※この作品はR-18です。

きっと私のアカデミア   作:おいーも

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やっと、ここから

 

 

 

 

 

 

 

 

side???

 

 

 

へぇ……天眼くん良いとこあるじゃない。

 

「……何とかなったみたいね。」

 

 

暗闇の中。ふたつの人影が重なり、帰路に着いたところでとりあえずスマホを取り出す。

 

 

「もしもし。私。天眼くんをキチンと青空さんに届けたわ。」

 

『〜!!』

 

『それよりも!私よりも先に天眼くんに頼るってどういうこと?ちゃんと先ずは先生を頼ること!いいわね!?』

 

『〜〜!!』

 

「もう……ええ。2人とも大丈夫よ。安心して?」

 

『〜!〜〜!!!』

 

『『『〜〜!!!』』』

 

「なぁに?寮のみんな聞いてるの?」

 

『〜!』

 

「ふふ。あとはおねーさんに任せて?」

 

『〜!〜〜!!』

 

「……そうね。まぁこれから最悪にはならないと思うわ。」

 

『〜〜?』

 

「ん〜?……彼に諭されてちょっと世界を見る目が変わったんじゃない?なんかそんな感じがするわ。」

 

『……??』

 

「ふふふ。日巡璃ちゃんはまだまだお子ちゃまね?」

 

『〜!!!』

 

「はいはい。それじゃあね?寒いから暖かくして寝てね?」

 

 

ピッ……

 

 

 

「……うー……さむさむ。……えーっと……もしもし?スナイプ先生。私です。」

 

彼女は素早く屋根の上を飛び移る。

 

 

まるでターゲットを優しく見守るように。彼女の夜はまだ終わらないみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side青空天気

 

 

 

 

「……。」

 

「……。」

 

天眼の家に着いたら……ママがいた。凄くバツの悪そうに視線を背けている。

 

 

「……夕張さんにはウチの両親からしっかり叱ってもらった。もう安心していい。」

 

「……え?そうなの?」

 

すると天眼ママがずいっと前に出てくる。

 

「当然じゃない!!私たちに天気ちゃんを託すなら毎日通話するって約束だったのに……それすらも守れてない日があるなんて許せません!こーんなに素直で可愛い子をほっとくなんて有り得ません!!」

 

 

お喋りが好きな天眼のママ、天眼覗(てんげんのぞく)さんと無口だけど優しい天眼のパパ、天眼渡(てんげんわたる)さん。どちらも私を助けてくれた人。……私はその厚意に甘えれなかったけど。

 

 

「天気……本当に……ごめんなさい。」

 

ママがまた私に謝る。……学校の時とはどことなく違う謝罪。ちょっとだけ不思議な気持ち。

 

 

「しかも!!天気ちゃん精神病なんでしょ!?わかってあげれなかった私達も悪いけど!母親がそれ知らないのはどうなのよ!って私怒ってやったの!!もう!ありえない!!」

 

「……。」

 

 

私のママは天眼ママに頭が上がらない。私の事が大きいのだろうけど。っていうかこんなに弱々しいママさっきぶりだよ。

 

 

……なんだ。早めに天眼ママに相談しとくんだった。ちょっと後悔。

 

まぁ勝手に天眼にコンプレックス感じてたのは私なんだけど。

 

 

……今思えば……天眼の両親は私を比べなかった。天眼もだけど。…………私は自分で助かる道を自分で閉ざしていたのかもしれない。

 

 

「それでね!?天気ちゃんは大丈夫なの!?辛くない?苦しくない??」

 

天眼ママが駆け寄ってくる。ちなみにおんぶはもう終わってる。……恥ずかしいし。

 

 

「大丈夫です。……なんか……うん。しょんぼりしてるママ見たらちょっとスッキリしました。」

 

「ならいいのよ!それで……解離性同一性障害……よね?それは大丈夫なの??」

 

「大丈夫です。なんというか……自分の中で決着が着いたので。」

 

「そう?ならいいのよ!何かあったら言ってね?おばさん全力で力になってあげるから!」

 

「……はい!」

 

「夕張さんも……ね?」

 

「もっ!もちろんです!!」

 

 

……なんか圧力感じた。なんかすごい怖かったんだけど!

