side槍田日巡璃
文化祭当日。1-B教室。
「今日は楽しむぞー!!」
「「「イエーーイ!!!」」」
みんな元気100%!これなら大丈夫そうだね!
「私たちの演目は、午前の初っ端だよ!えへへ!ぶっちぎりのスタートダッシュ決めてやろうぜ!」
「「「おーーー!!」」」
「それじゃあ衣装組と大道具組の手が空いてる人が客寄せして、時間になったら集合ね!」
「じゃあ衣装組は……」
「私手が大きいから手伝えることあまりないかも。」
「あ?それだったら俺も……」
「香曽我部は男子の着付けやらないといけないからダメ〜!」
「……たしかにな?」
そりゃそうだね。色んな意味で香曽我部くんがいてくれて良かったよ。
「であれば私が……」
「女子の着付け時間かかるんだよ?最低限2人欲しいよ。」
…………てことは……?
「だったら衣装組からは私だけだね!」
「申し訳ありません。お嬢様。」
「大丈夫大丈夫!みんな頑張ってね!」
みんなの分まで客寄せしてこなきゃね!
「大道具からは……」
「しょうがないわね。日巡璃。私が……」
「小廻とディミトリウはいなきゃいけねぇ。物運ぶ時に便利すぎるからな。」
カナは無理でしょ。個性的に。
「チッ。しょうがないわね。」
「今舌打ちした???」
「男子は残った方がいいよ。力的にね。」
「私残ろっか?」
クラスで1番力あるし……
「いいよいよ。身長高い方が客寄せしやすいし。」
「そういうもの?」
「じゃあ……空いてる女子は……別処になるな?」
「いえーい!私たち〜!」「ひまりんがんばろーねー!」
「美右ちゃん!左久ちゃん!一緒に頑張ろうね!」
「はいたーっち!」「ひゅー!」
「いえーい!」
じゃあ私と双子ちゃんが客寄せだね!看板持って頑張るぞー!
「あっ!みんな待って待って!!」
天気ちゃんがガサゴソと大きい紙袋を取り出す。
「じゃっじゃじゃーん!1-BTシャツ〜!」
バッと取り出したのは黄色いTシャツに、緑で1-Bと書かれたTシャツ。1-Bの文字の色は数パターンあるみたい。
「えぇ!?なにそれそんなの作ってたの!?」
「うん!余った布でちまちま作ってた!」
「…………天気の部屋の電気が夜遅くまで付いてたのはそういう事か。」
「「「え?」」」
「えぇ〜見てたの天眼?私の事好きすぎ〜!」
「馬鹿も休み休み言え。」
「なんだと!?」
……そういえば天眼くんと家がお隣さんなんだっけ?すごい発言したなって一瞬思っちゃった。
「……びっくりしたァ……天眼くんが天気ちゃんの家の場所、遠くから見てるのかと思った。家隣同士なんだよね?」
「はぁ!?そうだぞ委員長!窓も横にあるからいやでも目に入るんだ!」
「……はっはーん?そう言って私の部屋見てるんでしょ!えっち!」
「君の貧相な身体を見て興奮するような変態じゃないのでな。」
「何をおおおおおっ!?」
あ、天気ちゃんが喰ってかかった。
ボコボコ……ボカボカ……
「……日常風景だね。」
「もはやね。」
「……とりあえずこれ貰っとくか。」
「着る?」
「着た方がいいでしょ。」
ってことでみんなで着る事に。
「なんか一体感生まれたね。」
「いいじゃん!」「いいじゃ〜ん!」
双子ちゃんが私の周りをくるくる回ってる。可愛いね。
「じゃあそろそろ準備始めないとだから、客寄せ頑張ってね?」
「コレ。看板な。」
能面くんから看板を渡された。よし!
「任せて!」
「ぶいぶい!」「いえっさー!」
文化祭開演。色んな人がいるねぇ。
他校の生徒も来るみたいだから少しだけ緊張するなぁ……
「1年B組〜!10:30より体育館でステージやりまーす!」
「まーす!」「マース!」
「ぜひぜひ足を運んでくださーい!」
「さーい!」「さいさいさーい!」
「……美右ちゃんと左久ちゃんはそれでいいの?」
「いいよ!」「楽しさ1番!」
そうなんだ?
