side槍田日巡璃
「日巡璃おねーちゃん!お背中流しますよ!」
「「「!?」」」
あの後みんなでお風呂に入ることに。佳舞ちゃんもいたので引っ張ってきました。
とりあえず3人で佳舞ちゃんを隅々まで洗って湯船に入れておいた。
「いいのぉ?お願いできるかな?」
「はい!ピカピカにします!!」
「……我が妹ながら……恐ろしい……もうひまひまの……懐の入っちゃった。」
「いや……日巡璃が悪いところもあるけどな?」
「お嬢様は無自覚系なので。」
「無自覚系にしてもやりすぎだろ!コミュ力どうなってんだ!」
なんかみんな話してるけどよく聞こえないや。
ゴシゴシゴシ……
「痛くないですか〜?痒いところはありませんか〜?」
「大丈夫だよ!上手いね!」
「んへへへ……あまねぇと一緒に洗いっこしてたので!」
「そっかそっか!」
仲良しだもんね。そういうこともあるか……ほんのちょっぴり妹が羨ましい。
「あまねぇ!次あまねぇ洗わせて?」
「ん。いいよ。」
「わーい!次愛おねえちゃん!」
「わ……私ですか!?」
「ダメ?」
「いや……その……」
ちなちゃんはあの後みんなにグイグイ絡んでいって、どんどんおねーちゃん呼びを始めた。佳舞ちゃんにもおねーちゃん呼びしてる。
もうちなちゃんの中ではみんなおねーちゃんなんだねぇ。
……と。それはそうと……
「ちなちゃん。愛ちゃんは私のだからダーメ。」
「えぇ〜!むぅ〜……」
「むぅ〜って言ってもダメ。私の彼女だから。」
「はぁーい!あまねぇと日巡璃おねーちゃんで我慢しまーす。」
わがままは言うけど聞き分けが良いんだよねぇ……いい子だ。
天捻ちゃんとは別ベクトルだけどいい子。しっかりこういう所も天捻ちゃんの妹って感じ。
「日巡璃おねーちゃん!前はどうする?」
「前はいいよ。両性具有だし。」
「はーい!」
ちなちゃんには予め言っておいたので、配慮してくれてるみたい。……ほんといい子だよねぇ!?
「……にしても本当に大きいね。おっぱい。」
むにゅ……
「わっ!?」
後ろから持ち上げられた。……ちょっとえっちだよね??
こういう所も……似てるねぇほんとに。
「好きだねぇ?」
「大好き!」
「同級生にもやってるの?」
「同級生に友達いないからやってない!」
「そういう所まで天捻ちゃんに似なくてもいいんじゃないかなぁ??」
「んへへ……あまねぇ!そっくりだって!」
「ん。……私たちは……そっくり。」
嬉しそうなのはいいんだけど……そういう意味で言ったわけじゃないんだよね?
「愛おねーちゃんも形綺麗だから好き!」
「私もですか!?」
「そうだよね!ほんとに綺麗!愛ちゃんって感じ!」
「お嬢様!?!?」
「佳舞おねーちゃんは……うん。」
「……フン。日巡璃が好いてくれるからいいんだ。」
「えへへ……私は佳舞ちゃんも大好きだよ?」
「…………ふん!」
お風呂に入ってるからなのか、照れてるのか分からないけど、佳舞ちゃんは真っ赤になった顔をそっぽに向けてしまった。
「そういえばちなちゃんはいつ帰るんだっけ?」
「パパママが昼頃来てくれるらしいから……それくらいですかね?」
「ちゃんと謝るんだよぉ〜?」
「はぁーい。」
「私も一緒に行ってあげるから。皆も来てくれるよね?」
「お嬢様の仰せの通りに。」「ん。」「しょうがないな。」
「〜〜!!……みんな大好き!!」
……もう1人来そうだけどね。多分カナは絶対来る。
お風呂上がって、愛ちゃんにぺたぺたしてもらって。佳舞ちゃんと別れて。あとは寝るだけ……なんだけど……
「「『……』」」
「やだやだ!わたしも日巡璃おねーちゃんと寝たい!」
「ん!譲れない!」
電話越しに見てるカナは絶句。
『……え?これ本当にさっきまで私たちに敵意むき出しだった子?』
「そうです。お嬢様の手腕ですね。」
『日巡璃……』
「あはは……」
こうなるんだねぇ……
「いいじゃん今日くらい!日巡璃おねーちゃんの横譲ってよ!」
「ダメ。絶対ダメ。許せない!」
「……悪い気はしないんだけどねぇ……」
まさかこんなことで喧嘩になるなんて……
それ以上にこんなに懐かれるなんて……
『日巡璃。流石にもうひとりは聞いてないわよ?』
「えぇ!?もう無理だよォ!!」
「お嬢様です。安心はできません。」
「なんでさ!?」
こういう時信頼がないのが私です。トホホ……
「あまねぇ!ここはいつものアレで決めよう!」
「ん!恨みっこなし!」
え?いつものアレ?
