※この作品はR-18です。

きっと私のアカデミア   作:おいーも

176 / 280
幸せは

 

 

 

 

 

 

 

side槍田日巡璃

 

 

 

「カナ!廊下は走っちゃダメ!!」

 

 

車の中でもソワソワしてたカナ。車が止まると同時にドアを開けて走り出して行った。もちろん追いかけたけど……私も病院内を走る訳にもいかず、早歩きでカナを追う。

 

 

カナはスイスイと階段を登って、すぐに病室に入っていった。……体力ついたんだなぁ……感心感心。……いやいや。絶対今じゃない。

 

 

 

ガラッ……

 

私ももちろん後に続く。

 

 

「おぉ!日巡璃ちゃんかい!……なんだなんだカナ。ガールフレンドを置いてきてるじゃないか。」

 

カナはカナパパに抱きついてるみたいで……もう。子供はどっちなの?

 

「カナパパ!本当に目が覚めたんですね!」

 

「ああ!……とは言ったもののまだ本調子とはいかないね。いやはや……身体が思い通りに動かないよ!」

 

 

カナを引き剥がして体をブンブン振ってみせるカナパパ。

 

「あ……あまり無理は……」

 

「っうっ!……いたた……」

 

カナパパが脇腹……多分肋骨を抑える。

 

 

「パパ!?」

 

「ほら…………」

 

「あたたた……ふふふ……大丈夫だよカナ。ちょっと痛んだだけさ!」

 

カナがカナパパに駆け寄る。

 

「パパ……お願いだから安静にしてて?」

 

「……わかったよ。他でもない娘の頼みだ。少し仕事を休む連休を貰ったと思ってゆっくりしよう。」

 

「うん……。」

 

 

「骨折って辛いですよね〜。全身だと本当に動けなくなるんで。」

 

少ししょぼんとしているカナを抱き上げ、椅子に座りながら膝に乗せる。

 

「日巡璃ちゃんもした事あるのかい?」

 

「昔に。色んなところにヒビが入ったことがあります。」

 

「……うわぁ……」

 

「痛いんですよね〜。死ぬかと思いましたもん!あはは!」

 

ケラケラ笑う。こんなのもう笑い話だ。

 

 

「……日巡璃ちゃんは強いね?」

 

「そうですか?……まぁ……痛みには強いです!」

 

「うーん……そうじゃないんだけど……まぁいいか!」

 

??

 

 

 

 

「……むぅ。」

 

スリ……

 

「お?」

 

「……何よ。」

 

「んーん?なんでも?」

 

「そ。」

 

 

カナ……私がカナパパとばっかり話してるから寂しくなっちゃった?あー可愛い♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラッ

 

 

「あなた!」

 

「ママ!ハハハハ!僕はこの通り元気だよ!」

 

「あぁ……良かった……本当に良かった……」

 

 

少し雑談していたら、カナママが到着。カナパパの姿を見て泣き崩れてしまった。

 

まぁ当然だよね。私の立場でもそうなる。生きててよかったね。

 

何とかベッドにたどり着き、カナパパに縋り付くカナママ。

 

 

「あなたぁ……本当に良かった……」

 

ほら……泣きすぎてカナママの顔がぐちゃぐちゃに……

 

「僕が君達を置いて行くわけが無いじゃないか。……心配かけたね。」

 

「うっ……うっ……あなたあああああああああ!!」

 

「「……。」」

 

 

カナママってこんな大泣きすることあるんだ…………なんか反応的にカナも見たことない泣き方してるんだなって。

 

「もう……ははっ。懐かしいね。君がここまで泣いているのは。……僕がプロポーズした時以来じゃないかい?」

 

 

おぉ……プロポーズ……

 

自然とその言葉で、カナを抱きしめる力が少し強くなる。

 

 

「ほら。子供たちも見てる。……もう少し我慢できないかい?」

 

「無理!無理よぉおお!だっで!だっでじんじゃうがど!!」

 

「あはは……困ったねこれは。」

 

 

…………ここは私が一肌脱ぎましょう!

