side槍田日巡璃
「周りの人からの変な視線が気になる?」
「……うん。実はね…………」
昼休み。流水おねーさんに相談しに保健室に来た。こんなの相談出来るのおねーさんしかいない。
「……なるほどねぇ。ネットニュースのコメントが……」
「うん……なんか……モヤモヤしちゃって……」
「……ふーん。」
おねーさんが件のネットニュースのコメント欄を目で追ってる。なんか……少しづつ目線と顔が怖くなっていってる気がする。
「…………おねーさん?」
「本当にどうしようもない変態ばっかりね。…………ハァ。ホント寮生活で良かったわね。日巡璃ちゃん。」
「……え?」
「最悪ストーカーとか有り得るから。……そんなことしたら私が絶対に許さないけど。」
「ストーカー…………」
背筋が凍った。
「え……だって……そんなの……私がストーカー?されるってこと??」
「日巡璃ちゃん。信じれないかもしれないけど、これが世間の反応よ。」
パソコンの画面をこちらに見せてくれる。昨日より多いコメント。私の容姿に言及してるものが多い。
「…………」
「あなたは世間共通で魅力的な女性なの。変なファンが着いてしまう可能性があるくらいに……ね?」
「…………わかった。」
そろそろ自覚……は難しいけど理解はしておかないといけない。
ストーカーなんて……被害は私だけじゃない可能性もある。私と一緒にいる子も被害にあおうものなら……私は自分が許せなくなる。
「……怖いよ。」
カナが。天捻ちゃんが。愛ちゃんが。佳舞ちゃんが。もし変な人に手を出されたなんて分かったら……私どうなっちゃうか分からない。
「そうねぇ……日巡璃ちゃん。もし……雄英を卒業するなり、何かしらの理由で寮から出ることになったら言って?」
「……?」
「私が家建ててあげる。」
「………………はぇ?」
おねーさん??何言ってるの??家を建ててあげる……??
「それが学生中だったり、まだ給料が貰えない状態だったり……お金が払えるようになるまで家賃やその他諸々のお金も任せて欲しい。」
「……?……??」
理解が追いつかない。何言ってるのこの人??
「私の知り合いに腕のいい建設業の社長さんがいてね。その人に頼んで防犯設備バッチリのお家建ててもらうから。今のうちに土地も確保しておこうかしら。駅から近すぎず遠すぎず近場にスーパーがある場所がいいわよね〜♪あとそれと……これと……」
おねーさんがカタカタパソコンを軽快に叩き始めた。
「え?……えと……それおねーさんになんのメリットも……」
「日巡璃ちゃんが可愛いからよ。言ったじゃない。私は日巡璃ちゃんの親代わりとしてここに居るって。」
「……!!」
「娘の身の危険を守るのも……親の役目でしょ?少しでも返したいなら出世払いでいいから♪」
「……おねーさん!ありがとう!!」
おねーさん……本当にかっこいいなぁ!私……またおねーさんに恩ができちゃった。返せないくらいの大きな恩。
立派なヒーローになって……少しづつでもいいから返すんだ。おねーさんに頼られるような立派なヒーローになって。
「うふふ。それより……私はこんな変なネット記事書いたやつにお話してこなきゃいけないわね。」
「……??」
「こっちの話しよ〜♪」
「……そっか。」
顔が怖いよ??
「日巡璃!これが新コスチュームだ!!」
「おぉ!」
放課後は工房に。佳舞ちゃん達がわたしを待っていた。
昨日の今日なんだけど???
見せてくれたのはレオタード。それと前のコスチュームできていたブーツサンダルと、足とお尻を出しすぎないようなホットパンツも。首周りには……なんだろあれ?角の装飾。
「おぉ……なんか前よりカジュアルって感じだね?」
「ああ。日巡璃の露出を抑えすぎず、ボディラインを出しすぎないようにした。それでも気になるようなら簡易的だがマントも用意した。」
佳舞ちゃんがマントを取り出して、肩にパチパチとくっつける。腕周りと前だけが綺麗に隠れる腰丈のマントに。背中は空いてるのがいいね!
「いいじゃん!かっこいい!!」
「当然だ。デザインを何度も練り直したからな!」
「納得いくデザインになったわ。」
「足は……出しすぎな気もしますが……」
「…………ふぁ……。」
「……え?」
…………ん??あくび??
「ごめんだけど……みんな昨日何時まで起きてたの?」
私あの後お風呂入って速攻寝ちゃったから……みんなのことまで知らないというか……
「ふぁ……何時くらいかしら。」
「2時とか……3時なのは……覚えてる……」
「私もそれくらいです。」
「私は寝てないぞ!」
「……え??」
みんな何してるの???
ふーん?
私のことあれだけ心配してたのに?自分のことになっちゃうとどうでもいいんだ?
「…………そっか。私の事なら自分の身体なんてどうでもいいって思ってるんだ。ふーん??」
「「「「あ……」」」」
みんなが逃げ出した。
「……逃がさないけどね??今日は今から一緒に寝ようね〜♪」
私も走り出す。
まず1人。
「それはありがたい提案だけど!!迎えがあるから!!」
「うふふ〜♪荒谷さんには連絡しておくからね〜♪」
2人。
「ひまひま!ごめんね!今日は寝るから!でも!宿題が多くて!!」
「明日の朝早く起きればいいよね?手伝ってあげるからね♪」
3人。
「お嬢様!申し訳ありません!謝りますのでどうか!!今日は買い物にいかなければ!足りないものが……!」
「愛ちゃんがそんな凡ミスするはずないよね〜♪」
4人。
「待ってくれ日巡璃!!まだ衣装の調節が……!!」
「明日明日♪一緒に寝ようね♪」
全員確保。
「じゃあ一緒に私のお部屋行こうね♪」
「「「「うわあああ……」」」」
強制連行。逃がしはしないよ♡
皆で寝るの初めてだよね♪