side槍田日巡璃
とりあえず立ち話もとのことなので、中庭へ。
みんなでベンチに腰掛けて、ジュース片手に毒島先輩が話し始める。
「こいつな……アタシのせいでドMになっちまったんだ。」
「……どえむ??」
「知らねぇのか?」
「……?」
なにそれ???
『私をそんな目で見ないで槍田ちゃん。』
「わかんねぇならスマホで調べてみろ。」
「はーい!」
えーっとどえむどえむ……
「続けるな?……アタシと反甫は幼なじみでな。家も近かったんだ。」
なになに……?まぞひすと??虐められることに性的興奮……??
「それで小さい頃から遊んでたんだが……コイツはなんというか……個性の影響もあって友達ができなくてな。…………聞いてるか?」
「はいはい!!聞いてます!!」
なんかすごいこと書いてあったけど見なかったことにしよう!
「元々コイツは個性の制御が下手くそでな。少しでも感情が高ぶると個性が発動して周りのものを吹き飛ばしちまってたんだよ。」
「…………ぶーちゃん。私でも……ちょっとは恥ずかしいよ……?」
「いいからお前は一旦黙ってろ。」
毒島先輩が反甫先輩に持ってたいちごミルクを飲ませる。
…………ん?それ毒島先輩のじゃ……
「……!!」
なにかに気がついた反甫先輩。無我夢中でいちごミルクを吸ってる……怖。
「それでな?いつも一人で寂しそうにしてたからよ。アタシも個性使って無理やり手ェ握りに行ったんだよ。」
「え?それは普通にかっこいいですね?」
「だろ?男前すぎるよな!アタシ!」
……これは女が堕ちる女って感じがする。毒島先輩結構人気あるのでは??
「そしたら勢い余ってハグしちまって。それで訳わかんなくなたって反甫に吹き飛ばされて、アタシそのまま遊具に頭ぶつけて気絶しちまってよ!」
「えぇ!?!?大丈夫だったんですか!?」
「大丈夫じゃなかったら今生きてねぇよ!……顔にでけぇ傷ができるくらいで済んだ。」
「……あ……その傷それなんですね?」
毒島先輩は顔に大きな傷がある。ヒーロー活動で出来たのかなって思ったけど……
「そうだぜ!傷跡になっちまったけど……反甫と仲良くなれたから足し引きプラスだな!」
「……ズココ……ズコココ……」
反甫先輩?もうそれ多分中身無いですよ?
「そっからよぉ……こいつおかしくなっちまったんだ。アタシを怪我させたから私にも同じくらいの痛みをちょうだいって言われた日……まだ覚えてるぜ。まじで意味わかんなかったからな。」
?
「……????」
『……すみません。毒島先輩。もう一度お聞きしても?』
「アタシを怪我させたから私にも同じ痛みをちょうだい。……だ。」
「『?』」
もう一回聞いてもわかんなかった。
「コイツなりに責任感じてたんだろうな。よく分かんねぇけどよ。」
それで責任感じてたんだろうなって解釈できる毒島先輩よくわかんないです!!
反甫先輩の頭をガシガシ撫でる毒島先輩。嫌そうじゃないどころか……なんか嬉しそう……ん??
「んへへ……ぶーちゃ〜ん……」
……見なかったことにしよう。
『……えと?それでなんで責任取るなんて話に……?』
「まぁ……こいつがどうしようもない変態になっちまったのは少なからずアタシの責任はあるし、コイツもアタシしか見てねぇみたいだから……っていうか顔にこんなでけぇ傷がある女嫁にしてくれるヤツなんて未来永劫現れねぇだろうしな。」
少し自虐風に話す毒島先輩。……異形差別みたいなものかなぁ?何となくわかる気がする。
「そうですk」
「そんなことないよぶーちゃん!!」
「うぇ!?」
何事!?
「ぶーちゃんはかっこよくて可愛くて綺麗で強くて!最高のヒーローなんだから!顔に傷があるのが何よ!私が傷モノのしたんだから私が責任取るのが当たり前でしょ!ぶーちゃんは私以外のところに行っちゃダメだからね!!」
なんか反甫先輩が急にスイッチ入ったんだけど!?
言いたいこと言い終えたのか、反甫先輩はヒシッと毒島先輩に抱きついた。
「……そうかよ。……っつーかアタシはもうお前と一緒にいる未来しか思い浮かばねぇよ。」
「ぶーちゃん!ずっと一緒だよ♪」
「そうだな。」
「♪」
「『……。』」
これは……純愛?毒島先輩は……ちょっと諦めてる節ない???
「初めて会った頃は……こんな感じじゃなかったんだがなぁ?」
「…………そうですか。」
『大変ですね。』
「……ま。なんだかんだ楽しいからいいけどな!」
「私も楽しいよぶーちゃん!」
「……。」
本人達が幸せそうならOKです。
『そういえば毒島先輩ってどこ住みですか?』
「アタシか?アタシは千葉だよ。」
「え?千葉?じゃあ寮生活ですか?」
「んにゃ?ちげぇ。」
「『?』」
「コイツと……反甫と部屋借りて同棲してる。」
「え!?!?」
『めっちゃ進んでますね!?』
「それくらいアタシは覚悟が決まってんだよ。コイツの責任だけじゃなくて、アタシらが幸せになれるって思ったんだ。」
「うわぁ……」
ロマンチック……!……部屋借りてるんだ……いいなぁ!
『……これはファンクラブできるの分かりますね。』
「え?毒島先輩ファンクラブあるんですか?」
「あー……なんかあるみてぇだな。」
『ちなみに会員ナンバー1は反甫先輩です。』
「でしょうね。」
「当然でしょ。ぶーちゃんファンクラブは私が作ったんだから。」
ドヤ顔で嬉しそうにする反甫先輩。
「……あれ?でもブラッドロータス先生のファンクラブには……?」
「入ってないわ。」
「…………???」
同担拒否ってやつでは??
「ぶーちゃんは推しじゃなくてお嫁さんだから。同担以上のものなのに、他の奴に負けるわけが無いわ。」
「あぁ〜……ん?」
よくわかんないけどそういう事なんだろう……ね?
「嫁嫁ってよぉ……アタシのこと女の子扱いするのお前くらいだぜ。」
「だってぶーちゃんすっごく可愛いから♪」
「……あのなぁ……」
ちょっと照れてる毒島先輩。頬が少し赤い。
「……幸せなんですね!」
「そりゃな。」「当たり前じゃない!」
なんか責任がどうとか色々あったけど、結局はふたりが付き合ってないどころか将来を約束してるだけだった。
……今思ったらすっごい関係飛んでるよね!?それはいいのかなぁ?
それより……同棲かぁ……
少しだけ憧れる。