side槍田日巡璃
「……お風呂でっか……」
「私の家より大きいわよ?」
「……これは……」
天捻ちゃん家のお風呂大きすぎて……実際カナの家のお風呂場より大きい。浴槽ふたつあるし。なんで??
「んふふ……お風呂が好きになるのもしょうがない……ね?」
「それとこれとは別じゃない?」
「そう?」
それはそれとして。
「カナ〜♪洗ってあげるよ〜♪」
「いいの?ありがとう。日巡璃。」
「じゃあお嬢様は私が。」
洗いっこは基本。
カナの肌はすべすべしてて気持ちいいんだよね。なんか手入れが行き届いてるっていうか。
「……そういえば日巡璃って私たち全員抱いてるのよね?」
「う…………ど……どうしたの?」
事実とは言え恥ずかしい。
「……男性は性的興奮が高まるとコレ、大きくなるって聞いたけど……日巡璃のはあんまり大きくならないわよね。」
カナが私のを指さす。今は普通の状態。
「そうだね。」
「私たちの裸じゃ興奮しない?」
「ん〜……なんだろうね?興奮はするんだけどそこまでではないっていうか……」
裸見るくらいじゃ……って言い方も変だけど。どちらかと言うとキスとかハグとかの方が興奮するかなぁ?もちろん好きな人限定だけど。
「ひまひまは……元々……性的興奮を……あまりしないのかも。」
「あー……たしかに。初めて大きくなったのもカナにバレた時だし。」
「「「え?」」」
「?」
「え……それまで……自慰行為もしたことないの?」
「じ……い?」
「「「…………」」」
「よくわかんないけど、したことないよ!多分!」
何やら3人で集まってコソコソ話してる。……なんだろう?
「……日巡璃。辛かったわね。」
「お嬢様。私たちは絶対離れませんから。」
「ひまひま……ずっと一緒にいようね。」
「ん?ん?うん!ありがと!」
なんかよくわかんないけど嬉しいからヨシ!
かぽーん……
「……お風呂は……いいね。すごくいい。」
全身くまなく洗っていざ入浴。
あぁ〜……疲れが吹き飛ぶ……幸せ。
「私の家は……天然の温泉を……引いてるから……」
「「「え!?」」」
「ぶいぶい。」
なんでもありすぎない?このお風呂。毎日温泉かぁ……
「えぇ……いいなぁ……ここに住みたい。」
「「!!」」
「ほんと?ひまひま。」
「ほんとだよぉ……毎日温泉なんて羨ましい……」
「いいよ?ひまひまなら……一生養えるよ……?」
「ん〜…………嬉しいけど……私はみんなと対等で居たいから。養うとか養われるとかは出来れば無しがいいなぁ。おこがましいかもしれないけどさ……」
「……そっか……かっこいいね。」
「んふふ……ありがと♪」
「「ほ……」」
「そう考えるとカナの家もいいよね!内装がかっこいい!それにベッドふわふわですっごく気持ちいいし!」
「っ!そうよね!私の家も日巡璃を養えるくらいの収入はあるわよ!」
「なーんでさっきからそういう話になってるの〜?私はね?カナも天捻ちゃんも愛ちゃんも佳舞ちゃんも全員と一緒になりたいの。みんながその気になれば私を養えるのは知ってるし、私が共有財産なのも知ってるけど、私だってみんなのことすっごい大切なんだから。せっかく気持ちで繋がってるのに……お金が絡む関係だけになるのは嫌だよ。」
「〜〜っお嬢様!!大変立派ですっ!この憎田愛!感動いたしました!!」
「ありがとね♪愛ちゃん♪」
「お嬢様!共に良い家庭を作りましょうね?」
愛ちゃんが私にもたれかかる。……可愛い。愛ちゃんやっぱり顔綺麗だなぁ……頬が少し紅潮してて普段よりもっと綺麗。なんでこんな綺麗な子が私の事好きになってくれたんだろ。……前世で得を積みすぎたのかな。
「あっ!何どさくさに紛れてこのメイドッ!」
「あいあいだけずるい。」
「喧嘩しないの〜。カナも天捻ちゃんもおいで?」
ふたりに両手を広げてあげる。
「「っ!」」
ふたりとも目を見開いて……どうしたんだろ?
