side槍田日巡璃
「日巡璃おねーちゃん!明日もうひとりのおねーちゃん帰ってくるんだ〜♪」
「…………え?」
突然の爆弾発言。カナと愛ちゃんもびっくりしてる。
寝る準備をするために布団を敷いてたら、部屋にいた千音実ちゃんが何事もなさそうにポツリ。
「お……お姉ちゃん!?天捻ちゃん1番上じゃないの!?」
「ん……?……1番上。……長女。」
……え?でも……天捻ちゃんと千音実ちゃんは2つ違いで……??
「……年子で3人いるってこと?」
「んーん。……ちなは学年……私の一個下。」
「…………えぇ????」
「ちな達は早生まれ……」
「……あぁ!そういうこと??」
だから2歳差ってこと??
「ややこしいわね。学年1個下って言えばいいのに。」
「ごめん……ね?」
「…………だとしたら……お姉ちゃんとは……双子ってことですか?」
「そうそう!愛おねーちゃん正解!」
双子……!!
「へぇ〜!……あ!じゃあ夏見せてもらった写真って……」
「ん。ちなじゃない。」
「…………あ〜……そんなこともあったわね。私たちが千音実と会って違和感が無かったのは一卵性だからって事ね。」
「そうでーす!一卵性双生児だよ!」
じゃあそっくりってわけだ……だからあの写真が別人でも全く違和感なかったんだねぇ……
「天捻様。そういうのは……」
「……ごめん。」
うーん……こればっかりは天捻ちゃんが言わないのが良くないよねぇ……まぁそんなに良くないことでもないんだけど。
「じゃあ今お姉ちゃんはなにしてるの?」
「友達の家にお泊まり!今日までだって。本当はおねーちゃん達に会いたがってたけど……予定がもうあったからって。」
「そっかぁ……噛み合いが悪かったんだ。」
「ていうか天ねぇ?捻瑠の事伝えてないのはどうかと思うよ??」
「むぅ……居る時に……言えばいいかなって……」
「「「……」」」
天捻ちゃんらしいね……
そのままみんなで川の字で寝て(千音実ちゃん付き)朝起きたら千音実ちゃんは居なくて。
多分朝ごはん作ってくれてるのかな?……私起きたの6時なんだけど……?千音実ちゃんの布団全然冷たかったけど??
千音実ちゃんのお手製朝ごはんを美味しくいただいた後、部屋でまったり。
「……そういえばさぁ天捻ちゃん。天捻ちゃんちの使用人さん?怖いね?」
「ん……そう?」
「わかる。なんて言うか……普通に近寄り難いわよね。」
「そうですね。多分ウチの系列ではないです。」
「ん。そう……だね。全部……パパのツテらしい。」
「…………天捻ちゃんパパって和菓子職人だよね?なんで怖い人たちと関わりがあるの??」
「……さぁ?」
知らないんだねぇ……本気で知らなそう。
ちなみにカナは今編み物してて、愛ちゃんは千音実ちゃんに教えてもらったレシピをノートに写してるって。
私?今千音実ちゃんに勉強おしえてるよ。
「すごいすごい!わかんなかったのに教えて貰ったらすぐわかった!日巡璃おねーちゃんすごい!!」
「そう?いっぱい頑張ったからね!」
「憧れちゃうなぁ……かっこいいなぁ……!」
「「「……」」」
3人とも。冷たい目線やめてね?
「「「お帰りなさいませ!!捻瑠様!!」」」
……ね……る?
「……あ!捻瑠帰ってきた!」
「ん。早い……ね?」
あー!昨日言ってた双子の片割れちゃん??