私はあんまりうぇいうぇい系じゃないから、学校に知らない人が居るのはちょーっと嫌な気持ちだけど……なんか2人が楽しそうだからいいや。
「委員長〜?」
「どうしたの?左久ちゃん。」
「知らない人に着いて言っちゃダメだよ〜?」
「え!?私そんなふうに見える?」
「んーん。美右達ね〜カノンに言われたんだよね〜。ひまんりんが変な人に唾かけられないように注意してって。」
カノンは……多分カナのことだね。双子ちゃんは他人の呼び方特殊すぎるからなぁ……
「うーん……大丈夫だと思うけどなぁ。私あんまりそういうの声かけられたことないから。」
「そう?」「可愛いのにねぇ〜。」
「うーん。……ありがとね?」
「いえいえ〜。」「だいじょぶよーん。」
双子ちゃんの方が可愛いと思うけどなぁ?
3人でウロウロ。双子ちゃんたちにボディーガードされながらある程度声掛けも終了し、時間もいい感じになってきた。
結局話しかけられなかったから杞憂だと思うんだけど……
「うん。これくらいでいいんじゃないかな?」
「そだね〜。」「そろそろ準備しよ〜!」
と3人で体育館に行こうとした矢先……
「あれ?」
「およよ?どしたの?」「なにか見つけた〜?」
少し前でウロウロしてる小さい子を見つけた。
黒い短髪で、フリフリのかわいい服を着てる小さい子。
小学生くらいかな……迷子になっちゃったのかも。
「ごめん!迷子見つけたかもしれないから……」
「わかった!」「何かあれば連絡してね!」
「遅れちゃうかもしれないけど……ごめんね?」
「いいよ〜。」「委員長いなくても回るよ〜♪」
と、双子ちゃん達が看板を持って一足先に体育館へ。
私はその小さい子に視線を合わせる。
「ねえ。迷子?」
「え……?おねーさん誰?」
「ここの生徒!誰か探してるの?」
「うん。……マリアおねーちゃん。……どこ行ったの?」
「マリア……おねーちゃん?おねーちゃんと一緒に来たんだ?」
「うん。……さっきまで……後ろにいたのに……」
……多分はぐれちゃったんだなぁ。こんな小さい子放っておけない気がしてきた。よーし!
「おねーさんと一緒に探そうよ!手伝うよ!」
「いいの!ありがとぉ!」
「じゃあさ、私の肩に乗ってよ!肩車してあげる!」
「え?……私……重いよ?」
「だいじょーぶ大丈夫!おねーさん力持ちだから!」
「じゃ……じゃあ……」
「うわー!すごーーーい!!」
「えへへ!高いでしょ?これでおねーさん見つけれるかな?」
私の肩の上で喜んでる。……そういえば名前聞いてなかった気がする。
「うん!どこでも見えるよ!」
「よーし!じゃあ一緒に探そうね!……そういえばお名前聞いてもいい?」
「ラクネラ!おねーさんは?」
「私?日巡璃っていうの!」
「日巡璃おねーさん!ありがとぉ!」
ラクネラ……外国人さんなのかなぁ?あまり聞かない名前だよね。
「よーし……この子のおねーさん居ませんか〜!」
「マリアおねーちゃーん!」
声を出してウロウロ。注目なんて浴びた方がいいからね。
廊下を探して……
「どこかいませんか〜?」
中庭を探して……
「おねーちゃーん!」
「見つからないねぇ?」
「うぅ……どこ行ったの……?」
少しラクネラちゃんが涙声になってきた頃……
「ラクネラ!」
後ろから声が聞こえた。
やっと見つけ……
……え?
フラッシュバック……というのだろうか。聞き覚えのある声。
『……ふん。不甲斐ないこと。ジュリア。1度引きますわよ。』
これは……
『!……へぇ。私の力を持ってしても……抑えきれないなんて。』
この声は……
『嫌。私……指図されるのは嫌なの。』
「マリアおねーちゃん!」
「もう。どこ行ってたの?……おねーちゃんを心配させないで?」
振り返ると……あの時のシルエット。
そっくりな人が……目の前に……
「あなた……は……」
あの時。
「……えっと……」
ママと呼ばれた人物。