれ?全員知ってる感じ??
「全員知っていると思いますが、私が信頼している、有力な情報源です。……何か質問は?」
「いや。大丈夫だ。」
やっぱり皆知ってるんだねぇ?おねーさんってすごいなぁ!
「2点目ですが、相手4人の個性を鑑みた結果、この人選に決まりました。」
「個性?」
「はい。まず金髪の男。名前を実水 安貴(みみず やすたか)。この中で一番若いが、四穢異傑のリーダー。個性は洪水。全身から水を吹き出すことができる個性。吹き出す速度も量も調節可能。彼の相手はギャングオルカに任せたい。」
「……なるほど。だから水中戦が得意な私と。」
……なんかギャングオルカって可愛いよね。まん丸で……シャチが可愛いから可愛いのかな?あんな渋い声出るのそれはそれでギャップでは?
……と水を吹き出す個性……うーん私は相性良くなさそう。
「次。黒人の男。名をMr.J……多分偽名だな。個性も不明だが……彼はミリオに任せたい。不明なことが多い敵だが、ミリオなら大丈夫だろう。」
「!……わかりました!」
No.1ヒーローだもんね……きっと凄い応用力があるんだろうな……
「残りの2人だが、どちらも増強型。こちらのサングラスの男は阿道 一文字(あどう いちもんじ)。個性の名前は不明だが、己の身体を硬化する個性。もう一人の男は菊川 試(きくかわ こころ)。こちらも名前は不明だが、身体を膨張、縮小させる個性。これはリーキュウとバトルフィストに任せたい。」
「いいわよ。」
「はい!」
「……とは言ったものの、全員が全員作戦通りに事が進むわけではない。誰が誰と相手をしてもいいように用意をしてもらえると助かる。」
「当たり前だ。」
「万全の準備はするよ!」
おぉ……すごい。誰とでも戦えるってやつだね。現場はイレギュラーがたくさん起こるっておねーさんが言ってた!
……分かってはいたけど私は戦力に入ってないね。……まだまだ学生。それでも出来ることはあるはず!
「ナイトアイ。もうひとついいか。」
「どうぞ。」
「……私たちはともかく、インターンの学生を『2人も』連れていくのはどういうつもりだ。」
「……。」
そうなんです。2人なんです。私以外にもう一人居るんです。
私の横に座ってる人と目が合う。
「……?」
毒島先輩。バトルフィスト事務所にインターンしてたみたいで……ニコニコしながら隣に座ってきた。こんな巡り合わせある???
「何かあってからでは遅い。今すぐにでも学校と連携をとってインターンを中止するべきだ。生徒の命まで守りながら危険な仕事はできんぞ。」
その言葉に反応してバトルフィストさんが立ち上がる。
「お言葉ですがギャングオルカ。リバーサルはインターンの学生と言う立場でありながら、既に実力はプロヒーロー並。私と引けを取りません。私は彼女なら充分な戦力になると思います。」
「へへ!頑張るぜ!!」
「うん!お願いね?」
……毒島先輩凄いなぁ……既に実力はプロヒーロー並……しかもプロヒーローから言われてるなんて。これが経験値ってことか……
「ギャングオルカの気持ちも分かります。……ですが、我々の事務所に所属しているエスネイラーも、まだまだ荒削りな所はあれど、彼女は戦える力があると思っております。これは私の事務所の総意です。」
「!!」
バブルガールさんとセンチピーダーさんも頷いてくれてる。
……えへへ。
「はい!頑張ります!!」
「…………わかった。であれば私は2人を1人前のヒーローとして見る。ヒーローとして最善の判断が出来るものとして扱う。……バトルフィスト、ナイトアイ。それでいいな?」
「大丈夫です。」
「こちらも大丈夫です。」
…………プレッシャー!……1人前のヒーローとして……
「〜♪」
……毒島先輩大物になるよ。全然物怖じしないじゃん。
その後細かな調整と、場所、時間を綿密に決めて解散。
「……ふぇぇ〜……疲れた。」
「お疲れ様〜エスネイラー。大変だったでしょ?」
バブルガールさんに話しかけられる。
「ギャングオルカさん……顔可愛いのにすごい圧でした……」
「可愛……?……まぁ彼相当実力派だからね。彼なりに心配してくれたんだよ。」
「えぇ〜?そうなんですかね?」
「オイ!槍田!ビビってんのか?」
急に毒島先輩に肩を組まれる。
「うわっ!?毒島先輩!」
「アハハハハ!アタシとヤった時はどっしり構えてたじゃねぇか!こーいう時もどっしり構えりゃいいんだよ!」
どっしり……構える。……うん!
「…………はい!」
「ヨシ!……それとディミトリウだったか?アイツ結構根性あるな!」
「え?」
カナ!?なんで!?
「あ?知らねぇのか?ウチの事務所にインターン来てんだよ。」
「……え!?……あ!!」
『最後。ディミトリウ。』
『……え?私??』
『ああ。バトルフィスト事務所。さっき連絡があった。』
『サイドキックのヒーローが君を取りたいと言ったからだそうだ。バトルフィストに教えてもらうことはあまり無いかもしれないが、しっかり経験を積んでこい。』
確かそんなこと言ってた気がする!
「え!?じゃあカナも……」
「いや?あいつは来ねぇ。」
「そう……ですか。」
少しだけガッカリ。
「アイツはアイツで今頑張ってるよ。天才ってやつか?すげぇよアイツ。なんでも自分のモノにしちまう。」
「!……カナも頑張ってるんだ!…………よし!よし!」
私も頑張らないと!カナに追い抜かれないように!
「…………と。アタシはそろそろ帰るよ!また今週末な!!」
毒島先輩は帰っていった。嵐みたいな人だったな。……よし!なんか元気出た!
「はい!!………………よし!私ナイトアイさん呼んできます!」
「わかった!ミリオ君と喋ってるみたいだから、多分出てすぐのところにいると思うよ。」
「はーい!」
部屋を出て、ナイトアイさんを探す…………とすぐ見つかった。ルミリオンと話してるみたい。
「ナイトア……」
「壊理ちゃんを警護する?」
「ああ。また彼女に何かあってからでは遅い。」
…………え?