side槍田日巡璃
「日巡璃!次こっち行きましょ!」
「いいよ〜!」
「お嬢様。あちらが……」
「気になる?行こうか!」
文化祭を楽しむのも私たちの特権だよ!
あっちウロウロこっちウロウロ。彼女達に引っ張られて……こういうの……なんか好きだな。
天捻ちゃんはクラスで頑張ってるみたいだから、あとから見に行こうね?
……あ
「そう言えば佳舞ちゃんは大丈夫そう?」
「佳舞ならもう連絡入れてるわ。ただ色んな企業の人から注目浴びてるみたいで大変だって。手が空かないって言ってたわ。」
「もちろんお嬢様が無事だったと連絡入れておきました。」
「うわぁ……さすが佳舞ちゃん……ありがとね、2人とも。…………じゃあ顔出さない方がいいかもね。」
「そうね。」
「邪魔になるかもしれません。」
文化祭……佳舞ちゃんと一緒に回りたかったなぁ〜残念。
3人でウロウロ回ってると……
「ひ〜まちゃん!」
「え!?」
あれ!?この声!!
「壊理ちゃん!!来てたの!?」
「うん!」
「ひま姉!久しぶり!」
「洸汰くんも!!」
壊理ちゃんと洸汰くんが居た!……ふたり??
「マンダレイさんは?」
「今日はふたりきり♪」
壊理ちゃんが見せつけるように洸汰くんの腕を抱く。
「母さん今日仕事みたいでさ……」
「(マンダレイさん)大変だねぇって気持ちと(壊理ちゃん)よかったねぇって気持ちがせめぎ合ってるよ。」
「あはは……まぁ偶にはこういうのも……ってな。」
洸汰くん慣れてるね〜。水入らずってのも大事だね。
「そうだね。壊理ちゃん大事にしてあげなね?可愛いからナンパされちゃうよ?」
「絶対離れないから大丈夫。」
「洸汰……」
「「……」」
ぴと。とカナと愛ちゃんがくっついてくる。
「え?どうしたの??」
「いえ。何も。」
「なんでもありません。」
「??」
「……ひま姉……」
「言わないであげて。最近これでもちょっとマシになったんだから。」
なんか哀れまれてる気がする!!
「……まぁいいや。洸汰くん勉強大丈夫?雄英志望なんでしょ?」
「おう!順調だよ!ひま姉が時々教えてくれるお陰だな!」
「うんうん♪順調なら良かったよぉ♪」
教えてる甲斐があったね!
「ねぇ洸汰!そろそろデクさんに会いに行かない?」
「うん!そうだね!……ってことでひま姉ありがとな!」
「いいよいいよ〜!またね!」
「ひま姉も彼女さん大切にな!」
「ひまちゃ〜ん!また遊ぼうね!」
「うん!ばいばーい!」
離れていくふたりに手を振る。……と
「……ふたりともずっと無言だね?」
「ふん。他人の恋慕に興味はないわ。」
「やっと行きましたかあの女狐。」
ふたりとも壊理ちゃんの事大嫌いだねぇ??
「私の友達だから仲良くは……」
「「絶対無理。」」
「ですよね……」
うーん……無理そう!!
さーて……天捻ちゃんは……
「あ!」
「ん!みんな!」
フリフリ姿の天捻ちゃんがお出迎え。
「可愛い〜〜!!」
「ん……んへへ……」
照れてる!うちの彼女可愛い!みんな見てください!
やっぱ見ないで!!
「似合ってるよ〜天捻ちゃん!」
「ん……嬉しい……」
……抱きしめてヨシヨシしたい。今は我慢。
「……愛より似合うかもね?」
「そんなハズはありません。」
ガヤガヤ……
「……なんか騒がしいね?」
「ブラッド……ヘリアンサスさんが来てる……から。」
「え!被身子おねーさんが!?」
会いに行かなきゃ!!そう言えばミスコンのオープニングセレモニーで踊ってたね!
あの人混みかな……?
「被身子おねーさーん!」
「……皆さん少し退いて貰えますか?」
スっと人混みが裂けた。
そこには……座ってなにかのドリンクを飲んでる被身子おねーさんの姿が。
「お久しぶりです!被身子おねーさん!」
「はい。久しぶりですね日巡璃ちゃん。」
「あれ?1人ですか?」
「流水さんは少し用事ができたとの事で。連絡が来るまで1人ですね。」
「うっ……」
多分私のせいだ!!!!
