side槍田日巡璃
「カナ!誕生日〜……」
「「「「おめでと〜!!!!!」」」」
「ありがとう♪」
ということで、夜は家族水入らずで誕生日パーティをするらしいので、お昼の間はカナをお借りしてこっちで誕生日パーティを!
「ケーキはおうちで食べると思うから、別の甘いものと美味しいものいっぱい用意したよ!」
「あら?そうなの?……嬉しい♡」
「ならいいんだけど…………座る場所はここでいいの?」
ちょこんと私の膝の座っているカナ。
「嫌?」
「ううん?おしり痛くないかなって。」
「ぜんぜん?私は少しでも日巡璃とくっつきたいの。」
とカナは全体重を預けてくる。私の胸がちょうどよく頭置きになってるみたい。
「そっか♪」
「うふふ。せっかくのパーティやから私らともお話しまひょ?」
「そうだぞ〜!せっかく仲良くなったんだからな!」
憂世ちゃんと海鈴ちゃんが話しかけてきた。
寮に残ってたのは私たち以外に、憂世ちゃん、海鈴ちゃん、福ちゃん、神奈月ちゃん。
引子ちゃんは実家に。茜ちゃんは安毛ちゃんの家にお呼ばれだって。仲良しだね?
「それもそうね。日巡璃とは……またいーっぱいお話すればいいしね?」
「うん!」
「……ま。ここから動く気はないけど♪」
「それはそれとしてね??」
もう定位置みたいです。
「そういえばみんなは実家に帰らなかったの?」
「私は……まぁ今年も実家が忙しそうやし……別にええかって話になったんやよ。」
「そうなんだ?」
「圖書様のご実家は……?」
「神社どす。」
「…………京都の神社って凄そうだね……」
「あはは……せやなぁ。やけん帰らなかったのもあるんよ?」
「サボりだ〜?」
「んふふ〜♪」
憂世ちゃん……悪い子だ……!
「海鈴ちゃんは??」
「なんとなく!歩いて帰れる距離だし!」
「え?」
「…………じゃあ泡沫はなんで寮暮らししてるのよ?」
「両親共働きでさ?しかも日本全国ブイブイ言わせてるもんだから……あんま実家にいねぇんだ。だったら寮の方が楽しいよなって。」
……泡沫ちゃんは……もしかしたら天気ちゃんみたいになってたかもしれないね。
「結果的に楽しいから良かったぜ?今年も両親年末居ねぇみたいだしちょうど良かったよ!」
あっけらかんとしてるけど……寂しくないのかなぁ?
「ん……であれば……良かった。」
「ふっふっふ!これからも仲良くしてくれよな?」
「当然だよ!」
「当然じゃない。これからも仲良くしましょ?」
「やったぜ!」
「神奈月ちゃんと福ちゃんは……確かインターン行ってたんだっけ?」
「そうね。師匠の元に。」
「いい経験値になった。カンナちゃんのおかげだよ♪」
大・爆・殺・神・ダイナマイトの所かぁ……福ちゃんもOKだったんだね?
「面白い話も聞けたんだよね〜。」
「面白い話?」
「うん。ブラッドロータス先生がダイナマボコってた話。」
「「「はぁ!?」」」
おねーさんが……大・爆・殺・神・ダイナマイトを!?……そういえば職場体験の時そんなこと言ってたような気が……??
