※この作品はR-18です。

きっと私のアカデミア   作:おいーも

206 / 280
A組B組対抗訓練⑨

 

 

 

 

 

 

 

side中曲瀬天捻

 

 

 

「……。」

 

「……。」

 

 

 

消極的。

 

ありえないほど消極的。

 

 

全く攻めてこない。

 

あれから数分。ひまひまは私に詰めてこない。

 

 

どうしたんだろう。私と相性が悪すぎて諦めた?ひまひまはそんなことで諦める人じゃない。

 

 

 

何かを待ってる……?何を待ってるの?仲間?

 

でも彼らが今接敵してる距離と、私たちが戦ってる距離は相当遠い。すぐに合流できる距離じゃない。

 

 

 

何かを警戒してる?何を?

 

私とひまひましかいない。消極的な攻め。なんというか……何かほかの狙いがあるような……

 

 

「……ひまひま。」

 

「なぁに?」

 

「……なにか待ってる……?」

 

「……ふふ。どうだろ?」

 

 

不敵に笑うだけ。……私の知ってる中だと……この距離を対応できる個性は……あのチームの中には……

 

 

ぽつ……ぽつ……

 

「……え?」

 

「んしし。やっとだね!」

 

 

あ……雨?こんな場所に!?運動場……屋外ではあるけど……今日は晴れのは……ず……

 

「!!」

 

 

もしかして!!!

 

雨足が強くなる。

 

大雨。いや、それ以上。豪雨。

 

 

「さーて!天捻ちゃん!!やらせてもらうよ!!」

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side青空天気

 

 

 

数分前

 

「「「……。」」」

 

「「「「……。」」」」

 

 

お見合い。3vs4。

 

こっちの人数不利。こっちは常に光り続ける光がいるから、周導が攻めて来れない。だからA組は攻めあぐねてる。

 

私たちは光から離れられない。だからこちらも攻めあぐねてる。

 

 

 

 

 

…………とおもう!槍田がいない以上、こっちは作戦を立てたいんだけど……私の頭じゃ無理だよ!!

 

うえーん私じゃ無理無理!!槍田!助けてぇ!!

 

 

 

 

 

『え!?中曲瀬に捕まりに行く!?』

 

 

『うん!多分それが1番やりやすくなるかなって。』

 

『『やりやすく……?』』

 

『どういうことでありますか?』

 

 

少し前。何か閃いた槍田から、今回の作戦を言い渡された。

 

『私たちのいちばんの負け筋ってなんだと思う?』

 

『えぇ〜?なんだろ。』

 

『周導殿に好き勝手暴れられることでありますか?』

 

『じゃあ僕がどうにかしないとね!!』

 

 

『ううん。違う。』

 

槍田は頭を横に振る。

 

 

『『『え?』』』

 

『光くんが何も出来ずに捕まること。』

 

『『なるほど……』』

 

『??』

 

え?なんで光が捕まると負け筋になるの?

 

 

『桜子ちゃんの弱点が光くんなのは相手もわかってる。だから光くんがいると無闇矢鱈に攻められない。多分相手の編成は、攻めにおいて桜子ちゃんに結構依存してそうなんだよね。』

 

『ほむほむ……』

 

『だから光くんが大事なんだけど……光くんが天捻ちゃんに捕まった瞬間こっちは光くん無しで桜子ちゃん相手にしないといけなくなる。』

 

『……たしかに!きついね!』

 

『うん。…………まぁ相手がそこまで考えてるかわかんないんだけど……もしかしたら私の方を重要視してるかもしれないしね?だからどっちにしろ私が捕まった方が光くんで時間稼ぎできるってこと。』

 

 

『へぇ〜……でもさ?時間稼ぎしたところで……どうするの?』

 

『多分私で天捻ちゃんに勝つことは出来るんだけど……ちょっと運とタイミングが絡んじゃうんだよね。だから、天気ちゃんにはお願いしたいことがあるんだ!』

 

『え?なになに?』

 

 

『もし私が天捻ちゃんに捕まったあと、桜子ちゃんがそっちに居たら私まで知らせて欲しいの!』

 

『…………え!?なんで?どうやって!?光で良くない!?』

 

『桜子ちゃんと天捻ちゃんがこっちにいるなら私が全力で時間使うし、そっちにいるならこっちで無理やり天捻ちゃんに勝ちに行くから。無理やりが出来るか否かがこの勝負にかかってるんだよ!』

 

そ……そんなに自信ないよ!!