 

「それでそれで……」

 

まだ話始めようとする天眼ママの肩を天眼パパが叩く。

 

 

「それは、ご飯を食べながらでいいんじゃないか?」

 

「そうね!じゃあ天気ちゃん!上がって上がって?おばさん腕によりをかけて料理作ったのよ!」

 

「はい!失礼します!」

 

 

お腹ぺこぺこ!いっぱい食べるよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

天眼の家のリビングに通されて、食卓に着く。

 

私の好きなものばっかり。

 

春巻き、ギョーザ、ロールキャベツ、オムライス……

 

 

「うわぁ!……こんなに……いいんですか!?」

 

「当然じゃない!天気ちゃんのために作ったのよ?」

 

 

嬉しい……!本当に嬉しい!

 

「いただきまーす!!!」

 

オムライスを口に含む。

 

 

「……おいしー!!!」

 

「口に合って良かったわ♪」

 

やっぱりオムライスはケチャップだよケチャップ!デミグラスソースなんて言ってる人はまだまだだね!

 

 

それにしても美味しい!……けど……ん??

 

「……あれ?」

 

「どうしたの?」

 

 

「なんか味付けいつもと違いません?いや、美味しくないわけじゃないんですけど……いつもより美味しいって言うか……」

 

 

「「「「……」」」」

 

 

 

みんな黙っちゃった。……え?私なんか失礼なこと言った!?

 

「「「アハハハハハ!!」」」

 

「え?え??」

 

 

天眼一家が笑い始める。

 

「夕張さん。良かったわね?」

 

「うむうむ。やはり家族か。」

 

「??」

 

 

なんのこと?ん?ママ??

 

「天気。お前の料理作ったの夕張さんだぞ?」

 

「…………えぇ!?ママが!?料理出来たの!?!?」

 

 

「当たり前じゃない!前は料理作ってたでしょ!?」

 

ママがちょっとだけ怒ってくる。

 

「いや……まぁそうだけど!!何年前だと思ってるの!!」

 

「何年前だとしても。貴方の好みを忘れるわけないでしょう。」

 

「……!」

 

「…………本当にごめんなさいね。母親失格で……でも貴方の事を一時も忘れたことはないわ。遅くなっちゃったけど……これだけは胸を張って言えるわ。」

 

「…………ママ……」

 

 

「天気……私の大事な宝物。誕生日おめでとう!」

 

「「「誕生日おめでとう!!」」」

 

 

……全部……全部遅かった。

 

私が話していれば。弱音を吐いていれば。救いを求めていれば。

 

もっと早く終わったかもしれない。

 

 

「〜〜〜ッ!!ありがとう!!みんな!!ママ!!!」

 

 

ザー……

 

外は雨が降り始めた。

 

雨降って地固まるって言うけれど……まるで今日だね。

 

今までの分今この時に幸せが詰め込まれてる。

 

 

今日まで生きてきてよかった。

 

全部みんなのおかげ。

 

本当にありがとう。みんな大好き!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side???

 

 

 

「……傘もってくるの忘れたわね。……まぁいっか。大丈夫そうだし帰ろ。風邪ひいたら被身子ちゃんに甘々看病してもらお。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side青空天気

 

 

 

 

 

「そういえば天気ちゃん。荒天ちゃんってどうなの?」

 

「どう……っていうのは?」

 

 

ご飯を平らげてお話タイム。そういえば荒天を天眼の両親には見せてない。

 

 

「荒天今寝てるんですよね。ちょっと最近いっぱい頑張ってもらったから……」

 

「そうなの?お疲れなのね。」

 

「はい。なので起きたら会ってもらいたいなって。」

 

「うふふ。新しい娘ができたみたいでなんだかワクワクするわね?お父さん?」

 

「うむ。」

 

「……そう言ってもらえると嬉しいです!」

 

「……まさかアレが夢じゃなかったなんて……」

 

 

私の横で天眼が頭を抱える。

 

「……しょうがない気もするけどね。私も認知してなかったし。」

 

「だよなぁ……いやぁ……でも俺があの時言っておけば……」

 

「後悔すんなバカ。もう終わったからいいでしょ!」

 

「バカってなんだよ!俺は心配してんだぞ!」

 

「もう終わったの!くよくよすんなみっともない!」

 

「何をっ!?」

 

「なによ!!」

 

 

天眼と睨み合う。

 

「「ぷっ……」」

 

「「あははははは!」」

 

 

なんか日常に戻ってきたって感じ。安心するなぁ……

 

この数日……激動だったけど……

 

やっと私は自分で立ち上がれた気がする。

 

 

 

やっと、ここから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 








後日

被身子「流水さん?あの日どこで何してたんですか?」

流水「ゲホゲホ……本当に風邪ひくなんて……」

被身子「今日はお世話させて貰いますからね!」

流水「はーい。……あー……キツ……」



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