side骸骰髑髏
バシュン!!
「……フーッ……」
骨での狙撃。牽制の意味も込めて。
腕を折り曲げて。ナガン様みたいに。ナガン様みたいに弾は出せないけど、それ以上の質量の骨を射出できるように訓練した。
スコープもないし、命中精度もまだまだだけど……出来ることが増えたのは普通に嬉しい。
「……命中やね。でも錨はんに阻まれたかも。」
「……そう。ポイントを変えようか?」
「左久が偵察してるけど動く気配ないって〜。」
圖書と別処……美右の方と一緒に行動。流鏑馬は偵察。人一人くらいなら担いで飛べるらしい。すごい羽根。
圖書が個性でスコープを作って見てくれてる。ありがたい。
「このまま狙撃してもええけど……決定打にならなそうやわぁ?」
「…………待ちの姿勢?」
「ガード無くなったみたいだよ?」
「わかった。」
別処もふたりに別れてるから、片方の資格情報を許攸してくれる。ふたりのおかげで満足いく狙撃ができてる。
……もっと腕を上げないと。
とりあえず相手が動くまで静観。
このまま狙撃で弱まってくれたらいいけど。流石に弾数に限りがあるから……どうなる事やら。
side無神神奈月
「ぐっ……委員長!持たねぇかもしれねぇ!!」
「……そう。」
相手の狙撃。骸骰さんの個性で射出させてる骨は確実にこちらの体力を奪っている。
錨くんの個性、アイアンマンは体の鉄分を元に鉄製品を作るので、作れる量に限度がある。
だったら……
「錨くん。私の合図で個性を解いて。泡沫さん。泡の弾性をあげて私の腕に纏わせて。矢印くん。何かあったらズラして。」
「「了解!」」「……!」
矢印くんは、口数が少ないけどしっかりと頷いてくれた。
「……相手は射出してくる方向に居る。そっちに行くわよ。」
「委員長!泡の準備できたぞ!」
「……!!」
「よし!錨くん!個性解除!」
「応!!」
手は動く。流石泡沫さん。個性の扱いは1級品ね。
ヒュウウウウウウ……
間髪入れずに追加狙撃。
見えた。
「ふんッ!!!」
バギィッ……
骨は砕ける。私の個性で十分戦える!!
「よし!A組!突撃!!」
全員で狙撃ポイントへまっすぐ向かう。
「錨くんは一旦休憩。あなたの技は絶対途中で必要になる。泡沫さんは自分の守りを優先して。できる限り人数が削られないように立ち回りましょう。」
「へへ!わかった!」
泡沫さんがモコモコと泡を纏い始めた。こうなった泡沫さん結構硬いのよね。信頼してる。
錨くんは錨くん特製鉄分吸収ドリンク(めっちゃまずい)を飲んでるみたい。個性の都合で鉄分吸収がすっごく早いんだとか。
「矢印くん。相手の狙撃はお願いね!」
「……!」
矢印くんの個性。方向指定は、動いてる無機物の動いている方向を変えれる個性。例えば……
ヒュウウウウウ……
飛んでくる狙撃が……
ガオォオン……
逸れた。範囲は狭いけど、ここまで固まってるなら個性は発動し放題。しかも止めることもできる。
……ただし条件があって、動いてる物体を最低3秒は視認しないといけない。物体が早すぎると逸らせない。
難しい個性だけど、ヒーローって面では非常に理想な個性ね。守る個性。少しだけ羨ましい気がするわ。
進むこと数分。狙撃音が消えた。
「……ってことは……上方注意!!」
「やっぱ居るのわかってんなぁ!?」
錨くんが守りの体勢に入る。
カカカカカカカン!
羽根。やっぱり!!
「流鏑馬くん!!」
「狙撃逸らせるなんて聞いてへんで!まぁ羽根の雨降らせときゃ足止めにはなるやろ!!」
「美右もいるよ〜♪」
別処さんまで……!多分上空で私たちの動きを把握された上で足止めしてるのね。……ってことは……
ガオンガオン!!
狙撃音。着弾場所は近くの障害物!崩れる!!!
「錨くん!!」
「任せろ!!」
無理矢理身動きを取れなくされる!!
それだけは1番ダメ!
錨くんが何とか柱を建てて瓦礫の落下を防いでいるが……質量が不味い!!
ギシ……ギヂヂヂ……
「泡沫さん!こっち!!」
泡沫さんを抱き寄せる。
「ぇっ!?うっうん!!」
「錨くん!矢印くん!!」
「わかってる!こっちは任せろ!!」
「……!!」
何とかギリギリ脱出。
ただ……最悪の展開。分断させられた。
「い……いいんちょ……福に怒られちゃうかも……」
「あっ!!ごっごめんなさい!!」
ぎゅっと抱きしめてた泡沫さんを咄嗟に離す。福が怒ってる顔が目に浮かぶかも……
「……あらあら。作戦通りやわぁ?」
「……圖書さん。……だけじゃないわね。」
「……。」
「ふっふーん!このまま勝っちゃうもんね!!」
煙の中から人影が。
目の前にはB組3人。後ろは瓦礫の山。
背水の陣。
「無神。貴方の相手は私。」
「泡沫はんはウチらが止めまひょ。」
「うん!頑張っちゃうもんね!」
骸骰さんが前に出る。一筋縄ではいかない相手。
「泡沫さん。」
「何。委員長?ひとりでやるって言ったら怒るよ?」
「……ふふっ。」
「……なんだよ。」
「もう私はひとりじゃないわ。あなた達が教えてくれたじゃない。」
「……へへ!そうだったね!」
「あのふたりをお願い!骸骰さんは絶対そっちに行かせないから!」
「任せて!!」
泡沫さんが走っていった。果たして泡沫さんから逃げ切れるかしら?
泡沫さんが自由に動く為にも。骸骰さんだけは絶対止める。
「……随分余裕。」
「余裕って訳じゃないけど。まんまとあなたたちの策にハマってるわけだし。」
「焦りが見えない。」
「あら?強いヒーローは常に余裕が見えてるものでしょ?」
「…………生意気。」
骸骰さんの肩から大きな骨が生えて、私に振り下ろされる。
「それに……」
しっかり腰を落とし、受け止める。
「!」
「泡沫さんの事。ちょっとナメすぎじゃない?」
「うわぁ〜!?」
「別処!!?」
「へっへーん!どうだ!」
奥では泡を大量に纏い大きな人型になった泡沫さんが、既に別処さんを捕まえている。
圖書さんも逃げることしか出来てない。
「……なにあれ。」
「泡の巨人(アプロディーテー)だったかしら。泡沫さんの必殺技よ。泡だから攻撃には使えないけど、相手を拘束することの長けてるの。」
あれされると身動き取れなくなるのよね。触れられた瞬間ほぼアウトよ。
「……む……誤算。」
「あら?焦りが見えるわね?」
「むむむ…………。」
骸骰さんが大きな骨を出して泡沫さんに突っ込む。
させないっ!!!
全速力で回り込む。
「別処を離して!」
「!!?」
泡沫さんに振り下ろされた骨を……
「あなたの相手は私よ!!!」
全身で受け止める。
「泡沫さん!早く圖書さんを捕まえて檻へ!!」
「……へっ!わかった!!!」
「…………厄介!!!どいて!」
「絶対嫌だ!!!」
圖書さんを追いかけ、遠くに行く泡沫さんを尻目に……目の前でガシャガシャと巨大な骸骨を纏う骸骰さんと対峙する。
……さて。体育祭では出来なかった、特待生同士の真剣勝負と行きましょう!