side槍田日巡璃
佳舞ちゃんを後ろから抱きしめながら、少し気になってたことを聞く。
「そういえば佳舞ちゃんがミシンを選んでくれたの?」
『違うわ。岩刄はミシンの……というか電化製品の行きつけを教えてもらったの。』
「へぇ〜!やっぱサポート科にいると行きつけとかあるんだ??」
ぎゅっ
「ふぐっ……日……日巡璃!ちょ!ち……近くないか!?」
すぐ顔を真っ赤にする佳舞ちゃん。表情がコロコロ変わって可愛いなぁ……
『日巡璃はこんなものよ。』
「ん。……ひまひまはスキンシップが激しい。」
「えぇ!?そうかなぁ???……まぁそうかも。」
……思い返してみれば……ハグ多いかも。ハグ大好きだしね。ていうか触れ合うの好きかも。
「……本当に……心臓が持ちません。」
愛ちゃん弱弱だよねぇ……そこが可愛いんだけど!
「……オマエも……苦労してるんだな。」
「……まぁいいや。それで?それで?」
佳舞ちゃんに頬擦り。
「っ!!なっなんの事だ?」
『アレでしょ。サポート科に行きつけが〜みたいな話。』
「あっ!あぁそうか!」
佳舞ちゃんに引き剥がされる。……ん〜……いいじゃーん。
しょうがないなぁ……と天捻ちゃんを胡座の中に。
天捻ちゃんはなんの抵抗もなく入ってくれるんだよね。……んふふ。いいにおーい。
「行きつけも何も……実家だ。」
「「「『えぇ!?』」」」
実家!?電化製品売ってるの!?
「正確に言うと……母の会社だ。」
「……えぇ……。」
「なんだその反応は!!」
「「『……。』」」
「みんな……見ないで。」
「?」
なんで私の周りってこんなお金持ちばっかりなの????
ここまで来ると呪いかなにかかと思っちゃうんだけど!
「まぁいい。だからある程度融通が効いたんだ。……とは言っても母の力あってこそだがな。私なんて……」
『ふーん?店員さんにひたすら甘やかされてた気がしたけど?』
「ちょぉ!!それは待て!」
「そうですね。まるで我が子のような扱いでした。大層愛されているんですね。」
「待てと!」
「ん。……大人気。……アイドルみたいだった。」
「うううう……」
なーんだ。佳舞ちゃんは佳舞ちゃんだね。やっぱ愛されキャラだよ。
「んふふ♪」
『なーんで日巡璃が嬉しそうなのよ。』
「んーん?佳舞ちゃんは佳舞ちゃんなんだなって思って。」
「なんだそれは!」
「……放置したら……ご飯食べないけど……ね。」
「ふぐっ!」
「お風呂入らないですし。」
「うぐっ!!」
『めんどくさいわよね。』
「ほぐあっ!!」
おぉ……さっきからいっぱい刺されてるね?
「そうだねぇ〜。」
「ひ……日巡璃……お前もか??やっぱり……付き合うも……嘘……」
すぐ表情が変わる。いやぁ……たまりませんね。
「そこが可愛いんだよねぇ〜。」
「「『わかる。』」」
ボッ
「〜〜!!!だからにゃんだそれはあああああ!!!」
みんなで頭を撫でる。その間ブンブン暴れてたけどなんだかんだ満更でもなさそうだった。
「委員長!」「槍田!」
「「「「誕生日おめでと〜〜〜!!!」」」」
ッパーン!
「いえーい!ありがとー!!」
あの後みんなで寝て、朝起きたら寮の共有スペースでお祝いされた。嬉しい!1年のヒーロー科の寮生と、佳舞ちゃんがいるよ!
カナは今日ちょっと外せない用事があるって。悲しいなぁ……
それとも1個嬉しいことがあったんだよね!
「それと〜……」
「「「圖書!誕生日おめでと〜〜〜!!!」」」
ッパーン!
「うふふ……ありがとうなぁ?」
憂世ちゃんも誕生日だったんだよね!まさかの一緒!知らなかったよ!!
「誕生日一緒なんだね?」
「うふふ……知らんかったわぁ。」
私と憂世ちゃんが一緒に祝われる形に。ケーキも買ってくれたんだって!
