side槍田日巡璃
「それじゃ……52位までの人は集まって。」
障害物競走も終わり、本選が始まる。
「次の競技は騎馬戦。」
「騎馬戦!運動会では誰も組んでくれなかったから……初めて!」
「「「…………」」」
……あれれ???
「……日巡璃大丈夫よ。今年は私達がいるわ。」
「お嬢様。もう決して1人にしないです。」
「ひまひま……今日は頑張ろう……ね。」
「え?え??」
みんなから生暖かい目が……そんなつもりじゃ……
「……それじゃルールを説明するよ。皆……障害物競走の順位毎にポイントを割り振るんだ。最下位から5ポイントづつ。52位が5ポイント。51位が10ポイント……みたいにね?それで4人組を作ってもらって、合計点数が書かれた帯を付けてもらう。」
へー……じゃあ私は……5位だから…………えっと……240ポイント?ひぇぇ……すごいポイントだ……。
「そのポイントを持ち寄って4人で騎馬戦をしてもらうよ。点数が書かれた帯を奪い合ってね。騎馬の組み方は自由。4人が組んでればOK。戦闘中に落馬しても、帯を取られても時間いっぱい動いていいよ。最終的なポイントで高いチーム4つが次の本選に向かえる……と言った感じかな。」
へぇ〜。じゃあチームの組み方も大事だね。作戦も考えないと。
「あ〜そうそう。言ってなかったけど、1位だけ100万ポイントだから。」
「「「え!?」」」
ひゃ……100万!?とったもん勝ちじゃん!!
……でも1位って……
「……。」
無神さん……だよね。うーん……個性が把握できてない以上……突っ込むのは得策じゃないよねぇ?
「じゃあチーム作ってね。時間は10分。よーいドン。」
「日巡璃。」「お嬢様。」
「「一緒に組みましょう。」」
「!…………2人とも…………ありがとう!!」
カナと愛ちゃんを抱きしめる。
「当然でしょ?一緒に勝ちましょうね。」
「お嬢様!感無量でございます!!」
えへへ……嬉しいね!一緒に勝とう!
「ひまh……」
「ねぇ中曲瀬さん。」
天捻ちゃんが知らない人に話しかけられてる。多分普通科の人。
「……どうしたの?」
「一緒に組まない?同じ普通科なんだしさ。」
「…………。」
天捻ちゃん……どうするんだろう。
「…………ごめん。」
「え?」
「私……絶対にヒーロー科になりたいから。……この人達と組むよ。」
天捻ちゃんに指をさされる。
「…………天捻ちゃん。」
「……そっか。いっぱい努力してるもんね。……頑張ってね?」
「ん。……ありがとうね?一緒に頑張ろ。」
「ふふっ。そうね。」
普通科の人は去っていった。
「…………天捻ちゃん。いいの?」
「ん。大丈夫。……私は……勝ちたいから。皆だったら絶対勝てる。」
「……そっか。」
「天捻。絶対勝つわよ。」
「ん!」
えーっと……?じゃあ私達のチームは……カナと天捻ちゃんと愛ちゃんだよね。
「皆。点数いくら?私240。」
「私235。」
「私は230です。」
「私は……190。みんなよりちょっと低い……ね。」
「そんなことないよ。頑張ってるの知ってるんだから!」
「天捻。低いとかいいの。勝てばいいんだから。」
「……ん!」
「お嬢様。合計点は895点ですね。……だいぶ高いです。」
「そうだね。5、6、7位が全員手を組んでるわけだし……狙われるかも。」
さすがに多勢に無勢になりそうだなぁ……。
「大丈夫。……みんなは私が守る……よ。」
そっか。天捻ちゃんの個性なら守れる……
「…………だったら天捻ちゃんが帯持てば?」
「え?」
「そうですね。お嬢様と私は身長もあって絶対に上にはなれませんから。」
愛ちゃんも身長高いもんね〜。170くらい?
「……わかった。私が帯……持つよ。」
「うん。……騎馬の組み方だけど…………。」
皆カナに目線が行く。
4人の中で最低身長。自称154cmの天捻ちゃんより目に見えて小さいから相当低いよね。
「……何よ。」
「3人で組むのバランス悪いですね。」
「なによ!悪かったわね!!」
どうしたものか……
「…………あっ。じゃあさ!」
「「「?」」」
『位置に着いたな!それじゃ始めるぜ!Lady……Go!!』
始まった!よーし……
「まずは待機だね。」
「はい。お嬢様。」
「…………ほんとにこれでいいの?」
カナからの当然の疑問。
「大丈夫大丈夫。まずは静観。クリアギリギリにいっぱいポイント持ってる人を狙おうね。」
「ん。それまで私が守る……よ。」
私達の騎馬は、私が愛ちゃんの肩に手を置いて、腕に天捻ちゃんが乗ってる形。じゃあカナはどこかって?私の殻の上に乗ってる。
固定砲台のカナ。機動力の私達。守りの天捻ちゃん。
「よーし。皆〜。ゆっくりカナの玉集めながらウロウロしようね!」
「ええ!」「ん!」「はい!」
相手の個性が不明な以上、むやみに攻めるのはダメだよね。
責めるタイミングだけ……しっかり見図ろうね。
side???