「学生の頃とはいえ……師匠が何も出来なかった初めての相手だって。」
「しかも手加減されてたんでしょぉ?……考えらんない。」
「「「……」」」
おねーさんがすごく強いのはわかってたけど……それ以上におねーさんの言っていたことと、大・爆・殺・神・ダイナマイトのヒーローとしての存在が言葉を詰まらせる。
殺しをしてきたヒーローが……後のトップヒーローを育てた。…………この事実は……世間が認めるだろうか。易々言っていいことでは無いことは私でもわかる。
天捻ちゃんに視線が行く。
…………天捻ちゃんはどう思ってるんだろう。
「でも……」
と、神奈月ちゃんが口を開く。
「師匠は言っていたわ。『俺が立派なヒーローになるために正してもらった。恩人のひとりだ。』って。」
「……!」
恩人…………
おねーさんはいつだって当たり前のように人を助けてしまう。救ってしまう。たとえ相手が元敵であっても。
おねーさんの事務所には元敵の人がいる。ナガンおねーさん。調べたら出てくるんだけど……ここでは蛇足だからやめておこう。
素行の悪い(想像)大・爆・殺・神・ダイナマイトだって、元敵のナガンおねーさんだって流水おねーさんに感謝してる。
どうしても救えない奴がいるって言ってたけど……ソレはきっと最終手段なのかもしれない。……私は……おねーさんを少しだけ知れた気がした。
「……いい話じゃない。」
「うん。あのダイナマが恩人って言える人すごいと思う。」
「そっち???」
「まぁ……師匠は言動は悪いから……」
「でもなんかいいよな!恩人って響き!!めちゃくちゃかっこいいじゃん!」
「そういえば海鈴は宿題終わったの?」
「………………」
ぷいっと明後日の方向を向く海鈴ちゃん。
「……手伝おうか?」
「いいのか槍田!!!」
「ダメ。槍田は人を甘やかしすぎ。」
福ちゃんが、飛び込んでくる海鈴ちゃんの首根っこを掴んで、ジト目を向けてくる。
「えぇ〜……そうかなぁ?」
「甘やかした結果がそこの4人でしょ!?」
彼女たちを指さす。
「「「「??」」」」
「無自覚なの怖……!?」
「……日巡璃はこんなものでしょ?」
「今日いっちばん甘やかされてるやつがなんか言ってる!!」
「お嬢様はそういう所も素敵なのです。」
「コイツ…………全肯定しか居ないのかよ……」
私どちらかと言ったら甘やかされてる方だと思うけど……??
「福も甘やかして欲しいの?」
「ふぇぁ!?」
スススと福ちゃんの横に擦り寄ってきた神奈月ちゃん。
福ちゃん顔真っ赤だ……なんかわかるなぁ。私も最初そんな感じだったもん。…………今でも?うるさいよ!
「なんかすごい声したよ??」
「うるさい!!」
「甘やかしてあげようか?……ね?福?」
「う…………う…………こっここではダメ!!!」
「「「……」」」
「ふふ……じゃあふたりきりの時に……ね?」
「!!」
ボッと音を立てて湯気が上がったような気がした。福ちゃん……可愛いね。こりゃ神奈月ちゃんが夢中になるのもちょっとわかるなぁ。
ハッ…………日に日に女の子好きに染められてる気がする。非常にまずい。
こんなこと彼女たちに察せられたら終わってしまう……
「カナ!プレゼントあげたいからちょっとどいてもらっていい??」
「…………欲しい気持ちと……まだくっついてたい気持ちがせめぎ合ってるわ。」
「えぇ??」
「お嬢様。私がお取りしますよ。」
「ごめんね〜?」
「…………愛が言うこと聞いてくれるのなんか気分いいわ。」
「……叩きますよ?」
「ん??」
「「仲良しよ!」です!」
「ならよし。」
「…………なんだかんだ槍田はんって手綱握ってるんやなぁ……」
「鬼嫁だ。鬼嫁。」
「カタツムリ嫁じゃない?」
「語呂悪……」
なんかみんなごちゃごちゃ言ってるけど無視無視!
とりあえず……
「はい!カナ!誕プレだよ〜♪」
「開けてもいい?」
「うん!」
カナの包装の開け方綺麗だよねぇ……私ならぐちゃぐちゃにしちゃうかも。
「……!これ……リボン……?」
「うん!カナ良くリボンしてるでしょ?だから頑張って刺繍したんだ!」
「この刺繍……日巡璃が………………嬉しい…………ね?つけてもいい?」
「うん!いいよ!」
「…………ね?日巡璃がつけてくれない?」
「えぇ!?いいの!?……ていうか多分下手くそだよ!?」
「いいの。最初は日巡璃がいい。」
なんか……ちょっと恥ずかしい。
「…………じゃ……じゃあ失礼して……」
今日のカナの髪型はポニーテール。毛量すごいけど結べてるのってメイドさんの技なのかなぁ?
リボンを解いて……不肖槍田日巡璃!初めての髪留め!行きます!!
「…………ごめんねカナ……下手っぴだった……」
リボンはズレてるし……ポニーテール出来なかったからローポニーってやつになっちゃった……
「…………」
カナが鏡を見ながら確認してるみたい。
「嫌だったら解いてくれていいよ……?」
「……絶対やだ。……ありがとう日巡璃。宝物にするわね?」
「……!……うん!!」
ちなみに愛ちゃんはすごいところの調理器具を、天捻ちゃんはなにかの本を、佳舞ちゃんは小包を渡してた。
……愛ちゃんはともかく、ふたりの誕生日プレゼントはなんだったんだろ?ちょっとだけ気になる。
天捻ちゃんの誕プレ
寮限定槍田日巡璃プロマイド
佳舞ちゃんの誕プレ
超小型発信機