side中曲瀬天捻
「「!!?」」
雷の音!どこから!?もしかして皆……
「よそ見できるの?」
「!!」
そうだ!!今はひまひまを……!!
ひまひまが突撃してくる。
少しでも隙を作ろうと捻じる。捻じるけど!!
「……くっ!」
捻りきれない!!捻じる対象物が多すぎる!
私の個性は見ている物の周りの空間を捻じる個性。空間を引き伸ばしてリーチを広げたり、空間を縮めて一歩で長距離を移動したり。
雨。厄介。
対象物の周りの空間を捻じるから、雨が降っているのが本当の辛い。降水量が多ければ多いほど力を使う。
最悪捻りきれなくなる。そうなると……ひまひまを足止めしきれない。
「……!」
そうだ!ここはやくやくの葉っぱで……
と、腰から葉っぱを取り出した瞬間……
ビッ!!
…………え?
弾かれた。なんで?
少し視線を後ろにやると、ひまひまの槍が見えた。いつの間に!?もしかして頭から直接……!?
「おねーさんから習わなかった?」
声にビックリして前に向き直る……が
「相手から目を逸らしちゃダメだって。」
ひまひまが居ない!!後r……
ビチャッ!
目に何かをかけられ、そのまま視界を失ってしまった。
「えへへ!私の勝ちだね!」
「……むぅ……これ……粘膜?」
ベトベトする。いい匂いもする。
「ごめんね?すぐ落ちると思うけど……とりあえず檻に持っていくね!」
「……うん。……私の負け。」
油断したつもりはなかった。あの場面であえて後ろに回り込み、相手の隙を長い時間作ったひまひまが偉い。
それに釣られた。
何度もブラッドロータス先生にやられてること。…………まだまだ足りないね。
ひまひま……次は勝つよ。
side槍田日巡璃
「……およ?」
檻に着くと、既に3人が捕まってた。
「あれぇ!?皆捕まってるの!?」
「あはは……ヘマしたであります!」
「うむむ……もう少し光れれば……不甲斐ない!」
「……」
一旦天捻ちゃんを檻に入れて……
「そっか!よし!じゃああとは私に任せて!」
なんか皆プスプスしてるけど……何があったんだろ?
「…………ごめん委員長。……私のせいで皆捕まっちゃった。」
なんか元気がない天気ちゃんが話しかけてくれた。
「天気ちゃん?」
「青空殿のせいじゃないでありますよ!僕がもっと時間を使えてれば……」
「そうだぞ!君は悪くないよ!僕の輝きが足りなかったッ!!」
「ちがうの!!!」
「「……。」」
天気ちゃんの声でふたりが黙る。
…………そっか。
「ね。天気ちゃん。聞いてもいい?」
「…………うん。……私がみんなを感電させちゃったの。……力が制御できなくて。頭に血が登っちゃって……」
「そっか。そっか。」
「ごめんなさい……槍田。加糖。光……私のせいで……」
「「……。」」
こんな攻めてる天気ちゃん初めて見るよ……よし!
「天気ちゃん。」
「……?」
「私に任せて!」
「…………え?」
「今から全員捕まえてくるよ!」
「……でも……時間が!!」
「大丈夫。私に任せて!」
「だって……さすがの槍田でも……」
「私に……任せて?それとも委員長のこと……信じられないかな?」
「…………!」
「えへへ!よし!行ってくるね!!」
みんなに背を向け走り出す。
今は雨。私の独壇場。
槍を2本出す。……超特急だね。
side周導桜子
「見つけた!」
「!!」
見つかっちゃった!!まずい!まだ皆目が覚めてないのに!!
このまま逃げ切れば勝ちって思ってたけど……
「えへへ!起きてるのは桜子ちゃんだけみたいだね?」
「フハハハ!よくぞ我を見つけた!邪龍ヴリトラよ!今こそ我の闇の力で貴様を屠ってくれようぞ!!」
決めポーズ☆
…………何言ってるの私!?ここは逃げる一択でしょ!!バカ!!
「時間ないから速攻で決めるね?」
早い!!これが全力の槍田ちゃんの速さ!?
……でも!私だって生半可な覚悟でヒーロー科に居ない!!
「闇縛り(ブラックチェーン)!!」
このエリアは影がいっぱいある。私の個性をフルパワーで使える。
影を伸ばして、槍田ちゃんの足を縛る。
ヌルン!
すっぽ抜けた!?
「くっ……粘膜!!」
「スラッグ……ツイストォ!!」
槍の1突き。何とか躱す……けど……進軍が止まらない。
「フハハハ!やはり貴様との戦いは血湧き肉躍る!!」
決めポーズ☆
「喜んでくれて何よりだよ!」
喜んでなーい!!私本当はビビりでコミュ障なの!!早く逃げたいの!!プライドが邪魔してるの!!!
「闇に蠢く万華鏡(ブラックペンタゴン)!」
無数の影を操り、目の前に蜘蛛の巣を作る。
縛れないならこっちに来させないまで!
「フハハハハ!今までこれを破ったものはおらん!!貴様でも不可能よ!!」
「蝸牛(かぎゅう)!!」
……え?
ビリィッ!!
「え。」
「大鳳(たいほう)!!!」
バリィッ!!!
えぇええぇえっぇええええええ!?!?私の闇に蠢く万華鏡(ブラックペンタゴン)が!?まずいまずいまずい!!どうするどうするどうする!!!
「やるな!!これならどうだ!!闇を貫く彗星(ブラックインパクト)!!」
影を固めて纏めて、槍田ちゃんを殴りつける。
「蝸牛(かぎゅう)!!」
すると一瞬で私の影が切り裂かれた。
「海鷹(かいよう)!!」
「ぴぇ……」
無理だよ!!無理無理!!
始まる前は私一人で勝てるかもしれないとか大口叩いたけど無理だって!!槍田ちゃんになんか勝てないよォ!!
私の個性は槍田ちゃんと相性悪いんだから!!!
私の個性は影を操る。
影には質量なんて概念がないから、強度なんてまったくない。だから束ねたり重ねたりして何とかかんとか壊れないようにしてるんだけど、圧倒的なパワーで押し切られるとどうしようもない!
しかも大雨のせいで槍田ちゃんがフルパワーときた!!
もう無理!!10回やったら10回まけちゃう!!
「これで射程距離だよ!!!」
終わった……ここまで頑張ったのに……
落雷は何とか影で壁を作って被害最小限にして、痺れてるB組全部檻に持って行って、気絶してるA組のみんなを確保、隠して何とか逃げてたけど……
こんなことなら……もう少し……
もう少しだけ身体鍛えてればよかった……
『ピーーーーーッ!!』
「「!?」」
『試合終了〜。時間切れで〜す!』
え?
『結果は、人数勝負!4対1で、A組の勝ち!!粘り勝ちだね!!』
え??
「…………私の負けかぁ……見つけるの遅れちゃったしなぁ……」
「……ぁぇ?」
「桜子ちゃんの勝ちだよ!おめでとう!」
ぺたん……
「桜子ちゃん???」
なんか……なんか勝った……
「……え?……桜子……ちゃん?」
「う……」
「う?」
「うわああああああん!!勝てたよぉおおおおお!!!!」
「えぇええええええ!?!?!?」