side槍田日巡璃
「「……」」
テレビの前で胡座。その中に天捻ちゃん。
『私負けない!みんなの夢を守るために!!』
『ふん!やれるものならやってみろ!世界は絶望に染まるんだよ!!』
へぇ〜……これがプリユア……
「……面白いねぇ。」
「ん。……最&高。」
女児向けのアニメだと思ってたから……なんて言うか……新鮮。
「日巡璃は見たことないの?」
「ん〜……多分見た事あるとは思うんだけど……記憶が薄いなぁ?」
「最近の女児アニメは親子で見るケースが多いらしく、大人でも楽しめるようにと作られているらしいです。」
「へぇ〜……だから面白いんだ。」
「天捻はずっと見てるものね?」
「ん!オタク。」
「そうなんだ?」
知らなかったなぁ……?
「ふふっ。お嬢様は興味ないことには全く無関心ですからね。お茶をどうぞ。」
「ありがと!……ってかそれもしかしていじってる??」
「彼女の興味あるものくらい興味持ちなさいってことよ。」
「むぅ〜……そうだね。」
言われてみなくてもそう。
はっ……私ってもしかして彼女への愛が足りない……!?まずい!このままいくと……浮気されちゃう!?!?
「みんな!愛してるよ!!」
「「「??」」」
そんなのヤダヤダ!!みんなに嫌われたくないよ!!
「とは言ったものの……」
みんな基本的に私にくっついてるから趣味も何もあんまりしないんだよね。
だって。ほら。
「日巡璃〜もっと撫でなさいよ。」
「ひまひま……いい匂い……ぬくぬく……」
「お嬢様。なにか必要なものはございませんか?」
……ね?
時々カナがSwitchでゲームしてたり……天捻ちゃんが本読んでたり……愛ちゃんが編み物してたりするくらい。
Switch持ってないし、天捻ちゃんの本は……なんかえっちなのあるし、編み物は手が……ね?
興味はあるけど手が出せないんだよねぇ〜……どうしたもんか。
「おねーちゃん達は宿題終わったの?」
今日も千音実ちゃんと捻瑠ちゃんは部屋にいます。手元には飲み物が入ったマグカップ。私があげたもの。もう使ってくれてるんだ。嬉しいなぁ♪
「終わった。」「終わったよ!」「終わったわよ。」「終わりました。」
「……すご〜い。」
とか言いつつ千音実ちゃんも捻瑠ちゃんもあとちょっとで終わるじゃん。
「それよりもさ。捻瑠は部活大丈夫なの?」
「ん〜……もう引退したし〜……いいかな〜って。」
「部活?何やってたの?」
「バレー。」
「バレー!!……似合う!」
「ん〜……そう?嬉し。」
ちょっと顔を赤くする捻瑠ちゃん。
「……可愛いねぇ。」
「日巡璃。口から出てるわよ。」
「え!?」
「捻瑠は……全国大会にも……行ったことある……」
「え!?すご!!」
「……褒めないでよ〜……」
「ポジションは?」
「リベロ。」
「リベロ……!かっこいいねぇ!!」
リベロってあの1人だけ色が違う人だよね!レシーブ専門だっけ?
「かっこよくないよ〜……スパイク打てた方が……かっこいい。」
「そうかなぁ?私捻瑠ちゃんがレシーブ上げたら全力で応援しちゃうかも!」
「えぇ〜……そう?」
「日巡璃はお世辞言わないわよ。」
「言えるほど……性格が悪くない……」
「……そっか。……ありがと。ひまねぇ。」
……可愛い。
照れてる顔って可愛いよねぇ……庇護欲というか……抱きしめてあげたくなるというか……
「千音実ちゃんは?」
「私ですか?私は帰宅部です。友達いないので。」
「「……」」
堂々と言えることじゃないと思うなぁ……?
「ん。私も……帰宅部だったし……」
「私もです。」
「いやっ……あの……そういうことではあるんだけど……そういうことじゃなくて……」
なんていえばいいかなぁ!?フォローの方法がわかんないや!
