※この作品はR-18です。

きっと私のアカデミア   作:おいーも

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槍田日巡璃救出作戦

 

 

 

 

 

 

 

sideカノーテス・ディミトリウ

 

 

 

「え?日巡璃が遅れる?」

 

「うん〜!」「迷子迷子〜!」

 

私たちのステージが始まるちょっと前。

 

日巡璃と宣伝に言ってたはずの別処がひとり(ふたり)で帰ってきたので問いただすと、どうやら日巡璃は迷子の案内をしてるようで……もう。本当にお人好しね?

 

 

「ま……まぁ委員長は最悪居なくても演出は変わらないし大丈夫じゃない?」

 

「そやな。委員長らしいっちゅうかなんちゅうか。」

 

 

ガヤガヤ。良かった。ウチのクラスはあんまり気にしてないみたいで。

 

「じゃあ委員長に音頭取ってもらう予定だったけど……副委員長頼む!」

 

「よしきた!!みんな!円陣になってくれ!」

 

 

 

みんなで肩を組む。隣は一撃と骸骰。…………辛そうね。私の身長が低くてごめんなさい。

 

「みんな!僕たちは今日まで全力で頑張ってきた!出し切ろう!最後まで手を抜かず!さぁいくぞ!1年B組!!」

 

「「「ファイッ!!!」」」

 

 

ふふ。中学まで女子校だったからこんなノリはなかったけど……これはこれで楽しいものね。

 

 

欲を言うと日巡璃とも円陣を組みたかったわね。

 

 

 

 

 

 

 

『それでは1-B組の皆さんです。どうぞ〜。』

 

 

幕が上がる。

 

 

 

私達の出し物は単純。能面達3人が踊り、離達5人が音を奏でる。演出組は無頭を筆頭に時間通り、手筈通りの演出を。

 

静寂。それでいて勢いのある形。

 

 

私は日本舞踊に対して造詣はあまり深くないけれど、なんとなく能面たちは頑張っていたのだと理解できる。

 

 

練習風景も目にしてたしね。何より3人とも別のお面をつけていること以外はあまり差がないように見える。ただ……やはりその道の人だと能面がずば抜けて見えるのだろうか。

 

少しだけ……目が肥えてない自分を恨む。

 

 

「ディミトリウ。そろそろだぞ。」

 

「わかってる。タイミングはバッチリよ。」

 

横にいる香曽我部に返事。私に任せてちょうだい。

 

 

私がするべきことは……あと少しで予め触っておいた3人の衣装をこちら側に剥ぎ取ること。

 

そうすれば……中に着込んでた別の衣装が顔を出す。

 

 

音楽も少しづつテンポを落としていく。

 

ふふん。私の大仕事ね!

 

 

「ここッ!!」

 

光が飛び出し、ステージの真ん中で発光!

 

そのタイミングで衣装を剥ぎ取る。

 

 

「「「おおおおお!!!」」」

 

観客には光に包まれたと思ったら、衣装が変わった3人が出てきたように見えるはず。

 

 

さっきまでの舞踊袴姿からは一変、お面はそのままにバチッとしたスーツ姿の3人に。

 

和楽器の良さを消さぬように能面が練った楽器を増員、アグレッシブな踊りに合わせた超アップテンポのノリのいい曲調へ。

 

 

これが能面がしたかったこと。日本舞踊のその先。現代音楽との融合。

 

…………初めて日巡璃から聞いた時は耳を疑ったけどね。

 

 

 

 

 

『衣装のアレンジ?』

 

『うん!能面くんに頼まれてね!中にスーツを着たいって!』

 

『……はぁ!?何考えてるの?』

 

『んーとね!今の日本舞踊をもっと広めたいから、技術も知名度も足りない自分の出来ること、やりたいことを精一杯合わせたいんだって!青春だよね!』

 

『いや……衣装班がOK出してるならいいけど……』

 

『当然!パフォーマーの意思になるべく寄り添うつもりだよ!』

 

『私もお手伝いしております。』

 

『……だから最近通話中もミシン触ってるのね。そういえば愛もなにか塗ってた記憶があるわ。』

 

『そういえばってなんですか、そういえばって。』

 

『えへへ!うるさくない?』

 

『大丈夫よ。日巡璃の声が聞けて嬉しいもの。』

 

『そっかそっか!』

 

 

 

 

「「「YES!!」」」

 

「「「ワアアアアアア!!」」」

 

大盛況。

 

日巡璃……1-Bの文化祭は成功したわよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇねぇ。委員長遅くない?」

 

片付けの最中、青空から声をかけられる。

 

 

「……たしかに。日巡璃……どこ行ったのよ。別処。知らないの?」

 

「えぇ〜?」「知らない知らなーい。」

 

 

……迷子を届けるだけでこんなに時間使う?

