※この作品はR-18です。

きっと私のアカデミア   作:おいーも

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後悔

 

 

 

 

 

 

 

side槍田日巡璃

 

 

 

「……そうだ……おねーさんに……」

 

集合場所へと行く時、誰かに伝えないとと思いスマホを取り出す……

 

でもこれ以上動けない。

 

「…………でも……今日は……クリスマスパーティしてるって……」

 

……邪魔したくない。助けて欲しい。どうすれば……

 

 

私ができることは何。何が最適解なの……!?

 

「……璃?」

 

 

やっぱりマリアに言ってやめて貰えるように……

 

「……巡璃!」

 

 

だめ!やっぱり大人に頼って……!!

 

「日巡璃!!!」

 

続く腕への圧迫感。

 

「!!」

 

「どうしたの!何かあったの!?」

 

「カ……カナ……」

 

いつの間にか目の前にカナが居た……というか腕を掴まれていた。気が付かなかった。

 

 

「……日巡璃。どうしたの。何があったの。」

 

「…………」

 

 

ギリ……

 

言えない。カナを巻き込めないよ……

 

 

 

 

 

「日巡璃?」

 

 

……ううん。今ここで頼れなくて何がカナを大事にするだ!カナだっていっぱいいっぱい私を頼ってくれた!私がここで

カナを信用出来なきゃ……

 

 

「カナ!……あのね……」

 

私だって成長したんだ!!

 

ドンッ!

 

「あた!?」

 

「おっと!?」

 

急に背中に衝撃が!?ぶつかられた!?

 

 

 

後ろを振り返ると、男の人が倒れてた。赤いロン毛で赤いスーツ。めちゃくちゃ目立つ。

 

「日巡璃!大丈夫?」

 

「大丈夫だよ!それよりも……」

 

 

シャカシャカシャカ……

 

何この音……なにかの曲?

 

 

よく見ると男の人のズボンのポケットからコードが伸びている……先にはヘッドホン。

 

音漏れ?まぁつけてないから漏れるのは当然だけど、ここから聞こえるってことは相当爆音だよね。

 

 

「いやぁ〜すまない!好きな曲なんだ。聞いていたら夢中になってしまってね!」

 

男の人が軽やかに立ち上がり、ヘッドホンを首に下げる。

 

 

「……!」

 

あの動き……何処かで……

 

 

「ん〜?君…………まぁいいか!」

 

男の人は私の顔をちらっと見たあと、興味を無くしたように視線を逸らした。

 

 

「すまないね!時間を使ってしまったみたいだ。怪我は無いかい?」

 

「はい。大丈夫です。」

 

「うんうん。なら良かった。僕もこれから用事があってね!直ぐに行かなくちゃならないんだ。」

 

「そうなんですね。」

 

「って言うことで。アデュー♪良い日々を!」

 

 

スポッとヘッドホンを耳に嵌めて、また男の人が歩き出した。

 

男の人の腰に……鞭?なんで??

 

 

「……変な人。」

 

「……あれ……郷愁(きょうしゅう)のサリナじゃない?」

 

「郷愁のサリナ?」

 

「あの人がじゃなくて……あの人が聞いてた曲。」

 

「……そんな曲あるんだ?」

 

「サビくらいは聞いた事あるはずよ。有名な曲だし。」

 

「へぇ〜…………」

 

 

郷愁のサリナ……

 

「とりあえず早く帰りましょ。集合時間過ぎてるわ。」

 

「う……うん!!」

 

あの動き……何処かで見た覚えが……??どこだったかなぁ……??

 

 

 

 

 

「……マリア……」

 

「!!」

 

後ろを振り返る。

 

……誰もいない……?マリアって聞こえた気がしたけど……

 

 

「どうしたの?」

 

「…………なんでもない。」

 

さっきみたいなことがあったから……敏感になってるのかな。よくわかんないけど。やっぱり話そう。話した方がいい。

 

 

「歩きながらでいいんだけどさ……」

 

「何??」

 

カナの手を握る。今だけ。少しだけでも……勇気を分けて欲しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side???

