side天眼通
砂臣からの電話で全てが始まった。
「はぁ!?天気が居なくなった!?」
『らしい。委員長から聞いた。もしかしたら……』
「くっ……わかった。こっちでも探してみる!!」
ピッ……
くそ……天気……どういうことだよ……
「天気がどうしたの!?」
目の前には正座してる夕張さん。
「急に居なくなったみたいです!」
「そ……そんな……」
今……俺たちは天気の帰りを待っている。天気の誕生日パーティをやるために。
だけど……天気がどこかに行ったらしい。……天気……
「母さん!父さん!俺探してみる!!」
「わかったわ。こっちは任せなさい!」
「何かあったら連絡すること。いいな!」
「おう!任せて!!」
「わ……私も……」
「あなたはダメ。説教が終わってないわ!」
「でも!!」
「でももだってもありません!通に任せます!」
……母さんの説教長いんだよな。お疲れ様です。夕張さん。
そのまま家を飛び出す。
薄着で来ちゃったけど……どうせ動くから大丈夫だな!
どこだ……天気!!
「ハッ……ハッ……ハッ……」
駅。学校。通学路。
全部行ってみた。何処にもいない。
10分……20分……30分……1時間。刻一刻と時間が過ぎていく。
「ハッ……ハッ……くそ……どこだ……天気!」
個性もフル活用してる。空が暗くなる。このままだともっと見つけることが困難に……
どうしたんだ……天気。夕張さんとしっかり話したんじゃないのか!?夕張さんが謝罪したんじゃなかったのか!!
何かあったのか?溜め込んでるのか!?
……もっと腰を据えて話していれば……
「ハッ…ハッ…ハッ……クソッ……」
足を止める。さすがに……走りすぎた。横っ腹が痛い。
俺は……俺は……
好きな子すら救えないのかよ。
「……情けねぇ……」
「本当ですかね?」
「……は?」
上から声が聞こえた。上……?こんな場所で上とか……屋根の上しか……
「……え?」
月明かりに照らされて、少し見えにくいが屋根の上に誰か立っている。
「天眼くん。こんばんは。いい夜ですね。」
「…………ブラッド……ロータス先生……ですか……?」
「はい。私ですよ。」
信じられないが、ブラッドロータス先生が屋根の上に居た。…………なんでだ???
「……なんで……屋根の上に……」
「うーん……青空さんを探してるといえばいいですか?」
「……えっ……はっ??」
「依頼されたんですよ。……まぁ私も気になってましたし。」
「いら……い……?」
誰が?何のために……
「……一緒に来ますか?ちょうど目的も一緒みたいですし。」
……望んでない幸運。ここで乗らなきゃいつ乗るんだ!
「はっ……はい!……行きます……けど……ちょっと待ってください……い……」
だけど、まだ息が上がってる。満足に動けない。
「……しょうがないですね。個性だけ使って貰えます?」
「……え?」
ダンッ
「ぅおおおおおあああああっ!?!?」
「静かにして貰えますか?近所迷惑ですよ。」
「いやっ!?こんなの聞いてな……うおおおああああああ!!!!」
ダンッ
おんぶされながら屋根の上走って飛んで……こんなの命幾つあっても足りねぇ!!
「個性使ってください。青空さんを探すのでしょう?」
てかなんでこの人は俺を背負いながら家の間を飛べるんだ!?
いや!!今はんな事言ってる暇ねぇ!!腹くくれ!!天眼通!!
「…………っ!」
どこだ……どこにいる!!天気!!
「やればできますね……天眼くん。……じゃあ個性を使いながら聞いててください。」
「……なんですか?」
「申し訳ありませんが……青空さんは多分今絶望の渦中にいます。」
「…………そう……ですか……」
やっぱり話し合いが上手くいかなくて……
「ですので。それを救えるのは貴方だけです。」
「……わかりました。………………え??」
今なんて???
「……天眼くん。この問題は……幼なじみである貴方にしか救えないんです。」
「ちょ……俺っすか……!?それこそブラッドロータス先生の方が……!!」
「私は……貴方ならやれると思ってますよ。天眼くん。」
「…………」
俺なら……できる……
「不安ですか?」
「そりゃ……まぁ……」
「……それでは一つだけ。貴方のお尻に火をつけてあげましょう。」
「……え?」
「好きな子が困ってるなら是が非でも救いにいきなさい?」
「……………………はぇ??」
ブラッドロータス先生って何が見えてんだ???
天眼くんがおんぶするのに抵抗があまり無かった理由です。