 

 

 

ブブブ……

 

スマホに通知が来る。なんだろ……

 

 

「え!?日巡璃!?」

 

「「「え!?」」」

 

 

周りにいた青空と別処とスマホを覗き込む。

 

送られてきてるのは3枚目の写真。

 

 

ただ風景を撮ってきたってものじゃなさそうで……

 

「……なにこれ。上下逆転してる。」

 

「斜めだね〜。」「見にくいね〜?」

 

「……どういうこと?」

 

 

サボってる証拠?日巡璃はそんな事しない。

 

1枚目……よく見ると1-Aの看板が見える。そういえばA組は出店をしてるんだったかしら。

 

それと校舎。角度的に……ホットドックの方の出店ね。

 

 

2枚目は……喫茶店?フリルが見える。……この雰囲気……この教室は1-B組。今1-BはC組に貸してるはずだから……メイド喫茶。なるほど……このフリルはメイド服。

 

 

3枚目……これは人の脚がいっぱいで見えにくいけど……多分ミスコンじゃない?隙間から女の人が見える。

 

 

全部しっかりスマホを構えて撮った訳じゃない。まるで……何かを残してるような。隠してるような。

 

……伝えたいような。

 

 

 

悪寒がする。

 

 

「愛!!」

 

「どうしました?」

 

「用事ができた。着いてきなさい。」

 

「は!?なんで貴方の言うことを……」

 

「嫌な予感がするの!!これでわかるでしょ!!」

 

 

愛に日巡璃のチャット画面を見せる。

 

「…………言いたいことはわかりました。」

 

「ごめんみんな!ちょっと行ってきていい!?」

 

「うんいいよ!もう終わるしね!」

 

「任せて任せて〜♪」「いえーい!」

 

ふたりで体育館を飛び出す。

 

 

 

「お嬢様の身に何かがあった……という話ですか?」

 

「まだ分からないわ。情報が無さすぎる。それより……二手に別れた方が良さそうだけど、どっちにしろホットドック屋が近いからまずはそっちね!」

 

「はい。わかりました。」

 

 

ホットドックの屋台に着く……と

 

「ふたりとも!!!!」

 

「あっ!!来た!!」

 

「待ってたぞ!!!」

 

無神が身を乗り出す。屋台にいるA組も何人か姿を見せる。

 

 

「日巡璃に何があったの!?」

 

「全部紙に書いたわ。お願い!あまり手助けできないけど!A組は頼ってくれていいから!全員に伝達済み!」

 

「わかった!!」

 

 

ありがたい。日巡璃は無神に何やらメッセージを残してたみたい。

 

紙を受け取る。

 

 

「頼むぜ!」

 

「よろしくね!!」

 

 

 

A組に見送られながら、紙を開く。

 

そこには……

 

 

「…………敵!?雄英高校に!?」

 

「インターンの時……って……お嬢様が入院した時の!!」

 

「……予想以上にまずいことになってるじゃない!!」

 

「なるほど……だからあのような写りの悪い写真で……」

 

 

クソ……最悪を予想できてない私が悪い。

 

日巡璃が来れないって聞いた時になにかメッセージを入れておくべきだった!!

 

 

「愛!!」

 

「わかってます!B組には連絡済みです!」

 

「ありがと!あとは先生を何人か……」

 

 

「……カノカノ?」

 

廊下を移動してたら天捻と出会った。

 

メイド服着てプラカードをあげて……多分宣伝してるんだと思う。

 

 

「天捻!助かった!実は……」

 

 

 

 

 

 

 

「え!?ひまひまが……大変!?」

 

「ええ。どこにいったか知らない!?」

 

少し驚いた様子を見せながらも、首を横に振る天捻。

 

「私も……さっきまで……B組の出し……物見てたから……わかんない……ごめん。」

 

 

当たり前だ。……天捻なら絶対見に来てる。

 

「……そうよね。ごめんなさい。」

 

「ん。……いい。見かけたら……連絡する。」

 

「ごめんなさい。店番の時に……」

 

「ん。……私も……ホントなら探しに行きたい……。」

 

「天捻様。ここは私たちにお任せ下さい。」

 

「……お願い。」

 

 

多分一度行ったところには行ってないはず。……一旦佳舞に会いに行ってみる?

 

それとも……と考えていた矢先……

 

 

「あら?B組の出し物は終わったの?」

 

「思ったよりも早いですね。」

 

 

「「「!!!」」」

 

ブラッドロータス先生!!……とブラッドヘリアンサス!

 

 

「なんで2人が!?」

 

「え?ミスコンのオープニングセレモニーで踊ったんだ〜。」

 

「はい。社交ダンス……毎年毎年やってるのでもう慣れちゃいました♪」

 

 

社交ダンス!?それはなんでも出来すぎじゃない!?

 

違う!今はそうじゃない!!

 

 

「先生!!実は……!!」

 

「うん?どうしたの?」

 

この先生なら……何とかしてくれるかもしれない!!!

 

藁にもすがる思いで助けを求めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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