「日巡璃。それ私たち以外にしちゃダメだからね。」
「え?」
「ひまひま。……破壊力高すぎる。」
「ん??」
「おふたりが来られないのでしたら私がいきますよ?」
と愛ちゃんが私の腕の中にすっぽり。
「えぇ〜?愛ちゃん今日はどうしたの?可愛いねぇ〜♪」
ぎゅ〜♪
「ふふん♪」
「このっ……日巡璃!私にもハグして!甘々でね!!」
「ずるい!私も!」
「順番ね〜?」
ハグ待ちというよく分からない並び列(彼女限定)ができてしまった。……まぁいいか?
ガラッ
「おねーちゃん!私もお風呂…………はい……る。」
「「「「あ……」」」」
「……」
「「「「……」」」」
「ご……」
「「「「ご?」」」」
「ごめんなさーーーーーーい!!!!!」
バターン!!
「千音実ちゃん!?大丈夫だよ!!入ってきて!?」
「ちな……いかがわしいこと……まだ……してない。」
「まだって何!?」
その後入ってきた千音実ちゃんも爆速で身体を洗って私のハグ列に参加してました。千音実ちゃんも可愛いからよし!実質妹みたいなものだしね〜♪
天捻ちゃんにちょっと怒られてたけど。
妹……いいなぁ……
sideカノーテス・ディミトリウ
お風呂の後、スキンケアをしっかり施して晩御飯を食べることに。天捻の家廊下が多いわね。日本の家そのものって感じだわ。
「あっ……忘れ物した!ちょっと先行ってて!」
「……先行ってもよろしいのですが……お嬢様……道分かりますか?」
「…………わかんない。」
「待ってるから行ってらっしゃい。」
「はーい!ありがとうー♪」
日巡璃が来た道を戻って行った。
「「「……」」」
天捻の妹……千音実はスキンケアのスの字もせずにさっさと出ちゃった。……なんで天捻はスキンケアしてるのに妹は全く興味が無いのかしら。
「……思った以上に根深いですね。」
「…………そうね。」
多分さっきの話。日巡璃が性的興奮が普通に人より弱いって話。
「いじめ……だよね。」
「多分ね。心のどこかで両性具有をいじめられた事がトラウマになってるんでしょう。」
「……許せません。本当に悔しい……」
「……あいあい……だから私たちが……いる。」
「そうよ。過去を悔しがる事はいくらでもできる。……でも今を癒してあげるのは私たちしかできないの。」
「わかっております……わかっておりますが……」
「「……」」
愛の気持ちも痛いほどよくわかる。……日巡璃がいじめの痕跡を見せる限り、私たちがこの気持ちを忘れる事は絶対にない。
日巡璃の傷跡は……私たちが思った以上に深く。それでいて大きい。日巡璃の言動、一挙手一投足全てに影響を与えてると言っても過言じゃないほどに。
「お嬢様……それでもあんなに立派になられて……尚更許す気持ちが消えました。」
「そうね。次日巡璃に何かしたら……もう……」
「…………ね。ひまひまの……家に行った時に……いた子……水谷だっけ……アレ……どうしてるの?」
「ああ。アレですか?今昔鏡様から聞きましたけど、『何故か』学校を中退になったそうですよ。」
「ふーん……ざまぁないわね。」
「自業自得。」
「その他にもちらほらと。お嬢様をいじめてた方々が不自然に退学になってるとか。理由は不明ですが。」
「……今昔鏡もえぐいことするわね。」
「ああいうのを敵に回すと……怖い。」
「お嬢様のこと大好きですからね。」
「……で?アイツは日巡璃のこと恋愛的に好きなの?」
「知りません。」
「知らない。」
「はぁ〜…………あいつもあいつで情緒がポンコツなのよねぇ……」
「お嬢様とは別ベクトルですね。」
少し頭を抱える。……まぁ日巡璃の恋人になるなら歓迎はするけど……なんか違う気もするのよね。よく分からない。
すると廊下の向こう側から、愛おしい人が見える。
「みんな〜おまたせ〜!」
「遅いわよ日巡璃。」
「ごめんね!手間取ってて!」
「ん。早く行こ……」
「うん!」
日巡璃の腕に、そっと腕を絡ませる。
「?」
「……なんとなくよ。」
「そっか!えへへ!」
「む!私も!」
「どうしたのみんな?歩きづらいよ?」
「なんとなく……だよ!」
「なんとなくですね。」
「……??」