「捻瑠ちゃんっていうんだね。」
「ん。」
「捻瑠だいぶ口数少ないけど、絶対みんなと仲良くしたいから、あんまり警戒しないであげてください!」
「当然じゃない。警戒も何も天捻の妹だし。」
「口数少ないなら天捻様で慣れてます。」
「そうだねぇ。どうとでもなるよ♪きっと。」
「ひまねぇね〜……ウチも勉強教えて〜?」
ベタベタ……
「いいよ〜!どこがわかんない?」
「ここ〜……」
「ここはね〜……ん〜とね……」
えっと……
「カノねぇね〜……なにしてるの〜?」
「編み物よ。マフラー編んでるの。」
「へぇ〜……見てていい〜?」
「いいわよ。……あんまりくっつかないでくれる???」
「?」
あの……
「愛ねぇね〜……髪結って〜……」
「いいですよ。どんな気分です?」
「ん〜とね〜……あみあみして欲しい〜……」
「わかりました。じっとしててくださいね。」
「はぁ〜い。」
クール……とは??
さっき捻瑠ちゃんが帰ってきたんだけど……いや、第一印象は確かにクールだったよ??
千音実ちゃんと瓜二つだったけど無言だったし。だけど自己紹介と、付き合ってるって話したら……クールってよりかは……猫だよね。
ベタベタくっついて、甘えて、色んなところに愛想を振りまく……うん。猫だ。
千音実ちゃんは犬っぽいけど……なんだぁこの双子。どっちも可愛いな??
「ずるいずるい〜!私もおねーちゃん達に甘えたい!!」
「…………千音実だって〜……昨日はずーっと甘えてたんでしょぉ〜?……いいじゃーん……」
「いや!いや!まだ足んない!!」
「……それなら一旦日巡璃の膝から降りたら?」
「?」
私の膝の上にちょこんと座って首を傾げる千音実ちゃん。
「あはは…………」
2人ともスキンシップが激しいね?嫌じゃないけどさ〜♪
「千音実ちゃん可愛いね?よしよ〜し♪」
頭を撫でてあげると……
「〜〜♪」
自分から手に頭を擦り付けるようにしながら、するりするりと私の膝を枕にし始めた。
「えへへ〜♪妹の特権だもんね〜♪」
「……む。」
するとさっきまで愛ちゃんやらカナにベタベタしてた捻瑠ちゃんも私の近くに来て……私の膝に頭を乗せる。
「千音実。ズレて。」
「えぇ!?割って入んないでよ!!」
「私も〜……ねぇね〜……なでで?」
言われるがままに捻瑠ちゃんも撫でる。
「んふふ〜……至福〜……」
「……ひまひま……両手に花。」
「他に言い方あるよね?」
中曲瀬姉妹は……全員なんだかんだスキンシップが激しめです。
「日巡璃。甘やかすのも程々にね。」
「わかってるけどさ〜?兄弟がいないから……妹ってなんか可愛くてね〜?」
ついつい甘やかしちゃうんだよね。
「日巡璃ねぇね〜……」
「ん〜?どうしたの?」
「ウチね〜……彼女いるんだけど〜……」
「「「「!?!?」」」」
かの……じょ!?
「彼女にもこれ〜……してあげた方がいいかなぁ〜?」
「ちょ……捻瑠……?私……彼女いるの知らない……」
「あぁ〜……そうだねぇ〜……あまねぇねには〜……話してなかったかぁ〜……」
「えぇ!?言ってないの!?もう半年以上になるのに!?」
「ん〜……幸せだから〜……時間も早い〜……」
……最近の若い子は……すごいなぁ……
「……」
天捻ちゃん。絶句。…………妹が彼女いるってどういう気持ちなんだろ。
「いいと思うよ!彼女さんってどんな子なの?」
「……静かで〜……私の話聞いてくれて〜……唐揚げ分けてくれて〜……おしりが大きい子。」
「おしり……!?」
唐揚げ……?いやまずはおしりが大きい??それはいいことなの???
「……捻瑠は無類のしりフェチ。太ももも好き。」
「いえい。」
いや……ブイサインされても……
「……ひまねぇねのおしりもいいねぇ〜……」
「無許可で触ったら彼女が怒るからね?」
「うわぁ〜……こわぁ〜い……」
…………なんだかんだ怒られなさそうだけどね。