 

『光……!!』

 

『ハッハッハ!僕は強い光を出すと熱暴走してしまう!光が持続出来なくなっちゃうよ!』

 

光に縋ったけど無理!

 

 

『え……じゃ……じゃあ……』

 

『はっはっは!責任重大でありますなぁ!』

 

『もう!!加糖!!』

 

『よし。じゃあお願いね?天気ちゃん!』

 

『待って槍田!!私じゃ無理だって!!』

 

 

『大丈夫だよ!天気ちゃんのこと信じてる!』

 

『槍田!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

といいながら槍田は目の前で消えていった。多分中曲瀬に捕まったんだと思う。

 

 

その後、槍田に言われたみたいに周導を見つけることはできたけど……ここからどうするの??

 

 

「フッ!!」

 

「!!」

 

 

やば!!騎士道が!!

 

「させないであります!!」

 

ガキイィン!!

 

目の前で騎士道の剣と、加糖のせんべいがぶつかる。

 

 

「せんべいシールドであります!!」

 

「なるほど!!林間学校の時とは違うということだな!?」

 

「騎士道殿!タダでは転ばないでありますよぉ!!」

 

「だが……俺ひとりじゃないぞ!!」

 

 

騎士道のコスチューム、マントがあるんだけど、その裏から周導が動かした影が加糖に迫る!

 

「ハッハッハ!エンジェル☆フラッシュ!!!」

 

光の光が強くなる。動いていた影が消えた。

 

 

騎士道は来栖が回収したみたい。手のひらで触れていれば人間も回収できるのか……すごい個性だ……

 

「くそ……やはりアポロン……厄介な太陽神よ!!」

 

 

「ありがとうであります!光殿!」

 

「僕の目が黒いうちは周導さんに好き勝手させないよ!まぁピカピカで目が黒いかどうかわかんないんだけどね!!」

 

 

「薬額の個性でブーストした状態なのに押し負けたな……」

 

「騎士道。体重差だ。あとあの加糖ってやつ相当動けるぞ。」

 

「わかった。次はもっとズラしてみよう。」

 

 

ま……まずい!!わ……私だけ……何もできてない!!

 

これじゃまた天眼に変なこと言われる!ママにチクられる!わ……私も何かしないと!!

 

 

「いけっ!!」

 

頭から雲を出す。

 

「ピカピカビリビリ!!」

 

ずどん!

 

 

相手の頭上に雷が落ちる。私の個性はそこまで相手を傷つける力はないけど、雷だけは別。相手が気絶するくらいの出力は出せる!

 

 

「やった!ヒット!!」

 

「来ると思ったよ青空さん!」

 

「うぇえっ!?」

 

全員無傷!?なんで!!??

 

 

「俺の個性でもう1個作ったのは、これ!避雷針!!」

 

騎士道が長細い棒を持ってる。

 

 

「避雷針!?」

 

「君の雷は警戒してたんだ!ちゃんとゴム手袋もしてる。急造だったけど……これくらいなら1発くらいは受け切れそうだね!」

 

 

「じゃあ連発して……!」

 

「何言ってるの?作り直せばいいんだよ。」

 

 

すると騎士道持っていた避雷針から手を離し、また作り出した。

 

手放した避雷針は音もなく崩れ落ちた。

 

 

「……。」

 

無理だ……私じゃ……何も出来ない……

 

「……ふーっ。やっぱり対策取られてるでありますなぁ……」

 

「フッフッフ。どうするかい?だいぶキツい状態だけど?」

 