「被身子ちゃーん。どう?」
「流水さん!今騎馬戦ですよ!」
私はみんなの席に顔を出す。
「仕事は大丈夫なのかい?」
ナガンさんは人形つついてる。それ3年前くらいに私が誕生日プレゼントにあげたやつだよね?まだ持ってるんだ……。
「今はね。休憩時間だから。」
「そうなんだ?……件の日巡璃ちゃんはじっとしてるよ。」
ふーん?……賢明だね。
「ブラッドロータス様。紅茶入れますよ。」
才子ちゃんが自前の水筒で紅茶を注いでくれる。
「ありがと〜!……ズズッ……おいし。」
「流水ちゃん。お弁当どうする?」
「え〜!冬美さんのお弁当美味しいからなぁ……でも時間あんまり無いから持っていくね?」
「うんわかった!用意しとくね。」
「ありがと〜。手煩わせちゃってごめんね?」
「いいよいいよ。したくてやってるんだし。」
「む〜…………流水さーん?私の隣空いてますよ?」
「えへへ。ありがとね?」
被身子ちゃんのむくれた顔……可愛い。被身子ちゃんの隣に座る。
「……さーて。」
どんな感じかなぁ〜………………
「やっぱすごいねあの子。」
「そうですねぇ。無神さん……でしたっけ?」
今や彼女は1001720ポイント。既に何人もポイントを奪って独走状態。いやぁ……無神さんすごいね。こりゃ注目を集めるわけだ。
「……2位は……頑張ってるけどあの男の子達のところだよね?1380ポイント。」
「そうですね。……というか……全員無神さんがすごすぎて逃げれるチームは逃げの一手になってます。」
「こんな一方的な試合も珍しいね。」
「例年の体育祭ではもう少し点差が無いものですが…………。」
「…………それだけあの子が強いのか…………」
もしくはダークホースが動いてないだけか。
「それに人数も多いですね?」
「そうだね。雄英の入試じゃ測れない個性の強さってあるから、それを探すために枠を開いたらしいけど……」
今行われてるのは無神さんによる一方的な蹂躙。……うーん……どう攻略するんだろうね。
「……流水さん。多分……」
「うん……そろそろ動くね。彼女たち。」
「やっと動くのかい?じゃあしっかり見といてあげようかね!」
ナガンさんが人形を弄るのをやめて競技場を見やる。
「ナガン様。そういうのは最初から見ておくものですよ。一応知人なのですから。」
「だって動いてないのに何言えばいいかわかんないだろ。頑張ってるのはわかるんだ。いくらでも褒めてやるさ。」
「……なんだかんだナガンさんって日巡璃ちゃん好きですよね?」
「可愛いものはなんだって好きだよ。」
へぇ……ナガンさんの中で日巡璃ちゃん可愛い判定なんだ。……まぁ可愛いけどね。
「……試合終了まであと1分切りましたね。どうなりますかね。」
「そろそろ動くんじゃなーい?日巡璃ちゃんなら4位どころか色んな人のポイントかっさらって2位とかにまで上がりそうだけど。」
「流水さんは日巡璃ちゃんのこと信頼してますね。」
「……当たり前じゃん。愛弟子だよ?」
「……それもそうですね?」
愛弟子信頼しない師匠が居てたまるものですか。
被身子ちゃん程信用してるわけじゃないけどね。
「流水ちゃん。お弁当用意できたよ。いっぱい食べてね?」
冬美さんから小包をもらう。
「うわー……楽しみ!……っと……そろそろ時間なので失礼しますね?」
「ブラッドロータス様。紅茶差し上げます。いっぱい持ってきたので。」
「いいのぉ!?ありがと〜!」
才子ちゃんから紅茶も受け取る。えへへ……楽しみ増えちゃった。
「流水さん……私寂しいです。」
「被身子ちゃん。またお家でね?もしかしたら顔出せるかもだから……その時はよろしくね。」
「……はい。」
被身子ちゃんがしょぼんとしちゃった…………もう。しょうがないなぁ。
被身子ちゃんの頬に軽く口付け。
「え?」
「今はこれで我慢してね?」
「…………〜〜!!っはい!!」
笑顔に戻ったね!被身子ちゃんは笑顔が1番似合ってるんだから!
さて
……日巡璃ちゃん。こんなところじゃ躓けないよね?
「そろそろポイント取りに行こっか。皆。」