※この作品はR-18です。

きっと私のアカデミア   作:おいーも

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出来ること やりたいこと

 

 

 

 

 

 

 

 

side槍田日巡璃

 

 

 

 

 

 

『私は!天気のことを大事にしないやつを許せないの!!それが例えこの体を産んだ母親だとしても!私にとっての母親は天気なの!私は天気から生まれたの!!私はあの母親を母親として認めない!!絶対に認めたくない!!』

 

 

 

 

『私は天気が幸せならなんだっていいの!天気が無理せず、素直で自由に生きてほしいの!!…………でも私じゃ天気を救えない……』

 

 

 

 

『悔しい……悔しいの!!私じゃどうしようもできない……お願い……みんな……天気を助けてあげてください。』

 

 

 

 

『全部全部私のせいよ。貴方が母親と仲が悪いのも。虐められてたのも。貴方が道化を演じないといけなかったのも。全部私。全部私が悪いの。だから……ね?……周りの人を恨まないであげて?恨むなら私だけにして。どれだけ罵ってくれても私は構わないから。』

 

 

 

 

『無理だよ!!……急に私の中に人格があるって言われて……急に私の今までの悩みが全部無駄になって……私の今まではなんだったの!?』

 

 

 

 

『うるさいうるさい!!……何言ってももう遅いの!私のことは放っておいて!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチ……

 

「……。」

 

 

 

暗い……まだ。……時間は……4:01……あと2時間は寝れるけど……

 

 

 

「……フー……」

 

あの後……何とか持ち直してパーティは終わった。その後……天気ちゃんを帰らすのもなんだし、今多分引子ちゃんの部屋で寝てるハズ。

 

 

 

なんか目が覚めちゃった。

 

上半身を起こす。

 

 

 

布団の中にはまだ寝てる天捻ちゃん。

 

「…………ごめんね。」

 

 

起こさないように布団から出て、いつものジャージに着替える。

 

なんか走りたくなっちゃったから。

 

 

「……行ってきます。」

 

返事は来ないのがわかってるけど一応ね?

 

バタン……

 

「…………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……いつもより早い。そして12月が近いのも相まって相当寒い。

 

私寒いの苦手なんだよね。雪が降らないだけマシ。

 

 

出来る限り暖かい格好で走り出す。

 

 

 

少し……ひとりで考えたかった。

 

出来ることをしなさい……か。難しいな。

 

 

私が今できることってなんだろう。天気ちゃんを助けてあげたい。救ってあげたい。

 

そのために出来ることってなんだろう。何をすればいいんだろう。

 

 

…………家庭問題……踏み込んで良いものなのかすら分からない。

 

今までは……なんか丸く収まってたから……

 

 

 

そっか……言語化って大事だね。なんでそうなったかが分からないと、他の事にも使えない。

 

なんで成功したか。なんで丸く収まっていたか。

 

 

「……フッ……フッ……」

 

未熟さが嫌になる。まだまだ子供なんだと実感させられる。

 

足踏みしてる自分が……なんだかすごく嫌だ。

 

 

 

「……」

 

出来ること……今までしてきた事……

 

 

カナは私がさらけ出した。

 

天捻ちゃんは私が救い出した。

 

愛ちゃんは私が愛を伝えた。

 

神奈月ちゃんは私が認めた。

 

ミトちゃんは私が受け入れた。

 

佳舞ちゃんは私が捕まえた。

 

 

 

「……っ……」

 

ランニングを終えて、1度クールダウン。

 

 

 

共通点なんてない。私が……全部……やりたいって思ったこと……

 

「……。」

 

 

やりたいって思ったことが共通点……?

 

でも……全部それが直接的に解決したことになった訳じゃない。

 

 

全部相手があってできたことで……

 

全部私だけの力じゃなくて……

 

 

みんなが居たから……こそ……

 

 

 

 

 

太陽が昇る。陽の光が辺りを包み込む。

 

 

「……そっか。無理しなくていいんだ。」

 

 

 

やれることをやるって事は……私達が無理矢理助けようとしなくていいんだ。いつも通り。普段通りに接してあげればいいんだ。

 

 

みんなの事だって……普通の私だった。無理に背伸びなんてしなかった。やりたいって思ったことが……結果的にいい風に傾いただけ。

 

 

「…………やりたいこと……か。」

 

できないことをしようとするとか、できることをするんじゃなくて、やりたいことをしよう。

 

私の心に従おう。私のやりたいこと……

 

それはきっと……

 

 

 

 

 

「ひまひま!」

 

声の主に視線を向けると、天捻ちゃんがジャージ姿で走って来ていた。

 

 

