side槍田日巡璃
「……。」
「カノーテスおねーちゃん!飲み物何にします?」
「あ……えっとじゃあオレンジジュース貰える?」
「はーい♪」
パタパタパタ……
「ね……ねぇ日巡璃?昨日のこともあるし……通話だけじゃわからないこともあるかもって思って、心配になったから来てみたんだけど……」
「えへへ。可愛いよね!」
「……懐いてくれてる……の??どういう経緯よ……」
カナが、昨日と今日のちなちゃんの態度の変わりように困惑してるみたい。
まぁ……私でもそうなる。何も知らなかったら。
今日は一応ちなちゃんが帰る日なんだけど、カナが寮に遊びに来てくれた。休日もカナと会えるなんて……嬉しい限りだよ。
ちなみに天捻ちゃんは今愛ちゃんに説教されてます。当たり前だよ!!もうちょっとでバレるところだったし!!…………気持ちよかったけど。
天捻ちゃんなりに嫉妬してくれたのかなぁ?……それだとすごく嬉しい。
「はい!オレンジジュースです!」
「あ……ありがとう。」
一応今は寮の共有スペースにいるけど……よく来る皆がチラチラ見てくる。……知らない子だもんね!ごめんね!
「えーっと……本当に本当の天捻の妹なの??」
「はい!血は繋がってます!半分!」
「……全然見えないわ……天捻と喋り方全然違うし……見た目も……あんまり……あ。目は似てるわね?」
「!……んへへへ!ありがとうございます!!」
たしかに。天捻ちゃんの目は右にぐるぐるしてるけど……ちなちゃんの目は左にぐるぐるしてる。すっごく似てるよね!
「……なんかカノーテスおねーちゃんって大人っぽいですね!」
「!」
「いいなぁ!かっこいいなぁ!大人の女性って憧れちゃいます!」
「そ……そうかしら?」
「メイクも服もバッチリ決まってるじゃないですか!それって日巡璃おねーちゃんに会いに来たからってだけじゃないですよね?」
「……そうね。8割位日巡璃に綺麗なところ見せたいのはあるけれど、私がズボラに見せる事で、パパとママに恥をかかせる訳にはいかないもの。」
「かっくいい〜!!」
「そんなに言わないで。照れるわ。」
「うわ……顔赤くしても綺麗……日巡璃おねーちゃん……すっごい人射止めたね?」
「でしょ!カナは可愛いんだよ!」
「はい!」
「2人とも?そろそろやめてちょうだい。」
おぉ……カナの懐にも突撃してる……コレちなちゃんの才能なんじゃないの?
「…………私周りの子とはあんまり喋れないんですけど……なんか皆さんとは普通に喋れるんです!」
「そうなんだ!」
「はい!だから昨日も今日もすっごく楽しいです!」
「……あまり後悔はしないようにね。」
「はい!」
「ならいいわ。」
「……んふふ。」
「……何よ。」
「何でもないです!」
「……ふーん?……それよりも貴方はいいの?日巡璃は言ってしまえば4股してるのよ?しかも貴方の大事なお姉ちゃんと。」
グサ……
「うっ……」
「!……日巡璃!ごめんなさい。そういうつもりじゃないの!私たちちゃんと納得してるから……」
カナが私の手をぎゅっと握る。
「だ……大丈夫大丈夫!うん。大丈夫!」
「本当……?」
「うん!大丈夫!元気いっぱいだよ!」
「日巡璃……」
「え……と。私は大丈夫です。あまねぇが決めたことなので。それに、あまねぇが好きになった人ですもん。絶対いい人です。」
「そう。ならいいわ。」
…………4股……うん。そうだよね。私って優柔不断で、選べなくて。皆が折衷案を出してくれただけなんだよね。みんなのこと幸せにしたい。みんなのことが好き。
だけどこれってただのワガママでもあるんだよね。
私って……
「…………。」
「「本当に申し訳ありませんでしたッ!!」」
「申し訳ありませんでした!」
天捻ちゃんのご両親が、ちなちゃんを回収しに来られたとのことでみんな集合。一応面会なのでB組担任にスナイプ先生と、オールマイト教頭先生が来てる。
どっちも綺麗な人だなぁ……天捻ちゃんが美人さんな訳だ。
「本当にこの娘は……おねーちゃんだけじゃなくて雄英高校にも迷惑をかけおって!!」
「だってあまねぇに会いたかったんだもん!!」
「それはそうだが!だとしてもだな!!」
天捻ちゃんが1歩前に出る。
「……パパ。ママ。もう……ちなからは謝って……もらってる。」
「いや……しかし……」
「ここは親としてきっちり言っておかないと……」
「ん。……それはそう……だけど、ちなの気持ちもわかる。それに……私たちは許してる。……先生達はどうかわかんないけど。」
天捻ちゃんが先生ふたりを見つめる……と、ふたりとも何も言わずに頷いてくれた。
「……先生も大丈夫って。」
「だったら……何も言えないな。」
「そうね。…………でも心配したのよ?ちなちゃん。」
「……ごめんなさい。」
「…………冬休みは……私も帰るから。……また会おうね。ちな。」
「!!……うん!!」
「パパ。ママ。……皆も一緒に帰っていい?」
「皆……そうか!いいぞ!私は大歓迎だ。」
「うふふ。天捻ちゃんもいっぱいお友達できたのね♪」
「え!また会えるの!やったやった!!」
「ん!……んふふ。」
天捻ちゃんがぴとっと私にくっついてきた。およ?どしたの??