「……でもそうすると……中学時代部活入ってたのは私と捻瑠だけか。」
「え!カノーテスおねーちゃん部活何やってたんです!?」
「合唱部。」
「「凄!!」」
前言ってたよね〜。合唱部でソプラノだったって。
「日巡璃おねーちゃんは帰宅部でした?」
「そうだね〜。いじめられてたし。」
「「……」」
「?」
なんか空気が……
「日巡璃。あんたが悪いわ。」
「え??」
「ひまねぇ〜……やっぱそいつら今からでも殺さない?」
「うん。不快だよ。今でも息をしてるのが嫌。」
「……」
私が悪いか。
「……すごいよ!全問正解!!」
「やた〜♪」
「「「……」」」
えぇ?捻瑠ちゃん本当に勉強できなかったの??
「言ったじゃないですか。捻瑠はやる気出したらすごいって。」
「ぶいぶい〜♪」
やる気出したらって以前に……以前に関してはやって無さすぎじゃないの??
捻瑠ちゃんにいくつか問題を出したんだけど、全問正解。本当に赤点ギリギリの子なの??
「今までは……彼女と同じ学校行きたかったけど〜……今はねぇね達と同じ学校行きたい〜……もっと頑張る〜……」
「そっか!一緒に頑張ろうね!」
「うん〜♪」
「……そういえば……捻瑠は……ヒーローになりたい……の?」
天捻ちゃんがポツリ。捻瑠ちゃんの夢は……確かに聞いたことがない。
「…………うん〜……だって〜……ヒーローってかっこいいじゃ〜ん!」
かっこいいからヒーローになりたい……普通だ!
「単純ね。」
「理想なんてあとからいくらでも突き詰めれますよ。」
「だからね〜……頑張るよ〜!」
「そうだね!一緒に頑張ろ!」
捻瑠ちゃんはやる気に満ちてる。この調子なら行けそうだね!雄英高校!………………多分!
「…………」
side中曲瀬千音実
「……ねぇ。捻瑠?」
「どしたの〜?」
「さっきのあれ……嘘でしょ?」
「……バレた〜?」
「当然じゃん。双子だよ?」
「んふふ〜……だって〜……ねぇね達〜かっこよかったから〜……」
少し頬を赤く紅潮させ、両の手を頬に添えて体を震わせる捻瑠。
「…………わかる。」
捻瑠が裏切られた時……私は何も出来なかった。でも……
『何があったか無理に話さなくてもいいけど……辛いことがあったら共有して欲しいな。……だって義理とはいえ将来のお姉ちゃんだしさ?』
『捻瑠。日巡璃だけじゃないわ。私もあなたのお姉ちゃんよ。心配かけるななんて言わないから、楽しいことしましょ。いくらでも付き合ってあげるわ。』
『捻瑠と……目だけじゃなくて……女の子が好きなのが……一緒で嬉しい……!』
『捻瑠だけじゃない……ちなも…………最近女の子のこと……好きになって来てるもんね?』
『ね?…………だから……また……みんなで……一緒だね?』
スっと。何事もなく救って見せた。まるでそれが当たり前のように。
かっこよかった。うん。本当にかっこよかった。
「でもさ……」
「ん〜?」
「こんなことしてたら……怒られちゃうよ?」
「共犯者〜♪」
私たちが背を預けてる扉の向こうから聞こえる肉と肉がぶつかる音。それと声。
今日もおねーちゃん達は元気です。
……こんなの……良くないよ……良くないんだけど……
「……ねぇね達……気持ちよさそうだね……」
「…………うん。」
「羨ましい……ね?」
「…………でも……おねーちゃんたちの邪魔はできないよ。」
「うん〜……だから……高校生までの……我慢だね〜?」
「そう…………だね……」
「楽しみ〜……んふふ♡」
刺激が強いというか……それでも求めてしまうのは人間の性。興味も欲も我慢できない。きっとあの時の光景も、今の音も忘れられない。
「「……♡」」
いいなぁ……♡♡