「天捻ちゃん!ごめんね?起こしちゃった?」

 

「ん。……起きたのは……そうだけど。ひまひまの顔が……ちょっと思い詰めてたから。……ひとりにさせてあげてた。」

 

「!…………そっか。ありがと。」

 

「でも……ひとりじゃ寒くて寝れないから……結局来ちゃった。」

 

……嬉しいな。……うん。

 

 

「えへへ。一緒走ろっか?」

 

「ん!……一緒のペースがいい。」

 

「うん!ゆっくり走ろ?」

 

 

今も……天捻ちゃんのやりたいことで……私は嬉しくなれた。

 

 

それでいいじゃん。

 

 

 

私のやってることはきっと間違いじゃない。間違ってた時は誰かが助けてくれる。……私は先生を信じてるから。

 

私のやりたい事が天気ちゃん達を救ってるって信じよう。

 

 

いつも通りでいいんだ。何かあった時に頼れる人はいっぱいいるよ!

 

だから私はこのままで。

 

 

 

「……ひまひま。」

 

「ん〜?」

 

「いい顔になった。」

 

「そう??」

 

「ん。……惚れ直した。」

 

「!……ふふふ。もっと惚れさせてあげるね?」

 

「……ひまひまは……魔性。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「青空。気分はどうだ?」

 

「……普通……です。」

 

「そうか。良かった。」

 

 

午前7:30、スネイプ先生が寮に顔を出しに来た。天気ちゃん達と話すためだ。

 

一応、私達も手が空いた子は同席してる。当事者ではあるからね。……とは言っても私と愛ちゃんと天捻ちゃんだけだけど。

 

 

「まずは安心して欲しい。君を責めるつもりはない。それに……君を無理に母親に引き渡すことはしない。」

 

「……!」

 

「俺たちは君の意見を尊重したい。」

 

「先生……」

 

「青空天気も青空荒天も俺の生徒だ。この1年だけかもしれんが、君たちを進級させるのが俺の仕事だ。その間の火の粉は振り払ってやるのが先生だ。」

 

「…………」

 

 

スナイプ先生は天気ちゃんの目をまっすぐ見据える。それは天気ちゃんだけじゃなくて、中に居る荒天ちゃんにも聞こえるように……だと思う。

 

 

「先生。」

 

天気ちゃんの髪が黒くなる。

 

 

「改めまして……初めまして。青空荒天です。」

 

「……なるほど。映像で見た通りだな。」

 

「この度は先生に無理難題を……」

 

「大丈夫だ。それを解決するのが大人だ。先生だ。……いくらでも任せて欲しい。」

 

「……はい!」

 

……スナイプ先生……!頼もしい!

 

 

「…………へぇ……ほんとに解離性同一性障害っぽいわね。ちょと特殊だけど。」

 

「やっぱりですか……」

 

 

ちなみに何故かおねーさんも居ます。なんか解離性同一性障害かどうか判断して欲しいから……だとか。

 

 

「私はそっち専門じゃないから診断は難しいけれど……私の知り合いに精神科医が居るわ。その人に診断してもらって改善する事も多分可能だけど……青空さん。どうする?」

 

荒天ちゃんの髪が白くなる。

 

 

「……私は……荒天と一緒にいたいです。」

 

「……そ。じゃあそっちの方面で話を進めていきましょうか。」

 

「了解です。」

 

……やけにすんなり……そっちの方面でも話が進めれるんだ……大人の人ってすごい!

 

 

「まぁどっちにしろ……荒療治気味にはなるとは思うんだけど……青空さん。」

 

「はい。」

 

 

「もう一度お母さんと話してみない?」

 

「…………。」

 

 

「俺もそちらの方がいいとは思う。昨日話してみた限りだが……あまりおかしい言動は感じられなかった。」

 

「…………。」

 

 

……母親ともう一度話をする。私はすごく辛いと思う。嫌だって言ってもいい。母親にどんな理由があれ、天気ちゃんが蔑ろになってたのは事実だもん。

 

 

でもそれはそれとして、愛が無かったというのは違う。愛情のかけ方が違っただけ。……母親も……母親初心者だもんね。間違えることだってある。

 

 

 

「……槍田……」

 

天気ちゃんがこちらに顔を向ける。

 

分からないよね。助けて欲しいよね。

 

 

 

「……ダメだよ。天気ちゃん。…………自分を信じて。」

 

でも私は貴方を突き放すよ。……天気ちゃんは決断できるって信じてるから。

 

 

「…………」

 

天気ちゃんは……きっと……

 

 

 

「…………先生……」

 

今のままじゃダメだって気付いてる。

 

 

「……先生も一緒にいてくれますか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

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