「ご無沙汰してます。ブラッドヘリアンサス。」
「お久しぶりです。」
「久しぶりですね。たしか……ディミトリウさんと憎田さん。日巡璃ちゃんとはどうですか?」
「関係は良好です。」
「なら良かったです。日巡璃ちゃんは私たちの娘みたいなものですから……」
「うぇ!?……えへへ!嬉しい嬉しい♪」
「もう。……無茶しがちですけどしっかり支えてあげてくださいね?」
「「心得てます。」」
「んぇ!?」
「何びっくりしてるんですか。知らないわけないでしょう。」
「そうですよね!!ごめんなさーーい!!!」
ということで。被身子おねーさんと席を一緒にすることに。
もうすぐ天捻ちゃんもシフトが終わるみたいだから、それまでだけど。
……にしても……
「ブラッドヘリアンサス様!ファンです!サインください!!」
「いいですよ。この色紙でいいですか?」
「はい!!はい!!ありがとうございますありがとうございます!!」
「……このサイン……流水さんのですね。……なるほど。好き者ですね?」
「ヴッ……ど……どうせなら……ふたりのカップリング色紙が欲しいと思って……ちょっと大きめのを……」
「へぇ……うふふ。ちゃぁんと流水さんが右側なのはよく理解されてる証拠ですね。」
「ハァッ……ありがとうございますありがとうございますありがとうございます……」
サインを貰ったその子は一頻り感謝したあとスキップで教室を後にした。
……すごいファンが居るね??
「おねーさんのファンの人ってなんか怖いんだよね。」
「そうですか?まぁお互いあまりメディア露出はしないのでコアなファンが着いてくれてますが……だいたいの方が私達ふたりを推してる場合が多い印象です。」
とサラサラと横から流れてくる色紙なりTシャツなりにサインしながら答えてくれる被身子おねーさん。
慣れたものだね??
「血の花束とか呼ばれてたりしますね。」
「それは知らなかったなぁ?」
「うふふ。だって日巡璃ちゃんは流水さんの方のファンじゃないですか。知らなくて当然ですよ。」
血の花束……センスあるな……どっちも花だし。どっちも血だし。
「よし……これで全部ですね。」
「……サインって覚えた方がいいのかなぁ?」
「有名になるならいりますね。絶対。私は流水さんのサインと並べて様になる形を模索しました。」
「…………愛がすごいや。」
サインすらも……サインだからかな?
「私はこの程度当たり前だと思ってますけどね。愛なんていくらあっても足りません。私は愛を、お金以上に中毒性のある麻薬だと思ってますから。」
「麻薬……?」
「はい。愛なんていくらあってもいくらあっても足りなくなります。少しの齟齬でそれが無いものになります。だからこそ毎日伝えるんです。毎日証明するんです。私たちの愛は本物だって。」
「「……。」」
「へぇ〜……なんだか難しいや。」
「日巡璃ちゃんはわからなくてもそこの2人は理解してるみたいですけどね?」
「え??」
「……ふん。」
「こほん。」
そうなの……かな??
「ふふふ……まだまだあなた達は子供なのでお互いらしい愛の形を煮詰めれるといいですね?時間はいっぱいありますよ。」
「わかりました。」
「ご助言ありがとうございます。」
「いえいえ。頑張ってくださいね。」
「「はい。」」
置いてけぼりだ……!!
「それともうひとつ……」
「「「?」」」
「1度巣に持ち帰ったなら……絶対に離しちゃダメですよ。縛って、捕らえて、甘やかして、溶かして。自分無しじゃ生きられないようにしないといけません。自らの存在を身体の底に刻みつけましょう……ね?やるなら徹底的に……ですよ。」
「「はい!」」
「????」
この日から、ふたりの私に対する視線が少しだけ変わったんだけど……
なにか感じ取ることがあったのかな……少しだけ羨ましい。
その後は天捻ちゃんと合流して文化祭を楽しみ切った。
最後の最後に佳舞ちゃんに会いに行ったら、もうお眠だったみたいで……そのまま寮に帰った。
みんなお疲れ様!楽しかったよ!!!!
それとありがとう!!!来年も楽しみ!!