『何すんのよ。』
ふたりが腰を落として手を握り、拳を後ろに引く。
え?そっちの喧嘩??
「ダメダメ!!拳での語り合いは聞いてないかも!!!」
「止めないで!これは私たちの決闘なんだよ!」
「由緒正しき……勝負!」
「愛ちゃん!!」
「わかっております!」
ふたりが飛びかかろうものなら全力で止めなきゃ!!
「行くよ!!あまねぇ!!」
「ん!望むところ!!」
まずい!ふたりとも!!拳を突き出して……
「「じゃんけんぽん!!」」
「「『……え?』」」
ちなちゃんがグー。天捻ちゃんがチョキ。
「私の勝ちぃ!!」
「……ま……負けた……」
「いえーい!!日巡璃おねーちゃん!一緒寝よ!!」
私のベッドに腰掛けて、ポンポン叩くちなちゃん。
「え?……あ……うん!」
すっごく拍子抜け!ほんとにすっごく拍子抜けだね!?
『……心配して損した。』
「わかります。」
「なんかドッと疲れたね。」
「うぐぐ……しょうがない……今日だけは……貸してあげる。」
ちゃんと結果に従うんだ……
「……あいあい。一緒寝よ。」
「はい。よろしいですよ。」
『私もそろそろ寝るわ。おやすみ。みんな。』
「カナ!おやすみ!」
「カノーテスおねーちゃんおやすみ!」
『……慣れないわね。おやすみなさい。』
慣れなきゃいけないよ。カナ。
カナが通話を切って。愛ちゃんと天捻ちゃんが部屋から出ていって……
「……じゃあ寝よっか。」
「うん!」
電気を切っていざベッドへ。
「zzz……」
寝るの早……天捻ちゃんみたい。
……寝顔……天捻ちゃんに似てるね。髪質もそっくり。
今日はなんか天捻ちゃんが2人になった気分。ちょっと嬉しい。
「ふぁ……」
私もそろそろ寝よ。おやすみ〜……あ、ちなちゃんも体暖かい。ここも……天捻ちゃん……そっくりだねぇ…………zzz……
「……ちゃ……」
んぉ……?……なんか……寒い……?
「……ちゅ……」
気持ち……いぃ……
「ひま……んちゅ……」
……なんかおかしくない??
パチ……
「あ……起きた……ね。」
声が下から聞こえる。布団の中。
目の前にはちなちゃん。じゃあちなちゃんじゃない……
視界を落とすと、布団の隙間から天捻ちゃんが見える。
私のソレに頬擦りをする天捻ちゃんが見える。
「…………っ!?!?」
「んへへ……ちな……起きちゃう……よ?」
「んちょっ……天捻ちゃん!?」
「れー……んふ……声……我慢して……?」
「ちょっ……まっ……んっ!?」
目の前に寝てるちなちゃんがいるのに……天捻ちゃんにしっぽり頂かれちゃいました。
……バレてないといいけど。めっちゃ恥ずかしい。
…………天捻ちゃん……恐ろしい子。