「……。」

 

 

どうしよう槍田……やっぱ私じゃ無理だよ!私今まで誰かに頼ってこないと何も出来なかったのに……

 

 

「委員長殿にどうにか伝えたいでありますが……」

 

「天気さん。どうだい?」

 

「……どうだいって……どうすればいいの……?」

 

「……どうすればって……」

 

「わ……私何すればいいかわかんなくて……」

 

「…………最悪……僕が光るしか無さそうだね。」

 

「それだけは……全力で避けたいでありますなぁ……」

 

 

私が足手まといに……このままだと……私のせいで負ける……

 

私……私……どうすれば……

 

 

 

 

 

 

 

 

『天気さんは天眼くんをもっと見習ったら?』

 

 

私がいつも言われてきた言葉。

 

先生も。

 

クラスメイトも。

 

親からも。

 

 

私よりもなんでもできたアイツ……天眼通と比べられて生きてきた。

 

 

私は生憎負けず嫌いだったから、なにくそと努力して頑張れたけど……私は誰かに命令されないと何も出来なくなっていた。

 

天眼がやってるから私もやろう。天眼ができてるなら私もできる。天眼が行くなら私も行く。

 

だってそうすれば皆私だけを比べないから。誰かを指標にすれば……私の心が傷付かずに済むから。私だけのせいじゃなくなるから。

 

 

そんな私がヒーローになりたかったのも、天眼が雄英に行くから。もちろん勉強も運動も頑張った。

 

校長先生からも

 

 

『ふたりも雄英高校に排出出来るなんて素晴らしい快挙だ!』

 

と言ってくれた。…………天眼と握手しながら。

 

 

結局私は金魚のフン。天眼の下。それで良かった。楽だから。

 

 

 

でも……今は……今はどうなの?誰にくっつけばいいの?

 

頼みの槍田は居ない。加糖も……光も、自分のことで手一杯。私だけ何もできてない!

 

 

「もういっちょ!!」

 

「くっ!?」

 

「加糖くん!!」

 

 

加糖が盾を弾かれた。

 

次の一撃は何とか躱したけど……

 

 

「そこは我が沼!抜かったな!!」

 

「まずいでありますっ!?」

 

 

加糖が光の光の範囲外から出ていってしまった。

 

「くっ!加糖くん!!」

 

「いかせないぞ!!!」

 

 

間に騎士道が割り込む。

 

まずい……まずい……このままだと何も出来ずに負ける!

 

どうすれば……どうすれば……!!誰か……誰か!!

 

 

 

 

ズキン……

 

「痛っ!?」

 

 

急に……頭が……!?

 

「青空さん!?」

 

「チャンス!!」

 

 

ズキン……ズキン……ズキン……

 

痛い……痛い……痛い……でも……それ以上に……何か……私の中の何かが……

 

 

「…………。」

 

これなら……

 

 

バチッ……バチチッ……

 

モクモク……モクモク……

 

 

 

頭の雲が……黒く、そして大きくなっていく。

 

「……青空……さん?」

 

「……騎士道!!」

 

「わかってる!!避雷針!!」

 

 

なんか……頭が冴えていく。

 

「局所的大豪雨。ポツザーザー!」

 

 

頭の雨雲が大きく広がる。この運動場を包み込むくらい。

 

「なんだ!?」

 

「でけぇ!!なんだあの雲!!」

 

 

ポツ……ポツ……ザーーーーーッ……

 

「うわっ!?雨!?」

 

「前見えねぇ!?!!」

 

「きゃあっ!?」

 

 

…………これでトドメ。

 

「大轟雷。ゴロドンドン!!」

 

バヂヂヂヂヂッッ!!!!!

 

 

ズキンッ!!!!

 

あ……頭が……いた…………い…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 








«追加説明»

青空天気

個性«天気»
自分の頭に髪の毛の代わりに雲が生えており、その雲から小さい気象を発生させることができる。

new▶自信がストレスを感じれば感じるほど気象の出力が上がる。




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。