 

「ね。カナ。カナの家泊まっていい?」

 

「!……いいの?」

 

「うん。……2人きりにしてあげたいしね?」

 

「……うん!……嬉しいわ。日巡璃。」

 

 

あっカナの目がとろーんて……2人きりモードに入っちゃう!…………私以外と居るのにそんなのダメだから。

 

 

「ってことで、私達先に帰るので……お二人でごゆっくり?」

 

「……すまないね。ありがとう。」

 

「いえいえ。それではそれでは〜♪」

 

 

とカナをお姫様抱っこして病室を出る。

 

「……もう……大胆なのね?」

 

するりとカナが私の横に着地。

 

 

「……だって。……カナのその顔……誰にも見せたくないから。」

 

「!!……日巡璃……!」

 

 

そこから車に乗るまでカナはずーっと私の腕にくっついて離れなかった。

 

 

車に乗ったあと?そりゃもっとベッタリくっついてますよ。当たり前。私の首に手を回して私の瞳を見つめてくる。少しだけ恥ずかしいけど視線は外さない。この時間……嫌いじゃないし。

 

 

車から降りたあともベタベタ。カナの愛情表現がすっごく直接的になって……私もなんだかんだ心を鷲掴みされちゃってる。

 

二人でゆっくりお風呂に入って、あとは寝るだけ。寮の3人に連絡だけしておいて、カナが待つベッドの上に。

 

 

「……日巡璃……ねぇ……今日は何しよっか?」

 

カナが私を手招きするので、近付く。鼻が着きそうな距離。視界がカナで埋まる。幸せな空間。

 

 

「もー……明日学校だよ?手加減して欲しいな?」

 

「うふふ。……我慢できるの?」

 

「カナが我慢できないんでしょ?」

 

「当たり前じゃない……愛おしいあなたがすぐそばに居るのに……手を出さないのは据え膳よ?」

 

「ふふっ……絶対女子が言うセリフじゃないよね?」

 

「嫌い?」

 

「大好き。」

 

「……日巡璃はなんで私の言って欲しいことがわかるのかしら。」

 

 

「なんでだろうね?勉強したからってのもあるけど……多分それ以上に私がカナの事大好きなんだなって。」

 

「……日巡璃……」

 

カナにぎゅうっと抱きしめられる。

 

もちろん私も手をカナの背中に回す。

 

 

「好き……好きよ……日巡璃。……ずぅーっと好き。」

 

「好きで足りる?私は足りない。大好きだよ。カナ。」

 

「はぁ……幸せ。今日はいいことがいっぱいあったわ。」

 

「そうだね。パパが目覚ましてよかったね?」

 

「うん。それもだけど……日巡璃と一緒に生活できるだけで私は幸せよ?」

 

「ふふっ……そうなんだ?」

 

「安い女と思った?」

 

「ううん。一緒だねって。」

 

 

「……日巡璃。ねぇ……?」

 

シュルシュル……

 

 

「……我慢できない?」

 

「うん。……いっぱい愛して……?」

 

「実は私も……一緒だね?」

 

「うふふ……」

 

「はは……」

 

 

いつもよりは短かった。でも前よりも密というか、お互いの心が通じ合えた。愛をぶつけ合えた。

 

あぁ……私って……もう……こんなにもカナから離れられない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからカナパパは少しづつ体調が回復していって、警察からも事情聴取があったらしいけど……事故の瞬間なんてそんなにわかる訳もなく、すぐに終わってしまったと聞いた。

 

 

私たちはそれとは別で文化祭の準備も佳境に入り、慌ただしく学園生活を送る日々。

 

時間は有限。無駄に過ごす訳にはいかない。

 

 

カナパパも心配だけど、やることがいっぱいあるから。

 

 

今日も誕生日プレゼントが火を吹くぜ!

 

「うおおおお!」

 

ドドドドド……

 

「委員長!そっちどう?」

 

「袴はもうできるよ!!全員分!」

 

「やるね!次のミシンお願いしてもいい?」

 

「うん!誰か1回試しに履いてもらってきて!」

 

「俺が行く。能面でいいか?」

 

「うん!誰でもいいよ!」

 

 

「お嬢様。仮縫い終わりました。」

 

「ありがと〜!」

 

忙しい忙しい……でもなんだかんだ充実感があるんだよね。

 

 

せっかくここまで頑張ってるんだ!絶対いいものにするぞ!おー!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。