side槍田日巡璃
2日目。
朝早く起きて、壊理ちゃんの家に直行。
壊理ちゃんと一緒に壊理ちゃんの高校に登校して、そのまま雄英に向かう。
当たり前だけど遅刻なのだけど、事前に連絡が行ってるのでお咎め無し。
そして皆よりも早めに帰り、高校の前で待ち合わせ。壊理ちゃんと一緒に家まで帰る。
その後はナイトアイさんに連絡して…………っていうルーティーン。
ボディガードというより、近くに一緒にいることで、犯人集団が手を出しにくいようにする面が強い。
だって私は2mあるし……毒島先輩は180はあるよ。どっちも高身長でガタイが良いからあんまり関わりたくないんじゃないかな?犯人的には…………って毒島先輩が。
「……。」
「えへへ〜。」
「壊理ちゃん。テンション高いね?」
「だってぇ〜……ひまちゃんと登下校するの密かな楽しみだったんだも〜ん。」
「えぇ〜?それなら雄英に来ればよかったのに!」
「私の頭じゃ無理だもーん!」
「…………。」
周りを見渡して……壊理ちゃんを影に隠すように動いてる毒島先輩。
こう見ると……毒島先輩との経験の差ってのが露骨に出る。私が目を4つ使って360°見渡せるとしても、経験値っていうやつはどうやっても埋まらない。きっと色んな経験をしてきたんだと思う。
当の本人は……
「毒島先輩!これ食べませんか?」
「あぁん?んなはしゃぐなって。つーかアタシらから離れんじゃねぇよ!」
「あっすみません!」
「いーぜいーぜ。んで?どれ食いてぇんだ?」
ツンツン
私を突く毒島先輩。
これは合図。私に辺りを見渡しておけっていう……
実際私の方が視界が開けているのでこういうのは得意だ。……でもこういう指示がさりげなく出来るのが経験値ってやつなんだろうな。すごく勉強になる。
仕事をしてると他の人に察されないように。依頼主のプライベートを守りながら、その上で最上限の仕事をこなす。初めてで出来ることじゃないよね。多分こういうボディガードの仕事もしたことがあるんだろうなって。
私が出来ないことを出来る人はいつ見てもかっこいい。私もそうなりたいと思う。
「……。」
誰もいない……と思う。寮に帰って何度も見返してる。四穢異傑の顔写真。見間違えるとそれだけでこちらが不利になる。そんなの許されない。
それとは別に怪しい人物が居たら情報共有は欠かさない。ナイトアイさん調べでは構成員は4人しか居ないはずだが、それ以上居たっておかしくない。
怪しい人の特徴は知ってるけど、本当に怪しい人はその特徴に当てはまらないのも知ってる。だから勘。これは私の課題。毒島先輩の方が優れてる。
後でおねーさんに言って色々教えてもらわなきゃ。
そういえば、私と毒島先輩は四穢異傑アジトへの突撃メンバーから除外されました。当然だよね!当日もボディガードしないといけないのに!
ちょっとだけ毒島先輩は残念そうだったけど、すぐに気を持ち直してボディガードをやってる。うーん大人!
毎日毎日気を張ってて相当疲れるけど、必要なお仕事だからね!絶対守り抜いてみせるぞ!
3日目。
「……今日は人が多いな。」
「はい。一層気を引き締めて……ですね。」
「おう。今日明日が山場だ。明後日には突撃作戦だからな。」
「はい。今日明日……絶対守り切りましょう。」
「あっ!ひまちゃーん!毒島先輩ー!」
「やっと起きたか寝坊助め!」
「えへへ〜!遅刻ギリギリ!急いで行こ!」
「ったく……誰のせいだよ。」
4日目。
「……槍田ァ。」
「おはようございます。毒島先輩。」
「今日の星座占い乙女座最下位だったぜ……」
「……毒島先輩ってそういうの信じるんですね?」
「気持ちだよ気持ち!……少しだけいつも以上に気を引き締めないとな!……で?アイツは何処だよ。」
「まだ寝てるのでそろそろ起こしに行こうかなと。」
「……遅刻すんぞ。」
「……明日ですね。」
「あぁ。今日も作戦会議だとよ。綿密に……それでいて確実に遂行するためにってバトルフィストが言ってたぜ。」
「…………大丈夫でしょうか……」
「……信じるしか出来ねぇのが今のアタシらだ。腹括ろうぜ。」
「そうですね。」
5日目。12:40
突撃作戦の日。
これが無事に終われば無問題。土曜日なので特に何かある訳では無いけど、何かあった時用に家の近くで待機。
どちらもコスチュームだ。毒島先輩のコスチュームは……なんて言うんだろう。動きやすさ重視っていうか……私と似たようなコンセプトだよね。多分。
全身ぴっちりで青を基調としたかっこいい服と、右腕を覆い隠すような黄色いマント。青と黄色ってなんか似合うよね。何でだろ。
「……今日は昼間、アイツが家を出る用事があるってよ。」
「多分お使いじゃないですか?」
「……狙われるならそこだな。」
「……え?今日は突撃作戦で全員捕まえるんじゃ……」
「今日アイツを捕らえに来られたらどうすんだよ。」
「……あ。」
「分かったか。あっちに1人足りなかったタイミングで、こっちに来てる可能性が高い。そのタイミングが最悪だ。アタシらで対処しねぇといけねぇ奴が居るってことだ。」
「……。」
「戦う場所も考えねぇといけねぇ。特に洪水野郎が来た時が最悪だ。」
「……そう……ですね。あと黒い人。」
「あー……あの何も分かってねぇやつか。あれもあれで厄介だな。……何もねぇといいけどな。」
……何も無い。それが一番平和だよね。
「毒島先輩。今日の星座占いはどうだったんですか?」
「お!聞いてくれよ!今日は1位だったぜ!やっぱ今日はツイてるかもな!」
「テンション高いですねぇ?」
「当たり前だろ!自分で少しでも気分上げんだよ!」
そういうもんですか。
pppp……
あれ?スマホ……ナイトアイさんからだ。
「はい。エスネイラーです!」
『今からこちらでは作戦を開始する。そちらは変わりはないか。』
「はい。今のところは。そろそろ壊理ちゃんがお使いに行くかもです。」
『何かあれば頼む。』
「はい!任せてください!」
『よろしい。では。』
ピッ……
「……なんて?」
「そろそろ作戦開始するらしいです。こっちは任せたって。」
「へへっ。気分乗ってきたぜ。」
ピロン
「んふふ……あ!壊理ちゃんそろそろ出るらしいです。」
「分かった!行こうぜ。」
「はい!」
今日もしっかりボディガードやるぞ!!
side???
13:20
「何…………1人居ない!?」
「はい!Mr.Jが居ないです!」
よりによって不確定要素が……!
「エスネイラーには!!」
「連絡済みです!」
「……動けるものは!今すぐ壊理ちゃんの安全確保に急ぐぞ!!」
「はい!!」