「うわぁ〜……♪」
「あらあら……」
「??」
そんなこんなで駅までお迎え。何かあったら大変だからね!
「この度は本当にありがとうございました。」
「助かりました。」
「いえ!ちなちゃんが無事でよかったです!」
「仲良くなれたしね。」
「えへへ!冬休み待ってるね!」
「うん。ちなちゃんも受験頑張ってね!」
まぁなんだかんだちなちゃんなら受かりそうな気がしてる。どこ受けるか聞いてないけど。
「あ!そうそうあまねぇ!」
「?」
「……私にも恋愛の秘訣!教えてね?」
「「!!??」」
「ん。わかった。」
「千音実!?天捻!?なんの事だ!?」
「うふふ。進んでるのね?」
「母さん!?何が……天捻!もしかして彼氏が……!!」
「ん。……電車きちゃうよ。」
「くっ……もしかして帰ってくるって……!!」
「はいはい。パパさん。早く行きますよ?」
「母さん!?待ってくれ!私はまだッ……!!」
「よーし!高校では恋人作るぞー!!」
「千音実!?!?」
天捻ちゃんのご両親とちなちゃんはそのまま駅のホームへ。
見えなくなるまで全力で手を振っておいた。また会おうね!千音実ちゃん!
「……えと……これは??」
帰ってすぐ、天捻ちゃんとカナの個性で腕と足を縛られて固定されてしまった。……なんか猛烈に嫌な予感がする。
「当然じゃない。あの女……悪い子じゃないのはわかったけど……日巡璃に罪悪感植え付けて帰ったから、私たちは罪悪感を上塗りしておかないと。」
「ん。……ちなは……地雷を踏んで帰ったから。それだけ……良くない。」
「お嬢様。ぜひ御奉仕させて下さいませ?」
「あの!!100歩譲って私はいいんだけど!!佳舞ちゃんもいるんだけど!?!?」
そうなのである。今日は佳舞ちゃんもいる。
「……。」
ほら!!顔真っ赤にしてるし!!やっぱ佳舞ちゃんには早……
「……日巡璃。私じゃダメか……?」
「…………かわいい。」
くなかったかもしれません。
「大丈夫よ。佳舞。日巡璃私たちみたいな小さい子だったり、可愛い子大好きだから。貴方も受け入れてくれるわ?」
「そ……そうか?日巡璃……私を受け入れてくれるか?」
「……っ!!」
ブチ……
「え!?紐切れた!?」
「天捻!個性は!?」
「……ひまひまが……力で……」
思わず佳舞ちゃんを抱きしめる。
「!!……ひま……」
「佳舞ちゃん……私我慢できなくなっちゃったかも。」
「!…………えへへ……嬉しい。日巡璃。」
……うん。可愛い。
「皆も。いっぱいしよ?」
「……ふふ。ノリ気ね?」
「ひまひま……嬉しい……!」
「はぁぁあっ……お嬢様……!!」
とりあえずひとつ言えるのは、明日が休みで良かったです。