side槍田日巡璃
『開始5分!いきなり4対4のデッドヒート!小細工なしの殴り合い!』
『ファーストアタックは香曽我部少年!元気でなによりだ!』
映像では全員が入り乱れて戦ってる。自分の技を、体を使っての真っ向勝負。
……少し押され気味かな。まぁ当たり前か。頭数が違う。
それにしても…………
「……うーん。」
「異常ね。」
「そうですね。」
「そうだよねぇ……」
2人ともわかってるみたいで安心。
「3人とも?どったの?」
天気ちゃんに話しかけられる。
「ん〜……いや?なんか意図が分からなくて。」
「意図?」
「うん。だってこの殴り合い圧倒的にこっち不利だよ?」
「……??」
天気ちゃん……
「えーっと……噛み砕いて説明するね?相手のチームは、玲音ちゃん以外の3人が近接で戦える個性。こっちは近接で戦える個性は2人。天眼くんが少し個性なしでも動けるけどその程度。その上相手チームは全員玲音ちゃんの個性で体が軽くなってる。」
「人数不利ってこと?」
「そうだね。その上こっちは近接で戦えると言っても一撃くんは個性発動のためにチャージ時間がいるし、まともに戦えるのは香曽我部くんだけ。なのにこっちのチームが仕掛けたように見えた。見えただけだけど。なにか裏がありそうだなーって。」
「…………え?ディミトリウも憎田もこれわかってるの?」
「まぁここからどうするかは見物よね。」
「無策ということはないでしょう。」
「このままいくと苦しそうだけどねぇ〜。」
「そっかぁ……ま、小廻居るし大丈夫でしょ!」
「楽観的ね。」
「だってあの光を対処できるんだよ?いけるいける!頑張れみんなー!!」
光くんを対処できるってそんなにすごいステータスかな……?
「天野くん!君の筋肉はなかなかいいね!僕と勝負しないかい!?」
「出た!筋肉変態馬鹿!B組!何とかしてくれ!」
「おお!暴例くんもいい体だ!筋肉を見せ合おう!!」
「やめろ変態!!」
「ハッハッハ!そんなこと言わずに!モストマスキュラー!!」
「光るんじゃねぇ馬鹿!!」
うーん。すごいステータスかも!!
side小廻嵐太
「ハッ……ハッ……」
全員が動けてる。ヨシ。軽くなるって聞いたけどそこまで身体能力が上がるわけじゃ無さそうで安心した。
一撃は……うん。作戦通りの動きしてくれてる。
「広霧!!どうだ!!」
「いつでも行ける!!!」
よし。じゃあとは……
「させぇねよ!!!」
「チッ!!」
広霧徹底マークしてるこいつらから隙を作るだけ。
一撃はチャージしないと個性が使えない。
天眼は戦闘に使える個性じゃない。
僕も一般的に戦闘につかえる個性じゃない。
相手は広霧の霧を吹き飛ばせる個性と、チャージ無しの一撃と充分戦える個性、その上武器持ちが重量無視して突っ込んできてる。
苦しいと言わざるを得ない状況。でもこうせざるを得なかった作戦でもある。
きっと時間制限はある。それが何分か何時間かわかんないけど、時間は大事だ。こんな所で二の足を踏む訳には行かない。
幸い、相手は僕を警戒してくれてる。
まぁ当たり前か。触れられたら終わる。一瞬で戦況が崩れる。
……はぁ。めんどくさいけどやるしかない。タイミングは重要。全員が距離を取った一瞬。そのタイミングで……
「ッ!!」
間に身体を入れる。一瞬でも隙を作る。
「広霧!!今だ!!!」
side槍田日巡璃
上手い!