「写真撮るよ〜!」
安毛ちゃんがカメラ片手にこちらに声をかける。
「憂世ちゃん!」
「はいはい。ピースでええやんな?」
「うん!せーの!」
「「ぴーす!」」
パシャ……
「いえーい!ええ写真や!2人は写真写りええなぁ?」
「じゃあケーキ切り分けましょうか。」
「私がやりましょうか?」
「憎田!頼むわ!」
「ジュースもあるよ〜!」
「お菓子もいっぱいあるよ〜!」
やったー!私たちの誕生日パーティーだ!!
やいのやいの……ガヤガヤ……
もぐもぐもぐ……
こっちも美味しいし……あっちも美味しいし……幸せ!
「槍田はん?口元にケーキついとりますよ?」
憂世ちゃんに指をさされる。ほっぺを撫でてみるけど見つからない。
「んぇ!?どこどこ?」
「うふふ……ここ…………あら。」
「……。」
およ?天捻ちゃんが取ってくれた。
「ほんますんまへん。配慮が足りんかったわ。」
「ん。……いい。」
「??」
なんだろう……んー……あ!これってもしかして嫉妬ってやつ!?……んへへ……天捻ちゃん嫉妬してくれたんだぁ……
「ありがとね?天捻ちゃん。」
「ん。……大丈夫。」
嬉しいね。小説だと嫉妬ってすごーく嫌な雰囲気で書かれてたけど……ぜーんぜんそんなことないじゃん。凄く嬉しい。
私のこと大好きなんだね……一緒だ。
美味しい料理をぜーんぶ平らげて、全部片付けてからお風呂。歯磨き。
寝る前の準備を全部終わらせた。あとは寝るだけ……
「おなかいっぱいだ……もー動けない……」
ごろーん。
「お嬢様……ふふ。いっぱい食べてらっしゃいましたものね?」
「うん!全部美味しかった!」
「ひまひま……可愛かった。」
「んへへ……」
誕生日お祝いされるのって……いいものだなぁ……
「そういえばお義父様とお義母様から連絡はありましたか?」
「んぇ?あったよ!誕生日おめでとうって!ちゃーんと返信しておいた!」
「それは良かったです。」
「あと壊理ちゃんとおねーさんとミトちゃんからも来た!」
「師匠と……みとみとはいいけど…………むぅ。」
「ふん。あの女……」
なんかよくわかんないけど彼女達からの壊理ちゃんの対応がすごーく悪いんだよね?本当に何かあった??
「えぇ〜……みんな仲良くしてよ〜?」
「無理。あの女は……ダメ。」
「私達に喧嘩を売っただけではなく……時間まで奪うとは。許せません。」
そういえばインターンから一段と敵対してるんだよね……どうしたんだろ……
……まぁあんまり気にしててもしょうがないかな。
「…………なんでこの2人は機嫌が悪くなっているのだ。」
「さぁ?」
佳舞ちゃんもいます。3人で首根っこ引っ張って連れてきました。
「……そろそろ帰っていいか?」
「え?ダメだよ?今日はみんなで寝るんだから。」
「聞いてないが???」
「言ってないもん。」
「無理無理無理!寝相悪いんだよ私!!」
「だーめ。昨日逃げたもんね?」
「うっ……」
「かまかま。今日は……逃がさないからね。」
「ええ。お嬢様の望みなので。」
「味方は……居ないのか……!!」
佳舞ちゃんを後ろから抱き上げる。お姫様抱っこで。
「うわああっ!?!?」
「はーい。一緒に寝ようね〜。」
「ん。寝よ寝よ。」
佳舞ちゃんをベッドに放り投げる。
「それでは私はこれで……」
「何逃げようとしてるの?愛ちゃん。」
ガシッ……
「……。」
「愛ちゃんも!一緒に寝るの。」
「………………。」
結局、愛ちゃんと佳舞ちゃんが逃げないように、私と天捻ちゃんでサンドイッチして寝た。
すっごく狭かった。新しいベッドが欲しいなって思った瞬間だったね。
っていうかこれならベッドじゃなくて敷布団の方がいいかも。パパとママに相談してみよ。