side槍田日巡璃
「委員長!」
「はいはーい!」
あっち行ったり……
「槍田!ちょい相談乗って欲しい!」
「どうしたの〜?」
こっち行ったり……
私達の作業が終わっても、やることがいっぱいあるね!
衣装?作り終わったよ!天気ちゃんがすご〜く頑張ってくれたからすぐに終わった!!
だから今はみんなの情報伝達係兼リーダー!みんなでいいものにしようね!
「はぁ〜……今日も疲れた……」
「お疲れ様。日巡璃。」
放課後。みんなが一区切りついて帰路に着いた。
残ってるのは……私とカナと愛ちゃん。天捻ちゃんを待ってる。
「ありがとぉ〜……カナ〜……ハグさせて〜……」
「いいわよ。おいで?」
「わーい……ぎゅー……」
カナに合わせて膝で立つ。そのまま胸に顔を埋める。埋めるほど無いけど。
カナ……いい匂い……なんか落ち着くなぁ……
なるほど……これがカナニウムってやつか……よく皆が私の匂い嗅いでるのがわかった気がする。
「うふふ……可愛い。」
「……。」
「……あーいちゃん♪」
スクッと立ち上がると、カナも察して離してくれる。
「は……はい!どうしましたか?」
「ぎゅ〜♪」
「はっ……はわわ……!」
愛ちゃんを抱きしめる……ん〜……愛ちゃんも抱き心地いいねぇ……
愛ちゃんもいい匂い。愛ニウムはまた格別だね。
「日巡璃。愛のキャパシティがオーバーしてるわ?」
「きゅ〜……」
「あれ!?早くない??」
私の腕の中には顔を真っ赤にして目をぐるぐるさせた愛ちゃん。
こんなに弱かったっけ!?
「……ポンコツね。ホントに。」
「……まぁいいや。愛ちゃん抱っこしてよ。」
「あら。私じゃダメ?」
「愛ちゃん床に寝かす訳にはいかないでしょ〜?」
「ふふふ。それもそうね。」
愛ちゃんの足を畳んで私の腕の中に。愛ちゃん身長高いから……すごーく抱き心地がいいというか抱きがいがあるというか……カナとか天捻ちゃんとか佳舞ちゃんとは別だね。これもこれで良い。
「そういえばそっちはどんな感じ?」
「もうある程度形になってるわよ。大道具は無いから気は楽なものね。」
「そうだよね。大変なのは能面くん達だよ〜。」
「でしょうね。毎日ひぃひぃ言ってるもの。見てて面白いわ。」
「愉悦〜。……進捗聞いておかなきゃね〜。明日でいいか。」
「まだ時間あるし……しっかり煮詰めましょう。何かあったら手伝うわ。」
「うん!ありがとうカナ!頼りになるね!」
「当たり前じゃない。日巡璃の為よ?」
「んふふ。大好き。」
「ええ。私も。」
「ん……んぇ……?」
「「あ。」」
愛ちゃんが目覚ました!
「おはよ。愛ちゃん。」
「………………あ……えと……うわわわわ……!!」
愛ちゃんがびっくりして飛び上がり、スルスルと私のハグを抜けて立ち上がる。
「もっ!申し訳ありませんお嬢様!とんだ失態をッ!!」
愛ちゃんが私に全力で頭を下げる。
「えぇ!?気にしてないよぉ!大丈夫大丈夫。それよりもハグさせて〜?」
「え……えと……あの……」
「嫌〜?」
「い……いやと……言うわけでは……」
「?」
「ねえ愛。私の勘が間違ってたら申し訳ないんだけど……もしかして日巡璃と寝てからそんな感じだったりする?」
「…………エ-ト……」
「……え?あの日から?」
…………言われて……見れば……?基本なんかメイドモードだったから……そういえば素の愛ちゃん見てない!!