『へぇ。やるね。彼。』
『傷原くん?普通に感心してるじゃないか。』
映像の中。一瞬しかないタイミング。多分香曽我部くんの何かを待ってたB組側。その一瞬を作るために小廻くんが前に出た。
相手もわかってるはず。小廻くんに触れられた瞬間試合が終わることに。
特に香曽我部くんと戦える空くんと、武装してる加刀くんが削られた時……B組側に勝ちが大きく揺らぐ。
『広霧!!今だ!!!』
『応!!ホワイト・バイオー霧!!』
ボフンと一瞬でも画面を覆い尽くす濃霧。画面が真っ白で何も見えない。
すると一瞬でも画面が切り替わり、距離を離した俯瞰カメラになる。フィールドの一部を覆い尽くす深い霧。
なるほど……そういえば香曽我部くんの個性は動けば動くほど霧を出せるんだっけ。
『へぇ〜!なるほどなるほど。戦ってた理由ががってんいったわ!香曽我部くんの個性を最大限活用するためにあえて戦ってたのね〜。』
『4人で逃げるという選択もあったと思うが……』
『まぁそうすると時間制限来ちゃって最悪引き分け以下になっちゃうし、勝ちに行った作戦でしょ。時短するために相手の動きの確認とこっちの準備を同時に行った感じかなぁ?偉いねぇ。誰が作戦立ててるんだろ。』
多分小廻くんだと思うけど……彼自己評価がちょっと低めなんだよね。もったいないよねぇ。
ま、私が言えたことじゃないんだけどね。
『なるほど。たしかにA組サイドは速攻を仕掛けてきてたし、あまり悠長に時間を使う訳にもいかなかった。A組からすれば一撃少年と香曽我部少年が自由に動く機会を与えたくないのも事実か。』
『そうそう。多分それを利用した感じかなぁ?ま、ここからの動向を見ないとわかんないけどね〜。』
オールマイト教頭と流水おねーさんが解説してくれる。
「よし!これでこっちが有利なフィールドになったね!」
「いけ〜かそかべーん!」「ごーごー!」
なんか増えた……
「え?多分逃げるよ?」
「え!?なんで!?今なら香曽我部の個性でズババババーンで終わりじゃないの!?」
「ズバズバやれば!」「解決マン!」
双子ちゃん何そのポーズ?可愛いね。
「だって香曽我部くんの霧はあっちの空くんが全部吹き飛ばせるじゃん。多分そろそろあの霧消えるよ?」
「「「え?」」」
言うのが早いか、画面では霧の塊が吹き飛んだ。
『時間稼ぎにしかならないか〜。A組は自分の役割を理解してて偉いねぇ。』
『やはり空少年の個性の出力も相当上がっているな!素晴らしい!』
やっぱり空くんは香曽我部くんの天敵だね。……さて。これをどう攻略するか。
霧が晴れた時にはもうB組全員が居ない。一撃くんの準備に入ったかな?それとも奇襲?どっちだろ。
一撃くんは身体のどこかを固めなくちゃいけない。固めた部位が多ければ多いほど、時間が多ければ多いほど攻撃力があ上がる。最悪このフィールドごと吹き飛ばすことも可能だろう。
A組は焦ってる。一撃くんを探すことに躍起になってるだろう。最悪一撃くんが全力で動いただけで試合が終わる。
「うわぁ……ホントに居ないじゃん!槍田エスパー?」
「うーん?そんなことないと思うけどねぇ?」
「エスパーひままん!」「サイコうっちゃん!」
「なにそれ??」
「青空と別処はもっと勉強した方がいいわ。」
「えぇ〜勉強やだよぉ〜……」
「一緒に頑張ろ〜ね。」「そらりんも勉強できるよ!」
「うえぇーーん味方は居ないのかぁ……」
天気ちゃんは一旦置いておいて、これでも準備万端フルパワーの香曽我部くんと、準備開始してるであろう一撃くんっていう構図ができたね。
「……さて。こっちが相当有利だけど……A組はどうするんだろうね。」
「……タダで転ぶ相手じゃないわ。」
「そうだよねぇ。」
ここから先も目が離せないよ!
一応A組の補足です。
空空(きのしたそら)くん
個性噴出口
腕と足にある穴から空気を発射することができる。
水盛枡呑(みずもりますのみ)くん
個性ウォーターハザード
自分の体内の水分を使って筋力を増強できる。
軽良玲音(かるいれおん)くん(ちゃん)
個性軽量化
触れたものを30分軽くできる個性。他に制限なし!解除も自由!
加刀紋紅(かとうぶんぐ)くん
個性ウェポンアーツ
文具を武器として操れる。材質は文具次第。