side槍田日巡璃
「捻瑠先輩!何かあったら言ってくださいね!」
「ウチらは捻瑠先輩の味方っス!!」
「皆にも言いふらして終わらせますんで!」
と、後輩ちゃんたちは去っていった。
「血の気ェ〜…………」
慰めるとかじゃなくて報復の方にシフトできるの強すぎる。私はそこまで強くないから。彼女の事以外。
「……」
あれ?似たようなものか??
「お嬢様。暖かいお茶をどうぞ。」
「ありがとぉ〜……ふーっ……ふーっ……ズズ……」
愛ちゃんは私のために暖かいお茶の入った水筒を用意してくれてる。……愛だねぇ……暖かいよ〜♪
「おいしぃ〜……ポカポカだぁ〜……」
「生姜茶です。体の芯から温まりますよ。」
「ほえぇ……だからちょっと味違ったんだ。ズズ……愛ちゃんの真心を感じるよ……ふーっ……ふーっ……」
猫舌だけど、愛ちゃんがいれてくれたお茶。残すわけにはいかんのです。
「お嬢様……!熱かったら残して良いですよ?」
「やーだ。」
「お嬢様……♡」
ボッ!
「わ!?なんかピンク色の出たよ!?」
「あいねぇ〜?だいじょぶ〜?」
そういえばふたりとも見るのは初めてだっけ?愛ちゃんの個性。
「あれは愛の個性よ。日巡璃への愛が溢れてああなってるの。」
「「へぇ〜……」」
「ふ〜♪美味しかった!ありがと!愛ちゃん!」
「お嬢様!私めは大変嬉しゅうございます!お嬢様とお会いできて幸せです!」
「大袈裟だよ〜。……これからもっと幸せになるよ?」
「はぁああっ!!お嬢様!!」
ボボボッ!
それみんなびっくりしちゃうよ〜?
「……ほけ〜……」
綺麗な服いっぱいだなぁ〜……
「日巡璃おねーちゃん。……もしかしてつまらない?」
「あっ!いやそんなことないよ!楽しいよ!」
次来たのは近くの服屋さん。結構大きめで……中曲瀬姉妹もお世話になってるらしい。
ちなみに私は今、お店の中のベンチで一休み。
「……なんだろうなぁ……私が着れて可愛い服ってあんまり無いからさ〜?服屋さん来ても眺めてるだけになっちゃうんだよね〜。」
「あぁ〜……なるほど。」
でも最近のデザインも可愛いよねぇ〜……勉強になります。
「でもね〜……」
「?」
視線をとある場所に向ける。
「カノーテス様。こちらとか似合うんじゃないですか?」
「これ〜?なんかセクシー過ぎない?」
「お嬢様はお好きですよ?」
「……ふーん?」
「かのかの。単純。」
「うるさいわね。そういう天捻だって……何買ってるのそれ。」
「スケスケ。……えっちでしょ?」
「そんなのも売ってるの??」
「お嬢様が着れる服もありそうですね。」
「着れる服はあっても好みじゃないとねぇ〜……」
「たしかに……ひまひまは……可愛いのが好き。」
「何着ても可愛らしいと思うんですが……勿体ないです。」
「探してみない?日巡璃に買ってあげましょうよ。」
「いいですね。先に見つけた人の勝ちという事で。」
「まけない。」
みんなが散開。あーあ。可愛かったのに……
「んふふ〜♪」
「おねーちゃん嬉しそうだね!」
「うん!みんな嬉しそうで本当に嬉しい!」
「ひまねぇね……不思議。」
「そうかな?」
不思議……かぁ。でもなんとなくわかる気がする。
「……………………多分だけどこれが愛なんだろうね。」
「「愛?」」
「うん。相手の行動言動一つ一つが愛おしくて、見ていて飽きなくて。きっとそれってすごく幸せなんだと思う。」
いくら体を重ねても、心を開いても、全て許して愛せる関係って幸せだよ。ありがとね。みんな。
「わぁ〜……羨ましい〜!ね?千音実?」
「ん……ま……まぁね!」
「んふふふ♪2人も出会えるといいね?」
「はい!」「うん〜♪」
妹ちゃん達にも……誰だって。きっと幸せはあるよ。
「日巡璃!ちょっとこっち来て?」
「はーい♪」
……それは多分……敵にも。
side マカーブル・ペザントゥール・マリア
ガチャ……
「ただいま戻りました。」
誰も返事のない部屋に一言。
そのままベッドに身を投げる。
はしたないのは重々承知。でも……
「……やはりコレは疲れますね。」
ヴィの個性……まぁそれを受け入れたのは私なのですが。
ヴィ曰く今回の戦果は上場。我々の魔の手が少しづつ社会に歪みを与えてる…………との事。
くだらない。
「…………興味無いわ。そんなこと。」
私の求める先は……
「……」
顔を少しだけ動かして、私の部屋の机の上に視線を。
そこには写真立てに飾られたふたつの写真。
ひとつはラクネラ。私とラクネラが写っている大きな写真。あれは……半年前のやつね。初めて……この組織に入って良かったと思えた。
初めて守りたいものが出来た。
それと……
もうひとつの写真。私とラクネラ以外に、嫌な顔してる子が写ってる。
「んふっ……♪」
日巡璃ちゃん……♡
あんなに私の事警戒してるのに……あんなにひよこちゃんみたいだったのに……
ジュリアに勝ったと言うだけで少し興味があったんだけど……体がボロボロで色んなところから血が吹き出してると言うのに、私の重力を浴びてもなお立ち上がる強さ。
そして文化祭で見せた聡明さ。己を人質に置くことでお互い何も出来ない、何もさせない空間を作り出した大胆さ。
そして……成長の速さ。このあいだ会った時は……私の事知ろうとしてくれた。それだけで……♪
「ふふふふっ♡」
私を殺してくれるヒーロー♪見つけちゃったから♡
もっともっと強くなってもらって、きっと私を愛しに来てくれるはず……♡
幸せ……本当に♡
でも私……日巡璃ちゃんの事あまり知らないわ?それって一方的よね?
「……そうだ♡」
日巡璃ちゃんの事いっぱい知ろう♪日巡璃ちゃんは私を殺すために強くなってくれる♪私は日巡璃ちゃんの事をいっぱい知って、より仲良くなれる♡
それってすっごく素敵じゃない?
「あはっ♡」
そうと決まれば善は急げ。やることはいっぱいある!
「素敵素敵♪私って天才ね♡」
だって……私の事殺せるくらい強くなれば……
もう誰にも命を奪われないでしょう?
「……だから……ね?」
好きよ♡日巡璃ちゃん♡