 

 

 

「ふぅ〜ん……?あれがマリアのお気に入りちゃんか……」

 

独り言は程々に、人混みを避けて目的地へ。

 

「ガス。遅いわよ。」

 

「君が開始を伸ばせって言ったんじゃないか。それに……まだこっちが終わってない。」

 

ヘッドホンを指でカツカツと叩く。

 

 

「……めんどくさいわね。」

 

「僕の美学だ。邪魔しないで貰えるかな?」

 

「当然。」

 

「逃走経路は?」

 

「把握済み。もう封鎖してる。」

 

「ベリーグッド♪じゃあ……はじめちゃおうか♪」

 

「早くしなさい。ヴィから催促が来てるわ。」

 

「はいよ。」

 

 

腰から鞭を取り出す。僕の獲物。

 

バチィッン!!

 

ん〜♪いい音色だ♪

 

「……革命万歳。凡庸社会に芸術的な死を♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side槍田日巡璃

 

 

 

「……」

 

「それ……本当……!?」

 

 

カナに話した。マリアと会ったこと。マリアに言われたこと。全部。全部。

 

「日巡璃!!」

 

 

少しだけ……怒られると思った。でもそれは杞憂で。

 

 

 

ぎゅっ……

 

カナに力強く抱きしめられた。

 

「……無事でよかった!ごめんなさい……1人にして……」

 

「うん……大丈夫……大丈夫だよ。」

 

「良かった……本当に……っ!」

 

 

カナがスマホを取り出す。

 

 

「愛!天捻は居るわね!?」

 

『〜〜!!』

 

「日巡璃がまたマリアと接触したわ!今すぐ来れるかしら!!」

 

『〜!?〜〜!!』

 

「ありがとう。場所は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢様!!」

 

「ひまひま!」

 

通話を初めて数分。愛ちゃんと天捻ちゃんが来てくれた。

 

私はというもの、一旦近くのベンチにカナと座ってふたりを待っていた。

 

 

「えへへ……ごめんね?」

 

「ご無事で何よりです!やはり同行した方が……」

 

「……怪我……ない?」

 

「大丈夫だよ!」

 

「はぁ……私たちの腑抜けた考えが嫌になるわね。」

 

「そうですね。反省です。」

 

「……ん。」

 

「そんなことないよ……」

 

 

「それは違います。お嬢様……彼女らは何やら不思議な個性で移動ができる。のであれば……日本全国が活動範囲と考えておかしくありません。」

 

「ん。それを……配慮できなかったのが……だめ。」

 

「……」

 

 

みんなが悲しんでる。……私は何も言えない。だって原因を作ったのは私だから。

 

 

 

「それよりも日巡璃……本当に無事でよかった……」

 

カナが私の手を両手で包む。温かくて……少しだけ緊張が緩む。

 

 

「みんな……ありがと……」

 

ドゴオオオオオオン……

 

「「「「!?」」」」

 

 

爆発音!?近い!!

 

 

 

「何がっ!?」

 

「もしかして……マリアが!!」

 

 

悲鳴と怒声。そして爆発地点と思われる場所から逃げ出す人々。

 

人の波。移動すらままならない。

 

 

「こんなの!」

 

「行けない……ね。」

 

「お嬢!!」

 

 

天捻ちゃんの使用人さんたちも現れて、向かうことすら許されず、私たちは現場から避難することに。

 

結局何も出来ないまま……何かが起きてしまった。

 

 

知っていたのに。予めわかっていたのに。誰かに伝えることが出来たら被害が抑えられたかもしれないのに。

 

私が……強かったら。もっと。もっと強かったら。

 

 

何度後悔しても、目の前の炎は消えない。

 

 

「もっと……力が……欲しいよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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