side青空天気
pppppp……
ピッ……
ゴソゴソ……
「……んぅ……」
朝6:00……普段ならあと1時間くらい寝れる時間。
だけど……
肌寒くなってきた季節。何とか暖かい布団から出て、運動しやすい服装に着替える。
「……走らなきゃ……」
毎日同じメニューを。楽でもいいから身体に習慣づけるのが大事って槍田が言ってたから。
リビングに行くと……誰もいない。
ママは今日も会社で寝泊まりしてるんだろうな。
「……。」
もう4日も顔を見てない。……まぁいいけどさ。
パンッと頬を叩く。
今日も一日元気で明るい天気ちゃん!とりあえずランニングいってきまーす!!
冷たい空気が頬を撫でて、眠気なんて吹っ飛んだ。体はどんどん暖かくなってきている。
朝。まだ少し薄い空模様。
澄んだ空気。鳥の声。
「……なんか……いいなぁ!」
さっきまで億劫で、無理やり上げてたテンションもなんとなくだけど気分が良くなってきた。
「よしよしよし!あとはんぶーん!」
なんかお腹の底からもりもり力が湧いてくる気がする!行けるぞ!私!
そのまま家へ。
「……ただいま。」
誰も返事はない。いつもの事。
「……シャワー浴びてこよ。……朝ごはんも食べなきゃ。」
槍田が言ってたけど、運動後の栄養補給が1番大事だって。食べるのも訓練だって言ってた。
……カップラーメンしかないけどいいかな??
「ちゅる……ちゅる……」
私はこのワカメのカップラーメンが結構すき。美味しい。毎日食べてる。
安くて楽でお腹にたまる。その上美味しい。ワカメが好きでよかった。
ピロン
あれ?槍田?
「?……今日なにか予定あったっけ?」
今日は学校休みのはず……
『天気ちゃん!今日一緒に訓練しない?』
!!
すぐに指が動く。
『今すぐ行くね!』
……今日は寂しい思いをしなくて済みそう。
そのまま髪を乾かして……私の髪はもじゃもじゃだからしっかり乾かさないと寝癖になっちゃう。
訓練だから動きやすい服装で……持っていくものは財布とスマホと……
よし!準備完了!
「行ってきます。」
……誰もいないけど。
「ん?」
「……げ。」
天眼……私の幼なじみ。家が隣なんだよね。雄英でも同じクラスとか……ホントツイてない。
なんでもできる天才くん。私は彼と比べられて生きてきた。私のコンプレックス。
「ああ。ちょうど良かった。母さんが朝ごはんどうかって……」
「いい。もう食べた。」
天眼を無視して通り過ぎようとする……が
「どうせいつものカップラーメンだろ!そんなんじゃ大きくなれないぞ!」
天眼が私の腕を掴む。いつもの私ならここでヘラヘラしながら食事にお邪魔させて貰ってたけど……今は違う。
「……」
……私を……そうやって……子供扱いして!!
「なによ。悪い?」
「……え?」
天眼は予想外だったのか、素っ頓狂な声をあげる。
「私。もう食べたから。」
「いや……その……」
「何。」
「…………何を怒ってるんだ。天気。」
イラ……
「……あっそ。わかんないならいいよ。」
「まて!俺はお前のお母さんに頼まれて……!」
イライラ……
「私よりもしっかりしてるから?」
「……は?」
「ふたりで私をいつまでも子供扱いしてるんでしょ?もういい。私は私のやりたいことが出来たの。天眼になんか指図されたくない!」
パリッ……
「っ!?」
少し雷を流すと、天眼がびっくりして手を離す。
「お前……」
「いつまで経っても帰ってこないママも!私をいつまでも見下してる天眼も大っ嫌い!私に構ってこないで!!」
走り出した。天眼なら追いかけて私を引き摺る事も出来たと思うけど……
「……」
天眼は付いてこなかった。ざまぁみろ!
side槍田日巡璃
「うああああっ!!」
「天気ちゃーん。あと2周だよ!」
「キーーツーーーイーーーーー!!!!」
「喋れるなら行けるー!」
「鬼ーーーーー!!!」
「カタツムリだよ〜!」
今日はおやすみ!……だけど、ちょうど良かったので天気ちゃんも呼んでみんなで訓練することに。
っていうか……
「うっうつ……うつぎ……槍田……死ぬ……死んでしまう……」
「ハッ……ハッ……ハッ……」
引子ちゃんと憂世ちゃんもやりたいって言われたから参加してもらった。
根性あるね!かっこいい!
「ふたりはあと3周だよ!がんばれー!」
ちなみに。
「……フーッ……こんなもんね。」
「ん。」
カナと天捻ちゃんは2人ともランニングを終えてストレッチまで終わらせてしまった。なんだかんだ体力着いてきたね!
私と愛ちゃん?もう終わってるよ!
「……これから愛や日巡璃レベルになるとすると……気が遠くなりそうね。」
「慣れだよ慣れ!出来ることしよ!」
「ん。頑張る。」
「お嬢様。冷たいレモン水は如何ですか?」
「もらう〜!!」
愛ちゃん特性レモン水!これが染みるんだァ!
「うふふ。仲良しね?日巡璃さん。」
「いいでしょ!」
「ええ。」
今日実は神奈月ちゃんと福ちゃんも参加してくれてます。
流水おねーさんの訓練って言ったら速攻で着いてきた。
でも2人とも日常的にランニングしてるからこれくらいじゃ全然へばってないね!すごい!
「……あの子……頑張ってるね。」
「天気ちゃんのこと?」
「うん。合同訓練で凄かったから……印象に残ってる。」
あー……たしかに。
「あの規模の雨と雷は凄かったわよね。山火事とかでも大活躍しそうね。」
「……うーん……それなんだけどさ?」
2人になら話してもいいかも。協力してくれそうだし。
「……なるほど?自力で出せないのね。」
「ピーキーだね。」
レモン水美味……さすが愛ちゃん。レモン水ですら美味しい。
「ぷはっ……そうなんだよねぇ。……だからこそおねーさんの意図も分かるんだけどさ。」
「「?」」
「おふたりもレモン水要ります?」
「欲しい!」「頂こうかしら。」
愛ちゃんデリバリーがA組にも出張したみたいです。愛ちゃんは気が利く女なのだ!いい女でしょ!私の彼女なんだよ!
「昨日日巡璃が言ってたわよね。私も聞いていい?」
「ん。……私も。」
「いいよ!」
カナと天捻ちゃんも入ってきた。そういえば言ってなかったっけ?
「多分おねーさんは、天気ちゃんの精神面を強くするためにまず身体を強くしてるんだと思う。」
「……精神面を強くするために?」
「うん。健全な心は健全な肉体に宿る。だったっけ?心のバランスを調節するには、まずは基礎。土台がいるよって話。」
「……なるほどねぇ。」
「武術家っぽい考え方ね。」
「実際おねーさん武術家ではあるしね〜。使ってないだけで。」
「「「え?」」」
その話は置いていくとして、
「だからまずは基礎中の基礎。身体づくりからってことじゃないかなぁ?私もめいっぱい身体づくりしたしね!」
「説得力ある。」
「わかる。」
へへ。だったら良かったかも?
「……たぶんだけどおねーさんは天気ちゃんが、精神的に危ういって思っちゃったんじゃないかな?何となくそんな気がするだけだけど。もしかしたらこういう件は経験済みだったりして。」
……そんなわけないか。さすがのおねーさんも性格に難がある人を……ん〜……無い……よね?
暴力はないと思う!うん。ないと思う!多分こういうことはしたことあるよ!訓練訓練!
…………
ないよね??