side槍田日巡璃
「ようこそ……兵庫!」
新幹線でガタンゴトン。その後電車に乗ってガタンゴトン。
天捻ちゃん家の最寄り駅に着いた。
「……まじで雪降ってるじゃない。」
「凄いですね……実物は初めて見ました。」
元気そうだね!………………みんなは。
「……さ……寒い……」
死んでしまうよ!!何この寒さ!!
「日巡璃大丈夫?」
「結構厚着されてますが……」
「寒い……寒い……」
「ん。ごめん……ちょっと歩く……」
「そうな……んだ……じゃ……早く行こ……死んじゃう……」
「そうね。日巡璃が冬眠する前に早く行きましょ。」
「お嬢様……お気を確かに……」
うぅ……カイロ……もっと貼ってくればよかった……
天捻ちゃんに案内されながらえっちらほっちらと歩く。私以外の3人は普通に歩けてるのに……私だけなんか情けないなぁ……
「あまねぇ!!」
「ちな!?……なんで……」
声が聞こえたので顔をあげると……天捻ちゃんの妹ちゃん。中曲瀬千音実(なかまがせちねみ)ちゃんが……
「えへへ!早く会いたかったから来ちゃった♪」
モフモフの帽子とマフラーと手袋と……可愛い格好だねぇ……うんうん。
「ちな……ひまひまが……」
「さ……さぶい……」
「わっ!?どうしたんですか!?」
「日巡璃、カタツムリだから寒すぎると冬眠しちゃうのよ。」
「えぇ!?大変です!!カイロあげます!」
「ありがとぉ……死んじゃうかと思ったよ……」
千音実ちゃんからカイロをいっぱい貰った。これで勝つる(勝てない)
そうしてこうして何とか天捻ちゃんの家に着いた。
着いたけど……
「ん。ここが……私の家。」
「でっっっ………………」
でかぁっ!?何この塀!!初めて見たけど!?純和風って感じの超豪邸じゃん!!!??
「へぇ……いいお家ね。」
「そうですね。日本らしくて素敵です。」
ふたりは反応普通だね!!そりゃそうだもんね!どっちもいい所のお嬢様だから!!お家でかいんでしょ!!
「……でかいね……」
「……ふふ……いいでしょ?」
……えーっと……私たちの将来ってどうなるんですかね?私がもしかしておんぶにだっことかなっちゃう形???
なんかそれちょっとだけやだなぁ……いや私の彼女たちが実家が太すぎる!佳舞ちゃんもなんか電化製品のお店の社長の娘さんだっけ……??
うーん……そういう人ばっかり狙ってる訳じゃないんだけどなぁ!!!
とりあえず天捻ちゃんについて行くことに。
すると門らしき扉が見えて、その前に何人かコートを来た人がちらほら……
「山田。」
「……お嬢様!お帰りなさいませ!」
「ただいま。」
天捻ちゃんが躊躇なく話しかけた山田さんという人は、天捻ちゃんが見えた瞬間大きく頭を下げた。
……顔に傷が入ってて……怖いね?
「……これ……私のお友達。仲良くしてね。」
「「「はい!仰せの通りに!」」」
「門開けろ!お嬢様がお帰りになられた!」
「御学友もご一緒だ!挨拶できるモン全員連れてこい!!」
「失礼ねぇようにしろよ!!死ぬ気で顔覚えろ!!」
「「「……」」」
……え?天捻ちゃんの家って和菓子のお店だよね??大丈夫??怖いところじゃないよね!?
私たちの不安を他所に、扉が大きく開くと……中には……
「「「「「お嬢様方!!お帰りなさいませ!!!」」」」」
「ん。ただいま。」
「「「……。」」」
え?本当に怖いところじゃないよね!?
スーツにアロハシャツに……え?大丈夫だよね!?!?私たち無事に帰れるよね!?
「これ……私の部屋。」
「広……」
畳!襖!THE!和風!!
「畳……始めてみるわ……」
カナ?なんかワクワクしてる??
「とりあえず……荷物置いちゃって……?」
「「「はーい。」」」
とりあえず荷物を置く……ん?暖かい……あ!
「うわぁ!灯油ストーブ!!すごいすごい!!」
あったかいって思ったらこれか!!久しぶりに見た!!私の家にもあるんだよね!!