「……メイドモードに入ることで余計なもの全部放っぽり投げれたから、日巡璃の前で照れずに仕事出来てただけで…………日巡璃にハグされたからあの日のこと思い出しちゃったって訳?」
「…………。」
顔真っ赤でツーンとしてる愛ちゃん。……可愛いねぇ。
「その沈黙は肯定よ?」
「……愛ちゃん可愛いね?」
「もっ……もう!からかわないでください!!」
今度はぷりぷり怒り始めた。これも可愛いねぇ。
「……ハァ。……アンタ日巡璃に恋愛やら好きやら教えるって言っておきながら自分が恋愛弱者じゃない。」
「…………うぐ……だ…………だって……」
「「だって?」」
愛ちゃんが指をつんつん。モジモジしながら答える。
「……こんなに……人を好きになったの……初めてなんですもん。」
「〜〜〜ッッッ!!うわぁ!!愛ちゃん可愛い!可愛い!!」
「ひゃっ!?おっお嬢様!?」
思わず愛ちゃんを抱きしめる。も〜!すっごく可愛い!キュンキュンしちゃった!
「ハァ〜……コレ……愛の強化週間も必要ね。」
「「え?」」
「だって。毎度毎度気絶されたら……気軽に一緒にデート出来ないじゃない。」
「「……。」」
そうだね。愛ちゃんだけ家に置いていく訳にはいかないし……
「せっかく日巡璃を共有財産にする同盟を組んでるのに、貴方がよわよわでどうするのって話。」
「それ私聞いた事ないんだけど?」
「……たしかに。私も強くあらねばなりません。お嬢様を独占するために。」
「独占……いやそれ私の前で言っていいやつなの?」
将来私は彼女達から離れることはできないみたいです。離れるつもりなんて微塵も無いけど。
コンコン
「あ!」
天捻ちゃんかな?
ガラッ
「日巡璃ちゃんいる〜?」
「おねーさん!」
天捻ちゃん……じゃなくて、身長が大して変わらないおねーさんが入ってきた。
「……なんか失礼なこと思ってない?」
「キノセイダヨ。」
「まぁいいわ。これあげる。」
おねーさんに紙を渡される。
「紙……?これ……ミスコン?」
みんなで覗き込む。ミスコンのチラシ……文化祭ってこんなのやるんだ……
「……なんというか……低俗ですね。」
「興味無いわ。」
私の彼女達からの評価はすこぶる悪いようです。
「うん。まぁミスコン(男子参加可)だから誰でも参加していいよ〜ってやつなんだけどね。」
「「「へぇ〜……」」」
「一応チラシを全クラスに配ることになってるの。だから一応黒板に貼っておくわね。」
おねーさんは自前で持ってきた磁石で黒板にチラシを貼り付ける。
「まぁ出るにしろ出ないにしろオープニングセレモニーは見ておいた方がいいかもね?」
「オープニングセレモニー?」
「まぁ簡単に言ったら客引きよ。なんか凄いパフォーマンスがあるらしいわよ?」
「ふーん……?」
「お嬢様。興味が?」
「いや?ミスコンには全く興味はないけど……オープニングセレモニーには少し。ていうかこんなに可愛い彼女いっぱいいるのにもっとって有り得ないよ。ないない。」
「ふふん。当然ね。」
「お嬢様……」
「はいはい。じゃあ私別のクラス回ってくるから。イチャイチャは私がいない時にすること!羨ましくなっちゃうからね!」
「被身子おねーさんと仲良くね?」
「当然。」
おねーさんがクラスを後にする。
「……B組出たい人居るの??」
「「さぁ?」」
なんか出たい人…………いなさそうだけど……男子も可ってなってるってことは……
「……。」
ブンブン。いやぁ……ありえないでしょ。
「どうしたの?」
「ううん。光くんなら率先して出そうだなって。」
「「あぁ……」」
ミスコンで……ピカピカ光る物体見つけたら笑っちゃう自信ある。