「灯油……?」「ストーブ??」
「…………え?」
ふたりとも知らないの???
「いいでしょ……ひまひま。」
「え?あ!うん!すごくいい!暖かい!」
「えーっと……灯油ストーブ……」「……」
スマホで調べてるふたりは一旦置いておいて……
「生き返るぅ〜〜……」
冷えたからだが温められていく。幸せ……
「あまねぇ!!」
スパーン!
「わ!?」
「……ちな。静かに開けて?」
「ごめんなさい!お茶持ってきたよ!」
にっこにこの千音実ちゃんが入ってくる。天捻ちゃん帰ってきて嬉しいんだねぇ?
「でね?日巡璃おねーちゃん!そしたらパパがさぁ!」
「ふふふ♪そうなんだ?」
「んふふふ!面白いよね!」
「「「……」」」
3人の視線が痛いよ……
いや……私はただ千音実ちゃんの要望を聞いてるだけなんだけど……
要望?私のおっぱい枕にしたいって言われたから、私の事背もたれにされてるだけだけど。
「……はっ……もしかして私……日巡璃おねーちゃん狙ってるって思われてる!?」
「え!?そうなの??」
「ないない!!私あまねぇの恋人奪おうとするほど馬鹿な真似しないよ!!」
「……そんなわけないじゃない。単純に日巡璃が身体を許してるのがちょっと怒ってるだけよ。」
カナが口を開いたかと思った何やら私のせいらしい。
「え?私??」
「じゃあ私が悪いですか?」
「そんなことありませんよ。千音実様。誰にでもオープンなお嬢様が悪いのです。」
「えぇ!?!?」
そんなぁ!!
「ひまひま……覚えておいて……」
「えっ……」
他のふたりからもすごい視線……
「……お手柔らかに……お願いします……」
「お嬢。旦那様がお呼びです。御学友も連れてくるようにと。」
「「「!」」」
「ん。わかった。」
天捻ちゃんのご両親に挨拶……よし!
「ひまひま……ごめんね?」
天捻ちゃん……任せて!
「ん?……大丈夫だよ。天捻ちゃんと一緒に将来を歩きたいって言うだけだしね!」
「いや……違くて……」
「??」
「天捻ちゃんの彼女さんでしょう?大丈夫ですよ♪」
「………………」
「……こ……これは??」
案内された部屋に入ってみると、そこには……
正座してる天捻ちゃんママの横で天捻ちゃんパパが……倒れてる……
「ん。……予め……伝えておいた。彼女が来るって。結婚したいくらい好きな人って。」
「……え!?」
天捻ちゃん!?
「ママは……応援してくれたけど……パパが怒ってたから……」
「あはは〜……ママが成敗したって形です……なんか騒がしくてごめんなさい!」
「大丈夫ですよ。私が飲み込ませますので♪」
天捻ちゃんママ……つよい……
「えっと……でも!!」
それでも!頭は下げないといけないから!!私がそうしたいから!!
天捻ちゃんママの前に正座。
「あら?」
「私!天捻ちゃんだけに任せるのは嫌です!改めて私からも言わせてくださいッ!」
頭を下げる。
「これからの人生!天捻ちゃんと一緒に過ごしたいですっ!絶対幸せにします!私は心から天捻ちゃんを愛してます!」
「……ふふ。あなた……お名前は?」
「槍田日巡璃です。」
「天捻ちゃん♪いい子捕まえたわね?」
「ん!自慢の彼女!」
「よろしい。それじゃあ改めて……天捻ちゃんをよろしくね?」
「……はいっ!!」
安心したのもつかの間、スっと天捻ちゃんが私の横に引っ付く。
「ひまひま……私嬉しい♪結婚式……いつにする?」
「えぇ!?まだ早いよ!!」
「あらあら♪」
「俺はッ許さんぞ!天捻の純情をっ……!!」
ガツン!
急に起き上がってなんか言おうとした天捻パパに、天捻ママからの鉄拳制裁。髪の毛で拳を作って天捻パパの頭へ。……いたそぉ……
「うふふ。この人はちゃーんと説得するので大丈夫ですよ♪」
つ……つよい……
ま……まぁそれはともかく、天捻ちゃんとの交際を認めてくれて良かった!こればっかりは毎回毎回緊張するね!
よーし!それじゃあこれから天捻ちゃん家を楽しむぞ!!